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更新日:2023年5月9日

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第7回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

平成25年1月24日(木曜)に開催された、第7回黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川の実施結果についてご覧いただけます。

概要

第7回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

テーマ 高齢者のパワーをどう生かしていくのか -多様なニーズに応える、活き活き高齢社会を-
日時 平成25年1月24日(木曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 100名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。





実施結果(テキスト版)

知事

こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。

ようこそ県庁へいらっしゃいました。この県民との対話の広場、なるべく私自身が直接県民の皆さんと生で話をしながら、そこで頂いた御意見をそのまま県政に反映したい。そういう思いで、就任以来、定期的に続けているものであります。

これまでも、ここで出た御提案をそのまますぐに政策に反映したこともあります。そういった意味で、今日は思いの丈をぶつけてください。

今日のテーマは高齢社会であります。高齢者の力をどんなふうに生かしていけばいいのかなといったあたりのお話をさせていただきたいと思います。また、高齢者の話に、高校生の皆さんも来てくださっているということ、これは本当に心強いことだなと思っています。是非皆さんも発言してください。

そして、この模様は、ここにいらっしゃっている方は百数十人でありますけれども、ネットで全世界に向けて中継されています。いろいろな所で御覧になっている方が、Twitterでこちらに御意見を寄せていただければ、そのままこちらに反映させていきたいと考えています。

ということで、今日は皆さんとお話をする前に、まずは県の事務局から、現状を御説明いたします。

その後に、素晴らしいゲストをお迎えしております。

そのゲストの方から、プレゼンテーションしていただきます。

最初にプレゼンテーションしていただきますのは、久常 節子(ひさつね せつこ)さん。前の日本看護協会の会長でありまして、日本の看護界では知らぬ人はいないという、大変な大物であります。看護の立場から、いろいろな素晴らしいお話が聞けると思います。

それから、地域の中でいろいろな活動をなさっている方がいらっしゃいます。今日来ていただいていますのは、葉山町社会福祉協議会の山下 淳(やました すなお)さん。

それと、葉山町の堀内地区小地域福祉活動懇話会会長の三橋 政昭(みつはし まさあき)さんであります。

後でプレゼンテーションしていただきまして、それを基に皆さんと共に議論を深めていきたいと思っているところであります。

今日、私は知事であると同時に、半分キャスターに戻ります。私が進行してまいりますから、どんどん手を挙げて意見をお願いしたいと思います。

それでは最初に、高齢社会として、県は今どういう状況になっているのかということを、事務局から説明させます。

お願いします。

高齢福祉課長

高齢者のパワーをどう生かしていくのか、多様なニーズに応える活き活き高齢社会をと、まずテーマに沿って、御説明をさせていただきます。

私は、高齢福祉課長を務めております、小島といいます。

どうぞよろしくお願いいたします。

お手元に配付しております、A3版の資料(神奈川県からの説明資料[PDFファイル/665KB](A3))を御覧いただきたいと思います。

それではまず、神奈川県における高齢者を取り巻く状況についてでありますが、本県の特色としては、高齢者の急速な増加が挙げられます。

人口ピラミッドのグラフの中央に、平成22年、2010年に実施されました、国勢調査の状況でございますが、本県の総人口は904万8,000人でございまして、東京都に次いで、全国第2位となっております。

また、65歳以上の高齢者は、グラフの上部、色の濃い部分でありますが、全国の高齢化率が23.0パーセントに対しまして、本県は20.2パーセントと、沖縄県に次いで低く、47都道府県の中では全国第46位となっております。

これは戦後生まれの、いわゆる団塊の世代の方々が、地方から流入してきたこと、などが要因として考えられております。

この結果、人口構造でございますが、グラフの下に示しますとおり、高齢者1人を若い世代の方々が3.1人で支えている形となり、いわゆる騎馬戦型となっております。

昭和50年時の11.9人の胴上げ型から比べましても、急速な少子高齢化となってございます。

こうした状況は、この2、3年で、団塊の世代が65歳以上となりまして、さらに加速し、約20年後の2035年には約1.7人の若い世代の方々で高齢者1人を支える、そうした状況が見込まれてございます。

中でも、神奈川、埼玉、千葉、この3県が高齢者の増加率におきましてはトップレベルとなってございます。

次に真ん中の介護・医療関係費の増大でございます。

このグラフにつきましては、県が進めております、緊急財政対策の背景として説明しているものでございます。

介護・措置・医療等の関係費は、制度がほぼ今の形となった平成17年度と比較いたしましても、7年間で約2倍と増加してございます。

一方、県税収入でございますが、19年度に1兆2,000億円となったものの、20年秋のリーマンショック以降は景気が後退いたしまして、24年度は、1兆円を切り、17年度と同じ規模と、極めて非常に厳しい状況にございます。

このままでは、県の借金である県債の償還に当てる公債費など、どうしても支払わなければならない義務的経費すら、県税収入で賄えない、危機的な財政状況に陥ることが予想されております。

ただ、現状におきましても、一番下にございますように、元気な高齢者は、高齢者人口の約85パーセントと、大多数を占めてございまして、今後は一人でも多くの方が、医療や介護に頼らず、健康で長生きできることが重要であると考えています。

そこで、取り組むべき課題といたしましては、健康寿命の延伸に向けたアプローチでございます。

健康寿命というのは、健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間を言います。

神奈川県は、男性で70.90歳、女性で74.36歳と、全国で比較いたしますと、12位と13位でございますが、これを1歳延ばしますと日本一、トップとなります。

また、高齢者をこれまでのような弱者としてとらえるのではなく、高齢者が培ってこられた経験や知識を生かして社会の担い手となるよう、高齢者マンパワーの活用や、若者から高齢者までの多世代が安心して暮らせるまちづくりを進めることも重要な課題であると受け止めております。

このテーマに即した、神奈川県の高齢者の健康・生きがいづくりの取組みについて、御説明をさせていただきます。

この資料の一番右側でございます。

まず、1月7日に公表いたしました、「神奈川全開!宣言2013」の一つでございます、「いのち全開宣言」として、健康寿命日本一を目指す取組みでございます。

まず「『食』を通じた健康づくり」では、医食農同源を身近にするため、健康食材の普及として、県産食材の機能性をいかした様々なPRを実施いたします。

また、健康食生活の実践では、健康セミナーの開催や、健康メニューの提供などを通じて、「医食農同源」の全県的なムーブメントを喚起してまいります。

健康ツーリズムの推進では、農業体験や、癒しをテーマとした観光メニューを開発します。

さらに、未病を治す漢方の普及として、病気になる一歩手前の状態である未病をチェックし、漢方を生かした健康づくりを推進いたします。

また、「『地域』からの健康づくり」では、地域が主体となった取組みを推進するため、介護予防体操の全県展開に向け、県と市町村が連携し、健康体操やダンス、各種講座などの新たな取組みを募集し、体操のインストラクターやアドバイザーを派遣するなどしまして、全県で取り組んでまいります。

さらに「保健師パワーフル活用」では、県の保健師を市町村へ派遣し、市町村と一体となった、先導的なモデル事業の展開や、生活習慣病の予防効果を見える化してまいります。

次に、高齢者パワーの全開としては、「社会参画の推進」として、老人クラブやボランティア活動などの社会参画活動や就業、起業に対する支援を行っております。

また、「生涯学習・生涯スポーツの推進」では、健康体力づくり運動として、3033運動、これは1日30分、週3回、3か月継続して取り組む運動習慣を身に付ける運動でございます。

こうした運動の推進や、神奈川シニアフェスタとして、スポーツや文化の祭典を実施しております。

最後に、「安全・安心な地域づくり」として、若者から高齢者まで、多世代の方々が近くに居住するまちづくりや、バリアフリーのまちづくりに取り組みますとともに、事故や犯罪の被害者も、高齢者が多くなってきている現状がございますので、交通安全や防犯教室の開催、あるいは消費生活相談などを実施しているところでございます。

