公立小中学校等事務職員からのメッセージ

掲載日:2017年4月13日

平成29年3月10日に開催した「29年度神奈川県職員採用試験に向けた説明会」の概要をご紹介します。

公立小中学校等事務職員採用担当者から

教職員人事課 清水 航介 主幹

清水主幹の写真

職務内容について

 まず、はじめに皆さんは、「学校事務」とはどのような仕事だと思いますか。

 具体的に仕事内容を思い浮かべられる方は、そう多くはないかと思います。
 皆さんが、児童・生徒であった頃は、「先生」との接点はあったとしても、多くの方は、その他の学校運営に関わる人々の仕事を直接見る機会はほとんどなかったのではないでしょうか。
 広い意味では教員を含めた校務分掌で決められた事務のことを「学校事務」といいますが、これからお話する内容は、その中でも学校事務職員が行っている主だった仕事を紹介したいと思います。

 まず、毎日繰り返し行う仕事として、文書の受付や管理についての事務があります。
 学校では、毎日郵便で届く文書や電子メールなどを事務職員が整理して必要な情報を先生方へ伝えています。また、電話や来客等の対応も毎日の仕事としてあります。

 これに対して、毎日繰り返し行われる仕事ではありませんが、計画的に行わなければならない仕事があります。教職員の給与や教職員が出張に行った際の交通費(旅費)の支払いといった庶務的な仕事、教材の購入や施設の維持管理に関わる財務、経理事務です。

 こうした事務については、限られた予算の中で、法令、規則等に基づいて事務処理を行う必要があります。時には、学校内で要望している事項が多く、優先順位を考えて先生方へ提案して、学校運営を円滑に行えるよう工夫をしながら事務を行うといった仕事もあります。特に、児童・生徒に影響のある緊急性の高いものについては、すみやかに対応する必要があります。関係職員や関係業者の方々との調整や、いつまでに行えばよいものか等、細かな点に気を配りながら仕事を行っていく必要があります。その他にも、児童・生徒の証明書、学割証の発行事務や転学関係に関する事務手続き等があります。

 このように学校現場では、先生方が授業等を行う裏側で先生方が教育活動に専念できる環境づくりを支援する学校事務職員の力というものが必要とされているのです。

 また、近年、学校現場の多忙化が叫ばれていますが、学校事務という専門職を配置し、学校における専門的な知識、技能等を生かした学校運営が行なわれることで学校内での事務処理体制も改善されていくことが期待されています。

求める人物像について

 次に、こうした学校事務を採用する立場から、求める人物像について四つほどお話したいと思います。

 まず、一つ目として、「法令や規則に基づき事務を的確にこなせる方や事務処理日程のスケジュール管理ができる方」です。

 公務員には、的確性や確実性が求められます。学校を安定して運営していくためには、法令や規則等に基づいて、確実に仕事を進めていくことが求められます。
 今、皆さんは、採用試験の日程を見据えながら、試験に向けて勉強をしているかと思います。そうして身につけた力は、試験のためだけでなく、仕事に就いてからも、大いに役に立つ力となることでしょう。

 二つ目には、「様々な人たちと円滑にコミュニケーションできる能力がある方」です。
 事務の仕事は、一人で黙々としていれば済むものではありません。学校では、様々な仕事を教職員が一体となって連携・協力しながら進めなければいけませんし、学校には、保護者の方、地域の方、購入した物品を届けにくる業者の方など、様々な人たちが訪れます。また、同様の人たちからかかってくる電話での対応もあります。
 学校事務職員は、こうした人たちと接する際に自分の持つコミュニケーション能力を発揮しながら、学校の顔、窓口として活躍が求められる職員なのです。

 三つ目として、「教員が教育活動に専念できる環境づくりを支援してくれる方」です。
 学校は、子どもたちが教育を受けながら育っていくところです。学校事務職員には、こうした子どもたちの教育を担っている教員が、教育活動を円滑に進められるよう校務分掌にも積極的に関わり、より効果的、効率的な事務処理を行うことで、学校運営を支援していただきたいと考えています。

 そして、四つ目として、何よりも大切なことが、「子どもが好きな方」です。
 もちろん、子どもたちに直接関わって教育をするのは教員ですが、学校事務職員も子どもたちと関わることが多い仕事です。中には、「事務の先生」といって、学校事務職員を先生だと捉えている子どもたちもいます。ですから、子どもたちと関わることが大好きな方で、「子どもたちのために」という思いを持って日々の仕事に真摯に取り組んでいける方が適した人材かと思います。

