更新日:2024年4月19日

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自然体験活動の展開例

神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻

ここでは、自然体験活動の展開例を紹介します。

自然体験活動の展開例

自然体験を主な目的とした日帰りまたは1泊2日の例を紹介します。

(1)デイキャンプ(日帰り)の場合

日帰りキャンプの展開例

それぞれのフィールドを生かせるプログラムを選択します。

どのプランもアイスブレイキングを早い段階で実施して、参加者の緊張感を取りのぞき、他の参加者とアクティビティ(活動)を一緒に行うための準備をします。

Aプラン:野外炊事

5、6人のグループで役割分担をして火起こしと炊事を行うことで、協力することの大切さを学びます。また野外で火を使い、自分たちで食事を作ることを通して、日常生活の便利さに気づくことができ、保護者への感謝の気持ちが湧いてきます。

原始火起こし体験(ヒモギリ式)(別ウィンドウで開きます)ヒモギリ式火起こし

火を起こすことだけが目的ではなく、協力することもねらいとなります。

野外炊事(別ウィンドウで開きます)
例1.カレーづくり
例2.豚汁づくり
例3.ピザづくり

カレーづくり

お釜(右)でご飯炊き
鍋(左)でカレーづくり

豚汁づくり

豚汁づくり
 

ピザづくり

ドラム缶でピザ作り
 

 

この他にもキャンプの対象や目的、施設、季節等に応じて様々なメニューが考えられます。

Bプラン:川遊び

川で遊ぶ楽しさを知ると同時に危険性も理解することができ、川での事故を未然に防ぐためのきっかけとなります。また水の大切さに気づき、自然を大切にするための環境学習にもなります。

例1.ピストン釣り(別ウィンドウで開きます)

細い竹に釣り糸を付け、先に針をつけたシンプルな仕掛けで、エサはカゲロウ、カワゲラやトビケラ等の川虫を使う。下流に向かって糸を垂らし、サオ先を水中に突っ込み、前後にピストン運動を繰り返し、あたりがあれば釣り上げる。

参考サイト:ピストン釣りの釣り方 Honda釣り倶楽部(別ウィンドウで開きます)

例2.魚の手づかみどり

岩の下の穴に逃げ込んだ魚を手づかみで捕まえます。コツは、素手であれば滑って逃げられないように砂と一緒に手づかみします。軍手をつければ滑らずに捕まえられます。深いところでは、潜って穴の中に手を入れて捕まえます。

例3.リバートレッキング

ライフジャケットとヘルメット、ウォーターシューズ、化繊の長袖長ズリバートレッキングボン、軍手を着用して、川を遡上するプログラムです。

途中の堰堤(えんてい)や滝を越える際には、グループで協力する必要があり、チームビルディングにもつながります。また川の上流部の自然観察をしながら源流体験もできます。

 例4.ボディラフティング

例3.と同じ服装・装備で、体(ボディ)をラフティングボートの代わボディラフティングりにして、川の流れ身を任せて川を下るアクティビティです。

例5.チュービング(別ウィンドウで開きます)

例3.と同じ服装・装備で大きなタイヤのチューブに乗って、川を下ります。

例6.水生昆虫観察

例1.のピストン釣りで餌として使った川虫(カゲロウ、カワゲラ、トビケラ等)を採集、観察することで、そこに生息している種から水質を測定でき、きれいな川かどうかがわかります。水源を大切にすることを学べる環境学習となります。

水生生物の観察・資料コーナー 神奈川県(別ウィンドウで開きます)
の中に掲載されているリバーウォッチング(2005)の底生動物のウォッチング(p.18~19)に採集観察の方法が出ています。

例7.リバーカヤック・カヌー体験

カヤックやカヌーに乗って川の流れを体感することで、その楽しさと川の危険性を知り、水難事故を起こさないための気づきを得ます。

※例3、例4、例5、例7は安全を確保できるように指導者・ガイドが必要です。

Cプラン:海遊び

海で遊ぶ楽しさと同時に危険性も理解することができ、海での事故を未然に防ぐためのきっかけとなります。また海に流れ込んだゴミ、プラスティック等の多さに気づくことで、少しでも海洋ゴミを減らすためにはどうしたらよいかを考えるための環境学習にもなります。