以上、雑ぱくではございますが、説明を終わらせていただきます。

知事

皆さん、この人口動態のグラフをもう一回よく見てください。これが直面する一番大きな課題ですね。高齢化があっという間に進んでいくんです。

今これを見ると不思議なぐらいですね。1975年のグラフを見てください。90歳以上の方はほとんどいらっしゃらないですね。それがどんどんどんどん増えていらっしゃいます。それだけ高齢化が進むということは、皆さんが長生きできるということ。これはとってもいいことですよね。

いいことだけれども、皆さんが元気で、いのち輝くようになるためには何が必要なのかといったこと、これをこれから議論していきたいと思います。

それでは久常さん、よろしくお願いしたいと思います。

久常節子氏(国際医療福祉大学大学院副大学院長/前公益社団法人日本看護協会会長)

皆さんこんばんは。久常節子でございます。よろしくお願いいたします。

黒岩知事は、「いのち全開宣言」の中で、健康寿命日本一を目指すと先程もおっしゃっていました。この「いのち全開」というような発想は、普通出てこない。さすが黒岩知事だと実感いたしました。

知事は健康寿命日本一を目指すというようにおっしゃっております。健康寿命は、日本は世界一でございますので、もし神奈川県が日本一を目指すなら、これは日本一じゃなくて世界一になるということじゃないかなと思います。

健康寿命というのは、健康で自立して生活ができる期間のことを言うそうですけれども、私はこの健康寿命が非常に重要だと思います。

ほかに寿命には平均寿命というのがあります。

神奈川県の平均寿命は、男性が80.36歳、女性が86.74歳ですから、健康寿命と平均寿命の間には約10年間の期間があるわけですよね。

この期間をどのように生きていくかということで、私の資料があります。

この資料の下の図から御説明したいと思いますけれども、この資料は秋山先生(秋山弘子氏・東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)、今日お越しになっていらっしゃいますけれども、秋山先生がつくられた資料で、私は非常に重要な資料だと思っております。

自立度の変化パターン、きょうは男性の方がきっと多いだろうと思って、男性を中心にしました。20年前からの調査だそうです。

自立度が亡くなる寸前まで非常に高い方は、2010年で約1割です。

そして、70パーセントの方は72、3歳ですかね、その辺りからずっと落ちてきますよね。

そして、あとの2割の方はもっと早くからグンと落ちてきます。

寿命がいくら長くても、長い期間が健康寿命でなければ、あまり楽しい話ではありません。

私としましては、この1割の方々を目指したいなと思っております。

上の図は、新しい老化モデルというそうですけれども、これも私は秋山先生たちが対談なさっているILC(InternationalLongevityCenter/国際長寿センター)の雑誌から使わせていただいております。

このモデル、非常に気に入っております。

新しい老化モデルでは、死ぬ2年ぐらい前まではずっと自立して生活ができる。

そして、2年間ぐらいはやはり介護サービスや、あるいは訪問看護なんかをお世話いただきながら亡くなっていく。

しかし、その2年間以前の時間は自立してやっていける。

私はそういう生活、そういう死に方をしたいなと思っております。

これを目指すには、現在の75歳の健康状態というのは、20年前の65歳と大体同じ状況だそうです。同じ状況というのは、歩くスピードや、握る力や、日常生活を送るための健康度というのが大幅に、10年間の間にアップしてきているわけですよね。

だから、20年前の75歳と今の65歳が同じぐらいだ。そのためには、やはり退職したら余生、悠々自適というやり方はやめた方がいいよというようなことが書かれていました。体を動かさないと、脳とか筋肉がすぐ落ちてしまう。

だから、できれば、退職なさったら有償・無償にかかわらず、外に出て人と交わって、何か活動すること。それが非常に大事だなと思います。

そのためには生活習慣病の予防が必要です。

生活習慣病って皆さん御存じだと思いますけれども、肥満や血圧、コレステロール、中性脂肪や血糖値などのことが話題になります。

皆さんの中にも少し前から血圧が少し上がり始めたとか、コレステロールが高いとか言われている方がいらっしゃると思いますけれども、これが問題なのは、口の中に入れたものと、使うエネルギーとの差ですよね。

それで入れる方が多くて、使わないとたまっていって、血管をいろいろ邪魔する。その結果いろんな障害が起こってくるわけです。

例えば血圧が高くなったら脳梗塞を起こしたり、あるいは脳卒中を起こしたり。血糖値が高くなれば糖尿病から合併症として透析になったり、目が見えなくなったり。

だから、そういうことがないようにしないと。そうであれば、先程の上の図の従来モデルというか、あるいは下の図で言えば自立度が60歳代から下がっていく19パーセントというような形になってくるわけですよね。ここにはなりたくないですね。

しかし、生活習慣病の予防というのは非常に難しいです。痛かったり、辛かったりすれば、人間一生懸命、それを何とか解決しようと思いますけれども、ちっとも痛くないし、辛くない。そして、働いているときは飲んだり食べたり、宴会したりしますよね。やっぱりそういう機会も懐かしいですし、そういうことが今までの習慣になっていますから、ついそうなっちゃう。そうなっていくと積み重なっていって、例えば45歳ぐらいに血圧が高いよって言われていたけれども、忙しいからそんなこと気にできなくてずっとやってきた。そして、退職近くになって脳梗塞を起こしたり、いろんなことが起こってくる。そういうことで、この生活習慣病の問題は、一つは悪化していても痛くもかゆくもないということ。ですから、予防も難しいけれど是非、真っ直ぐ行ってポトンと下りる、そういう生き方をするためにこの予防に取り組みたい。一人で取り組むのはなかなか難しいです。そしてまた、生活習慣を変えるといっても、決断していろいろやってみますけれども、なかなかそれが続かない。新しい生活習慣にそれを持っていくということはなかなか難しいです。

私は今、神奈川県でいくつかの市町村、この4月からですけれども、市町村で、そういう危険性のある人たちが集まって、大人の勉強会をしたいなと思っているんです。大人の勉強会というのは、いろいろこれをしてはいけません、あれをしてはいけませんと言われて何とかするのではなくて、自分の生活の中で何が主犯でこういうふうになってきているのかなということをみんなで発見して、そしてそれを変えていく。そして続けていく。そうしたら本当に血圧は下がるのか、血糖値はどうなるのか、自分の体を実験にした、面白い勉強なんですよね。

そして、その結果として、例えばお薬飲んでいる人も、お薬の量が少なくなったり、あるいはお薬飲まなくてよくなったりしていけば、どんどんその危険性から離れていくわけですので、そういうグループを作って、一人ではなくて、何人か、10人、20人の人たちと一緒になって、自分の生活を変えていき、そして最後は新しい老化モデル、終末低下モデルというのをみんなで具体化していきたいなということで、これから取組みを始めようと思っています。

是非、該当する方は御一緒に。楽しくて続く、そしてそれも趣味の一つにしていただけばいいかもしれませんけれども、そういうグループに参加していただければありがたいなと思っております。

よろしくお願いいたします。

知事

ありがとうございました。

久常さんという方は元々、日本の保健師の中の保健師と言われた人なんですね。

今、大人の勉強会とありましたけれども、これはいわゆる保健師活動ということだと思います。

その具体的な話は、また議論を深めながら、聞いていきたいと思います。

今の話にもありましたけれども、病気にならないようにしていくということは、大事なことですけれども、それとともにやはり生きがいを持って生きるという、それもとっても大事なことですよね。

そのあたりのお話を実践していただいております山下淳さんと三橋政昭さん、よろしくお願いします。

山下淳氏(社会福祉法人葉山町社会福祉協議会職員)

