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更新日:2024年1月31日

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農産物の上手な利用法(麦こうじ(発酵機利用)/作り方)

「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。

作り方

 

(1)麦を水洗いする。
(2)水洗いした麦を水につける。

写真:水洗いしたムギを水につける

(3)水につけた麦をザルに上げて、水切りする。

写真:ザルに上げて、水切りする

(4)麦を蒸し器に入れて、芯がなくなるまで蒸す。

写真:ムギを蒸し器に入れる

(5)蒸しあがった麦を蒸し器から取り出し、塊をほぐして、35~40℃に徐々に冷やす。

写真:蒸しあがったムギ写真:塊をほぐして、35~40℃に徐々に冷やす

(6)蒸した麦に必要量の種こうじを接種、混合する。

写真:蒸したムギ写真:必要量の種こうじを接種、混合する

(7)種付けを終えたら、発酵機の敷布に平らに広げ、発酵機に取り込む。発酵機の取扱説明により管理をする。

写真:発酵機の敷布に平らに広げる

(8)取り込み後20時間したら、切り返しを行う。こうじの塊をほぐし、上下を攪拌し、発酵機に戻す。

写真:作業風景

(9)切り返し後5~6時間したら、手入れを行う。こうじの塊をほぐし、上下を攪拌し、発酵機に戻す。

写真:手入れを行う写真:発酵機に戻す

(10)取り込み後42~45時間でこうじができあがるので、発酵機より取り出し、塊をほぐしながら、冷却する。

写真:冷却する


作り方のアドバイス

★麦の水洗と水つけ

精白した麦は良く洗い、フスマや異物の除去を完全に行って下さい。
麦は米に比べて吸水が早いので、つけすぎない注意が必要です。吸水の程度は吸水した麦粒を手に取り、爪先で押し切れる程度が適当です。当然、麦の大きさ、精白度合い、水の温度により吸水時間が変わってきます。冬季(10℃以下)ならば4~6時間、春先や秋口(15℃内外)では2~3時間が目安となります。20~30℃の水に浸けるなら1時間以内で充分です。

★水切り

吸水した麦はザルに上げて、30分くらい水切りして下さい。

★麦の蒸煮

水切りした麦を蒸し器に入れ、蒸気を通します。蒸し器の最上部から強い蒸気が吹き出してから30~40分間くらい蒸します。蒸麦は「フンワリ」として芯まで熱が通っていなければなりません。蒸し加減は麦粒が半透明になり、弾力が出てきたらOKです。蒸し時間は麦の質、吸水加減、蒸気の強さで変わってきます。写真:ムギの蒸煮作業風景

★麦の冷却

蒸しあがった麦を蒸し器から取り出し、塊をほぐして、35~40℃に徐々に冷やして下さい。

★種付け

写真:種こうじが全体に均一になるようにする写真: 蒸したムギを良くほぐす 蒸した麦を良くほぐし、種こうじが全体に、均一に付くようにしなければなりません。種こうじを全体にパラパラと振りかけても良いのですが、蒸した麦の一部に種こうじを振り、良く揉み込んで下さい。種こうじが多量に付いた蒸した麦を作り、これを全体に振りかけ、麦粒に傷を付けるように良く揉みながら、全体を攪拌して下さい。種こうじが全体に均一になるようにするのがポイントです。

★取り込みの温度

種付けを終えたら、発酵機に取り込みますが、このときの温度は製麹方式によって若干の違いがあります。発酵機を利用するときは取扱説明を良く読んで、温度管理をして下さい。ここで利用した発酵機の場合は30℃以上で取り込むと、温度を下げるためのファンがまわり、麦の乾燥が進みます。

★切り返し

写真:切り返し作業風景 昔からのムシロ(筵)やこうじ(麹)蓋を利用した場合、取り込み後、切り返し、盛り込み、一番手入れ、二番手入れ、積み替えなどいくつかの操作がなされますが、この発酵機では操作が簡略化されています。
取り込み後、時間が経つとこうじ菌が繁殖し、全体の温度が上がり始めます。18~20時間くらい経つと、こうじの香りが漂ってきます。切り返しによってこうじの塊がほぐされ、上下が攪拌されるため、全体の温度が均一になります。また、こうじ菌に空気が与えられるため、こうじ菌の繁殖が促進されます。

★手入れ

切り返し後5~6時間したら、手入れを行います。こうじの塊をほぐし、上下を攪拌し、発酵機に戻します。このとき極端に温度が下がらないよう、手早く行います。

★出麹

取り込み後42~44時間でこうじができあがりますが、標準的な時間を目安にこうじの状態を観察しながら判断して下さい。
味噌に使う場合は出麹と同時に煮大豆、食塩とあわせて仕込むのが最良ですが、すぐに味噌に仕込めない場合、食塩を混合した塩切りこうじにすることもできますが、1週間くらいでしたら5℃の冷蔵、数ヶ月でしたら冷凍することでこうじの酵素活性を落とすことなく保存することも可能です。
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