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神奈川県微生物検査情報


神奈川県衛生研究所

第170号

2006年 12月
( 平成 19年 4月 24日発行 )


話題

感染症法の改正について

  「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」が平成19年4月1日より施行となりました。ただし、病原体関連の条文については平成19年6月1日施行となっています。
  1. 最新の医学的知見に基づく感染症の分類の見直し

    重症急性呼吸器症候群が一類感染症から二類感染症に移行

    ② 二類感染症に結核新たに追加

    コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスが二類感染症から三類感染症に移行

    ④ 従前の四類感染症の30疾患に11疾患が追加され四類感染症は41疾患となる

    ⑤ 四類感染症の一部の名称を変更

  2. 結核を感染症法に位置づけて総合的な対策を実施

    ① 原則として、すべての感染症法の規定が結核に適用される。その上で、結核独自の新たな規定が、感染症法に設けられた

    ② 慢性感染症に関する情報の収集、健康診断、就業制限、入院勧告、入院措置、入院患者(結核を含む)の医療及び結核患者の通院医療

  3. 生物テロや事故による感染症の発生・まん延を防止するための病原体の管理体制の確立

    ① 病原性、国民の生命及び健康に対する影響に応じて一種病原体から四種病原体まで四分類とした

    ② 所持、輸入等の禁止、許可、届出、基準の遵守等の規則を策定

  感染症法改正、新しい分類、追加疾患、届出基準及び届出用紙等については 神奈川県衛生研究所ホームページ「感染症情報センター」でご確認ください。
( 企画情報部  折原直美 )

  病原体検出  
<検出状況>
  • 12 月の病原体検出数は合計 378 件、細菌 35 件、ウイルス 342 件、リケッチア 1 件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では細菌が 22 件、ウイルスが 308 件、リケッチアが 1 件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、細菌が 13 件、ウイルスが 34 件検出された。
  • 保健所管内別の検出状況は表 1 のとおりである。



<検出状況>
  • 腸管出血性大腸菌 O157:H7 ( VT1&2 保有 )が 、相模原市保健所管内で無症状病原体保有者から 1件検出された。
  • 赤痢菌( sonnei)が海外渡航者(インド)及びその家族から検出された。
  • ウエルシュ菌が 11件検出され、その内10件が横須賀市保健所管内の集団感染の2事例から検出された。



<検出状況>
  • 腸管出血性大腸菌は、 11 月に引き続き 12 月も 1 件検出された。
  • カンピロバクタ ジェジュニが毎月継続的に検出されていたが、 12 月は検出されなかった。
  • マイコプラズマ・ニューモニエは、 11 月に引き続き 12 月も 1 件検出された。





<検出状況>
  • 11月に引き続き、12月もノロウイルス感染による集団発生が多発し、感染性胃腸炎の集団発生が17事例、食中毒等の集団発生が11事例あった。ノロウイルスは、感染性胃腸炎から201件、食中毒等から137件検出された。




<検出状況>
  • コクサッキーウイルス A16 型およびエンテロウイルス 71 型が 11 月に引き続き 12 月も手足口病患者から検出された。
  • ノロウイルスは、 12 月は前月の検出数を大幅に上回った。




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