こんばんは。

ただ今御紹介いただきました、葉山町社会福祉協議会の山下と申します。

今日はよろしくお願いいたします。

社会福祉協議会は、住民主体の福祉活動の活性化を中心に、地域福祉を推進する民間の団体で、私が担当している地域部門は、大きく分けて二つの取組みを行っています。

一つは、ボランティアに関する相談と、ボランティアの登録や斡旋、育成を行うボランティアセンター、もう一つは、約1,000世帯のエリアを対象として、地域の住民の方や、各種団体が地縁で進めていく、小地域福祉活動というものです。

葉山町は人口約3万4,000人という小さな町なのですが、ヨットやウインドサーフィンなど、マリンスポーツが有名なので、若い方が多いんじゃないかなと思われるかもしれないんですが、実は高齢化率、65歳以上の方の割合が28パーセントを越えている、高齢者の多い町です。そして、今日御紹介する堀内地区は、海岸沿いから山沿いにかけて、約3,500世帯の地域で、12の町内会のある地域です。

社会福祉協議会では、最近御高齢の方から、話し相手がほしいとか、それからうつ病、特にサラリーマンOBの方が、会社を辞めた喪失感などが原因となってうつ病になって、相談に来られる方が目立ってくるようになりました。お医者さんの勧めなどで、ボランティア活動がしたいということで、ボランティア先を探しにみえるということです。こういった方々の症状を配慮いたしますと、実際にはなかなかこの活動を見つけられないというのが現状です。現役時代、地域とかかわるチャンスが少なくて、いざ定年を迎えると、職場の人間関係や役割というものが一気に無くなってしまいまして、誰が何をしているのか、さっぱりわからない地域で暮らし続けるというようなことになります。

次に、堀内地区につきましては、配付資料(ゲスト発表資料(山下淳氏・三橋政昭氏)[PDFファイル/622KB](A4))の方に設立の経緯などが載っていますけれども、平成21年に、社会福祉協議会と堀内地区の住民の方々で組織づくりの話し合いを始めました。平成22年度には、町内会連合会というのがあるんですが、こちらが小地域福祉活動を研究課題にしたということで、これがきっかけになりまして、一気に組織化のスピードが上がりました。堀内地区の12町内会が中心となりまして、平成24年4月に、小地域福祉活動の中核となる、堀内地区小地域福祉活動懇話会が誕生しました。その代表が今日一緒に参加している三橋会長なんですけれども、三橋会長は、町内会を退きまして、懇話会の活動に専念されています。また、堀内の12名の会長さんは非常に個性豊かで熱心な方ばかりなんです。懇話会では、困っている人を支えたいという思いから、「たすけ愛隊」という名前の、30分300円という生活支援の活動を最初の活動とすることを決めました。

昨年の9月にスタートいたしまして、こういった活動は、やはり熱心な、活動に専念できる方、そういった方が活動を支えています。社会福祉協議会は、設立の準備段階から、地域の主体性を尊重して、組織づくりや活動のお手伝いをしています。有償の活動とはいえ、活動にはそれなりのお金がかかるということで、住民の皆様から頂いている会費ですとか寄付金、初年度で約40万円強の支援を行いました。

また、「たすけ愛隊」で福祉相談を受けるということは、ある程度の知識や技術というのが必要になってきます。定期的に検討会というのを開催して、社会福祉協議会の職員と「たすけ愛隊」のメンバーが一緒に考える体制というのをつくりました。

これ以外に、広報誌等による活動の周知なども協力させていただいています。ある熱心な町内会長さんが、ちょっと興味深いことをおっしゃっていました。

「自分が元気でい続けるには、気が向いたときにできる活動ではなく、仕事をしていたときと同じような役割と責任が必要なんだ。」いつまでも元気で暮らし続けるには、身体的な健康だけでなく、誰かと会えて、役割がある、心の居場所が必要になってくるのではないかと思います。

深刻化する生活の孤立に向けて、法的制度では限界があります。堀内地区で行われているような小地域福祉活動は、今後ますます重要になってくると思います。

活動が活性化すれば、人材が必要になります。例えば、会計は元銀行員、人集めは元営業マン、福祉相談は元ケースワーカーなど、経験豊富な高齢者の方々をどう探し出すか、これからの活動活性化の鍵になるのではないかと思います。

ありがとうございました。

きょうは実際に第一線で活動している、懇話会の三橋さんが同席していますので、ちょっと補足の方をお願いしたいと思います。

三橋政昭氏(堀内地区小地域福祉活動懇話会会長)

皆さんこんばんは、今御紹介にあずかりました三橋です。

私自身も、サラリーマンを退職しまして約10年、今年70歳を迎えます。若い時に我々が70歳の方を見ると、高齢者だなという実感がわきましたが、実際私がその年になったときに、70歳である、高齢者であるという自覚は全くございません。これ何か不思議でしょうがないんですけれど。

退職後に町内会活動、それから父親を家内が12年間介護していました部分の最後の方の3年ほど介護をしました。それからボランティア活動と、ちょっと技術がありましたので日曜大工等を行っておりました。

町内会活動の中で、社会福祉協議会の小地域福祉活動推進委員というものに5年間携わりまして、それが縁で、今回立ち上がりました、神奈川県の葉山町にあります堀内地区小地域福祉活動懇話会の会長職を仰せつかっております。

弱者に対する対応は、どこの行政も、完全ではございません。自立している人、それから一人暮らしの方が途方に暮れることが多くあると思います。私自身も、介護保険がまだ行われてない時の父親の介護を見て、最後は介護保険等がありましたので、だいぶ楽だったんですけれど、それから義理の母の認知症の介護の経験を生かしました。やっぱり健常者は、弱者に対して愛の手をさしのべる必要を実感いたしました。これらの経験を生かして、「たすけ愛隊」の活動を広めたいと思っています。

堀内の「たすけ愛隊」の活動としては、家事援助、話し相手、生活支援、外出支援等の活動を行っております。利用者からは、感謝の言葉をいただき、支援者として支援をしたことが大変よかったなと実感しております。

葉山町の堀内に12町内会の会長さんがおりまして、支援者の方では、今いる12町内会の会長さん、それから私みたいに会長を退いたOBの方、それから一般町民のボランティアの方で、31名で現在構成しております。皆さんのお手元の資料には29名ということで書かれておりますが、その後2名の追加がありまして、現在31名で構成しています。支援者の方々が言う言葉として、「いずれお世話になるので、今元気のうちに助けたい」と、非常にありがたいお言葉をいただいております。

堀内全体の世帯数は、町内会加盟者で3,500世帯です。

資金面に関しては、社会福祉協議会の助成金で運営しております。利用者は、30分300円の利用券を事前に購入していただきまして、支援者が支援した時間によって、その利用券を回収するシステムです。

昨年の9月から開始しまして、一応私の予想していたとおりの支援活動の数に入っております。助け合いの心を持って、町内会の絆が深まることを願っております。

本日はよろしくお願いします。

知事

ありがとうございました。

ここから皆さんとの対話が、いよいよ始まります。皆さんからの発言があってこそ、議論が回っていきます。いろいろなことをお話しいただきたいと思います。

生活習慣病、これを改善することによって、健康寿命日本一を目指すと、大きな目標を掲げました。老人になれば、病気になりやすくなるというのはあるんですよね、基本的には。免疫力が下がってくるということがありますから、病気になりやすくなるということは間違いないんでしょう。

今どうでしょうか。御老人の方で病院に通ってらっしゃる方は、たった一つの病気じゃなくて、いろんな病気抱えてらっしゃる。薬もこんないっぱい持ってらっしゃって、毎日毎日御飯食べた後にいっぱい薬を飲んでいる、こういう状況。

こういう状況がずっと続いて、さっきのグラフを見ていただいいたように、高齢者がどんどんどんどん増えていって、みんながたくさん薬を飲んだら、どれだけ医療費が膨らんでいくのか。それをみんなで支えることができるのかといったときに、やはり病気にならないようにしていくことが大切です。

