研究報告 第159号 摘要一覧

掲載日:2021年4月15日

コンパクトネギの品質評価

種々の野菜で小型化へのニーズが高まっている中で,ネギについても短葉しょう品種の育成や短葉しょう化栽培技術の検討が行われている.販路拡大には,小型であること以外の要素でも従来の根深ネギとの差別化が必要である.そこで,消費者の評価が高い葉身部と葉しょう部の両方が利用できるという点をアピールするために,コンパクトネギ品種及び育成系統,本県育成品種‘湘南一本’短葉しょう化栽培ネギの品質評価を行った.‘湘南一本’短葉しょう化栽培では播種時期によって,辛み成分の指標であるピルビン酸生成量には変動が認められたが糖含量は大きく変化しなかった.コンパクトネギ品種・系統の品質は,夏期に収穫されるものでピルビン酸生成量,アミノ酸含量が高くなる傾向があった.糖,アミノ酸,ピルビン酸とも,葉身部より葉しょう部で多かったが,夏期のピルビン酸生成量は葉身部で葉しょう部より多くなった.春夏期収穫を中心としたコンパクトネギの葉しょう部,葉身部の品質は概ね良好であった 

ナス品種‘サラダ紫’のF1純度検定用SSRマーカーの選定と品種判別

本県で育成したナス品種‘サラダ紫’は、F1品種である.F1品種においては,母親系統の自殖種子に由来する個体の混入が,種子の品質を低下させる要因となる.そこで,‘サラダ紫’のF1純度検定用のDNAマーカーの開発を行い,併せて,品種識別できるSimple Sequence Repeat(SSR)マーカーセットを選定した.選定したSSRマーカーは,増幅反応後に蛍光色素で標識するポストラベル法を用いたPCRで検出することができた.

夏季緑肥栽培による土壌中硝酸態窒素の溶脱低減効果及び後作への影響

夏季に緑肥作物(エンバク)を栽培し,硝酸態窒素の溶脱低減効果,秋冬ダイコン及び秋冬ダイコン後の春キャベツの生産性への影響を検討した.夏季裸地区では,表層(0-15 cm)のNO3-N が下方へ溶脱したのに対し,緑肥区では,表層から下層にかけてのNO3-N がエンバクに吸収された.エンバクすき込み後,NO3-N は一旦増加した後減少した.このNO3-N の減少は,NO3-N がすき込みにより増加した土壌微生物に取り込まれた後,不溶性の形態に変化したことに起因する可能性が考えられた.次に,秋冬ダイコン及び春キャベツの生産性への影響については,慣行施肥では裸地区と同等であったが,窒素無施用の場合,春キャベツの生育が著しく抑制された.ダイコンに比べてキャベツの窒素吸収量は2 倍以上あり,緑肥すき込みにより土壌バイオマスが増加することで窒素飢餓が生じ易い条件になったためと推察された.以上のこと等から,夏季におけるエンバク栽培は,窒素溶脱低減効果を有し,すき込み後の窒素は溶脱しにくいこと,また,極端な減肥栽培をしなければ後作の生産性に対するマイナス影響もないと考えられた.

交雑試験によるニホンナシ‘香麗’及び‘なつみず’のS遺伝子型の推定

当所育成のニホンナシ新品種‘香麗’及び‘なつみず’の交雑試験を実施した結果,両品種ともS遺伝子型がS3S4の品種(‘筑水’,‘なつしずく’)とは交雑不和合であったことから,両品種のS遺伝子型はともにS3S4であると推定された.

ウメ‘十郎小町’及び‘虎子姫’における自家和合性及び交雑和合性の判定

交雑試験により当所育成のウメ新品種‘十郎小町’及び‘虎子姫’の自家和合性及び交雑和合性を検定したところ,‘十郎小町’は自家不和合性,‘虎子姫’は自家和合性であると判定された.また,両品種は県内の主要品種‘十郎’及び‘南高’とは交雑和合性を有していると判定された.

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