令和5年7月10日発行
神奈川県 RSウイルス感染症情報(6)26週
RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスによる感染症です。主に乳幼児に多く、感冒様症状(発熱・咳・鼻汁等)から重症の細気管支炎・肺炎など、様々な呼吸器の症状を起こします。特に、生後6か月未満で感染すると、重症化のリスクが高いと言われています。高齢者施設で集団発生する場合もあり、二次性細菌性肺炎により重篤化する場合もあります。乳幼児が周囲にいる場合は、予防のためにマスクの着用や丁寧な手洗いを心がけましょう。2015年以前は秋に流行のピークがありましたが、近年は夏に発生報告数の増加がみられます。2021年に6~7月を中心とする大きな流行があり、神奈川県でも第28週に定点当たり報告数が、政令指定都市を除く県域で8.59に上りました。2023年は19週頃から増加傾向が見られるため、今後の発生動向に注意が必要です。
RSウイルス感染症の報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのRSウイルス感染症の報告数をあらわしています。
- 年別・週別報告数の状況
神奈川県における2023年のRSウイルス感染症の定点当たり報告数は、19週頃から増加傾向が見られます。26週(6月26日~7月2日)は全国3.17に対して、全県2.29、政令指定都市を除く県域2.17でした。
22週 23週 24週 25週 26週 5月29日
~6月4日6月5日
~6月11日6月12日
~6月18日6月19日
~6月25日6月26日
~7月2日全国 2.12 2.64 2.90 3.16 3.17 全県 0.91 1.51 1.78 2.33 2.29 県域 0.69 1.70 2.21 2.50 2.17 - 保健所別発生状況(グラフ)
26週(6月26日~7月2日)の定点当たり報告数は、県域では秦野センター管内が5.33と増加しました。厚木保健福祉事務所管内は4.50で減少傾向にあります。 - 全県の年齢・年齢群別の状況(グラフ)
年齢群別では、2歳、4歳の定点当たり報告数が増加しています。0歳、1歳、3歳は減少しています。
<参考ホームページ>
- 疾患別情報 RSウイルス(神奈川県衛生研究所)
- RSウイルス感染症に関するQ&A(平成26年12月26日) (厚生労働省)
- RSウイルス感染症とは (国立感染症研究所)