更新日:2023年5月2日

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第5回レポート

カナカモミール

今回のインタビューは、県保健福祉事務所に所属する母子・父子自立支援員さんにひとり親の方の相談についてお話をうかがいました! 

「母子・父子自立支援員」は、ひとり親家庭の方を対象として、主に仕事や子育てなど、生活上の様々な相談に応じ、その方が利用できる制度の紹介やアドバイスをしています。

保健福祉事務所にいる母子・父子自立支援員について

  • こちらはどのような方が相談にいらっしゃるのでしょうか?

(支援員さん)「既にひとり親である方や、離婚等でこれからひとり親になる可能性のある方などです。行政窓口にある県のパンフレット『ひとり親家庭のみなさんへ』や県のホームページを見て、お電話をいただいたり、来訪されたりしています。」

第5回レポート写真1
  • どのような相談が多いのでしょうか?

「若い方の場合は、これからひとり親になり、お子さんを育てていくことへの不安についての相談が多いですね。
一方で、お子さんが高校や大学へ進学される時期の親御さんの場合は、入学金や学費など教育費のご相談が多いです。」

  • そのような方へ、どのような対応をされているのでしょうか?

「ていねいにお話を伺い、その方の求めている情報や質問に、確実にお答えするよう心がけています。
離婚のご相談の際には、お子さんの親権や養育費などの整理が大事になってきますので、専門的な相談のできる法テラスの法律相談や養育費相談支援センターなどをご紹介します。
離婚後の方には、お子さんがいる場合に支給される児童扶養手当や、保育園など子どもの預け先について、また、求職中の方には、資格取得やその費用に関する制度など、相談内容に応じて利用できる制度などをご紹介しています。」

「ひとり親の方を応援するさまざまな制度がありますが、まず、その情報を入手することが大事です。」

  • ひとり親のご家庭となった時には、経済的な不安を持つ場合が多いと思いますが。

「はい。お子さんを一人で育てていくためにどれだけ費用がかかるか、就労も含めてどのように生計を立てるかを一緒に考えながらサポートしていきます。行政の様々な制度を具体的にご紹介しています。
そこから実際の就労に結びつく例も多くあります。例えば看護師資格をとるための様々な支援制度についてご案内し、それらの制度を利用して、実際に看護師になられた方もいます。」

「具体的には、看護学校へ通う間の生活費については高等職業訓練促進給付金、学費については、雇用保険に入っている方が対象ですがハローワークなどの専門実践教育訓練給付金など、『生活していくための給付金』と『学ぶための給付金』などをそれぞれご紹介し、活用いただいています。」

  • ほかの資格取得では制度を活用できるのでしょうか?

「社会福祉士、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士などのいろいろな資格取得で活用できます。
介護の分野では、介護職員初任者研修や実務者研修などの資格取得において、母子家庭等自立支援教育訓練給付金などを利用できる場合があります。それらの制度を使っていただくことで、自己負担額を少なくすることができるのです。」

  • きちんと収入を得られる手段を持つことは、経済的な面に加え、精神的な面でもよいのでしょうね?

「そうですね。多くのひとり親の方が既に仕事を持ち頑張っていらっしゃるのですが、パートや契約社員として働いているため収入的には不安定なことが多いです。
そこで、資格の取得によって手に職をつけて経済的な安定を得るということで、生活の不安はずっと少なくなるのではないでしょうか。」

「ご紹介している様々な制度は毎年内容が少しずつ変更されていくことがあります。私たち自身も日々研さんし、最新の情報を把握してひとり親の方へ提供できるよう努めています。」

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具体的な支援の事例

  • 印象的な相談を教えていただけませんか?

「はい。看護師の国家試験の合格発表後にご報告にいらっしゃった相談者の方がいました。現役の若い方とともに学び、試験を受けるためにとても努力をされた様子で、合格の喜びを共有でき、大変うれしく思いました。
また、最近は外国籍の相談者の方も多くなっています。離婚相談をしながら、涙を流されていた方もおりました。そのような場合には、ご本人の不安な気持ちを受け止めながら、なるべく具体的な支援について、わかりやすくお伝えするようにしています。」

「ひとり親の方は日々の仕事や家事でお忙しい方が多く、お仕事の合間に時間を割いて電話で相談をされることもあります。私たちは単に話を聞くだけではなく、その方の事情に応じて、必要となる支援制度とその申請方法を含めて、正確な情報を具体的にお伝えするよう心がけています。
心配なことがあるとき、不安なときなど、ぜひご相談ください。」

インタビューで紹介した支援制度

  • 母子・父子自立支援員

ひとり親家庭の方を対象として、主に仕事や子育てなど、生活上の様々な相談に応じ、その方が利用できる制度の紹介やアドバイスをしています。

  • 日本司法支援センター法テラス

お問い合わせの内容に合わせて、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を法テラス・サポートダイヤルや全国の法テラス地方事務所にて、無料でご案内しています。

  • 養育費相談支援センター

養育費と面会交流について電話やメールによる御相談をお受けしています。

  • 母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業
  1. 自立支援教育訓練給付金
    ひとり親家庭の親が、給付金の対象となる教育訓練を受講し、修了した場合、自立支援教育訓練給付金が支給されます。

  2. 高等職業訓練促進給付金等事業
    ひとり親家庭の親が、看護師や介護福祉士等の資格取得のため、1年以上養成機関で修学する場合に、修学期間中の生活費負担を軽減するために、高等職業訓練促進給付金が支給されます。修了後に、高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。

  • 専門実践教育訓練給付金

厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を自己負担で受講したときに、一部ハローワークから給付金の支給を受けられるという制度です。教育訓練の受講にかかる費用負担を軽くすることにより、知識・スキルの習得や、資格の取得を通じたキャリアアップを支援するものです。

  • 今回のインタビューは県の保健福祉事務所の母子・父子自立支援員を対象として実施しています。市によっては母子・父子自立支援員による支援の内容が一部異なります。
  • 各種制度の説明については、平成31年3月時点の内容となっていますので、ご利用の際は最新の情報をご確認ください。

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