生活習慣病という言葉は、確か日野原重明先生が提唱されたんですね。昔は成人病と言っていました。

日野原先生がおっしゃっていましたけれど、成人病と言うと何か、成人になったらもうそういう病気になるんだろうと思ってしまう。そうでありません。生活習慣に原因があるんだから、それを改善していけば何とかなるんだという名前になっています。

病気にならない老人を増やしていく、介護がいらない老人を増やしていく。それを実現していけば、医療費だけの問題じゃなくて、みんなが幸せになれる。みんながいのち輝いてニコニコ幸せな社会ができ上がってくる。これを目指していかなければいけないなということであります。それが、ただ単に生活習慣病を改善するだけではなくて、先程後半にもありましたけれども、みんなで地域を支え合う、生きがいを持って支え合う、そういう地域のあり方も非常に大事なんだ、というプレゼンテーションがありました。

ゲストの皆さんに対する質問でも結構ですし、県はこういうことはどう考えているんだということでも結構です。私たちはこんなことやっているんだという御紹介でも結構です。

さあ、皆さんの意見を募集したいと思います。

参加者1

今日は黒岩知事と対面できるのを楽しみにしてまいりました。

青葉区在住のツヅキツヨシと申します。

私は、3分と限られていますので、3点御提案したいと思います。

まず、今日のメインテーマ、高齢者のパワー。いったいパワーとは何か、私なりに分析すると、一つは、ほとんどの人が企業または行政で長い間仕事した、その貴重なキャリア。例えば教育とか、または社会保険労務だとか、海外駐在だとか、いろいろあると思います。それが一つの大きなパワー。二つ目は、公的資格を持っている人が多いんですね、リタイアした人は。この二つのパワーを全開にするにはどうしたらいいかということで、3点御提案します。

1点目は、地域活動バンク登録制度というのを県につくったらいかがかと。

要するに、そういうパワーを持った人と、それからそういうパワーを与えてもらいたい人、ギブ・アンド・テイクですよね、そういうものを仲介する組織を県につくられたら、非常に有効に活用できるんじゃないかということ。

2点目は、ここにもありますけれども、先程知事が御紹介いただいた資料の中に、「健康・生きがいづくり」というのがありますよね。これは私が所属している神奈川健康生きがいづくりアドバイザー協議会というのは、まさにそれを目指して活動しているんです。これは厚生労働省所管の生きがい財団(健康・生きがい開発財団)というのが、研修をして、試験をして、認定して、資格をみんな取るんですね。

今神奈川県に200人おりますけれども、そういうアドバイザーをフル活用して、県の行政、このテーマに合うような活動を全開でやるのがいかがかなというのが2点目。

それから3点目は、この資料にもありますけれども、生き生きライフをどのように実現していくかという研究会をつくったらどうか。または、生き生きライフをどのように実現したかという体験事例を県民に何らかの方法で発表したらどうか。私も先程言ったアドバイザーの資格を持っていますので、もっとすてきに生き生きとというテーマで、あちこちで講演をさせていただいております。

そういうことで3点、地域活動バンク登録制度、2点目、生き生きライフをどのように実現していくかというのを研究会と体験発表、3点目、神奈川健生協議会、略称健生協議会、実際は神奈川健康生きがいづくりアドバイザー協議会、ちょっと長いんですけれども、このフル活用をしていただけたらどうかなと。

一応3点、3分ですから、簡単ですけれども、以上御紹介します。

知事

ありがとうございました。

具体的な御提案もあって、本当に素晴らしいなと思います。

今の地域活動登録制度、バンク、この発想なかなかいいですね。

今、山下さんがおっしゃっていたこともちょっとその感じがありますよね。

バンクに近いんでしょう。

山下淳氏(社会福祉法人葉山町社会福祉協議会職員)

今社会福祉協議会では、おそらく神奈川県内すべてにボランティアセンターというのがあると思うんですね。そちら、福祉活動というふうに限定されるんですが、ボランティア登録をして、そして相談があったときに派遣をするというようなことを行っています。葉山町では、60歳以上の方が7割ぐらいを占めています。ただ、男女別でいくと、やはり女性の方が同じく7割ぐらいということで、男性はあまり福祉のボランティアの方には登録はされていません。

今、三橋会長が活動されているような、小地域福祉活動は、自治会ベースの活動が多いので、比較的男性が多いというような傾向があります。

知事

バンクは本当に、一つの仕組みをつくれば、いろんな人の力を活用できますから、これ是非早速検討したいと思います。

生き生きライフの研究会、久常さんからも、大人の勉強会という話もありましたけれども、そういうものが近いのかもしれません。

いろいろなものがあると思うので、それを総動員してやっていきたいなと思います。今頂いた御提案は早速検討させていただきます。

ありがとうございました。

参加者2

私は横浜市栄区から来ました。元気な老病者です。

老といいますと、もう88歳でございまして、今度は89歳になります。病とは何かといいますと、80歳になりましてから病気をずっと5年間やりました。その中身は心筋梗塞、胃腸癌2年続けて、それとボランティアやって転んで背骨を圧迫骨折やって、それでもこういうように今日は皆さんとお会いできたことを喜んでおります。

私は何を提案するかといいますと、今私の手元にもプログラムがございますけれども、元気な就労希望高齢者の支援活動を今年スタートしております。まだスタートしたばっかりで、メンバーは少ないんですけれども、元気な高齢者は、横浜市の例を申しますと、360万のうち70万人が、65歳以上が70万だと。そのうち病気にかかっている人たちが30万だと。残り40万がどうかなということですが、経団連の調査によりますと、大体働きたいというのが7パーセントぐらいだといいますと、大体3万人弱ぐらいじゃないかと思っております。

これを是非今年中に、お金、助成金や何かは要りません。ただ就労の場を私たちがやりますので、その応援をしていただきたいというのが私の提案でございます。

知事

ありがとうございます。

確かに就労の場をいろいろな形で提供するということは大切な仕事であります。ここにこういうニーズがありますよ、ここには働きたいという人がいますよって、マッチングというか。事務局から補足ありますか。

雇用対策課長

今の就労というか、働きたい中高年の方のためには、横浜にSTビルというビルが、横浜駅西口の近くにあるんですが、その中に「シニア・ジョブ・スタイルかながわ」がございます。今日お配りしている資料の中にパンフレット(シニア・ジョブスタイル・かながわ[PDFファイル/4.72MB](A4))がございますので、是非参考にしていただければというふうに思います。

知事

そこをのぞいてみてください。それで、もっともっとこんなことができるよということがあったら、また御提案いただきたいと思います。

ありがとうございます。

参加者3

こんばんは。

黒岩知事様にお願いがございます。

私はNPO法人のチャーミングライフサポート協会の代表を務めさせていただいております、ナカムラと申します。私どもの団体は、明るく、楽しく、健やかに暮らせるよう、シニアのボランティアを育成しております。

今、神奈川県政のことを一番よく御存じなのは知事様ですよね。私の前に女子高生がいるんですけれども、女子高生の気持ちを一番わかっているのは女子高生ですね。それならば、高齢者のことを一番わかるのは高齢者ですね。先程お話がありましたんですけれども、地域活動バンクの御提案がありました。

私も同じようなことを考えております。

それは高齢者による、高齢者のための、高齢者委員会というものを作りまして、そこで意見をまとめ、行政に上げていけばいいんじゃないかなというふうに思っています。要するに、産学協同という言葉がございますけれども、そうじゃなくて、高齢者と行政との協同という形で、何か高齢者の思いといいましょうか、それを引き上げていただくようにならないかなと思っています。

