更新日:2024年4月19日

ここから本文です。

野外における代表的な危険生物とその対処法

神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻

自然の中には危険生物が生息しています。被害を受けることで楽しい自然体験活動が台無しになるばかりでなく、最悪の場合は死に至ることもあります。しかし、恐れるばかりではなく、野外における危険生物について理解し、事前の対処法や応急措置について学んで危険回避をできるようにして、自然体験活動を楽しみましょう。

以下に代表的な危険生物を紹介し、その関連サイトや参考文献を掲載します。

草原・森林・山・川

新緑の森を歩くと鳥のさえずりが聞こえ、木々の葉は風に揺れて、陽の光が柔らかく降り注ぎます。しかし自然の中にいると心地よいことばかりではありません。足下にはヤマビル、笹藪などにはマダニが待っています。またスズメバチ類への対応を間違えれば危険です。

マダニ(注意:登山、ハイキング、森林施業、農作業)

マダニ科、成虫の体長は2~3mm(未吸血時)のダニ

  1. 生息場所
    平地から山地まで広く分布し、植物の葉の裏などに付着して寄生(吸血)する相手(宿主:ニホンジカ、ツキノワグマ、タヌキ、人等)が来るのを待っています。山地ではシカが通るような登山道の両側に生えている笹藪に多く、腰の高さくらいまでの笹の葉裏に潜んでいます。1年中活動していて、冬場でも繁殖し成長しているので注意が必要です。

  2. 症状
    潜んでいる葉裏から宿主の皮膚にとりつき咬みつきます。1日ほどかけて口器(節足動物の口の周囲にある、食物の摂取や咀嚼の働きをする器官)が固定され、濡らしたり圧迫したりしても離れず、無理に引っ張ると口器が皮膚に残ってしまいます。痛みはなく数日間吸血され、大きくなってから気がつきます。大きいものではパチンコ玉くらいにぱんぱんになり、皮膚から離れてころんと地面に落ちます。
    マダニが保有している細菌やウイルスなどが体内に侵入し、病気を発症することがあります。患部周辺に潰瘍ができたり発熱したりした場合は、感染症の疑いがあるので、病院で診察を受けた方がいいでしょう。感染症の中には、日本では2013年に見つかった重症熱性血小板減少症候群(SFTS)があり、西日本に感染例が多く、死亡事例もあります。

  3. マダニ用ピンセット応急措置
    咬まれた現場で気づいた場合は、指ではがすこともできますが、はがれないときにはマダニ用のピンセットを利用して取りのぞきます。
    1日以上経ってしまうとはがれにくくなるので、皮膚科で除去してもらうと良いでしょう。

  4. 対処法
    山などに出かける場合には、服装は肌の露出の少ない長袖のシャツ、長ズボンを着用し、笹藪などがあれば避けて通りましょう。避けられない場合は、笹藪を抜けてすぐにダニがついていないか確認しましょう。
    ディート、イカリジンの2種類の有効成分が含まれた忌避剤が市販されています。汗をかくと効果が薄れるので、携帯して繰り返し利用するといいでしょう。
    帰宅したら、上着や作業着は家の中に持ち込まず、入浴して体にマダニが付いていないか調べてください。

  5. 関連サイト
    マダニ対策、今できること 国立感染症研究所(別ウィンドウで開きます)

ヤマビル(注意:登山、ハイキング、森林施業、農作業)

