第8号(平成27年8月20日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 手足口病情報(8)

手足口病は、口の中や手、足などに現れる水疱性の発疹が特徴の急性ウイルス性感染症で、主に夏に乳幼児を中心に流行します。神奈川県は第27週に定点当たり報告数が警報レベルの目安となる5を超え、第33週(8/10~8/16)も定点当たり報告数が8.19となっています。第29週(7/13~7/19)をピークに報告数は減少してきましたが、引き続き今後の発生動向に注意しましょう。


手足口病の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内215ヵ所)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりの手足口病の報告数をあらわしています。

  1. 神奈川県の年別・週別報告数状況
    第33週(8/10~8/16)の定点当たり報告数は8.19で、第32週(10.53)より減少しましたが、警報レベル (5)を超えています。また、例年の同時期と比較して報告数が多くなっています。
  2. 保健所別報告数状況
    第33週の定点当たり報告数は、厚木保健福祉事務所管内(13.86)、鎌倉保健福祉事務所管内(11.00)、横須賀市(10.78)、小田原保健福祉事務所管内(10.75)、藤沢市(9.29)、川崎市(8.64)、相模原市(8.42)、横浜市(7.90)、平塚保健福祉事務所秦野センター管内(7.33)、鎌倉保健福祉事務所三崎センター管内(6.00)、茅ヶ崎保健福祉事務所管内(5.67)で警報レベル(5)を超えています。

    第32週(8/3-8/9)

     

    第33週(8/10-8/16)

    *C:センター

    警報について 警報レベルとは、大きな流行が発生または継続していることを示し、1週間の定点当たり報告数の値を用います。手足口病の警報レベルは、定点当たり報告数が5以上で始まり、2未満で終息します。
  3. 年齢別累積報告数状況
    年齢別累積報告状況では、5歳以下が約9割を占めています。
  4. 神奈川県衛生研究所における手足口病患者からの病原体検出状況(微生物部)
    手足口病の原因ウイルスはいろいろありますが、2015年7月までにコクサッキーウイルスA6型、コクサッキーウイルスA9型、コクサッキーウイルスA10型、コクサッキーウイルスA14型、コクサッキーウイルスA16型とライノウイルス、単純ヘルペス1が検出されています。

<参考リンク>