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更新日:2024年1月31日

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農産物の上手な利用法(米の酸度調査/調査法のアドバイス)

「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。

 
調査法のアドバイス

★pH指示薬・指示薬原液

メチルレッドは水に溶けにくいので、十分な養生時間をかけなければなりません。指示薬のメチルレッドとブロムチモールブルーは完全に溶かしてください。この指示薬原液はアルコール濃度が高く、揮発しやすいので、密封して保存してください。使用期限は2週間程度としてください。試薬類を急いで作ることがないように、計画的に調整してください。
写真:メチルレッドを三角フラスコに入れて、溶かす
指示薬を溶かす
  写真:アルコールは揮発しやすいので、密封して保存
密封して保存

★pH指示薬・調整指示薬

穀粒の呈色状態を見る場合は当日、指示薬原液と精製水を1時04分の割合で混合します。この液のpHを調整し液の色を赤色から黄緑色します。pH調整には調整用の液100ml当たり、1%NaOHを0.25ml加え、0.1%NaOHを1滴ずつ加えます。黄緑色にするのですが、容器を振って黄色が残る程度で、完全な緑色にしてはいけません。
写真:NaOH溶液を加える
NaOH溶液を加える
  写真:黄緑色にする
黄緑色にする
  写真:緑色はNaOHの入れすぎ
緑色はNaOHの入れすぎ
 

★試験管の振とう

染色液による判定の操作で、pH指示薬10mLを入れた試験管に米粒を約5g加えたなら、速やかに栓をして、上下を逆さにするように、5回くらい振とうしてください。米粒を入れて直ぐに振とうしないと、米粒が試験管の底部分に固まって、全体が均一になりません。栓をした試験管を勢いよく、泡が立つほど振る必要はありませんが、サッと上下を逆さにしてください。
写真:試薬を入れた試験管に米粒5gを入れる
試験管に米粒を入れる
  写真:軽く振とうする
試験管を直ぐに振とう

★鮮度の判定

染色液による判定では鮮度のよい米粒は緑色になりますが、酸化の進んだ米粒は黄色や橙色になります。呈色した試料を保存することは困難なので、デジタルカメラで色調の記録をしてください。白色の紙をバックにして撮影するとよいでしょう。この時、色見本があるなら一緒に写しこんでください。また、pHメーターがあるならば呈色した試料の上澄みを測定してください。このときには必ずpH標準液で調整済みのpHメーターを使用してください。この時は併せて指示薬単体についても測定してください。
なお、下の写真では緑色の上澄み液のpHは7.2、黄色の上澄み液のpHは6.3でした。
写真:鮮度のよい米粒は緑色、酸化の進んだ米粒は黄色
緑色は鮮度良好
  写真:pHメーターで上澄み液を測定
pHメーターで測定

浸出液の呈色判定で穀粒胚乳部分等の呈色度合いが違うものについては穀粒呈色試験を実施してください。粒染色による判定を実施し、呈色度合いで区分し、それぞれの穀粒の数を数えてください。この時、素手で穀粒に触れてしまうと、穀粒が橙色に変色してしまうので素手では触れないでください。粒染色による判定で混入割合の手がかりがつかめます。呈色度合いで2区分に分かれた場合は2種類以上の米が混合された可能性があります。場合によっては同じ程度のものが数種類混合されても同様の判定がされるので、可能性は2種類以上が混合されたとなります。
この呈色判定では脂肪の酸化程度が分かるので、緑色だからおいしいご飯になるとは限りません。ご飯のおいしさは他の成分が大きく係わってきます。それらの成分を調べることが必要です。


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