知事様御存じかどうかわかりませんけれども、朝、高齢者の行列ができるのはどこですか。それはデパートでございます。冬は暖かく、夏涼しい居場所でございます。そういうデパートが居場所であっていいのか。おやつ付きでございます、デパ地下に行けば。それで私どもは、明るく、楽しく、健やかに過ごせる居場所づくり、その居場所で高齢者の方と楽しい語らいができるボランティアの育成をしているわけなんです。

今現在も、かながわ県民活動サポートセンターで、歌って、笑って、健康体操、無料公開講座というものを全6回開いております。そこには、現在ボランティアをやっておられる方が23名集まって、勉強会をやらせていただいております。自分の資格を生かすことも必要でございますけれども、やはり地域で活動できる方の育成ということに力を入れていくことが必要だと思います。やはり人材は偏在してしまうんですね、都市の方に。

そうじゃなくて、県下全体にそういうボランティアをやっていただく人材の配置といいましょうか、そういうことが必要になってくるのではないか。ですから、先程申し上げましたように、高齢者による、高齢者のための、高齢者委員会、是非お作りいただきまして、私ども高齢者の意見を吸い上げていただきたいと思います。

よろしくお願いします。

知事

ありがとうございました。

三橋さんのやっていらっしゃることも結構近いんじゃないですか。

高齢者による、高齢者のための、高齢者の委員会、そんな感じですよね。

三橋政昭氏(堀内地区小地域福祉活動懇話会会長)

我々の方の支援者の方も、私が70歳で、若干12町内会でまだ現職の方が2、3人はいますけれど、それ以外はみんな私より年寄り。

現在一番高齢者が83歳の方で、まだまだ今言われたような形で、困ったことのお手伝いをしたいと、意欲的に働いてくれております。

知事

ありがとうございます。

高校生の手が挙がりましたね、どうぞ。

参加者4

中区に在住しているミウラです。

私が今回提案する案は、廃墟と化したマンションや、高齢者の多いマンションや団地のカルチャーセンター化です。一緒くたにカルチャーセンターというのではなくて、若い人たちが場所などを工面したり、最低限のサポート、お金の工面なり場所の提供、高齢者には負担の掛かる力仕事など、若い人たちが背負っていこうというものをやってはいかがかと思います。

高齢者は、自分たちが上から何から何までをやっていきます。なので、お年寄りによる、お年寄りのためのカルチャーセンターです。このカルチャーセンターでは、自分の特技を生かしていて、例えば書道や絵画、手芸、料理などが得意な方は、そこで先生をやることができます。そうすれば、苦手なことがある人たちにとっては、生徒になったりすることができます。

また、カフェなどの少し変わった接客業などもやっていければなと思います。

これにより高齢者の引きこもりや孤独死などを減らし、自分を必要とされているという安心感が得られると思います。人と会話をすることで、一日中誰とも話さないということや、認知症を防げたりすると思います。実際このようなことが行われているところが増えているので、神奈川でもやっていただけたらなと思います。

ありがとうございました。

知事

ありがとうございました。

高齢者のことは高齢者にしかわからないだろうって、何か高校生も十分にわかっているという感じがしましたね。

すごいですよね。

参加者5

戸塚区から来ました、キムラミキです。高校生の意見ですが、聞いてください。

私は、今の安心して住める日本になったのは、高齢者の方たちがいてくれたおかげだと思います。高齢者の方たちは、私たちの知らない日本を知り、多くの知識や経験を持っています。その大切な日本の宝物をどう活用しようかと考えたところ、海外に目を向けました。日本の昔ながらの遊びや、日本の文化や、日本の食事を海外の子どもたちに教えるのはどうでしょうか。グローバル化が進む現在では、日本のことをどれほど知ってもらい、興味を持ってもらえるかが重要視されています。もちろん、日本の最先端技術や、最新の文化を伝えるのも大切ですが、今の私たちから見ると、昔の遊びは逆に珍しく見えます。日本の昔ながらの料理には、日本人がこれまで大切にしてきた真心がこもっており、日本らしさを感じることができます。日本がこれまで守り続けてきた、古くからの歴史を、今度は海外の子どもたちに知ってもらいたいです。

これまで長い間日本に住み、多くの知識や経験をしてきた、高齢者の方たちだからこそ、古く、そして新しい日本の良さを伝えられるのだと思います。

知事

ありがとうございました。

何か、高齢者の方が聞いたら、ほろっときちゃいますよね。

そう言われたらうれしいなという感じで、今日はいい会になりました。

参加者6

平塚市です。

高齢者を代表して、神奈川県老人クラブ連合会のコミヤと申します。

一つには、神奈川県の発信している友愛クラブということで、全国ネットでこれは設立されております。また、一つには、9月20日の全国奉仕の日というのがございます。これも神奈川県の老連が発信しております。

それと今年、知事さんがおっしゃる健康長寿、これを今度神奈川県から発信したいと思いますので、御援助よろしくお願いいたしたいということでございます。

一つには、災害に強く、安全、安心に暮らせるネットワークづくりということで、シルバーサポートの体制の確立、声掛け運動、情報提供、誘導、安全、地域のパトロール体制の強化ということも入ってございます。

二つ目は生きがいづくり推進。若手高齢者の社会参加ということで、次世代を担う人づくりということも強化の中に入れております。これはサークル活動、特に友愛は年々個人情報の影響で減ってきております。なぜかというと、受け入れてもらえないということがございます。そういうことで、元気老人が高齢の人をサポートしてみるんですけれど、なかなかうまくいきません。そういうことで、閉じこもりを減らすということで、サロン活動強化ということで、こちらの方向に展開していかないと、なかなか難しいんじゃないかということです。

それから健康づくり。これは介護予防、認知症対策とか、こういうことを老人大学という中に取り入れて、各地域でやってございます。

そういうもろもろのことをやりながら、昨年から公益法人化になりました。

そういうことで、広く高齢者に門戸を開いておりますので、是非御協力のほど、お願いいたします。

知事

ありがとうございました。

参加者7

私は、神奈川で高齢者の生活と暮らしを守る団体、神奈川年金者組合といいますけれど、そこで書記長をやっております。私たちの組合、神奈川県内に43の支部があって、今1万500人組合員がおります。

私たちが言いたいのは特に、私たちは老人のパワーというのは確かにありますけれども、その老人のパワーを引き出すにはどうしたらいいのか。

今、孤独死とか孤立死とか言われていますよね。NHKでも日曜日に老人漂流社会という、たいへん深刻な、衝撃的な番組がありました。やはりそういう中で、高齢者が生きがいを持って、生き生きと豊かに生きていけるような、やはりそういう活動をしていく、これが非常に大事だというふうに思っています。

400のサークルは、カラオケもありますし、囲碁もありますし、童謡を歌う会もありますし、懐メロを歌う会もあります。あるいは高齢者とは思えないような山歩きの会もありますし、健康麻雀、健康体操、今日も私、実はシネマの会というのをやってきまして、「七人の侍」を22人の70歳以上のおじいちゃん、おばあちゃんと、みんなで楽しんできたわけですけれども。

ほかにユニークなところでは、茅ヶ崎ではどっこい畑の会というのを、要するに高齢者が作物をつくる喜びだとか、それを収穫する喜び、それを地域の人たちと一緒にやる、組合員だけじゃなくて、保育園、小学校の生徒も招いて。そして今度は、その掘ったサツマイモを学校で焼き芋大会をする、そこに呼ばれるという形で、高齢者が地域に広がっていく、高齢者が本当に地域の中で頼りにされる、やはりそういう存在感のある社会をつくっていくことが非常に大事だというふうに私たち思っています。

もう一つ、戸塚支部というところは、支部事務所を元お寿司屋さんに借りまして、たいへん調理場がいいです。組合員に板前さんがいて、サークル活動、ここはカラオケセットの映画のプロジェクターも、それから麻雀卓も全部自前で揃えています。そこでその板前さんが腕を振るって、昼飯を楽しみながら、みんなでいろんな話をする。

