県民のみなさんへの知事のメッセージや、県政に関する最新の動きなどについてお知らせします。
私が知事に就任し、県民の皆様から県政をお預かりして1年が過ぎました。この間、「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」では県内のさまざまな地域を訪問し、現場を支える方々と意見交換をする機会を持ちました。また、県内7地域で開催した「対話の広場“地域版”」では皆様との対話を通じて、神奈川における地域の魅力づくりについて考えてきました。こうした取り組みにより、神奈川の潜在力の高さ、それぞれの地域が個性と魅力にあふれており、それらを支える県民一人一人に素晴らしい力があることをより深く知ることができたと感じています。
県は、これまでも県政運営の総合的・基本的指針を示す総合計画に基づき、将来の人口減少社会を見据えた着実な備えを進めてきました。しかし、平成23年3月の東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故による深刻な状況を打開し、神奈川が持つ潜在力を生かして「いのち輝くマグネット神奈川」を実現していくためには、今後どのような取り組みを進めていくのか、県民の皆様に明確なメッセージを伝えて、具体的な形で示す必要がありました。そこで、新たな総合計画「かながわグランドデザイン」を策定することとしました。
「かながわグランドデザイン」では、先進性や発展性のある重点施策を分野横断的に取りまとめた27のプロジェクトや、全国の先駆けとなる取り組み「神奈川モデル」をお示ししています。
例えば、私が知事就任以来、スピード感を持って取り組んできた神奈川からのエネルギー政策の転換については、「かながわスマートエネルギー構想」を推進することにより、将来にわたり安全・安心なエネルギーを安定的に確保し、地域において効率的なエネルギー需給を実現していきます。
また、いのちが輝き、誰もが自分らしく暮らし、患者・家族が納得できる医療を推進するため、都道府県初の医療全般にわたる「医療のグランドデザイン」を策定していきます。
そして、神奈川を担う人づくりを進めるため、子どもや若者たちがいのちの大切さを学ぶ百万通りの「いのちの授業」などにも取り組んでいきます。
「かながわグランドデザイン」は、私のマニフェストともいえるものです。計画の推進に当たっては、これまでの行政の弊害である「縦割り」を排除し、県庁を挙げての部局横断的取り組み、いわゆるクロス・ファンクションにより取り組んでいきます。
そして、県民の皆様と計画の理念や目的を共有しながら、神奈川の総力を結集し、「行ってみたい、住んでみたい、人を引きつける魅力あふれる神奈川」「いのちが輝き、誰もが元気で長生きできる神奈川」を創りあげてまいります。今後とも、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
平成24年5月1日
神奈川県知事 黒岩 祐治
危機的な財政状況から脱するための抜本的対策を進めます。
県の税収は、平成20年秋のリーマン・ショック以降、大きく落ち込み、20年前の水準に逆戻りした状態が続いています。
一方、全国平均を上回る速さで高齢化が進んでおり、過去7年間で、福祉・医療などの経費が約2倍となりました。また、人口や生徒数の増加に伴って、過去15年間に警察官は15.6%、教員数は7.2%増加しました。特に、人件費全体の約67%を占める教育職員の給与等(市町村立小中学校、県立高校等)は、県税収入の半分以上に当たります。
さらに、本来は地方交付税として国から交付される財源の多くを県債(県の借金)で肩代わりすることを余儀なくされていることなどから、県の借金は増え続け、平成23年度末には約3兆4,000億円(県民一人当たり約37万円)に達しています。
本県は、1990年代のいわゆるバブル経済崩壊後、大幅な財源不足に直面したことを受けて、これまで、行政と民間の役割分担の明確化や優先度を絞った事業の選択などにより、事業の徹底的な見直しをしてきました。
