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令和7年4月30日発行

前号

神奈川県 百日咳情報(3)16週

グラム陰性桿菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)という細菌が原因の感染症です。一部はパラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)も原因となりますが、感染症発生動向調査で届出が義務づけられているのは、百日咳菌による百日咳だけです。名前の通り、長い間激しい咳が続くのが主な症状です。学校や幼稚園・保育所での集団感染や、地域において流行が発生することがあります。感染症法では2018年から5類感染症全数把握対象疾患となっています。また、学校保健安全法では第2種学校感染症に指定されており、百日咳と診断された場合は「特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで」は出席停止の扱いになります。
神奈川県内では、2024年第1~52週までに265例注1、2025年第1~16週までに347例注1が届出されています。全国では、2024年第1~52週までに4,054例注1、2025年第1~15週までに7,084例注1が届出されています。
治療には抗菌薬が有効ですが、最近マクロライド系抗菌薬に耐性の百日咳菌が増加しており、注意が必要です。また、百日咳はワクチンで予防可能な感染症(vaccine preventable disease: VPD)の一つです。詳しくは疾患別情報 百日咳をご覧ください。

注1:暫定値(2025年4月28日時点)

[1]週別報告数の状況(神奈川県、2024年1週~2025年16週)

2025年の累計報告数は347件となりました。16週の報告数は62件でした。

[2]保健所別報告数の状況(神奈川県 2025年1週~2025年16週)

2025年16週までの状況は、横浜市からの報告数が最多となり、全体の5割以上を占めています。

[3]年齢群別報告数の状況(神奈川県 2025年1週~2025年16週)

2025年16週までの状況は、9歳から14歳を中心に報告されていました。

[4]年齢群別診断方法の状況(神奈川県 2025年1週~2025年16週)

2025年16週までの状況は、0~19歳では遺伝子検査が半数以上を占めています。20歳以上は抗体検査が大半を占めています。

【参考リンク】