たかが遊びですけれども、みんなで集まって話し合うことによって、遊びじゃないんですね。生きていく力になる、パワーがわく、これがやっぱり非常に大事だというふうに思っています。私たちはこれを自前でやっております。

是非そういう活動をやっている団体が本当に地域にあるということを知事には知っていただいて、私たちも県の行事は一緒にやっていきたい、そして一人ぼっちの高齢者をできるだけ無くしていきたいと思っていますので、ともに頑張っていきたいというふうに思います。

知事

ありがとうございます。

本当に驚きますね。皆さんいろいろなことやってらっしゃるんですね、もう既に。

参加者8

栄区からまいりました、マツノと申します。

知事は先程健康寿命日本一、あるいは世界一を目指すと、資料にありますが、やはり高齢者の大事なことは栄養と、それから運動、睡眠だと従来から言われております。

私が所属している団体は、シニアのエアロビックを行っております。介護予防のためのいろいろな運動もあります、社協さんを通じたり。でも、私たちは、大多数の高齢者が元気な高齢者ということで、「まだ介護予防関係のところには行きたくない、自分が元気だから」という人たちを対象に行っております。そして、その人たちを今、栄区で実際30名ぐらいの指導しているんですが、これは東京の「ダイヤ高齢社会研究財団」、そこから発祥した一つの運動なんです。

それで、会場がなかなか無いんですよね。その人たち、各地域にいろいろ運動したいという方たち、茅ヶ崎にもいろいろな分会があるんですけれど、なかなか会場が取れないんです。介護予防関係の場合ですと、優先的に会場が取れるのですが、元気な高齢者が運動したいという場合は、抽選で、並んで、当たった、当たらないという形での会場の取り方なんです。本当に私たちも元気で、それこそ80歳、90歳まで生きたい。そのためには運動を基準にして生活していきたいなと思っております。ですから、いろいろなことも申し上げたいんですけれど、その会場が取りやすいような何かシステムをつくっていただけたらと思います。

以上です。

知事

ありがとうございます。

今、県有施設全体の見直しをしているところでもありますから、多分そういうのは市町村のいろいろな施設もあるかもしれませんけれど、今の会場が取りにくいという話、よく覚えておきます。

参加者9

私は、東戸塚にあります、県営川上第二団地のキムラと申します。

昨年の11月13日に美化運動推進功労者として、うちのOさんが真先に県知事より賞を頂きました。

一週間前に自治会長に会いましたら、自治会長も、自治会として美化運動をやっているし、優良活動団地証ももらったと。

私がここで紹介したいのは、20年前に県営住宅の住宅管理課で、優良活動認定証と、自治会活動補助事業というのを始めまして、その一番目に応募したのが、民生委員と、戸塚保健所の保健師さんと二人で、大阪の茨木市の活動の例を本で見まして、一人暮らし老人の会をつくりました。

当時は今みたいに一人暮らしの方が元気で飛び回っているんじゃなくて、一週間ぐらい話したことがないとか、慎ましい生活でした。そういう人たちと、50代の人もボランティアとして入って、12、3人で毎月集会所に集まりまして、栄養士さんにも来てもらったり、保護課の福祉の係長、福祉の話をしに来てもらったり、夏休みには川上北小学校の家庭科の教室を借りて、近隣の民生委員さんが一人暮らしの方と一緒にイワシのメニューの料理を作って食事をしたり、自分たちで運営していただいたんですよね。居所がある、居場所があるということで、みんな元気で。

そうこうしているときに、中国の残留孤児と二世がどっと川上第二団地に入ってきたんです。その人たちは、夜だろうと、朝早くだろうと、大きな声で話をして、自治会のいろんな掃除だとかなんかに、言葉がわからないし、習慣もわからないですよね。生ゴミを開けて、使えるものを持っていったり。

それで困りまして、戸塚区の社会福祉協議会に話を持っていって、集会所が一つ空いているから、そこで日本語学校やっていただけないかって話したんです。そうしたら、一人暮らし老人の会が戸塚区の社会福祉協議会から非常にうけていまして、一生懸命親身に相談に乗ってくださった。結局横浜市の社会福祉協議会の中国帰国者自立支援センターというボランティアグループの中華街で働いている人たちが、お昼休みに日本語学校を教えていたんだけれども、その人たちが住んでいるところで日本語学校をやったら、そのところの習慣も覚えられる、友達もできる。そういう話をしていたところに川上第二団地の話が行ったものですから、ここからボランティアの先生方が来てくださって、もう3年やりました。

その間に中国帰国者の会というのをつくりまして、会長さんに福建省の校長先生だった人、それから遼寧省の人民公社の社長をやった方が副会長だったか、そういう方と役員が民生補助員といわれているんですね。そういう方々と自治会長、民生委員、中国帰国者も増えて、すごい盛り上がって、そういうルーツがあって、はじめて先程の美化運動推進まで結びついたと、そういうことだと思っています。

よろしくお願いします。

知事

どうもありがとうございます。

Twitterでもいろいろ御意見が来ていますね。

これは先程の高校生の話についての意見かもしれません。

「感謝の気持ちを直接伝えるといいですね。以前小学校にボランティアに行ったとき、後で子どもたちから感謝の手紙が届きました。うれしかった。」という話が来ています。

それから「うちの街では、防犯のために、夜見回りをしてくれるお年寄りもいらっしゃいます。健康のための散歩がてらですよと謙そんしていたけれど。」なんていうのがありますね。

「人生の先輩なので、経験も豊富でしょうし、知恵袋をお借りできるシステムもできるといいですね。」ということです。

やはり皆さん、中継を見ながら、同じ思いで聞いていたただいています。こんなことやっていました、あんなことやっています、ものすごくパワフルな方がすごく多くて、私も圧倒されているんです。

この中に、例えば、どうですかね、一人暮らしの方いらっしゃいますか。何かこんなこと困っているんだとか、何とかならないかなとか、そういうことありませんか。

参加者10

横須賀から来ました、アベといいます。

今年の新年の年頭挨拶で、知事さんの長寿日本一をというテーマで、私も感動いたしました。というのは、自分のボケ防止のために、健康と食べ物ということで研究しているんです。

現在、日本の社会保障費は医療費だけでも年々1兆円ずつ増える。この中において、生活習慣病、これは一挙に解決できるものじゃないですけれど、50年、あるいは1世紀ぐらいの時間をかけて、これをもしこの世から生活習慣病をなくしたら、これは人類の大変な功績になるだろうし、また世界各国に対しても非常にこれは、こういう生き方もあるんだということが言えるんじゃないか。そのためには、小さいうちから、食生活についての要するに教育をやはりきちんとやらなきゃいけないと思うんです。

特に、例えば日本の中において、ある県においては昔、非常に高血圧が多くて、脳溢血(のういっけつ)で亡くなる人が多かったんです。ですから、この県は減塩運動、要するに食塩を少なくする運動を進めた結果、功を奏しまして、結果的には日本一からずっとランクが下がったんです。

ですから、これは長い時間かかりますけれども、将来の子どもたち、あるいは孫たちの世代に私たちがプレゼントして、こういうやり方をひとつ、知事さんの発想も、私もちょっと考え同じなんですけれど、これをひとつ後世に残すように。これは神奈川県単独ではできません。けれども、それをひとつ神奈川県からのろしを上げて、お願いしたいと思います。

第2点目は、現在、健康保険の被保険者証、それから生活保護の受給者証、これ紙で現在つくっているんです。これを最近の時代はICカード、要するにメモリー入りのカードに直して、変更することによって、今非常に問題が出ているんですけれども、なかなか保健所においても指導ができないのは、同じ病気であっちの医院に行ったり、こっちの医院に行ったり、要するに重複診療です。これが非常に無駄な医療費をかけているということで、これに対して、これは神奈川県単独の問題じゃありませんけれども、やはりこれは社会保障制度審議会もいろいろやっていますけれども、なかなか事務的な話なんで、これをひとつICカード、要するに資格記録と、受診されますと、お医者さんからどういう診療やったかというのは必ず紙に出てきますね、あれをメモリーで入れることによって、お医者さんが必ずそれを出すような仕組みにする。

