更新日:2024年3月12日

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令和3年度母子福祉部会審議概要

児童福祉法第8条,母子家庭等及び寡婦の福祉並びに母子保健に関する審議会における審議記録

様式3

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称 児童福祉審議会母子福祉部会
開催日時 令和4年1月25日(火曜日) 14時~15時45分
開催場所 オンライン開催

出席者

(資料送付者)

委員:※小林部会長、伊藤委員、入江委員、奥脇委員、

日下委員、鶴飼委員、萩原委員、古屋委員

※印は、部会長

次回開催予定日

未定

問合せ先

福祉子どもみらい局子どもみらい部子ども家庭課家庭福祉グループ

電話(045)210-4671 内線4677

掲載形式

議事録

議事概要とした理由  
審議経過 

事務局が委員数8名に対し、過半数の出席を確認し、成立する旨を発言。
・委員交代の紹介、子ども家庭課長の挨拶の後、審議を行った。

(小林部会長)
 委員の皆様、お忙しいところ、ご都合を合わせていただきまして、ありがとうございます。
 リモートは、会議の前後で、委員の皆様や県の方々と、ちょっとした会話をするのには何かと不便なところもありますが、一方で、時間や地理的な距離を越えて会いやすい部分もあり、前向きに捉えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 最近の状況について、不要不急ということが言われ、社会活動をどう動かしていくかという点にだんだんと議論が移ってきてはいますが、この部会が所管しているひとり親家庭の支援は、まさに社会活動の重要な柱の一つになっているというところでもあり、しっかりと委員の皆様とご意見を交していきたいと思っています。
 特に、現状のひとり親家庭の支援の細かな施策について、委員皆様の専門の観点から、率直なご意見や疑問を投げかけていただくこと自体が、地域のひとり親家庭の皆様にわかりやすく、参考にもなると思いますので、ご意見及びご質問をお願いできればと思っています。
 昨年末に、内閣府が子供の生活状況調査をしていますが、世帯収入ごとの分析をかなり細かく実施しています。これだけの規模で分析した例は、今まであまりなかったので、ぜひ委員皆様もご覧になっていただければと思います。さらに今後、基礎自治体でも、それぞれ同じ項目で調査を実施する予定になっていますので、この部会としても、引き続き現状を見ていく必要があると思っています。また、内閣府の子供の生活状況調査の中では、コロナ禍の影響も取り上げられており、世帯の収入の違いとか、ひとり親家庭の状況の違いが、はっきりと数字で表れています。
 コロナ禍の状況で、収入が減ったという調査解答について、全体で見ると3割位ですが、世帯収入の中央値から半分以下の世帯で見るともっと割合が増え、あるいは生活に必要な支出が増えているという解答も、全体で見ると4割位ですが、ひとり親世帯だけで見ると6割近くになります。
 コロナ禍の影響について、世帯全体で見ると、3割とか4割の人たちに影響が出ているので、全体から見ると大多数ではないとも言えますが、世帯収入やひとり親家庭で見てみると、かなり厳しい現状が浮かび上がってくるので、対象をきちんと絞っていかないと見えてこないものが、コロナ禍の状況にあるように思います。
 社会は分断されていると言われていますが、私たち自身が当事者の立場に立ってどれぐらい想像力を働かせていけるかが重要になっていると思います。
 それでは、資料2の「『かながわ子どもみらいプラン』(ひとり親家庭等自立促進計画)の進捗状況」について、事務局から説明をお願いします。

(事務局)
資料2~7、11により説明

(古屋委員)
 ひとり親家庭等日常生活支援事業について、どこに問い合わせていいのか、どこでやっているのか、教えていただきたい。

(事務局)
 母子父子自立支援員がいる窓口で相談できます。事務手続き等については、母子家庭等就業自立支援センターで行っています。

(日下委員)
 母子父子自立支援員の相談実績の中には、コロナ関係という項目分類があるのか。また母子父子自立支援員の役割を教えていただきたい。

(事務局)
 コロナ関係による項目分類はありません。相談項目の一覧は、国の統計のためのデータとなります。また、経済的支援・生活援護が増えていることは、コロナ禍の影響を受けて増えているのではないかと分析しています。
 母子父子自立支援員の役割ですが、お客様から相談があった際、例えば就労紹介や自立支援プログラムにつきましては、母子家庭等就業自立支援センターへ繋げていただくというような、必要に応じて適切な部署や機関等へご案内するようにお願いしています。また、母子父子自立支援員の方には、定期的に研修や情報提供などを行っています。