併せて、行政職員の削減や給与の抑制も大胆に行ってきました。例えば、平成9年度に1万3,551人であった知事部局の職員数は、平成24年度には7,629人となり(約44%の削減)、職員一人当たりの平均年収も、過去8年間に約100万円下がりました。
このような努力にもかかわらず、県財政の危機的状況は続いており、平成25年度と26年度の2年間では、さらに1,650億円の財源不足が見込まれています。
今後、財政状況は一層悪化する恐れがあり、これまでの対応だけでは、財政破綻に至る恐れがあります。
そこで、今年1月に私を本部長とする緊急財政対策本部を設置し、財政構造の抜本的な改革を図ることとしました。
3月には、この緊急財政対策本部に、増田寛也元総務大臣や民間企業の経営者ら6人の外部有識者からなる調査会を設置しました。
改革に当たっては、この調査会から意見・助言をいただきながら、これまでの行政の常識にとらわれずに、法令や制度など、行政のあり方そのものに踏み込んだ見直しを行います。検討結果は、平成24年度の前半までに一定の取りまとめを行い、平成25年度以降の予算編成に反映させてまいります。
もちろん、予算や人員を削るだけでは、将来の展望は開けません。
私は、エネルギー革命や医療・生命科学に関する産業の活性化、横浜・鎌倉・箱根に次ぐ第4の観光の核づくりを打ち出しています。いろいろなアイデアを出して、民間事業者の活力を生かすことで、神奈川の経済のエンジンを回していきたいと考えています。
「金がなければ知恵を出そう」を合言葉に神奈川県民総力戦で難局を乗り越えていきたいと思っています。
平成24年4月1日
神奈川県知事 黒岩 祐治
東日本大震災が発生してから間もなく1年が経過します。
被災地の仮設住宅で厳しい冬をお過ごしの方々や、地元を離れて他県に避難なさっている方々をはじめ、被災された皆様に改めて心からお見舞いを申し上げます。
私は、大震災発生から約1カ月半、震災の影響がどこまで広がるのか、先の見えない不安感が神奈川県全体を覆っていた昨年4月に知事に就任しました。
5月には岩手県と宮城県の被災地を訪問して、地震と津波による被害のすさまじさを目の当たりにし、大自然に対して人間が考え出した防災対策に絶対の安全などないということを実感しました。
東日本大震災では「想定外」という言葉がよく使われましたが、歴史をさかのぼれば過去にも同様の規模の災害は起こっています。二度と「想定外」という事態を招かないために、最悪の事態を想定して、おおむね数百年から千年に1回発生するとされる最大規模の地震にも備える必要があります。
東日本大震災で最も深刻な被害をもたらしたのが、防災対策で想定していなかった巨大な津波です。
そこで、県では、昨年5月に津波浸水予測の見直しに着手し、神奈川県にとって文献上最大級の津波といわれる「明応地震」(1498年)にまでさかのぼって検証を行っています。
新たな津波浸水予測図は3月中に作成する予定ですが、昨年11月にまとめた素案では、地域によっては、津波の高さが14メートルにも達することが予測されています。衝撃的な内容ですが、このような規模の津波に襲われても県民の「いのち」を守れるよう、対策を進めてまいります。
巨大な津波に備えるに当たっては、被害の発生を完全に抑えるのではなく、あらかじめ被害の発生を想定した上で、被害を最小限に抑える「減災」の考え方が重要となります。堤防などの海岸保全施設は、「減災」の考え方に基づき、おおむね数十年から百数十年に1回発生する規模の津波を前提として整備しますが、それを上回る規模の津波が来てもすぐには壊れずに、津波のエネルギーを弱めることができる構造とします。
また、海で泳いでいる人などが緊急的に避難できる「津波避難タワー」を、今年の夏の海水浴シーズンまでにモデル的に設置することとしています。今後、その整備と維持管理に関する情報を沿岸市町に提供し、沿岸の各地域での設置を促進してまいります。
津波対策のキーワードとして、私は「5分で5階(以上の高さに避難すること)」を唱えています。
そのために重要となるのが、日頃からの防災情報の提供と災害時における避難情報の迅速な伝達です。
沿岸の市町では、県が作成する新たな津波浸水予測図を基に、浸水範囲や避難場所、避難経路などを盛り込んだ「津波ハザードマップ」を作成するほか、県と市町が連携して、「津波情報看板」や「標高・海抜表示板」の設置などを進めています。
