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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第252号

平成25年12月26日発行
病原体検出は平成25年10月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成25年10月

<検出状況>

  • 10月の病原体検出数は合計55件、細菌は19件、ウイルス・リケッチアは36件であった。
       
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が9件、ウイルスが13件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が8件、ウイルスが18件、基幹定点から細菌が2件、ウイルスが5件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成25年10月

  • 腸管出血性大腸菌感染症患者届出に伴う検査で、2事例5検体から腸管出血性大腸菌が検出された。血清型はO157(VT1 VT2)4検体、O103(VT1)1検体であった。平成25年の腸管出血性大腸菌の検出総数は10月までに23件で、既に昨年の年間検出総数(17件)を上回った。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者1検体中1検体からA群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型はT4であった。
  • 感染性胃腸炎9検体中1検体からエロモナス ハイドロフィラが、1検体からカンピロバクター ジェジュニが、1検体からセレウス菌が検出された。また3検体からその他の大腸菌(血清型O86a、O25、O15)が検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者2検体中1検体から肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRと分離培養によって検出された。
  • 細菌性髄膜炎患者2検体中1検体から肺炎球菌が、1検体からレンサ球菌( Streptococcus gallolyticus subsp. pasteurianus )が分離培養によって検出された。
  • 食中毒(関連調査)2事例のうち1事例1検体中1検体から腸管出血性大腸菌が検出され、血清型はO157(VT2)であった。他の1事例1検体中1検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。
  • 有症苦情2事例のうち1事例11検体中1検体から耐熱性溶血毒産生の腸炎ビブリオ(血清型O3:K6)が検出された。他の1事例2検体中1検体からカンピロバクター ジェジュニ(血清型PennerY)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成25年10月

 

 



表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成25年10月

  • つつが虫病疑い患者4例中1例からオリエンチアツツガムシが検出された。
  • RSウイルス感染症疑い患者2例中1例からRSウイルスが検出された。
  • 感染性胃腸炎患者19例中2例から下痢症の原因となるサポウイルスが検出された。
  • 手足口病患者13例中13例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA16型4例、エンテロウイルス71型8例、ライノウイルス1例であった。
  • ヘルパンギーナ患者3例中1例からコクサッキーウイルスA4型が検出された。
  • 麻しん疑い患者3例から麻疹ウイルスは検出されなかったが、1例から風疹ウイルスが検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者4例中1例からコクサッキーウイルス B1 型、1例からエコーウイルス18型、1例からコクサッキーウイルスB1型、エンテロウイルス68型およびアデノウイルス1型が重複して検出された。
  • その他、突発性発疹症患者1例からサイトメガロウイルスが検出された。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は3事例(県域2事例、関連調査1事例)で、便32検体について検査をしたところ、2事例11検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成25年10月

 

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成25年10月

 

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