ヒルド科、円筒形で体長2~5cmで、伸びると5~7cmになるヒルの一種

  1. 生息場所ヤマビル
    森林などの湿気の多い地上の落葉の下などでじっとしていますが、雨上がりや雨中に活発に活動します。神奈川県では丹沢山地を中心に、周辺の低山にも分布し、活動時期は4~11月で6~9月に最も活動するようです。3月や12月でも、20度を超えるような暖かい日にはヤマビルが活動するので、油断は禁物です。
  2. 症状
    登山やハイキング、森林作業中などで知らないうちに吸血されていることがあります。
    吸血時にはチクッとする痛み程度でほとんどわかりません。また血液の凝固を妨げる「ヒルジン」という物質を出すので、吸血されていることに気づかず、しかも傷跡から出血が止まりません。人によっては1ヶ月近くかゆみが止まらないこともあります。
    皮膚の柔らかいところに吸い付き、薄い靴下の上からでも吸血します。服の間から入って吸血し、いつの間にかつぶれてしまい、服や靴下が血で真っ赤になることもあります。
  3. 応急措置
    皮膚についたヤマビルは、無理に引っ張ってもとれませんが、忌避剤や虫除けスプレーをかければ落ちます。指で押し出すようにして、傷口から血と一緒にヒルジンなどの成分を出すと治癒が早くなります。虫さされの際の毒を吸い出す器具(ポイズンリムーバー)を使うとよいでしょう。傷口を水で洗い流し、抗ヒスタミン系の外用塗布薬を塗り、止血効果のある絆創膏を貼ります。
  4. 対処法
    振動や呼気(二酸化炭素)、体温に反応して、尺取り虫のように寄ってくるので、長袖や長ズボン、首回りにタオルを巻くなどの備えをして、素手や首回り、靴下、ウエアには虫除けスプレーをかけておきます。忌避剤は直接皮膚に散布せず、這い上ってくる靴や長靴に十分にかけておきます。衣類にも使用できる忌避剤があるのでズボンにもかけておくとよいでしょう。前述のマダニにもヤマビルにも効果のある忌避剤も市販されているので、登山の際などに持参すると安心です。
  5. 関連サイト
    ヤマビルにご注意を! 神奈川県(別ウィンドウで開きます)

スズメバチ類(注意:登山、ハイキング、森林施業、農作業、公園で遊ぶ)

  • キイロスズメバチ:スズメバチ科、働きバチは17〜25mmで全体に黄色みが強い

キイロスズメバチ

キイロスズメバチ

 

  • コガタスズメバチ:スズメバチ科、働きバチは22~28mmで黒とオレンジのしましま模様。オオスズメバチに似るが一回り小さい
  • オオスズメバチ:スズメバチ科、27~38mmで人間の親指ほどの大きさ。女王バチはさらに大きい。
  1. 生息場所
    キイロスズメバチ:都市周辺で増加していて、木の枝や崖、軒下、地中などに巣を作ります。
    コガタスズメバチ:庭木や軒下など、人の生活に最も近いところに巣を作ることが多くあります。
    オオスズメバチ:森林の土中や木の根元、樹洞に巣を作り、近年市街地近くでも見られ、樹液に集まります。
  2. 症状
    刺されると、全身のじんましん、口の周りや舌の腫れ、胸の圧迫感や腹痛、嘔気、下痢などの胃腸症状を伴うこともあります。さらに重篤な場合、血圧低下などから全身に十分な酸素が行き渡らなくなり(アナフィラキシーショック)、死亡することもあります。ハチに刺されて30分以内にこれらの症状が現れます。2度目3度目に刺されるとショック症状が大きく危険です。
  3. 応急措置
    ハチが周囲にまだ飛んでいる場合は、10~20m程離れた安全なところに避難します。そこで様子を見て、アナフィラキシーショックの疑いがあれば、刺された本人がエピペン注射液を持っている場合は本人が打つようにします。そして救急車を呼ぶか病院に連れて行きます。救急車を呼ぶ間は体を横たえて足を少し高くし、嘔吐しても窒息しないように顔を横に向けて、10分以内にポイズンリムーバーなどで毒を吸い出します。
    ショック症状があってもなくても、ポイズンリムーバーで毒を吸い出した後は患部を水洗いし、抗ヒスタミン系の外用塗布薬を塗ります。その後、傷口を冷やします。
  4. 対処法
    黒色に反応する(天敵がツキノワグマのため)ので、帽子や衣服は黒色を避けます。整髪料や香水にも寄ってくるので、付けないようにしましょう。またオレンジジュースなどの柑橘系の飲み物にも引き寄せられます。
    ハチが近くを飛んでいるときは動かずにじっとして、近づいてきても絶対に手で振り払ったりしないようにしましょう。手で振り払ったりすると、ハチは攻撃されたと思い、攻撃してきます。飛んでいる数が急に増えた場合、近くに巣がある可能性があります。スズメバチが人を刺すのは、ほとんどが巣を守るためで、不用意に巣に振動などの刺激を与えてしまうと、巣内のハチが飛び出してきて刺されます。周辺に巣がないかよく確認しましょう。ハチが一定方向に飛んでいくようであれば、そこに巣があると考えられます。近づかないように十分注意してその場から離れましょう。
  5. 関連サイト
    スズメバチに注意 神奈川県衛生研究所(別ウィンドウで開きます)