このほか、携帯電話の緊急速報メールを活用した津波情報の提供や、ビーチにオレンジ色の旗を掲げてサーファーなどに異変を知らせる「オレンジフラッグ」のような視覚に訴える情報伝達方法の普及にも取り組んでいます。
津波対策をはじめ、災害に強いまちづくりを進めるため、平成24年度予算案では、地震防災対策費として、前年度を100億円近く上回る、総額約724億9,300万円を計上しています。
財政状況が非常に厳しい中ではありますが、災害時における緊急輸送路を確保するための道路や橋、津波や高潮などによる被害を防止・軽減するための港湾施設、避難場所となる都市公園の整備などを着実に進めます。
併せて、県立高校の耐震化や市町村と連携した民間木造住宅の耐震化の促進など、県民の「いのち」を守る対策に力を注いでまいります。
また、東日本大震災が残した教訓の一つとして、災害対応拠点のバックアップ体制を整備することの重要性が挙げられます。そこで、県では、県央地域にある県総合防災センターに県庁舎と同様の防災通信網などを整備し、万一、県庁舎が深刻な被害を受けた場合でも、災害情報の収集や提供、救援活動やライフラインの復旧などの業務を途切れなく続けるための体制を整えます。県総合防災センターと県西地域の広域防災活動拠点である県足柄上合同庁舎には、避難所運営に必要な生活物資、人命救助や被害拡大防止に必要な資機材を整備します。
さらに、新たに自衛隊医療関係部隊等と連携して、救急医療等を主体とする総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」を1万人規模で実施するなど、大規模災害への対応力の強化を図ってまいります。
県では、東日本大震災の被災地の復旧、復興のため、人的・物的支援に全力を挙げて取り組んできました。現在も、宮城県石巻市の市役所業務や宮城県の農地・農業施設の復旧業務、児童相談所における子どもの心のケア、福島県の港湾復旧業務などの支援のために継続して職員を派遣しています。警察本部からもパトロールや捜査の支援のために多くの警察官を派遣しており、警察官を含めた県職員の派遣人数は延べ8万人以上となっています。
被災地に対する支援に当たっては、多くの県民の皆様に、救援物資の提供やボランティア活動への参加などのご協力をいただいており、お礼を申し上げます。
昨年7月には、岩手県沿岸部で復興支援活動を行う県民ボランティアの皆様をサポートするため、岩手県遠野市内に宿泊もできる被災地活動拠点施設「かながわ金太郎ハウス」を整備しました。ここでは、被災地での活動のコーディネートや被災地現場への送迎などのサポート業務を行っています。
今後も関係機関と連携して、引き続き、被災地に対する支援活動を行ってまいります。
また、被災地支援活動で得られた知識や経験も十分活用しながら、地震防災対策のさらなる強化を図ってまいります。
平成24年3月1日
神奈川県知事 黒岩 祐治
東北地方の復興のために、東日本大震災で発生した災害廃棄物、いわゆる震災がれきを神奈川県内に受け入れたいと考えています。
岩手県、宮城県および福島県の3県では、東日本大震災により、通常の排出量の10年分以上に当たる約2,300万トンという、膨大な量の震災がれきが発生しました。
国では、岩手県および宮城県の震災がれきについて、全国の自治体による広域処理を呼び掛けていますが、福島第一原子力発電所の事故がもたらした放射能汚染に対する懸念から、全国的に受け入れは進んでいない状況にあります。
私は、1月7日に岩手県宮古市と宮城県南三陸町を視察してきましたが、依然として港湾施設などに震災がれきが積み上げられており、復興の妨げとなっています。
現地にお住まいの方々からは、「がれきには、家具や衣類をはじめ、津波によって失った震災前の生活の全てが詰まっている。見るのがつらい。」「『心の足かせ』となっているがれきがなくなれば、気持ちも切り替わる。力を貸してほしい。」という切実な声を伺いました。
津波による被害は、大地震発生の切迫性が指摘されている本県にとっては他人事ではありません。
また、例えば、岩手県宮古市と横浜市は、福島第一原子力発電所からほぼ同じ距離にあり、放射能の影響という点では同程度のレベルなのです。
