ホーム > 健康・福祉・子育て > 未病改善・心身の健康 > 未病改善・健康づくり > 高校における健康・未病学習 > コラム3 腸内細菌の知られざるすごい働き!
更新日:2025年4月15日
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神奈川県『健康・未病学習教材(高校生用副教材)』第四版
「免疫力が上がる」「ストレスを緩和する」「ダイエットや肌荒れに効果的」など、注目される、ヨーグルトや乳酸菌飲料。日常的にとっているひとも多いのではないでしょうか。そもそもなぜ、ヨーグルトや乳酸菌飲料をとることで免疫力や睡眠の質などに変化が起こるのか知っていますか?
実はそれらの食品をとることによって腸内環境が整い、免疫力の向上や良い睡眠につながっていたのです!そこには、皆さん一人ひとりの腸内に生息する、細菌とのエキサイティングな共存関係が関わっているのです。
最近よく聞く“腸内フローラ”という言葉、知っていますか?腸内フローラとは、腸にいる腸内細菌集団のことをいいます。皆さんの腸内には、有名なビフィズス菌をはじめ、1,000種・40兆個もの、様々な細菌たちが生息し、それぞれが活動することで腸内環境を整えています。
細菌が種類ごとにテリトリーを保って存在している姿がまるで「お花畑(Flora)」のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。
以前は、体に良い働きをするビフィズス菌などの善玉菌20%、腸内で有害物質を作りお腹の調子を崩す原因ともいわれる悪玉菌10%、どちらにも属さない日和見菌70%、が理想的と言われてきましたが、最新の研究によって、生まれる時に母親から腸内細菌を受け継ぐだけでなく父子間での伝播の可能性もあることや、その一方で、食生活・生活環境によって家族間でも腸内環境が異なっていること。また、腸内細菌に、体に良い成分「短鎖脂肪酸」を作らせることが重要であることがわかってきました。このように腸内細菌研究は日進月歩であり、教科書は常に更新されています。
腸内フローラは人によってタイプが異なる
グラフの内訳:
福田真嗣 実験医学 38:3038,2020
腸内環境に良い食事をして、運動もしているのに効果が出ない。そんな時は睡眠不足を疑ってみましょう。睡眠は自律神経を安定させる大切な生活習慣です。同じく腸の働きをコントロールしているのもこの自律神経です。つまり、睡眠の質が低下することで腸内フローラのバランスが乱れる、という関係があるのです。
皆さん一人ひとりの身体の状態は違います。近年では、自分の心身の状態を把握するのに役立つ、スマートフォンのアプリやウェアラブル端末、センサー技術等が身近なものになってきました。また、一人ひとりの体質等に合わせた治療(個別化医療)の研究開発も進んでいます。まず自分の状態をきちんと理解し、それに合った正しい食・運動等の未病改善に取り組みましょう。 |
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