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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第237

平成24年9月25日発行
病原体検出は平成24年7月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成24年7月

<検出状況>

  • 7月の病原体検出数は合計100件、細菌は38件、ウイルス・リケッチアは62件であった。
       
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が22件、ウイルスが4件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が13件、ウイルスが57件、基幹定点からウイルスが1件、その他の医療機関から細菌が3件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成24年7月

  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者15検体中5検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型はT12が3件、T4およびT28が各1件である。また、F群溶血レンサ球菌(Streptococcus anginosus)が1検体から検出された。

  • 感染性胃腸炎で、藤沢市保健所管内において、1検体からコレラ菌O1、O139以外(CT-)が検出された。また横須賀市保健所管内において、1検体から黄色ブドウ球菌(エンテロトキシンB型)が検出された。

  • マイコプラズマ肺炎患者10検体中7検体から肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)がPCRおよび分離培養によって検出された。今年の2月を除き、昨年(平成23年)9月から肺炎マイコプラズマの検出が続いている。

  • 食中毒3事例のうち、1事例12検体中8検体からカンピロバクター・ジェジュニが検出された。他の1事例27検体中8検体から黄色ブドウ球菌(エンテロトキシンD、コアグラーゼⅡ)が検出された。うち1名からは便と吐物の両検体から検出された。また関連調査7事例のうち、1事例1検体からカンピロバクター・ジェジュニが検出された。
    また、横須賀市保健所管内における有症苦情2事例の3検体中2検体からカンピロバクター・ジェジュニ(Penner O群1件、UT1件)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成24年7月

 

 

表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成24年7月

  • 咽頭結膜熱調査では、5例中3例からアデノウイルス3型、1例から同2型、1例からエコーウイルス6型が検出された。
  • 感染性胃腸炎調査では、11例中3例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ノロウイルス2例、サポウイルス1例であった。また横須賀市において感染性胃腸炎の集団発生が1事例あり、3検体中2検体からノロウイルスが検出された。
  • 手足口病調査では、8例すべてからコクサッキーウイルスA16型が検出された。
  • ヘルパンギーナ調査では、41例中23例からコクサッキーウイルスA4型、10例から同A5型、1例から同A2型、1例から同A9型、1例から同B2型、1例からライノウイルスが検出された。さらに、コクサッキーウイルスA5型とエコーウイルス6型との重複感染事例が1例あった。
  • その他(発疹症)から検出されたエンテロウイルス(型未決定)については、型別検査を実施中である。
  • 麻疹ウイルス調査では、3例中2例から風疹ウイルスが検出されたが、麻疹ウイルスは検出されなかった。
  • インフルエンザ調査では、2例中1例からインフルエンザウイルスAH3型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎調査では、1事例3検体からコクサッキーウイルスA9型が検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成24年7月


 

 



表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成24年7月


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