この国難とも言える状況にあって、同じ日本人として被災地の復興を支えるために、神奈川県としてやるべきことはやらなくてはいけないということを、被災地を訪問してあらためて感じたところです。
こうしたことから、私としては、県民の皆さんのご理解をいただいた上で、神奈川県内で震災がれきを受け入れ、被災地の復興に協力したいと思います。
また、受け入れた震災がれきの焼却後の焼却灰については、県が有する最終処分場でも埋め立てたいと考えています。
もちろん、県民の皆さんが放射能汚染について不安を感じていらっしゃることも、十分理解しています。そこで、本県が被災地から受け入れる震災がれきは、放射性物質(放射性セシウム)濃度が1キログラム当たり100ベクレル以下のものに限定したいと考えています。これは、原子炉等規制法で放射性物質によって汚染された物でないものとして取り扱うとされている濃度です。
なお、廃棄物を焼却すると焼却灰に放射性物質が濃縮されますが、受け入れの条件を1キログラム当たり100ベクレル以下とすることで、焼却灰の放射性物質濃度は、最高でも1キログラム当たり3,300ベクレル程度となり、国が定めた埋め立ての基準値(1キログラム当たり8,000ベクレル)を大幅に下回ります。
焼却灰は、厳しい基準を満たした最終処分場に埋め立て、厳重に管理します。
震災がれきの受け入れに当たっては、県民の皆さんの健康や環境に影響が生じないよう、万全の体制をとった上で、随時、放射性物質濃度等を測定して、結果を公表します。
皆さんのご理解をよろしくお願いいたします。
平成24年2月1日
神奈川県知事 黒岩 祐治
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
皆様、それぞれ新たな抱負を胸に新年をお迎えになったことと存じます。
私も、知事に就任して初めての正月を迎え、より良い県政の実現に向けて決意を新たにしているところです。
昨年4月、福島第一原子力発電所の事故をはじめとした東日本大震災の影響が県民生活や産業の広い範囲に及び、県全体が不安に包まれていました。そうした中、私は「いのち輝くマグネット神奈川」を旗印に掲げ、県政をスタートさせました。
いのちを守るために、また、地域のマグネット力を高めるために大切なものは何か、県としてなすべきことは何かを、行政分野ごとの縦割りの発想を超えて考え、総力を挙げて取り組むことが大切だと、私は思っています。
いのちを守る取り組みの一つとして、現在、神奈川県では、都道府県では全国で初めてとなる「医療のグランドデザイン」を策定しています。その検討作業を通じて、患者の視点に立った「透明性の高い、開かれた医療」「地域に根ざした医療」の実現を目指しています。
しかし、「いのち輝く」とは、医療体制を充実させるだけではなく、経済や農業、環境、教育など、ジャンルを超えて生活の質の向上を目指していこうとする考え方です。「ここに生まれてよかった」「長生きしてよかった」と生きている喜びを実感できる神奈川を実現することが私の目標です。
そこで、医療の規制緩和や、西洋医学と東洋医学の連携などを進め、神奈川で「日本一の医療体制」の確立を目指すとともに、地産地消や食育などを通した医・食・農の連携を図り、病気にならない取り組みを進めてまいります。
また、私は、就任以来「神奈川からエネルギー革命を起こそう」と訴え続けてきたところであり、昨年9月には「かながわスマートエネルギー構想」をお示ししました。これは、再生可能エネルギーの普及等を促進して、原子力への過度の依存をやめ、地域が中心となった分散型のエネルギー体系の構築を目指そうというものです。
昨年12月には、戸建て住宅に安価に太陽光発電設備を設置するための仕組みがスタートしました。今後も、民間資金の導入も図りながら、工場や公共施設の屋根に太陽光発電設備を設置する「屋根貸し方式」や、大規模な遊休地等に設置する「メガソーラー」の誘致などを進めてまいります。
このような取り組みを通じて、関連産業の集積や技術の高度化を図り、雇用の促進、地域経済の活性化にもつなげていきたいと考えています。