これ経費は掛かると思うんですけれども、例えば保険点数で対応しながら、全国に普及するという方法があるんじゃないかということで社会保障制度審議会とかにこういった会議あるんですけれども、なかなかこういう問題は出てこないんじゃないかと思います。

知事

ありがとうございます。

今御指摘のあった食の問題って、非常に大きな問題だと思います。

私、いのち輝くと言っている中で、医食農同源という言い方をずっとしているんですけれどね。医食同源という言葉がありますね。医食同源というのは、これは漢方の言葉です。薬と食事というのは元々同じ源だ。何でもかんでも薬飲んじゃうんじゃなくて、食のあり方によって、実は薬と同じような効果があるものもある。食でいけば薬代いらないという、これ一番いいですもんね。そういったものをしっかりと御提示していきたいなと思っているんです。

それとともに、食をつくる農業のあり方、地産地消とか、身土不二なんて言葉ありますからね。身土不二というのは、身体の「身」に「土」と書いて、二つならず、体と土は一体だという、自分の生活しているそばで育ったものを食べた方が体にもいいということです。輸送費も掛からないし、新鮮なものでもありますから。食のあり方から病気にならなくしていくという、まさに県民運動で是非やっていきたいと思っているところです。

それと、今ICカードを使っていろいろと情報整理したらいいんじゃないかという話もありました。今、県が取り組んでいるのは、マイカルテ構想。今、具体的に進めようとしています。お薬手帳というのはありますね。お薬手帳というのは紙に書いてありますけれども、これを電子化するということをやろうとしています。

この人はどんな薬を飲んでいる人なのかということを電子化します。例えば、ここでバタッと倒れて急に運ばれたとしますね。そこは行ったこともない病院で、この人どんな人なのかなといって、一から診断が始まります。マイカルテ持っていると、まずはお薬手帳、「あっ、この人はこんな薬をふだんから飲んでいる人だ」というだけで、大体その病気がわかります。 そうすると効率的な医療も行われるだろうということです。本当は全部カルテを電子化していきたいんですけれど、まず入口としてはお薬手帳の電子化というところから始めて、効率的な医療を目指していきたい。

今スタートさせたところであります。

参加者11

戸塚から来ました、カワダと申します。

二つほど言いたいことがあります。

一つは、行政にいろいろ要望する立場というのは結構多いんですけれども、県民やら市民の立場からの意見がうまく生かせるような方法があるんじゃないかなというアイデアをちょっと目にしましたので、是非後でそれを、テレビを録画しましたので、県の方で見て、ほんの短い時間の映像ですけれども。

どのような話かといいますと「CodeforAmerica」といいまして教育テレビで毎週金曜日にプレゼンテーションの時間があるんです。たいへん勉強になるんですけれども「CodeforAmerica」というのは民間がつくった団体でして、そしてその中で身近な道路に小さな傷があるとかそういうことを直してもらうのは結構行政の方でも簡単に手を付けていただけるんですけれども、ちょっと大きな問題になると2年や何年かかってしまう。いろいろなりん議が回ってなかなか実現しない。そういうときに、このテレビでは、何かいろんな場面で市民の方々が困っていることを短期間で解消できたという、そういう番組がありました。それを是非検討していただきたいなと。話が具体的なテレビが無いのでイメージがわきにくいことだと思いますけれども。

もう一つお話として、卑近なお話になるのですが、先程おっしゃったように、漂流社会という時代、老人が非常に悲惨な最後をたどっていくという、そういう漂流社会という番組がそれもNHKで放送されましたけれども、やはりああいうものを見ますと、老人はやはり不安になるんですよ。だから、なるべくお金は使いたくない。政府でも何でも、老人はたくさんお金持っているからあれを何とか引っ張り出そうと、孫に対する遺産相続は免除しようとか、お金を絞り取ろうとするわけです。

私なんか、あの親父は駄目だなと言われるぐらい、全然金くれねえじゃないかと言われそうな状態ですけれども、苦しい思いをしている老人にはあの法律は結構厳しいと思っているんですけれども。そういう不安な人間がなかなか外へ行かない、家の中に閉じこもっている、そのうちに死んじゃう、そういうパターンになりかねないんですよ。

そこで私は一つ、ヨーロッパやら、関西もかな、東京もかもしれませんが、老人のいろんな博物館やら美術館に関しての入場料の問題なんですね。非常に卑近な例で言いましたけれども、それが小学校、中学校、高校までの割引とか無料扱いというのはあるんですけれども、団体やそういうのはあります。けれども、金を持っていると言われる老人が、そういう面で、かなり私いろんな神奈川の施設行くんですけれども、ほとんどないんですよ、老人のそういう優先的なあれがね。是非そこのとこは考えてほしい。

これは行政に要望する立場だから、あんまりすぐに実現するのは何年かかかるんじゃないかと思いますけれども、あまり期待しないで、お願いしたいと思っています。

知事

ありがとうございました。

テレビだけじゃなくて、こういう場というのも、皆さんからの提言とかをできるだけ早く実現したいという思いでやっているところです。

参加者12

港北区から来ました、カワグチといいます。

今日配っていただいた、説明いただいた中の、高齢者パワーの活用という問題について、一つ提案をしたいと思います。

私は今160名余のボランティア活動をする人たちの組織づくりをして、5年目になりました。名前は、全国森林インストラクター神奈川会という、森に御老人を連れて行って健康に寄与する、また子どもたちをキャンプに連れて行く、林業に慣れていただくというような、多面的な活動をしているんですが、我々の中で今非常に関心を持って話題にしているちょっと難しい言葉なんですが、自然欠損障害、nature-deficitdisorderという言葉があります。これはアメリカのジャーナリストが書いて、世界的に一斉に問題になったんですが、自然に親しまないで育った子どもは、人間としてまともに育っていないということを書いた。

これのロジックはどういうことかというと、人間は、ホモサピエンスは、森林の中で育っていて、脳のつくり方は、森林の中でいろんな切磋琢磨しながら脳がつくられて、はじめて普通の人間になる。機械の中で、コンピューターの中で育つと、まともな人間にならない、ホモサピエンスになり損なう。その結果として何があるかというと、事によったら不登校になるかもしれないし、友達を平気で殺したりするかもしれないし、それから人と妥協することもできなくなってしまうかもしれないというような問題が発生しているということなんですね。

我々がキャンプに連れて行く子どもたちは、たいへんいい子になりますね。両親から何回も返事がありまして、子どもたちがいい育ち方をしているというのがたくさんあります。

ここで提案なんです。今、小学校、中学校の先生方が森林に子どもたちを連れて行って教えることが何一つできなくなっているんです。言うならば、森林のスギとヒノキの区別もできないし、そこで生物と植物がどういう共存関係、人間も植物も全部、ここにいる人が全部38億年の命を継続して持っているわけですね。そこでいろんな形にできている。その自然の不思議を語ることが先生方できないんです。こういうのはやはり若干我々がそういう面で先に進んでいる。こういうのを利用していただいて、各小学校に一人ぐらい派遣いただくような形になると、そこの学生、子どもたちは、その障害からおそらく相当幅に除外されてくる。言うなれば、そういう結果を持たないで育ってくれる、まともな子どもたちが育っていくということになるんではないかという期待を込めて。