(小林部会長)
 母子父子自立支援員の雇用形態というものについて教えていただきたい。

(事務局)
 雇用形態ですが、ほとんどが会計年度任用職員で、週4日など時間を決めて毎年契約するような雇用となっています。

(入江委員)
 ひとり親家庭等日常生活支援事業は、良い制度だとは思いますが、きっちりとPRをして利用してもらえるような体制にしていただきたい。ただ、PRすることも大事ですが、市町村が積極的に母子父子家庭自立支援員を通して、制度を利用していただけるように促す必要があると思います。コロナ禍で外出が難しい状況においては、インターネット系広報というのはすごく大事だと思います。そもそも「神奈川県」「ひとり親支援」と検索をしても、ひとり親総合支援のポータルサイトであるカナカモミールが出てきません。県のページの中に、インデックスが入っているだけでアクセスは少ないだろうと思います。同時に、いくつものインデックスがたくさん並んでいて、ひとり親自身にとって、必要な受けられる支援を特定するのは非常に難しいものがあると思います。
 県は、LINE相談やTwitterでの情報発信を実施していますが、どうしても単発になってしまうので、カナカモミールのようなポータルサイトの存在というのは大切だと思いますが、もう少し利用者にとって利用しやすいようにてこ入れすることはできないでしょうか。

(事務局)
 ひとり親家庭等日常生活支援事業につきましては、冠婚葬祭や就職活動などで子供の面倒見てもらいたいという事前相談が、利用を躊躇させてしまっているのではないかという意見は聞きます。申し込んですぐ派遣できるようなことに対しては、制度的な面等を踏まえて、貴重なご意見として参考にしていきたいと考えています。
 カナカモミールにつきまして、ご指摘いただいた面から見れば、アクセスがしにくいというようなこともございますが、令和2年度のアクセス数の実績が5万7,353件、令和元年度が5万9,500件と、アクセス数自体は一定数あると認識しています。しかしながら、ご指摘いただいたように、初めて利用する方からすると使いづらい、もう少し案内しやすいような道筋ができないかというような視点も踏まえて、今後の参考にしたいと思っています。貴重なご意見、ありがとうございます。

(入江委員)
 ひとり親家庭等日常生活支援事業に関して、使い方を限定するのではなく、もう少し幅広くいつでも使えるようにしてほしい。また、市町村の負担部分が大きく、そのことが市町村の利用拡大を躊躇させている原因と考えられます。もう少し積極的に県がPRしていくとか、もう少し柔軟な使い方の提案をしていただければと思います。
 ポータルサイトのアクセス数に関しては、5万という数字はあまり多くはないと思います。トップページを見ても、一番必要なキーワードが出ていません。「ひとり親」という言葉を使われていますが、インターネット上では、「シングルマザー」「シングルファーザー」という言葉が普通で、インターネット上のキーワードと制度上の名前とが一致していません。そういった部分をもう少し一般的にしていきますと、もう少し使いやすくなると思います。印刷物では、「ひとり親」という言葉を使わざるを得ないと思いますが、もう少しインターネットの世界では、一般的に使われている普通の言葉、つまり口語体に近い言葉を使ってもいいのではないかと思います。制度についても、「何とか資金」という名前ではなく、「こういう状況の人がこういったお金を使えるよ」という語り口的みたいな名前を考えてのいいのではないかと思います。

(小林部会長)
 予算規模が徐々に縮小していくとするならば、どれぐらいの規模で実施していく事業か明確化にしていく必要があると思います。単純に予算を増やすということではなく、予算の規模に応じて、他の事業との兼ね合いも考慮し、利用方法などを明確することが重要となってくると思います。
 また、LINE相談については、テキストベースの相談なのか、あるいは電話みたいな相談なのか、もう少し具体的に内容を説明してほしい。

(事務局)
 ひとり親家庭等LINE相談につきまして、令和元年度に試行段階として電話併用を実施しましたが電話の利用はほぼ皆無でした。
 LINEについては、会話形式で、文字でやり取りする内容になっています。利用者は、20代から40代の子育て世代が非常に多く、アンケートなどでは、開設時間についても子育てのちょっとした合間に相談できるのがいいというようなニーズが強いことがわかります。また、平日や昼間は、同居の家族がいるので電話では相談をしにくいので、LINEで相談できるのは助かりますとか、否定せずに聴いてくれるので、最後の手段でお守り代わりにしていますといった意見があります。本年度は、毎週月曜・水曜・土曜日の午前11時から20時で実施しています。

(小林部会長)
 ここ10年近くの間に、県の施策として、ポータルサイトやLINE相談など、飛躍的に相談のチャンネルが増えていると感じています。

(奥脇委員)
 様々な家庭の不安を取り除くような県の施策などを、必要な人にきちんと伝えていくようなPRが必要だと感じています。また、現在、身近な学校現場で起きているヤングケアラーという問題について、様々な県内の市町村と協力し、解決するための施策などを学校へ波及していくことが大切だと感じています。

(小林部会長)
 福祉と教育の管轄部署間の連携ということについて、現場レベルもあると思いますが、県庁レベルで、どのような会議体とか、連携の機会があるのか、教えていただきたい。

(事務局)
 ヤングケアラーで説明いたしますと、県庁内の福祉の部署だけでは対応が難しく、教育、労働、健康医療など様々な支援に関わりのある部署を集めて庁内連携会議を実施し、部署内で行われている事業や施策を有機的に繋げられないかどうか等の検討をしています。昨年の10月にはケアラーのポータルサイトを設置し、ヤングケアラーというコーナーの中で、ヤングケアラーの説明や、各市町村の相談窓口のご案内をしています。また、ヤングケアラーの経験者には、庁内連携会議のメンバーに加わっていただき、各市町村の相談窓口の担当者など支援者側の理解を深める取組や、社会的な認知を上げるための研修・講演会を実施しています。サイト上には、利用方法や資料なども掲示しています。

(奥脇委員)
 県や市町村が連携をして、いろいろな取組をされているのを実感しました。教育現場の教職員も、福祉の取組みについて情報収集や連携をし、子供たちや家庭に対して支援を出来るように県内の学校への発信をしていきたいと思っています。

(萩原委員)
 保育所においても、何年も前からヤングケアラーの事象が起きています。社会福祉の部署と支援者との連携が、縦割りの状況ということもあってか、情報などが分断してしまいがちです。さらには、ヤングケアラーに直面している子どもたちの口数も少なくなり、ますます情報の入手が困難になりがちです。様々な関係する機関が、連携して、溝となる部分をどのように埋めていくのかという施策を実施していけば、もう少し幅広く対応できるのではないかと思います。

(入江委員)
 介護の世界では、地域包括やケアマネジャーが中心となってケース会議が開かれますが、子育てにはそのような機会がないように感じます。子供の情報が何となく集まるような拠点、その核となるオープンなところが地域の中にあってもいいのではないかと思います。
 これは母子福祉だけではなく、ありとあらゆる子育てに本当に必要だと思います。地域包括に代わり得るような何かの取組を、子供に関してもしていただければと思っています。

(小林部会長)
 資料2の8ページにある就業支援の講習会について、就職の斡旋まではされてないという理解でよろしいでしょうか。

(事務局)
 パソコンの習熟をしていただくと同時に、希望する参加者には個別に就業の相談を受け付けています。
 就業に困っているということであれば、さらによりよい仕事に就くための自立支援プログラムも続けています。以前は、離婚して、これから仕事何か見つけていこうという方が多かったという傾向がありました。しかしながら、コロナ禍前から続く最近の傾向としては、既に就業している方が、就労支援講座が無料であるならば受講してスキルを高め、もしより良い条件あれば次の仕事に移りたいという方が増えている傾向にあります。
 就労相談の人数が減っている原因は、就業相談の相談件数が減っているわけではなく、より良い仕事につきたい人が増えているというように分析しています。ハローワークとの会議に出席した際、やはりハローワークの職員も同じような傾向にあると意見されていました。また、パソコン基礎講座は、年に数回、小田原、厚木、足柄上郡、松田町のような場所へ出張し、就労相談等も受け付けています。

(伊藤委員)
 令和3年のLINEの友だち登録数の3,553人は多いか少ないかといえば、少ないと言えるかもしれません。また、相談受付数は1,572件と半分強であり、登録はしているけれども、実際に相談に結びついている件数は少ないように感じています。それは、何かがネックになっているのではないでしょうか。また、LINE用語として、「友だち登録」という言葉が使われていますが、「友だち登録」ではなく、「相談登録」であり、あえて「友だち登録」という言葉は使わなくてもいいのではないかと思います。

(鶴飼委員)
 ヤングケアラー等の問題が生じた時には、まずは児童相談所が調査しますが、地域包括がしっかりと整備されていれば、施設入所や里親委託しなくても済むケースがあると思っていますが、現実的にはなかなか難しいとも思っています。また、児童養護施設や乳児院は、これからの機能の中に多機能化が含まれており、今までのように直接入所者だけをケアをすればいいということではなく、今後の課題だとも思っています。
 それとLINE相談の相談員の任期についてですが、相談内容が長引くようであれば信頼関係は必要であると感じています。ライン相談の中で、傾聴とありますが、答えが出なくても話を聞いてくれただけで答えだという相談者もいると思うので、相談者と相談員の関係が単発なのか、継続するのか、個人情報の関係で指名できないのかというところを教えていただきたい。

(事務局)
 LINEをしてくる相談者のIDで、相談者が特定できるようになっています。ただ、匿名の相談者については、番号しかわかりません。まずは、相談員が相談者は何回目の相談なのか確認して、履歴があれば前回のやり取りを参考にしています。1回目の相談の方も結構多いですが、12回とか20回とか、LINE相談を頼ってきている方も多いです。相談者は、相談員が前回の話しを知っているつもりでLINEをしてくる方もいますので、まず履歴がないかどうか調べ、2回目3回目ということであれば、「以前にも相談していらっしゃいましたね」というような声掛けを心がけています。また、相談者の中には、以前の相談員の方にもう一度お願いしたいというような要望もありますので、その場合はご指名のあった相談員がいれば継続して対応しています。相談員については、臨床心理士、精神保健福祉士、介護支援専門医とか法的資格を持っている方が中心になって相談しています。

(入江委員)
 LINE相談において、友だちという言葉が適切かどうかはわかりませんが、繋がっているという安心感がものすごく大事だと思います。友だち登録数が3,000で、相談受付数が1,500というのは、おそらく述べ人数になると思うので、実数はもっと少なくなると思います。LINEする方はリピートしているだろうし、そうでない方は、繋がっている、支えて話を聞いてくれる人がいる、というだけで安心できるのではないかと思います。
 振り返って子育て支援は何だろうかと考えた時に、ひとり親だけに限らず、誰かがいつでも繋がっていて、陰で支えてくれて、困っても頼るところがある、そういう気持ちを持っていただくことがすごく大事であると思います。
 県の施策は、多くのメニューがあり、よく考えられていると思いますが、学校や児童養護施設も含めて、個々の子どもや子育てをしているひとり親が、繋がり感を持っていただけるような取組みを進めていただきたい。数値には出ないのですが、繋がり感は最高の子育て支援だと思います。

(事務局)
 色々と貴重なご意見をいただきありがとうございました。
 今後の計画の推進にあたり、本日委員皆様から頂戴したご意見を参考にさせていただきます。
 これをもちまして、神奈川県児童福祉審議会・母子福祉部会を終了とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

 

 

会議資料

資料2 かながわ子どもみらいプラン(自立促進計画)の取り組み状況(PDF:475KB)

資料3 「養育費相談窓口のご案内」リーフレット(PDF:624KB)

資料4 「かながわひとり親家庭相談LINE」カード(PDF:120KB)

資料5 かながわひとり親家庭相談LINE事業にみる相談者の傾向(PDF:403KB)

資料6 母子父子寡婦福祉資金の貸付件数の動向について(PDF:335KB)

資料7 「ひとり親家庭住宅支援金の貸付に関するご案内」チラシ(PDF:640KB)

資料8 子どもみらいプラン抜粋(PDF:4,032KB)

資料9 ひとり親家庭等自立支援関係令和4年度予算案(令和3年度第1次補正予算)の概要(PDF:1,672KB)

資料10 児童扶養手当リーフレット(PDF:8,576KB)

資料11 「ひとり親家庭のみなさんへ」リーフレット(PDF:3,659KB)

 

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