私のもう一つのキーワードは「マグネット」です。神奈川には、多彩な個性を持つ地域がたくさんあります。私は、横浜や箱根に負けない新たな観光拠点をつくりたいと考えています。そのために、情熱を持って主体的に魅力づくりに取り組んでいる地域を積極的に支援してまいります。
また、神奈川に来ていただいている留学生を大切にすることは、県にとって最大の外交ともいえますので、徹底した支援を図ってまいります。
これらの取り組みにより、国内外の多くの人を引き付けるマグネット力ある地域を目指します。
「いのち」と「マグネット」を軸に、県が今後どこに重点をおいて政策を進めようとしているのかを分かりやすい形で皆様にお示しするため、現在、県では新たな総合計画の策定を進めています。
今後も、県民の皆様との対話や、各分野の有識者の提言も踏まえながら、議会の皆様と議論し、県政運営に取り組んでいきたいと考えております。皆様には引き続きお力添えをお願いいたします。
平成24年1月1日
神奈川県知事 黒岩 祐治
私は、知事就任前から、原発事故による「計画停電を何としても回避したい」との強い思いから、「神奈川からエネルギー革命を起こそう」と訴え続け、昨年9月には、「原子力発電に過度に依存しない」「環境に配慮する」「地産地消を推進する」を原則とする「かながわスマートエネルギー構想」をお示ししました。
この「スマートエネルギー構想」は「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の3本柱で構成されますが、中心となるのは「創エネ」、とりわけ太陽光発電です。県では太陽光発電の普及拡大に向け、県民の皆様に「リーズナブルな価格で、安心して」太陽光発電設備を設置していただく仕組みとして、パネルメーカーや販売事業者等と協力し、昨年12月から「かながわソーラーバンクシステム」をスタートさせました。
この「ソーラーバンクシステム」では、一定条件のもと、初期の設置コストを、10年間の余剰電力売電収入や電気料金節約分で回収することが可能となるプランもあります。また、具体的な設置プランに関するご相談や見積依頼をお受けする「かながわソーラーセンター」も開設いたしました。県民の皆様には、ぜひ、この機会に「ソーラーバンクシステム」及び「ソーラーセンター」をご利用いただきますよう、お願いいたします。
県民の皆さんへ
東日本大震災に伴う災害廃棄物、いわゆる震災がれきの受入問題について、私は、これまでずっと悩んでまいりましたが、12月20日(火)県議会に県の対応方針を報告いたしました。
そこで、あらためて、その内容を県民の皆さんにお知らせし、ご理解をいただきたいと思います。
福島県、宮城県及び岩手県の3県では、東日本大震災により、通常の排出量の10年分以上となる、約2,300万トンの震災がれきが発生しております。
この震災がれきの処理は、国難を乗り越え、東北が再生していくために避けては通れない課題であります。そのために、国民全体で力を合わせて、救いの手をさしのべなければなりません。特に、大地震発生の切迫性が指摘されている本県にとっては、まさに他人事ではありません。
こうしたことから、私としては、県民の皆様の御理解をいただいた上、神奈川県内で震災がれきを受け入れ、被災地の復興に全面的に協力したいと思います。
もちろん、福島第一原子力発電所の事故に伴い、県民の皆様が放射能汚染について不安を感じておられることも、十分理解しているつもりであります。
そこで、本県が、被災地から震災がれきを受け入れる際の条件としては、震災がれきの放射能濃度のレベルを、1キログラム当たり100ベクレル以下にしたいと考えています。
1キログラム当たり100ベクレル以下のものは、震災前から「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」により、放射性物質に汚染されたものとして扱う必要がないとされております。また、東京都がこれまでに受け入れている岩手県からの震災がれきの放射能濃度の実態も100ベクレル以下となっており、県民の皆様のご理解が得られやすいのではないかと思います。
さらに、受け入れた震災がれきの焼却後の焼却灰については、県が有する最終処分場でも受入れていきたいと考えております。ただ、地元の皆様のご理解が前提でありますので、全力をあげて、関係する方々と調整してまいります。
