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更新日:2024年3月21日

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研究報告 第169号 摘要一覧

神奈川県農業技術センター研究報告の摘要のページです。

キャベツ根こぶ病に対する神奈川県版ヘソディムマニュアルの作成

 土壌病害であるキャベツ根こぶ病は,作付け前に対策を講じる必要がある.しかし,ほ場ごとに発病リスクが異なり,どの程度発病するか予測することが困難であることから,防除法の選択が難しい.結果として防除不十分による収量の減少や,過剰な防除による生産コストの上昇が生じている.ほ場の土壌病害の発生しやすさ(発病ポテンシャル)を診断・評価し,評価結果に応じた対策を講じる土壌病害管理法(ヘソディム)は,これらの課題を解決できる病害管理法であり,他県では本病に対するマニュアルも作成されているが,県内の夏まきキャベツの産地に対応したマニュアルは作成されていない.そこで,横浜・藤沢地域で栽培が多い‘しずはま1号’栽培ほ場でのキャベツ根こぶ病を対象としたヘソディムマニュアルを作成するために,2017~21年の5年間をかけて,のべ176のほ場調査区の休眠胞子密度,土壌物理化学性,農薬使用等栽培状況および収穫時の根部発病程度について調査した.これらのデータから,土壌pH,休眠胞子密度,前年同作型の発病程度等と当年の発病程度の関係を明らかにし,ほ場のキャベツ根こぶ病の発病ポテンシャルの評価表および発病ポテンシャルのレベルに合わせた対策技術のリストを作成した.作成した評価表および対策技術リストの有効性を全ての調査区で評価したところ,発病ポテンシャルレベルの診断結果に応じた対策が妥当であった調査区は88%であった.

葉ニンニク(Allium sativum L.)の収穫期間を拡大する栽培法の開発

 近年,鳥獣害対策として県内での栽培が増えている葉ニンニク(Allium sativum L.)について,早どり栽培と春どり栽培での収穫期間の拡大について検討した. 早どり栽培では,鱗片を5~10℃で10~30日間処理することで休眠打破し,萌芽を早めることができた.9月上旬植付けの萌芽率が約70%に達する時期は,無処理区に対して,5℃20日区で15日,10℃20日区で19日,それぞれ早まった.5℃と10℃の萌芽促進効果は,低温処理開始が8月中旬では5℃,9月上旬では10℃の方が高い傾向が示された.また,9月下旬植付けにおける収穫割合50%到達日を比較すると,無処理区に対して,10℃30日区で106日,5℃30日区で85日,それぞれ前進した.同様に低温処理期間の比較では,10℃30日区で106日,10℃20日区で85日,10℃10日区で76日の順に前進した.また,春どり栽培については,12月から1月の植付けで無孔農POフィルムのトンネル被覆により,慣行栽培では出荷が少なくなる3月中旬から4月に収穫することができた.

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