ウルシ類(注意:登山、ハイキング、森林施業、農作業)

ツタウルシ:ウルシ科、ツル性の低木。葉柄の先から小葉が3枚出て、それが1枚の葉となっています(三出複葉)。若葉では縁に粗い鋸歯(ギザギザ)がありますが、成木の小葉では鋸歯がなくなって滑らかになります。枝の切り口から乳液が出ます。秋には黄~赤色に紅葉します。
ヤマウルシ:ウルシ科、低木~高木。葉軸の左右に鳥の羽のように小葉が並び、先端に一小葉があり、それ全体が1枚の葉となっています(奇数羽状複葉)。葉軸は赤褐色で、小葉の先端はとがっていて、初夏に黄緑色の小花を房状に多数つけます。秋には黄~赤色に紅葉します。

ツタウルシ

ツタウルシ

ヤマウルシ

ヤマウルシ

  1. 生息場所
    ツタウルシ:山地の比較的標高の高い落葉樹林で見られ、つるが木や岩を這い上がり、日の当たる場所で葉を広げます。
    ヤマウルシ:山間部、丘陵の日当たりが良い林縁等に生育します。
  2. 症状
    枝葉や幹から分泌される樹液に触れると、ウルシオールという成分によりアレルギー反応が生じ、かぶれて皮膚炎になります。気づかないで触れてしまい、数時間から1~2日後に遅れて発症することが多くあります。
    ツタウルシの方がかぶれの成分が強く、かぶれた後に皮膚が赤くなって(発赤:ほっせき)、激痛を伴う場合があります。
  3. 応急措置
    かぶれたところ(以下患部)をこすったり、樹液が付いた手で体を触ったりしないようにします。患部を水で洗い、水がなければアルコール除菌用ティッシュ(又はティッシュ)で拭います。
    抗ヒスタミン系の外用塗布薬を患部に塗り、氷やタオルで冷やすと痒みや腫れが弱まります。痒みや腫れがひどい場合は、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。接触時に着用していた衣服等は洗濯した方が良いでしょう。
  4. 対処
    ウルシ類について事前に調べ、特徴をよく知っておき、不用意に触らないようにします。また近づくだけでもかぶれる敏感な人もいるので、白色ワセリン(手足のヒビ、アカギレ、皮膚の荒れ、その他皮膚の保護に使用する塗り薬、用法・用途厳守)を肌に塗り、帽子、長袖、長ズボン、軍手を着用しましょう。
  5. 関連サイト
    危険な植物 島根県(別ウィンドウで開きます)

8月のお盆の時期に海水浴に出かけて、楽しんでいたらクラゲに刺されて痛い目に合った方もいると思います。クラゲだけでなく、海辺には色々な危険生物が潜んでいます。

関連サイト
海の危険な生物 葉山町(別ウィンドウで開きます)

 カツオノエボシ(注意:海水浴、砂浜散策)

カツオノエボシ科、体長5~10cmで、10~50cmに達する触手を持つクラゲ

  1. 生息場所
    台風が通過した後や海が荒れた翌日などに、外洋から沿岸部に漂着したり、砂浜に打ち上げられたりすることがあります。
  2. 症状
    強い毒を持つクダクラゲの一種のカツオノエボシには触手があり、刺されると電気ショックを受けたような痛みがあり、刺されたところはミミズ腫れになります。重度の場合は頭痛や吐き気、呼吸困難、悪寒などの症状が表れ、長い間痛みが残ります。また、二度目に刺されるとアナフィラキシーショックを起こし、死にいたることもあります。
  3. 応急措置
    ミミズ腫れになったところに触手が残っていないか確認します。刺激に反応して刺胞が飛び出すため、刺激を与えないようにピンセットなどで取り除きます。患部に抗ヒスタミン系の薬を塗り、重度の場合や症状が改善されない場合は、医療機関で手当を受けてください。
  4. 対処法
    砂浜に打ち上げられた死体は、青い風船のような気胞体がプラスチックごみのように見えるので、絶対に触らないようにしてください。ちぎれた触手でも毒性は失われていないので、素手で触らないようにします。
    海が荒れた翌日などは、海水浴などは十分に注意が必要です。
  5. 関連サイト
    カツオノエボシにご注意ください 神奈川県(別ウィンドウで開きます)