例1.磯の生き物観察

干潮時には潮だまりができ、普段水の底になっている場所を歩くことができます。この大潮前後の干潮時を選ぶと多くの生き物を見ることができ、磯の生き物観察ができます。

観察会を実施する上で、服装や安全管理、実施する上での留意点、危険生物等について、以下をご覧ください。

海遊び(別ウィンドウで開きます)

野外における代表的な危険生物とその対処法(別ウィンドウで開きます)

例2.シュノーケリング(スノーケリング)体験

シュノーケリングは、シュノーケリングゴーグル(ダイビングマスク)とシュノーケリングシュノーケル(スノーケル:呼吸用のパイプ)を着用することによって水中で目を開けることができ、顔を水につけたまま息を吸うことができるため、いろいろな魚やサンゴ礁の生き物等の観察を、長時間に渡って楽しむことができます。

また、泳ぎの苦手な人にはシュノーケリング用浮力ベスト(シュノーケリングベスト・ライフジャケット)の着用が推奨されます。着用が義務付けられているところもあり、着用することで、小さな子どもや泳ぎが苦手な方でも溺れる可能性が低く、安心して楽しめます。

参考:シュノーケリングとは?泳げない人にもおすすめ!服装・道具やダイビングとの違いを徹底解説!(ACTIVITY JAPAN)

例3.シーカヤック体験

海でカヤックを体感することで、その楽しさと海の危険性を知り、水難シーカヤック事故を起こさないための気づきを得ます。

例4.ビーチコーミング

海岸などに打ち上げられた漂着物を拾い集めて観察や加工、装飾をしたり、標本にしたりして楽しみます。ゴミの多さに気づき、海の大切さを学ぶ環境学習にもなります。

Dプラン:湖遊び

湖で遊ぶ楽しさと同時に危険性も理解することができ、湖での事故を未然に防ぐためのきっかけとなります。川や海とは違い、水の流れが穏やかなため、ゆったりと水上での自然観察ができます。

例1.カヌー・カヤック体験

川でのカヌー・カヤックと比べると、静水での体験になるので、慣れてカヌーくると周囲を見渡す余裕が出てきます。湖での自然観察ができ、季節ごとの水質やゴミに気づくことができる環境学習にも繋がります。

例2.カヌーでバードウォッチング

カヌーはカヤックに比べて水上で安定しているので、湖では軽量の双眼カワセミ鏡(できれば防水のもの)を首から提げて、時折周囲を見渡せば、サギ類や、もしかしたらカワセミ(写真)、ヤマセミ等の野鳥を観察することができるかもしれません。陸上から観察するのと違って、水面に近いところからの観察ができ、普段の野鳥と違った生態に気がつくかも知れません。しかし近づきすぎると野鳥にストレスがかかるので、一定の距離を保ち、無理をしすぎないようにしましょう。

Eプラン:山歩き

例1.五感を使ったネイチャートレッキング(別ウィンドウで開きます

低山(里山)を歩きながら、設定してある課題に取り組むことで、四季スギゴケとギンリョウソウを通して五感を使って自然に触れることができます。写真の植物はスギゴケとギンリョウソウ。

例2.自然観察ハイキング

自然に詳しいガイド(インタープリター)付きのハイキングで、少人数(5~10人)でガイドが樹木や花、地形、地層などについて気付きを促すアクティビティです。

※インタープリターとは、ここでは自然解説をする人です。海外では博物館に常住しているところもあり、歴史や科学等の解説をします。インタープリテーションは参加者を楽しませます。参加者の主体性を引き出すと同時に、エンターテイメントの側面もあります。

インタープリテーションとは? (株)自然教育研究センター(別ウィンドウで開きます)

例3.バードハイキング

野鳥に詳しいガイドと野や山を小人数(5~10人)で歩き、鳴き声や姿ヤマガラで野鳥を見つけ観察しながら、野鳥の生息する自然環境に気付いたり、発見したりするアクティビティです。双眼鏡を持っているとより楽しめます。写真の鳥はヤマガラ。

※例2、例3は自然や野鳥に詳しい人にガイドとして同行してもらえると、普段は気づかない花や野鳥に出会えるかも知れません。

(2)キャンプ(1泊2日)の場合

宿泊キャンプの展開例

Aプラン:テント泊

テント泊による1泊2日のキャンプで、仲間づくりをしてグループの協力性を高めます。チームビルディングにも役に立つプログラムです。

1.仲間づくりゲーム

公募で集まった初対面同士の参加者であれば、緊張をほぐして名前を覚えることで、安心して1泊2日を過ごせるようにします。

クラスや子ども会などのキャンプのように顔見知りの参加者であっても、1泊2日を協力してさらに楽しく安全に過ごせるように、お互いの関係を深めて、モチベーションをあげることをねらいとします。

2.テント設営

写真のようなドーム型テントは、協力することで小学生でも簡単に設営できテントます。

3.川遊び

90分という時間設定ですので、ライフジャケットとヘルメットを着用して、短いコースでの「ボディラフティング」と「魚の手づかみどり」などを組み合わせるとよいでしょう。

4.野外炊事1

カレーライスづくりは定番のメニューですが、豚汁づくりやピザづくりなども、グループで役割を分担し、協力して実施できます。火起こしとセットのプログラムにもできますが、その場合は3時間30分から4時間かかります。

5.キャンプファイヤー(別ウィンドウで開きます)

スタンツ準備は30分~1時間で、できればその日にグループで3分程度のキャンプファイヤー寸劇を考えて行うとよいでしょう。全員に配役があるようなものを考えて演じると、より楽しめます。各グループにジュニア・リーダーなどの中高生が付いてサポートすると、うまく話し合いができます。

6.野外炊事2

朝食とお昼のお弁当を作る時間です。朝食はガスコンロとコッフェルを使ったコッフェルクッキングにして、お弁当のおにぎりは大釜でご飯を炊き、各自でおにぎりを作るとよいでしょう。

コッフェルクッキングのレシピの紹介

7.山歩き

グループで登山をします。1泊2日の最後のプログラムであり、励まし合い山歩き(夏)ながら協力して山頂を目指し達成感を味わいます。ネイチャートレッキングを実施してもよいでしょう。

8.テント撤収・片付け

協力してテントの撤収、片づけを行います。

Bプラン:コテージ泊

コテージに泊まる、自然観察を目的とした1泊2日のキャンプです。

1.仲間づくりゲーム

Aプランと同じ。

2.水生生物観察

安全な沢や小さな川がキャンプ場や施設のそばにあれば実施できます。キャンプから帰って近所の川で観察すると、水質の違いがわかり、水源を大切にしようと考えるでしょう。

水生生物の観察・資料コーナー 神奈川県(別ウィンドウで開きます)
の中に掲載されているリバーウォッチング(2005)の底生動物のウォッチング(p.18~19)に採集観察の方法が出ています。

3.野外炊事

Aプランと同じ。

4.星空観察

星空の観察を指導できる人が団体の中にいればよいのですが、いなければ講師を招くことで、より深い体験、学びになります。星空観察をメインプログラムとすれば、流星群の時期のキャンプ実施も考えられます。参加した子どもたちには、自宅に帰ってから星空を見上げるように促せば、都会と自然の中での星空の違いを感じられることでしょう。

5.朝食(自炊)

野外炊事ではなく、調理場を使った炊事を想定しています。子ども会やスポーツ団体などの場合、大釜で朝食と昼食の2食分のご飯を炊いて、大人が朝食の味噌汁やおかずも作り、子どもたちは昼食のおにぎりを作るとよいでしょう。

6.ネイチャーフォトテーリング(別ウィンドウで開きます)

ネイチャーフォトテーリングは、身近な自然に触れられるフィールド内を歩きながら、あらかじめ用意された写真を見て、そこに設定された課題を解きゴールを目指す野外レクリエーションゲームです。普段見落としがちな自然を発見することができ、また、グループでワイワイガヤガヤと、ああでもない、こうでもないと話し合って、楽しみながら散策できます。

キャンプ場や宿泊施設の近くに良いフィールドがあれば、下見の際に写真を撮り、課題を考えて作成しておくとよいでしょう。

 

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