そのため、年明けに「対話の広場」を開催し、私自ら、地元の皆様をはじめ県民の皆様に、直接、ご説明し、ご理解を得られるよう努めていきます。
震災がれきの受入れについて、現在、検討している横浜市、川崎市、相模原市と、今後、処理マニュアルの策定や最終処分の扱いなどについて早期に調整を行い、県内への震災がれきのできるだけ速やかな受入れを実現します。
また、現在受入れを検討するとしているのは3政令市だけですが、それ以外の県内市町村・一部事務組合にも、震災がれきの受入れに関する県の考え方をお伝えし、改めて受入れを働きかけるなど、県と市町村とが連携し震災がれきの広域処理体制の構築に取り組んでまいります。
皆さんのご理解をよろしくお願いいたします。
平成23年12月21日
神奈川県知事 黒岩 祐治
平成23年第3回神奈川県議会定例会 12月20日
「東日本大震災に伴う災害廃棄物の受入問題についての知事報告」
現在、定期接種として実施されている生ポリオワクチン接種について、ごくまれにワクチンの副作用として、ポリオ(小児まひ)が起こることから、接種を見合わせている方が多くいらっしゃいます。本県では、県民の皆さんの不安に応え、一人でも多くの方にポリオワクチンを接種していただけるよう、厚生労働省が不活化ポリオワクチンを導入するまでの間、地方独立行政法人神奈川県立病院機構とともに、独自に不活化ポリオワクチンの接種に取り組みます。
私は、これまで「夏の冷房需要に間に合わせるために5万戸から15万戸分の太陽光発電を普及させたい」、「4年間で200万戸分の太陽光発電を普及させたい」と言ってきました。何としても計画停電を回避し、今回のエネルギー危機を乗り越えたいという切実な思いから訴えてきたものです。
選挙期間中は、太陽光発電と言っても、街を歩く皆さんにはなかなか理解していただけず、ソーラーパネルそのものを持って歩きました。しかし、今ではテレビや新聞、雑誌でも毎日のように取り上げられるようになり、パネルメーカー等のコマーシャルも大幅に増えました。また、8月26日には、早期成立を要請してきた「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立いたしました。
私は「神奈川からエネルギー革命を起こそう」と訴えてきましたが、あっという間に「エネルギー革命」の火は点いたと自負しており、これまで高い目標を掲げ続けた意義はあったと思っております。
しかしながら、停止中の原子力発電所の再稼動は不透明なままであり、来年の夏の需給見通しは依然立たない状況にあります。根本的な課題は、未だ解決しておりません。
エネルギー政策については、これまで国主導で取組みが進められ、地方自治体は、いわば補完的役割を担ってきましたが、今後は、それぞれの地域がエネルギー政策にきちんと責任を持つことが必要です。こうした中、安全・安心なエネルギーを将来にわたり安定的に確保するためには、太陽光発電の普及だけではなく、中長期の総合的なエネルギー政策を示すことが知事として必要な対応であると判断しました。
そこで、私は、これまでの目標を総合的な政策にバージョンアップし、新たに2020年を目標とした「かながわスマートエネルギー構想」を提示いたしました。
この構想は、「原子力発電に過度に依存しない」、「環境に配慮する」、「地産地消を推進する」という3つの原則の下、太陽光を中心に風力や小水力、バイオマスなど再生可能エネルギー等の導入を図り、2020年度に、「創エネ」、「省エネ」の割合を「蓄エネ」と組み合わせることにより、2009年度の県内の消費電力量の20%以上の水準にすることを目指します。
なお、こうした経緯や考え方、そして、構想実現に向けた私の強い思いについて、様々な機会を捉え県民の皆さんにお伝えするとともに、皆さんからのご意見を伺うため、今後、県内で「『緊急開催!黒岩知事との対話の広場』~かながわスマートエネルギー構想の実現に向けて~」を開催します。私から「かながわスマートエネルギー構想」の説明をした後、県民の皆さんと意見交換を行う予定としています。
平成23年10月21日
神奈川県知事 黒岩 祐治