ガンガゼ(注意:磯遊び、海水浴、スキューバダイビング、シュノーケリング)

ガンガゼ科、殻の大きさは5~10cmで、トゲの長さは30cmに達するウニ

  1. 生息場所
    比較的潮の流れの良い岩場に生息しています。
  2. 症状
    ムラサキウニ、バフンウニなどは、手に乗せてもよほど強く押さない限りトゲは刺さりません。ガンガゼのトゲは、ウェットスーツを突き通すほど鋭い一方、皮膚に刺さるとすぐ折れます。トゲにはかえし(逆刺)があるため皮膚内部に残ることが多く、鋭い痛みが数時間続くこともあります。刺さった部位によってはリンパ線が腫れ上がって炎症を起こし、筋肉が麻痺して呼吸困難になることもあります。
  3. 応急措置
    トゲをとげ抜きですべて抜き取り、患部を水またはぬるま湯できれいに洗います。患部に化膿止めの薬を塗ると良いでしょう。トゲがすべて抜けない場合があり、化膿など二次感染の原因にもなるため、病院でレントゲン検査を受け、体内のトゲを取り除くことが大切です。
  4. 対処法
    大抵は岩陰から非常に長いトゲだけが出ていて、注意すれば判別もできますが、物陰のため気づかずに触れてしまうことがあります。岩陰があるところでは十分に注意して、不用意に手を出して触らないようにしましょう。また遊泳中に岩場などに足をつく場合は、ウニを踏まないよう注意しましょう。
  5. 関連サイト
    せとうちネット ガンガゼ 環境省(別ウィンドウで開きます)

ヒョウモンダコ(注意:磯遊び、海水浴、スキューバダイビング、シュノーケリング)

マダコ科、体長15cm前後の小型のタコ

  1. 生息場所
    主に岩場の磯から水深10m辺りに生息しています。刺激を与えると鮮やかな青い斑紋が体表に現れます。
  2. 症状
    ヒョウモンダコの唾液にはフグ毒と同じ神経毒のテトロドトキシンが含まれており、噛まれると、麻痺、しびれ、言語障害などになり、重度の場合は全身麻痺や呼吸困難を引き起こし、解毒剤がないと短時間で死亡することがあります。
  3. 応急措置
    噛まれた患部から毒を絞り出し(飲み込むと危険なので口で吸い出さない)、流水で洗い流して患部を出来るだけ心臓より高い位置におき、患部と心臓の間で圧迫して毒が全身に広がらないようにします。安静にさせて、至急病院などに運びます。
  4. 対処法
    こちらから手を出さない限りは、ほとんど噛まれることはないので、見つけても、絶対に捕まえたり、触ったりしないでください。
  5. 関連サイト
    海の危険生物の特徴や対策、応急処置方法など 奄美市大浜海浜公園(別ウィンドウで開きます)

ゴンズイ(注意:釣り、海水浴、スキューバダイビング、シュノーケリング)

ナマズ科、体長20~30cmの魚類

  1. 生息場所
    磯から水深10m前後の岩場や藻場、港湾等の砂底に生息し、特に岩石の下の凹みを好み、主に夜に活動します。幼魚の時期には、岩礁や防波堤の窪地などでゴンズイ玉とよばれる幼魚の群を作りますが、成長に伴い単独で生息するようになります。
  2. 症状
    背びれと胸びれに有毒のトゲがあります。刺されると焼けるような痛みがあり、赤く腫れます。ズキズキした激しい疼痛が徐々に広がって2日間程度続き、重度の場合は患部が腫れ上がり、数日間痛みが続いて患部が壊死することがあります。また、血圧降下や発汗などの全身症状が起こる場合もあります。体表面の粘膜にも毒があります。
  3. 応急措置
    刺されたら、すぐに傷口から毒を絞り出します。60℃以上の熱で分解されるため、火傷しない程度のお湯で傷口の消毒を行います。痛みが続く場合は、医療機関で手当てを受けましょう。
  4. 対処法
    夜行性のため夜釣りで防波堤やテトラ帯などでよく釣れます。死んだ個体でも毒性を失わないので注意しましょう。釣り糸から外す際に刺されるケースが多いので、無理をせずハリス(針に結ぶ糸)を切るとよいでしょう。海中では基本的にはゴンズイの方から逃げていきます。
    他にカサゴ類、オコゼ類の魚類にも毒があるので要注意です。
  5. 関連サイト
    海の危険生物の特徴や対策、応急処置方法など 奄美市大浜海浜公園(別ウィンドウで開きます)

