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更新日:2024年1月31日

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農産物の上手な利用法(冷凍ラッカセイ/作り方のアドバイス)

「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。

 
作り方のアドバイス

★茹で豆ラッカセイ

元は農家が出荷できない未熟落花生を茶請けとして、食べていた茹で豆ラッカセイですが、現在は完熟には至っていないが、未熟豆よりは熟度の進んだラッカセイを茹で豆ラッカセイとして収穫し、出荷するようになりました。秦野・平塚地域では茹で豆用のラッカセイは8月10日ころから収穫が始まります。平塚では生ラッカセイとして市場出荷され、町の八百屋、量販店で袋入りのものが販売されます。秦野では「うでピー」原料として、JAの冷凍工場で加熱処理された後、冷凍されて販売されます。
写真:茹で豆としてちょうどよい熟度のラッカセイ
写真:種皮の色が桃色

★選別と洗浄

掘り取ったラッカセイは子房柄から莢をはずします。莢をつかんで引っ張れば子房柄から莢がはずれます。莢の表面の網目がはっきりした大きな莢を取って下さい。表面が白く網目のハッキリしない莢は未熟莢です。
写真:未熟莢
未熟莢であっても豆をたべることはできます。本来の農家で食べていた茹で豆ラッカセイは未熟莢でした。しかし、未熟莢は茹でると莢がペッコリとへこんでしまいます。塩味が染みた莢では小さな豆をすするように食べると、莢の内側に溜まったちょっと塩気をもった煮汁と豆がとてもおいしい感じられます。
写真:莢がペッコリと凹んだ茹でた未熟莢
写真:凹んだ莢のところには小さな豆がある
子房柄からはずした莢は洗い容器に入れて、莢をこすりあわせるようにしたゴシゴシと洗って下さい。水を何回か換えて、きれいになるまで洗って下さい。きれいに洗った莢はザルにあげて、水を切って下さい。

★加熱

ラッカセイを冷凍保存するには凍結する前に必ず加熱処理をしなければなりません。この加熱処理をブランチングといいますが、ブランチングによりラッカセイの酵素が不活性化され、冷凍保存中や解凍時の変色や味の変化、ビタミンCのような栄養成分の減少が防げます。
ラッカセイを冷凍する場合のブランチングでは酵素を不活性化するばかりでなく、ラッカセイを食べごろの硬さにする効果もえられます。そのため、加熱する時間はラッカセイの熟度、蒸し器・圧力鍋に入れるラッカセイの量などによって異なります。熟度の進んでいない未熟なラッカセイは柔らかいので加熱時間は短くてもかまいませんが、熟度の進んだラッカセイは硬くなっているので、長時間の加熱が必要になります。

★圧力鍋

圧力鍋を使うのが手軽ですが、莢がやや白く、網目のはっきりしない熟度の進んでいないラッカセイは圧力をかけて蒸煮する必要はありません。熟度の進んでいないラッカセイを加圧して蒸煮すると柔らかくなりすぎ、クチャクチャになってしまいます。やや熟度の進み気味のラッカセイは105~110℃、10~15分間の加圧蒸煮をするのが手軽です。
写真:圧力鍋
写真:蒸し器・圧力鍋

★ふつうの鍋

圧力鍋が無い場合はふつうの鍋を使って下さい。ちょっと時間が長くかかりますが、問題なく加熱でき、おいしく食べることができます。鍋はラッカセイに対してちょっと大きめの鍋を用意して下さい。沸騰した熱湯を吹きこぼさないためです。鍋が大きくないときは水がなくならないように気をつけてください。
ラッカセイを鍋に入れ、たっぷりの水と少々の塩を入れて、加熱して下さい。加熱する時間はラッカセイの熟度によって違ってきます。30分~1時間程度の加熱が必要です。加熱している間、水が減ったら、水を足すことが必要です。
写真:鍋にはたっぷりの水を入れてラッカセイを茹でる
写真:鍋が小さいときは水がなくならないよう注意

★茹で加減

豆の硬さは実際に1~2莢のラッカセイをつまみだし、莢から豆を取り出し、口に入れ、豆の硬さを確かめましょう。豆の硬さはラッカセイの熟度、加熱のぐあいによって異なります。また、食べる人によって好みの硬さもちがうので、好みの硬さ茹であげるためにも、口に入れて確認するのがいちばんよい方法です。
写真:
写真:

★塩味

加熱したラッカセイは直ぐに食べることができます。このときは塩味を付けた方がラッカセイの味が良くなります。
塩味は蒸す場合もゆでる場合も、加熱が終了したラッカセイを加熱容器から取り出しザルかボウルに入れて下さい。ラッカセイが熱いうちに塩を加えます。ラッカセイの重量の1.2%くらいの食塩をふり混ぜてください。塩が溶け、莢の中に浸透するまで、しばらくなじませて下さい。
また、塩水でゆでこともできます。水に食塩を1.5%くらい、ちょっと塩味が感じられる程度入れてゆでて下さい。
写真:塩

★冷凍保存

冷凍保存する場合、食べる前に塩味を付けることもできます。
ラッカセイは冷凍すると、ラッカセイの組織内に氷の結晶ができるため、組織が破壊されます。組織を壊さないよう、氷の結晶を大きくしないように、急速冷凍処理をしても、ラッカセイは冷凍前より軟らかくなってしまいます。そのため、解凍したときにちょうどよい硬さになるよう、冷凍保存をする場合はやや硬めになるよう、加熱を加減して下さい。
写真:ラッカセイの硬さの測定方法

ラッカセイの硬さの測定(写真)
ラッカセイに1mmφの円柱を突き刺し、その時の応力を測定する。

図:凍結前後の硬さの違いグラフ

図 凍結前のラッカセイと凍結・解凍後のラッカセイの硬さの違い
凍結・解凍により、凍結前の75%くらいの硬さになる。

また、冷凍保存中は水分が飛ばないように、ポリエチレンの袋などに入れて下さい。家庭用の冷凍庫の温度は-20℃程度ですし、温度の上下動もあります。そのため冷凍保存中にラッカセイから水分が出て、ポリエチレン袋の中に氷としてたまってきます。さらに、ラッカセイにたくさん含まれている脂肪分が酸化してきます。冷凍保存は長くおけるといっても家庭用の冷蔵庫での保存は2~3ヶ月を目途にして下さい。

★解凍

冷凍庫から出し、半解凍状態でも食べることができます。解凍は自然解凍でかまいません。急ぐ場合はザルにとり熱湯をかけて下さい。あらためて鍋に入れてゆでる必要はありません。冷凍前に塩味を付けてないときは、解凍するときに塩味を付けて下さい。
解凍したラッカセイは直ぐに傷むというようなことはありませんが、時間が経てば色が変わったり、香り、味が落ちてきます。必要な量を解凍し、解凍したラッカセイはその日のうちに食べてしまいましょう。

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