配置について

 学校事務職員は原則として1校に1名の配置となっています。1名というと心配になる方もいるかもしれませんが、新採用で1名配置のところに配属になった場合でも、小中学校等事務職員で長期間勤めた方などがアドバイスする機会を設けたり、(教育委員会での)事務研修を行ったりするなど、採用後のケアなども考慮しています。

 例えば横須賀市では、採用3年目までの学校事務職員を対象として、年8回の実務研修会を行っています。この研修では、現場の先輩事務職員の方や教育事務所の方等を講師として、服務、情報処理、経理・管財、福利厚生等についての講義を行います。研修を通して、若手事務職員の方が、仕事上必要となる知識や技術を身につけるためのサポートをしています。

勤務先について

 勤務先についてですが、神奈川県内の、政令指定都市(横浜市・川崎市・相模原市)を除く各市町村立の小学校・中学校・特別支援学校となります。

 所管の行政区域としては、次の1市と4教育事務所に分かれています。

1.横須賀市

2.湘南三浦教育事務所(鎌倉・藤沢・茅ケ崎・逗子・三浦・葉山・寒川)

3.県央教育事務所(厚木・大和・海老名・座間・綾瀬・愛川・清川)

4.中教育事務所(平塚・秦野・伊勢原・大磯・二宮)

5.県西教育事務所(南足柄・中井・大井・松田・山北・開成・小田原・箱根・真鶴・湯河原)

 採用試験に合格した場合には、これらの区域の学校に事務職員として勤務していただくことになります。

 市町村に配属後は、基本的に、その市町村または、教育事務所管内の小中学校間での異動となりますので、安定した生活が送れます。しかし、配属後、様々な事情から他の市町村の学校で働きたいとの要望がある場合には、面接等を行った上で異動することもあります。

 実際の配属先は、原則として自宅から通勤できる学校に配属されます。なお、原則として同一校勤続3年未満の人は異動の対象とはなりません。

受験のアドバイス

 試験を受けるにあたって、今まで採用された方の中には、実際に出身校の先輩事務職員や恩師を訪ねて話を聞いてきた方や見学に行ってきたという方もいると聞いています。こうしたことも十分参考になることかと思います。また、卒業アルバムを開いて、その頃の楽しかった思い出を振り返ってみたり、「事務職員の目」で校舎や教室を見てみたりすることで、小中学校の児童・生徒たちを支援しようと改めて感じることができるのではないかと思います。 

受験者へのメッセージ

 学校事務職員は、明るく活気のある学校づくりに貢献できる仕事です。学校事務職員が先生方を支えることで、先生方は多くの時間を児童・生徒と接することができます。その結果、児童・生徒が充実した学校生活を送れるようになり、笑顔にあふれた学校にすることができます。ぜひ、明るく活気のある学校をつくる力になってください。

 最後になりますが、本日の私の説明を参考にしていただき、これまでの自分を思い返してみて、「自分は学校が好きだった。」、「自分は子どもが好きだ。」という方は、ぜひ採用試験を受験してください。多くの方に受験していただき、子どもたちが元気な学校づくりに一緒になって取り組んでいただきたいと思います。


公立小中学校等事務職員から

横須賀市立長井小学校 長谷川 咲 事務主事

長谷川事務主事の写真

仕事内容について

 横須賀市立長井小学校に勤めております、長谷川咲と申します。大学を卒業し2年間専門学校に通い、この仕事に就いています。来月で5年目を迎えます。
 本日は貴重なお時間をいただきましたので、少しでも皆さんの大きな選択の参考になりますよう、お話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、学校事務職員の概要についてお話します。学校事務職員は公立の小中学校に勤務しております。基本的には1校に1人の配置ですが、2人配置の学校もあります。私の勤務校の長井小学校は2人配置校です。採用された時から同じ学校に先輩がいたので、とても恵まれていました。

 基本的には各学校に事務室があり、たくさんの文書や先生方が使用する消耗品に囲まれながら仕事をしています。長井小学校の事務室は職員玄関のすぐそばなので、来校者や宅配便など様々なお客様の対応もします。また印刷機が壊れた!などと先生に呼ばれて、直すこともあります。意外とずっと座っているだけではないのです。 

 次に幅広い業務の中から、

・給与関係事務

・服務・福利厚生事務

・財務事務

・総務・庶務事務

の四つに絞り、業務内容をお話したいと思います。

 まず一つ目は、給与関係事務についてです。こちらは先生方の給与に関する事務です。
 毎月の基本的な給料は先生方の口座へ振り込まれます。しかし学校に通勤するための通勤手当や、家族を扶養している先生は扶養手当、他にも児童手当や住居手当の申請が別途必要となります。

