農産物の上手な利用法(夏ミカンマーマレード/作り方のアドバイス)

掲載日:2018年3月9日
作り方のアドバイス

★夏ミカンの汚れ落とし

夏ミカンの皮の汚れはただゴシゴシ洗ってもなかなか取れるものではありません。熱湯に2~3分浸けると、表面の汚れが浮きだし、比較的簡単に落とすことができます。
写真:夏ミカンを熱湯に2~3分浸ける
写真:夏ミカンの皮をゴシゴシ洗う

★夏ミカンの皮

夏ミカンの果皮の白いところ(中果皮:アルベド)は苦味が強いので、苦味抜きをきちんと行い、ほとんど苦味を感じなくなるようにして下さい。苦い味は大人の味ともいいますが、苦味の強すぎるものはやはり敬遠されてしまいます。苦味はわずかに残る程度にしましょう。
縦十文字に切った果実から皮を剥がすと、皮はレモンを細くしたような、両端がとがった形をしています。
写真:4つ割の皮
写真:細長く切れたものと太く切れたものをきちんと分ける
この両端部分はペクチン抽出にまわし、幅の広くそろった部分だけをゼリーとあわせます。もったいないと思って、両端の果皮もあわせて使うと、不揃いの果皮が入り、乱暴な作業で、果皮を壊したように思えますし、実際に見た目も劣ります。夏ミカン5個(1.85kg)から果皮は550gくらいとれ、そのうち幅の広いそろった切り皮は350gくらいになります。両端のクズ皮は200gくらいです。また、果汁は650g、搾りカスは600gになります。搾りカスはペクチン抽出をしやすくするため、くっついている袋をはがし、バラバラにして下さい。
写真:果汁としぼりかす
写真:しぼりかすをほぐす

★苦味抜き

果皮や搾りカスの苦味を抜いた後は必ず少し口に入れて苦味が残っていないか確かめて下さい。苦味をほとんど感じない程度まで苦味を抜かないとできあがったマーマレードの苦味が強くなります。ここでは果皮や搾りカスの重量の20倍量の水を使っていますが、水の量を変えるなら、水煮の回数も変える必要があります。苦味抜きの水煮でクズ皮は水分を吸って330g、搾りカスは620gくらいになります。
写真:苦みを抜いたクズ皮
写真:苦みを抜いた搾りカス

★ペクチン抽出

苦味を抜いた皮の両端、搾りカスに、元の目方で5倍量の水とレモン果汁を加えて加熱します。苦味抜きしたクズ皮330g、搾りカス620gの元の目方は800gですから、吸水分を150gを差し引いて、3850mlの水とレモン果汁200mlを加えます。
沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火にし、水分が蒸発しないように鍋にフタをします。
写真:フタをして抽出

★ペクチン抽出

30分くらい経ったら、搾りカスの袋の一片を摘み出し、指先で潰してみて下さい。袋がズルッと溶けるようだったらOKです。
写真:抽出具合の確かめ方
ザルで液をこ(濾)して下さい。このとき手で揉んだり、強引に押しつけるとパルプがザルの目から漏れ出てしまい、マーマレードが濁る原因となります。ササッと濾して下さい。ペクチン液は2500~2600mlとれ、ペクチン抽出カスは850~900gになります。
写真:こしたペクチン液

★砂糖の添加

砂糖は3~4回に分けて加える必要があります。砂糖を一度にドバッと加えると夏ミカンの皮がキュキュッとしまって、固くなってしまいます。砂糖の添加は数回に分けて下さい。また、砂糖を加える時間の間隔も4回なら10分、3回なら15分程度を目安にしてください。そのため、量が少ないと煮詰まり方が早すぎてしまうことがあります。火加減の調節もポイントになります。
写真:砂糖4等分
写真:砂糖3等分

★煮詰め具合の確認

煮詰め具合いの確認は攪拌しているしゃもじにつくジャムの状態、スプーンですくい取った時の流れる状態、冷水を入れたコップに滴下したときのペーストの状態、冷えた皿・プレートに薄くつけて斜めにしたときの流れる状態など、いろいろな方法で煮詰め具合(ゲル化状況)が確認できます。
写真:冷水に垂らすテスト法
しゃもじについたペーストがサッと流れるなら煮詰め不足、モッタリとしてくればOK。スプーンに採った果肉をちょっと冷まして傾けたときサッと落ちずにポッタリとしているならOK。冷水にジャムを静かに滴下したとき、花火にの様にパーッと散るなら煮詰め不足、果肉とゼリーが一体となってコップの底までミズクラゲの様にプヨプヨと沈んでいけばOK。皿・プレートにつけた場合、立てたら果肉からゼリーが分かれて、スーッと流れ出るような煮詰め不足、ちょっと流れてスッと止まればOK。その他、温度で濃縮度合を確認することができます。何度かジャムを作って、頃合を確認して下さい。

★出来上がり量

ペクチン液2.6kg、夏ミカン果汁650ml、砂糖2kg、切り皮350gを炊き込み、糖度65度に仕上げると3.1kgくらいのマーマレードができます。
写真:マーマレードできあがり

