平成26年11月11日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県におけるデング熱情報(2007年~2014年44週)

デング熱はウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカという蚊に刺されることで発症する急性熱性疾患です。流行地への渡航先で感染することが多いですが、国内での感染も見られています。冬場にも報告がありますので、アジア諸国等への海外渡航の際には注意しましょう。
主な症状は、発熱、頭痛、関節痛、発疹等の症状が現れ、1週間前後で回復します。稀ですが、重症化して出血傾向を伴うことがあります。ウイルスに対する予防接種や薬はないため、蚊に刺されない対策が必要となります。デング熱は四類感染症で、全数把握対象疾患となっています。

  1. デング熱報告数
     神奈川県では2007年から2014年第44週までに110例の報告がありました。その内訳は、横浜市66例、川崎市23 例、県域19例、相模原市2例となっています。2014年は第44週までに27例の報告があり、例年の同時期と比較して、報告数が多くなっています。

    (H26.11.06現在)
    *県域とは神奈川県内の市町村のうち横浜市、川崎市、相模原市を除いた地域
    (相模原市は2009年までは県域に含まれています。)

  2. 年齢別・性別累積報告数状況
    年齢別では、20歳代で39例(32%)と最も多く、30歳代の27例(22%)と合わせて全体の54%を占めています。
    性別は男性63人、女性47人で、男性が多い状況です。

  3. 渡航国別年別累積報告数
    渡航国別年別累積報告数では、アジア諸国が9割を超えています。
    日本国内感染例(東京都内)としては、2014年第35週から第41週まで13例が報告されています。
  4. 年別・月別報告数
    年別・月別報告数では、8月から10月までの報告数が75例で、全体の68%を占めています。
    渡航先内訳は、フィリピン17例、インド14例、インドネシア8例、タイ8例、マレーシア4例、ラオス4例、カンボジア3例、ジャマイカ1例、ミャンマー1例、モルディブ1例、グアム1例でした。また日本国内感染例(東京都内)が13例でした。

    月別累積報告数

デング熱の報告数は、当該週の国からの還元データおよび各保健所からの報告をもとに集計しています。報告遅れ、修正等のため、報告数が前後することがあります。

<参考リンク>