 諸手当の認定事務の流れを簡単にご説明します。例えば「子どもが産まれました。扶養します。」と申し出た先生がいたとします。まず扶養手当の支給条件に当てはまるかを手引き等で事務職員が確認し、所定の用紙を先生に渡します。先生には記入と必要な書類の用意をしていただきます。提出期限も決まっているため、早めに提出してもらえるように促します。事務職員が不備や不足がないかを確認し、最終的に校長先生に確認をします。そして事務職員が所定の用紙に転記し、事務所に送付します。

 4月は異動や採用等で特にこのような事務が増えるときです。間違えた報告をしてしまうと先生方に不利益を与えてしまうことが多いので、何度も確認をして慎重に行っています。
 お子さんが大学を卒業し就職した際や、引越しをした際はもう一度同じような手続きが必要になりますので、お子さんの大体の年齢を把握したり、普段から先生方とコミュニケーションを取り、ご家庭の様子を伺うことが大切です。

 また、先生方や私たち事務職員が研修などを受けに行くことを出張と呼びます。その際にかかる費用は旅費として請求し、後日現金で支給されます。その請求にかかる用紙を事務職員が細かくチェックします。

 二つ目は、服務・福利厚生事務です。服務という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、先生方の休暇や出張についてです。服務承認簿という先生が休暇を取得した際に記入する書類と、出勤簿と、出張の整合性を確認します。

 福利厚生事務とは先生や事務職員が加入する「公立学校共済組合」という部署とのやりとりです。ここから健康保険証の交付を受けています。採用や異動時にはここへ送る書類がたくさんあります。また、年金や休業手当金などについて条例改正があった場合は文書で事務職員に知らされます。そのままではとてもややこしいので、なるべく分かりやすい言葉や図を使って、事務室便りなどを発行し、先生方へお知らせします。

 三つ目は財務事務についてです。財務と聞くと難しく感じるかもしれませんが、平たくいうとお金を扱う事務です。毎年4月に各学校に予算が配当されます。この予算は、教材費、消耗品費など費目が12に分かれており、各費目ごとに購入できる物品も違います。

 費目にもよりますが、基本的に足りなくなったからといって追加配当はしてもらえないので、この中でやりくりし、児童や先生方にとってよりよい環境を整備していきます。

 事前に先生方に今年度購入したいものを書く用紙(教科等配当予算要求書)を配ります。それを事務職員が集約し、これを元に5月に予算委員会を開きます。先生方が希望する物品はこまごました消耗品から、コピー機などの高額なものまで様々です。ただし予算には限りがあるので、全て買うことはできません。予算委員会で昨年度の引継ぎ、今年度の方向性、故障しているものなど様々なことを鑑み、購入するものが決まります。

 希望を出していたけれど今年度は我慢しますなどの譲り合いで成立する委員会です。
 例えばオルガンなど高価なものは1年に1台ずつ買い揃えるなどと、年度をまたいで購入計画を作成しているものもあります。このようにして決まった予算なので、大切に、有意義に、透明性をもって執行していただくようにと先生方に促すことも大切な仕事です。

 最後は総務・庶務事務です。総務の代表的な仕事は学校に配布される文書の収受・回覧・発送・保管・廃棄です。学校には毎日関係諸機関から大量の文書が送られてきます。それを確認し、決められた判子を押し、教頭先生へ回します。出張命令や条例の改正も原則文書で送られてくるので、とても大切な仕事です。その文書を約100種類に分け、一定年数保存します。この文書はどこに綴るのだろう?と迷うこともありますが、きちんと仕分けをしないと次に異動してくる事務職員も混乱してしまうので、とても気を遣います。

 次の庶務も幅広い仕事がありますが、一番学校事務らしいのではないでしょうか。学校行事準備はここに含まれます。学校には様々な行事がありますが、今の時期にぴったりな卒業式についてお話します。

 2月に入ると卒業式の列席者に往復はがきでお知らせをします。大体の数を把握し、来賓の方へのお弁当を発注します。昨年よりそのお弁当は地域のお店にお願いすることになり、予算や内容などを直接お願いに行きました。華やかなちらし寿司や、長井で取れるシラスのかきあげを入れていただき、来賓の方には大変好評でした。
 また壇上に飾るお花の発注や来賓控え室の飾りつけなど校長先生の意向を伺いながら、自分で工夫できる点もあり、とてもやりがいのある仕事だと思います。

