更新日:2025年5月21日

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予測モデル(新規感染者数)

相模川流域内の下水中ウイルス濃度データに基づいた新規感染者数の推定予測

方法論の概要

1 目的

本予測モデルでは、下水疫学調査が実施されている相模川流域において、下水中ウイルス濃度データに基づき1週間後の当該地域の(臨床PCR検査等に基づく)新規感染者数を推定することで、医療ひっ迫の可能性を予め察知するものです。

2 推計方法

(1)共同研究者である北海道大学の北島正章准教授の研究グループは、糞便中へのウイルス排出動態を組み入れた、数理モデル(PRESENSモデル*)を開発した。本モデルを活用し、下水中新型コロナウイルスの定量調査を入力値として、流域の新規感染者数を予測した。

(*)https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/01/covid-19-5.html(別ウィンドウで開きます)

(2)当日の推計値のみならず1週間後の予測値も合わせて算出し、継続的に予測モデルの妥当性を評価、必要に応じて再学習・モデルの微修正等を行った。

 予測モデルによるシミュレーション(2023年10月3日時点)

相模川流域内の下水中ウイルス濃度データに基づき、週当たり新規感染者数を推定しました。

図の説明

この図は、相模川右岸・左岸流域内の週当たり新規感染者数についての実績と推定で、横軸が日付を、縦軸が新規感染者数を示します。図中の赤色の曲線は実績値を示し、青色の曲線は推定値を示しています。

(1)新規感染者数

2023年10月3日以降1週間の予測

9月初旬のピークの後、低下傾向が継続していると推定されている。直近の10月3日から1週間で、新規感染者数が先週と比べて約63%低下すると推定されている。

なお、第7波と第8波の蔓延期(それぞれ7月中旬と12月)の推定値が実測値よりも大きいのは、臨床検査の限界により実測値が過小評価となっているためと考えられる。 

 2023年10月予測 感染者数の推定のグラフ

週当たり新規感染者数(人)の推定値、実測値の値(CSV:2KB)

 

第7波と第8波の蔓延期、直近4週間の週当たり新規感染者数の表
日付

2022年

7月26日~8月1日

2022年

12月6日~ 12月12日

2023年

9月12日~ 9月18日

2023年

9月19日~ 9月25日

2023年

9月26日~10月2日

2023年

10月3日~10月9日

推定値(人)

61,443

28,801

21,715

16,292

17,062

6,358

実績値(人)

19,020

12,902

(*)

(*)

(*)

(*)

(*) 2023年(令和5年)5月8日以降は、5類感染症に移行したため該当データはない。

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