危険な外来生物

外来生物法では「外来生物」を「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義しています。ペットや展示用、食用、研究などの目的で輸入されて日本にやってきた外来生物が、何らかの理由で自然界に逃げ出すことがあります。また荷物や乗り物などに紛れ込んで持ち込まれたものも少なくありません。そのまま生き続けることや、繁殖して子孫を残すことは難しいのですが、中には定着してしまう生物もいます。
また、外来生物法では「生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがある外来生物」を「特定外来生物」として指定しています。県や市町村は、特定外来生物のうち「人の生命・身体」への被害が報告される種を「危険な外来生物」として、危険についての周知や情報提供などを呼びかけています。

関連サイト
気をつけて!危険な外来生物 東京都環境局(別ウィンドウで開きます)

参考文献

  • 危険生物ファーストエイドハンドブック陸編/武蔵野自然塾(編)/文一総合出版/2017
  • 危険生物ファーストエイドハンドブック海編/武蔵野自然塾(編)/文一総合出版/2017
  • 危険生物・外来生物大図鑑/今泉 忠明、自然環境研究センター(監修)/2018 
  • 気をつけろ!!!危険生物・外来生物図鑑/今泉 忠明、自然環境研究センター(監修)/2019

用語

 アナフィラキシー

アナフィラキシーは、アレルギー反応でも特に重篤な状態であり、「アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因の物質)などの侵入により複数の臓器に全身性にアレルギー症状があらわれて生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されています。複数の臓器とは、皮膚・呼吸器・消化器・循環器・神経などを指します。血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックといい、一刻も早く医療機関で治療しないと死亡することがあります。

アナフィラキシーショックの症状
自覚症状:体のしびれ、めまい、けいれん、耳鳴りなど、手足の先が冷たくなる、胸や喉の圧迫感を感じて息苦しくなる
他覚症状:全身のじんましん、チアノーゼ、呼吸が荒くなる、意識障害

 アレルギー反応

免疫反応の一部ですが、異物に対して反応する際に、過剰に反応して自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギー反応と呼んでいます。
免疫反応とは感染症に対して抵抗力を獲得する現象で、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これら外敵から自己を守る仕組みです。
抗体とは抗原(抗体ができる原因物質)の侵入に反対して体内に形成する物質です。

 エピペン注射液

医師の治療を受けるまでの間、アナフィラキシー症状の進行を緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤で、医師の処方が必要なものです。スズメバチに1、2回刺されたことがある人は、野外での活動の際に持っていると安心です。

 抗ヒスタミン系外用塗布薬

体内のアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン作用により、皮膚の痒みや赤み、膨らみなどの症状を抑える外用塗布薬です。

 ポイズンリムーバー

ハチに刺されたときなどに毒を吸い出す器具のことです。ハチに刺されたらポイズンリムーバー10分以内に処置します。
患部に吸い口を当ててピストンを引き上げ、ゆっくりピストンを止まるところまで押し下げると毒が吸い出されます。その後ゆっくりとピストンを上げます。これを3回程度繰り返します。
その後は患部を水洗いして抗ヒスタミン系の外用塗布薬を塗り、傷口を冷やすと良いでしょう。
器具は一度使ったら内部に毒が残っているので、よく洗浄するようにします。
正しく処置しても痛みや腫れなどが出る場合もありますので、できるだけ速やかに医療機関を受診しましょう。
アウトドア用品店、ドラッグストア、ホームセンターまたネット通販などで購入できます。

 刺胞(大辞泉の解説)

クラゲ・イソギンチャクなど腔腸(こうちょう)動物に特有の器官です。袋状で、中にある刺針・刺糸が刺激に合うと飛び出し毒液を発射します。えさを捕るときや防御の際に用いられます。

 

このページの先頭へ戻る

このページに関するお問い合わせ先

青少年センター

青少年センターへのお問い合わせフォーム

指導者育成課

電話:045-263-4466

ファクシミリ:045-242-8190

このページの所管所属は 青少年センターです。