これはすぐということではできないと思いますが、時間をかけて、お考えいただくとありがたいと思います。

我々は160余名のメンバー、全面協力する用意はあります。

知事

ありがとうございました。

高齢者と若い人、子どもたちが一緒に触れ合うというのも非常に大事なことですし、お互いにとって非常にいい感じなんでしょうね。

森に行くというのはとてもいいアイデアです。

参加者13

平塚に住んでいます、イトウと申します。

私の老人パワーをちょっと聞いていただきたいと思います。

私、平塚市のひらつか元気応援ポイント事業に参加しまして、老人ホーム3か所へ傾聴ボランティアに出かけています。それから、近くの小学校で部活の囲碁の先生がいないというので棋院の囲碁学校指導員の資格を取って、小学校と公民館で教えております。それから、平塚市の明るい選挙推進協議会委員になっておりまして、これは16年ぐらい続いているんですけれども公職選挙の啓発活動に努めております。

それからもう1点は、平塚市環境審議会委員として現在奉仕しております。それで、こういう奉仕内容につきましては、県の方で御指導されている内容と大差無いわけですけれども、そこへ私独自の心構えで出掛けておるのは、年金を月給と見なして、奉仕の心で出掛けております。「伺いますよ」と言いますと、向こうで気楽に「はい、お願いしますよ」と無条件で伺っているところです。

それで、県の方でもそういう年金もらっている方たくさんいると思うので、そういう県としての体制をつくっていただきますと、そういう資源が大いに健康増進の方へ向かったりみんなと助け合いの方へ向かったりするんではないかとそう思いまして、つたない実績ですけれども、私のパワーを紹介させていただきました。

以上です。

知事

ありがとうございます。

すごい人ばっかり今日はいらっしゃいます。

困っているんだとか、そういうことの視点から何かありますか。

参加者14

横浜市の神奈川区からまいりました、アケダチハルと申します。

私は横浜市のシルバー人材センターというところに登録しておりまして、横浜市のシルバー人材センターに登録者は、1万人以上の方たちが登録している。ということは、年を取ってもやはり就労する喜び、働いたことでお金を得る喜び、そういうのをすごく大切に思っている方がたくさんいると思うんですね。

それで、人材センターの方では、3分の2ぐらいが男性、3分の1が女性ぐらいで、女性パワーがだんだんに増えてきている状況なんですけれども、何らかの形で就労できる人が、大体今のところ70パーセント強ぐらいの方が就労はしているんですけれども、これから老人が老人同士で支え合っていくというか、ギブ・アンド・テイク、もう堀内地区なんかは実践してらっしゃいますので。

たくさんの方が元気な、パワフルな老人の活動を紹介してくださいましたけれども、健康年齢と寿命との差が十何年あるわけですね。往々にして元気が無くなってしまって、どうしても人の支援を必要とする弱者になる場合が、私たち高齢者はもういつくるかわからないわけですから、その辺のギブ・アンド・テイクのテイクする方が心の負担というかギルティを感じないようなそういう支援を受けられるようなシステムづくりというのを掘り起こして、県の方でも市の方でもやっていただけたら。

ギブの方はもうたくさんここでお話を聞いただけでもたくさんいらっしゃいますけれど、弱者の立場のテイクの方たちがそういうギルティを感じずにそういう支援を受けられるようなシステムづくりをやっていただけたら、有償ボランティアとしてそんなシステムがあったら、ちょっと検討していただきたいなと思います。

知事

ありがとうございました。

高校生の手が挙がりました。

参加者15

神奈川区から来ました、オオガキユズキと申します。

知事がおっしゃいました寿命アップのアイデアについて、ちょっと意見を申したいと思います。私事で申し訳ないのですが、私の祖父は10年前に、先程から言われています、生活習慣病の一つである脳梗塞を起こして、在宅介護を受けています。

私は、祖父の家を訪ねてくださる、医師や公衆衛生士の方の活動にとても興味があるんで、よく先生に会いに行っているんですけれど、そこで感じるのは、祖父のように脳に障害を起こしてしまった方の一番のリハビリっていうのは、コミュニケーションを取ることだと思うんです。先生たちの話によると、コミュニケーションを取ると脳が活性化されて、病気の悪化を防ぐことができるんだそうです。でも、県のお年寄りの中には、元気なのにすることがなくて、困っているというお年寄りもたくさんいらっしゃいます。このような方々に障害を持ったお年寄りの相手をしてもらうことで、県内の寿命アップにつながるのではないかなと思います。

知事

ありがとうございました。

素晴らしい提案でしたね。

参加者16

私、神奈川県民でもございますけれども、本日は、本日発足いたしました、高齢者を標準とするしくみづくり検討委員会の委員として参加させていただいております。

先程から伺いますと、多くの高齢者の方が地域で活躍してらっしゃる。これは私たちも一緒にやる仕組みができないかなというふうに考えております。

私が知事に是非提唱していただきたいのは、自分の住んでいる街のために、1か月に2時間働こうという運動を起こしていただきたい。

1か月2時間というのは誰でもできるんですね。小学校の1年生から、恐らく90歳のお年寄りまでできると思います。受験勉強している学生でも、非常に忙しいお父さんでも、1か月2時間、時間を割けない人はいないと思うんですね。それは土曜日に30分ずつでもいいし、毎日4分ずつでもいいから、自分の街のために何ができるかということを見回して考えて、それをやろうよという、そういう運動ですね。だから、みんなで自分の住んでいる街のために働こうと。これを私は小学校、子どもから始めるのがいいと思います。ですから、知事に是非小学校を訪ねていただいて、こういうことを提案していただいて、子どもたちと一緒にまず、自分の住んでいる街のために何ができるかということをずっとリストアップしていって、そして高齢者も一緒に。

たぶんそれをまとめて、そしてうまく回していくというのは割合大変な仕事なので、それを是非定年退職された元気な高齢者が、街でまとめて動かしていくというふうな、そういう仕組みができるといいなというふうに思って、提案させていただきました。

知事

ありがとうございました。

早速検討させていただきます。

久常さん、最後にどうぞ。

久常節子氏(国際医療福祉大学大学院副大学院長/前公益社団法人日本看護協会会長)

皆さんのやってらっしゃる体験とか、すごいですね。

こういうことを、こういう場で、お互いに出し合うという、これがまたすごく大事なことじゃないかなと思います。それをまた仕組みにしていったり、具体化していったり、秋山先生が今おっしゃったようなことも含めてそうですけれども、そういうことができるこういう場を持っているということ、そしてこの場を生かして、次に発展を是非皆さんによろしくお願いしたいなと思いますけれども。

いや、本当にこの今日の場がすごいなと思いました。ありがとうございました。

知事

ありがとうございました。

本当に私も今日は、自分の想像を絶する展開になりました。

何かものすごいパワフルな人がいっぱいいて、こんなことやっています、あんなことやっていますって、聞きながら、いろいろなところで、いろいろなことを皆さんは既にやってらっしゃるんだな、ということを改めて知りました。

こういうやっていらっしゃることを、どんどん皆さんに知ってもらうということ、これがやっぱりとっても大事なことなんじゃないのかなと思いました。その中で、やはり基本的なキーワードは、地域のコミュニティーということだと思います。地域地域で、高齢者もどんどん増えていくでしょう、これから。地域のコミュニティーでどうやって老人が触れ合っていくか、その場をつくるか。若い世代は、「おじいちゃん、おばあちゃん、知っていること教えてくださいよ」といって、触れ合うことによって、学ぶことがあったりする。そこで若い子たちが学んでくれたら、おじいちゃん、おばあちゃん、またうれしくなって、「もっと教えてあげるわ」みたいなことになってくるという、そういういい循環を地域地域でつくっていくということが、やはりすごく大事なことなのかなということを、痛切に感じました。

今日いろいろな事例がありました。それがネットで全部流れていますから、じゃあ、うちの街もこんなことやってみようかというふうな新たなアクションが起きてくるということを期待しています。県はそういうことをサポートしていくことで、いのち輝く素晴らしい神奈川を皆さんと共につくっていきたいと思います。

今日は長い時間御参加いただきまして、ありがとうございました。

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