神奈川県の漁業について

掲載日:2020年12月18日

神奈川県の漁業の概要

 神奈川県は、東京湾と相模湾という性質の異なる二つの海に面し、様々な漁業が営まれています。

 神奈川県の漁業生産量は約2万9千トン(平成30年)で、沿岸漁業が約38%、沖合漁業が約1%、遠洋漁業が約57%、養殖が約4%となっています。

 神奈川県の漁業生産量(平成30年)

 

神奈川県で行われている主な漁業種類

沿岸漁業

 沿岸漁業は、陸から近い海域で行われる漁業で、基本的に日帰りでの操業となります。

  • 定置網(ていちあみ)

 本県沿岸漁業の生産量の約6割を占める、本県の基幹漁業です。特定の場所に恒常的に網を張っておき、中に入った魚を漁獲するものです。沿岸漁業の中では規模が大きく、10人から20人程度の人手を要することから、県内でも求人情報がよく出る漁業です。三浦半島から相模湾地域に多くあります。定置網に関する詳しい情報についてはこちら(水産技術センター相模湾試験場ホームページ)を御覧ください。

 定置網の操業風景

 写真:定置網の操業風景

 

  • 小型機船底びき網(こがたきせんそこびきあみ)

 船尾から網を下ろして低速で航行して網を引き、主に底層の魚介類を漁獲する漁法です。本県では東京湾で行われています。1人から3人程度で操業されます。

 小型機船底びき網

 写真:小型機船底びき網

 

  • まき網(まきあみ)

 魚群を取り囲むように網を投入し、網を絞って漁獲します。積極的に魚群を探すタイプの漁業です。

 

  • しらす船びき網(しらすふなびきあみ)

 イワシ類の子どもである「しらす」を専門に漁獲する漁業です。魚群を探索し、網を投入し、漁獲します。本県のしらす船びき網漁業は、加工から販売まで一貫して漁業者が自ら行っていることが特徴です。

 しらす船びき網

 図:しらす船びき網

 

  • 刺網(さしあみ)

 魚の通り道にカーテンのように網を設置し、魚を絡め取る漁法です。1人から3人程度で操業されます。漁師として独立を目指す場合には、この刺網を入口として少しずつ漁業種類を広げていくパターンが多いです。

 刺網

 図:刺網

 

  • 採介藻(さいかいそう)

 貝類やイセエビ、海藻などをとる漁業です。船の上から箱メガネで海中をのぞき、鎌やフックの付いた長い竿で漁獲する「覗突き(みづき)漁業」や、潜水器を用いずに素潜りで漁獲する「裸潜り(はだかもぐり)漁業」があります。

 覗突き漁

 写真:覗突き漁

 

  • たこつぼ・たこかご

 専用の箱(つぼ)やかごに餌を入れ海底に沈めておき、中に入ったタコを漁獲する漁法です。

 たこつぼ(イメージ)

 写真:たこつぼ(イメージ)

 

沖合漁業

 1回の操業が2,3日から1週間くらいです。本県の沖合漁業は、主に伊豆諸島周辺や四国沖などを漁場としてキンメダイを漁獲しています。

  • 底立てはえ縄(そこだてはえなわ)

 長い幹縄にたくさんの枝針を付け、海底付近まで下ろしてキンメダイを狙います。

 

遠洋漁業

 日本から遠く離れ、太平洋、大西洋、インド洋など世界中の海で操業します。1回の航海は数ヶ月から1年以上に及びます。神奈川県では、三浦市の三崎漁港が遠洋漁業の基地としての機能を持っており、ここを拠点に世界の海へ出港します。

  • まぐろはえ縄(まぐろはえなわ)

 「幹縄」に針と餌を付けた「枝縄」を付けた仕掛けを投入し、まぐろを釣る漁法です。幹縄の長さは約150km、枝縄の本数は約3,000本に及びます。投縄だけで数時間、揚縄には十数時間を要する漁業です。

 

ある漁師の1日

 ある定置網の乗組員の一日の流れを聞きました。

 2時00分  漁港に集合

 2時20分  出港

 2時50分  漁場(定置網)に到着

        網締め(網を揚げて魚を取り上げる作業)

 4時00分  網締め終了

 4時30分  帰港

        魚市場へ水揚げ、選別・出荷作業

 6時00分  朝食

        翌日の仕込み、網の補修作業

 12時00分 終業、解散

 上記は相模湾地区の定置網の一例です。魚が多ければ網締めの時間も長くなり、網の損傷が多かった場合は夕方近くまで補修作業をすることもあります。