 以上四つに絞ってお話をいたしましたが、この他にも電話対応、コピー機や印刷機の紙詰まりで先生に呼ばれることもあります。故障の場合は業者さんに連絡しますが、この修理にもお金がかかることがあります。ですから私は業者さんがいらしたときに、故障箇所と原因を詳しく聞きます。そして直し方を習い、次に同じ箇所が故障した場合はまず挑戦してみます。このような節約も仕事をするうえでの工夫点だと思っています。配属される学校によって若干の違いがありますが、任される仕事は様々です。

 ここで、私のある一日のスケジュールをお話します。

 長井小学校は8時20分が始業です。児童の欠席連絡などの電話がたくさんかかってくるので、きちんと聞き取り、担任に伝えます。合間をみて、メールをチェックし、返信します。
 授業が始まると落ち着いてきますので、予算関係事務を行います。物品の購入は現金ではなく、請求書での対応なので、ためてしまわないように処理をします。
 お昼前には物品の在庫の確認をし、必要であればカタログ等で頼みます。先生方が丸付けに使用する赤ペンや、画用紙が多いです。前日に頼んでいた物品が届くので、収納場所にしまいます。先生に頼まれたものであれば、机の上に置きます。昼食は用務員さんや級外の先生などと一緒に職員室で給食を食べます。

 給食後、この日は就学時説明会の準備をしました。新1年生のための説明会です。保護者に配る書類なので、不備がないか、わかりづらい言葉はないかなど確認をし、取りまとめている先生に報告をしました。その後、14時30分に学校を出発し、15時30分から始まる事務研究会の幹事会に出席しました。横須賀市は市全体を5つの地区に分けていて、この幹事会は各地区の代表者が集まる会議です。定時の16時50分に終了し、帰宅しました。なんとなくイメージを持っていただけたでしょうか。

やりがい

 4年目になり、事務職員の仕事だけではなく、学校全体の仕事や、それぞれの仕事との関連性が見えてきました。長井小学校は「学力向上」を目標に掲げており、会議でもよく耳にしますし、「学年×10分」の家庭学習を奨励しており、このことを意識しながら先生方は宿題作成をしています。
 校長先生と何気ない話をしていたときです。今までは国語、算数など教科ごとにしか予算を配当していませんでしたが、新しく学力向上として予算を配当してみたらどうかと提案をしました。正直なことをいうと、このときはただのひらめきでした。しかし校長先生は「そうだ、予算の項目としてはっきり出すことは必要だ」と賛成してくださり、とても喜んでくださいました。自校の大きな課題である学力の向上を目指し、教科等の枠を超え、読む、聞く、話す、書く力に有効な教材を購入したいという設置理由とともに、先生方に提案しました。無事に承認を得られたので、さっそく予算を配当しました。

 先日、学校予算を研究されている教授の講演を聞く機会がありました。教授は学校の重点目標(学校全体で掲げている目標)に合わせて、また学校の特色をいかして予算を組んでいく必要がある、とお話されていました。このお話を聞いて、あのときはただのひらめきだった校長先生への提案は間違っていない、むしろ正しい予算編成だったのだと気付くことができました。先生方に自ら提案できたこと、またこの講演で私の提案が裏付けられたことはとても自信につながり、モチベーションアップにもなり、苦手意識をもっていた予算事務が好きになりました。

学校事務職員に大切なこと

 私が考える学校事務職員にとって大切なことは、コミュニケーション能力と積極性だと思います。
 就職活動をしているといろいろな場所でコミュニケーション能力という言葉を聞くと思いますが、どんな人とも話せます!ということより、大切なことは、ホウ・レン・ソウ・カク(報告・連絡・相談・確認)の4つができることだと思います。学校事務職員として配属されると分かりますが、先生方は容赦なくいろいろなことを聞いてきます。それはもちろんいじわるではなく、分からないから聞いてくるのです。でもきっと新採用のみなさんにも分からないでしょう。そんなときにこの4つさえきちんと守っていれば、円滑に仕事が進むのではないでしょうか。分からないことは確認して後ほど連絡する、先輩や管理職に相談する、仕事の進捗状況を報告する、というようなことができれば、これは立派なコミュニケーションだと思います。
 ぜひ積極的に先生の話に耳を傾けたり、校舎の中を歩いたりしてください。

 すぐに全てのことが理解できなくても、何年かあとに気付き、点と点がつながっていくことがあると思います。その気付きを大切に、楽しみながら、お仕事をしていってください。
 一緒に働けることを楽しみにしております。

このページの先頭へもどる

神奈川県

このページの所管所属は 人事委員会事務局 です。