★ジャムビンとフタ

ジャムビンは広口の140~250mlのビンがお手頃。空きビンも利用できますが、ビンの口が欠けたり、ヒビのあるものは絶対に使わないで下さい。ジャムを入れてフタをしてもきちんと閉まらないため、長く保存することができません。また、加工中や保存中にビンが割れることもあります。ジャムを無駄にするばかりでなく、思わぬところでケガをすることにもなります。
フタは一度使ったものはパッキンが凹んで、緩くなるので、長く保存するためには、新しいフタを使って下さい。
ビンとフタはきれいに洗い、蒸気の上がった蒸し器に口を下向きにして入れ、内部に水が溜まらないようにして加熱して下さい。ビンとフタはジャムを詰めるまで蒸し器に入れて、熱くしておきましょう。
写真:ビンを揃える
写真:ビンを蒸して殺菌
 
写真:ビンに詰める、全景
ジャムビンにどのくらい詰めたらよいか分からないとき、ビンの容量が分かっているなら、ビンの容量と同じ重量の水を入れてください。ビンの容量が140mlなら140g(ml)の水、200mlなら200g(ml)の水を入れてください。正確に水を入れると、ビンの容量である140ml、200mlはビンのどの辺りまでなのかが分かります。

★脱気殺菌

脱気はジャムとフタの間に残る空気・酸素を減らすために行います。ビンの大きさ、ビンに入っているジャムの温度によって異なることは言うまでもありません。加熱によりビンの中に残った空気を膨張させ、希薄にした状態でフタをキュッと締め、減圧状態にします。軽くフタをしたジャムビンを蒸気の上がった蒸し器に入れ、ジャムの中心温度を80℃以上なるまで加熱します。140g~200gビンに熱いジャムを入れた場合では15~20分程度加熱します。
写真:脱気殺菌

★倒立放冷

脱気殺菌が終了したら、フタをキュッと閉め、ビンを逆さにします。熱いジャムが下になったフタにもまんべんなく触れます。30分間、ビンを逆さにしておくことで、ビンの中に残っている耐熱性の微生物も生育することができなくなります。また、フタの締めかたが緩かったり、ビンの口に傷があったりして、すき間があると、ビンを逆さにしたときにジャムが吹き出してきます。このジャムの長期保存はあきらめて下さい。すぐに食べてしまいましょう。
写真:倒立放冷

★流水冷却

倒立放冷の終了したジャムに高温は不要です。ビンを水に浸けてジャムの温度を下げるとともに、ビンについた汚れを洗い流します。ジャムがわずかな温もりを持つ程度になったら、ビンの外側やフタが清浄かどうか、確認しながら水から取り出し、きれいな布巾でビンやフタの水気を拭き取って下さい。完全に冷えているより、少しの温もりがあった方がふき取れなかった水分が早く乾きます。

★ラベル

製造に係わる情報(ジャムの名前・材料の種類・材料の配合・作った年月日など)を付けたラベルを貼りましょう。これらの情報は保存中にジャムが変質したときの原因を考えるためにも参考になりますが、それ以上につぎのジャム作りの時の品質管理やジャムの保存管理の参考になります。また、このラベルの情報とともに製造ノートを作成し、製造工程の数字データや気づいたことをメモしてください。
写真:ラベルを貼ること

★保存

ジャムは冷暗所に保存して下さい。こうやって作ったジャムはフタを開けない限り、腐敗することはありません。しかし、温度の高いところ、明るいところに長くおくと、ジャムの糖、酸、ペクチン、色素などが化学反応をおこし、色が変わったり、柔らかくなったり、水分が分離してきます。また、香りも悪くなってきます。
どうしても長く保存したいときは冷凍保存して下さい。冷凍保存することで色素の変化がなく、作ったときの色調が長く保持できます。
ビンに詰めたままのジャムは長く保存できますが、フタを開けたジャムは糖分が多くても、少なくてもカビが生えたり、味や香りが悪くなり、長く保存することは難しくなります。フタを開けたジャムは冷蔵庫に入れて保管し、なるべく早く食べてしまいましょう。

★ペクチン抽出カスを使った夏ミカンジャム

ペクチン抽出カスは苦味も抜けているので、これを原料にするとまろやかなジャムができます。
ペクチン抽出カス(850g)に目方の30%の水(250ml)を加えて、スピードカッターにザッとかけ、目の粗い裏ごしにかけてください。鍋に裏ごししたペクチン抽出カスとレモン果汁100ml、砂糖900gを加えて加熱してください。沸騰したらできあがりです。1800gくらいの夏ミカンジャムになります。
写真:抽出カスをカッターにかける
写真:材料一覧
写真:できた夏ミカンジャム

このページのトップへ
夏ミカンマーマレードの材料へ
夏ミカンマーマレードの作り方・その1へ
夏ミカンマーマレードの作り方・その2へ
農産物の上手な利用法へ戻る
本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa