令和4年11月11日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県 新型コロナウイルス感染症情報(135)

2022年第44週(10月31日~11月6日)の報告数は,19,512例と、前週の12,940例に比べて増加しています。(※患者情報の変更により、前週と数字が異なる場合があります)
2022/23シーズンはインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行も危惧されています。
感染拡大防止のため、適切な場面でのマスク着用、手洗い、三密の回避等の基本的感染予防の徹底をお願いします。

【微生物部長から一言】
秋に入り収束した新型コロナウイルス感染症の第7波ですが、10月後半になると感染者数に下げ止まりが見られ、今月に入り増加に転じ早くも第8波の到来を伺わせます。これらが新たな系統(変異株)の広がりによるものであるという根拠は現在のところなく、出入国制限の緩和が一因となっているのかもしれません。

変異株の動向については本県域においても、検疫や近隣の東京都のデータと同様にほとんどがBA.5派生型となっています。出現当初は感染力の増強や中和抗体への抵抗性から脅威が喧伝されたBA2.75系統は、国内で目立った感染拡大の傾向はありません。県域においても数件の散発例が見られるのみであり、流行の趨勢(すうせい)を左右するには至っていません。県域ではBEやBFといったBA.5の孫系統がやや増えており、様々な細かい系統が混在している状態です。新たな脅威として報じられている新系統XBBの県内発生報告もあり、注視が必要です。

感染の広がりを抑えることは依然としてコロナ対策の要諦(ようてい)です。三密を避け、手洗い・会話時のマスク着用といった従来の行動維持を心がけるだけでも抑制効果は期待できます。三回目・四回目のワクチン接種は防御能・重症化阻止能を引き上げる効果が確認されており、オミクロン株対応型の新規多価ワクチンも緊急承認され、効果の向上が期待されています。今後も信頼できる公的情報源を見極めた上の、冷静な御判断をお願いします。

県衛生研究所ではこれまでの検査に加えて全ゲノム解析を引き続き実施中です。重症患者や定点医療機関モニタリングを推進して、オミクロン株や亜系統・新株の検知・解析に努めております。これからも県民の健康・安全の維持に貢献して参ります。

【神奈川県の新型コロナウイルス感染症】

※患者情報の変更により、前週と数字が異なる場合があります。

(1)新型コロナウイルス感染症の週別報告数

2022年9月26日より新型コロナウイルス感染症の発生届の届出対象が変更されたことに伴い、2022年39週より、「医療機関から報告された患者数」に基づき計算しています。

(2)新型コロナウイルス感染症の保健所別報告数

(3)新型コロナウイルス感染症の年齢別報告数

☆新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは2019年11月頃に中国湖北省武漢市で発生し、世界中に感染が拡大しました。ウイルスはSARS-CoV-2と名付けられ、このウイルスによる疾患はCOVID-19と呼ばれます。国内では2020年1月に初めて感染者が確認されています。2021年2月13日に感染症法が一部改正され、「新型コロナウイルス感染症」は指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に位置付けが変わりました。
現在日本国内で流行しているオミクロン株の主症状はのどの痛みや咳、鼻水など上気道の症状が多く、従来株や他の変異株に比べて味覚・嗅覚異常や肺炎は少なくなっています。

新型コロナウイルス感染症の予防

新型コロナウイルス感染症は、感染している人から咳やくしゃみ、会話などの際に排出される、ウイルスを含んだ飛沫やエアロゾル(飛沫より小さな、水分を含んだ状態の粒子)を吸い込むことが主な感染経路と考えられています。マスクの着用、手洗い、アルコールによる手指消毒、三密(密閉、密集、密接)を避ける、などの感染対策を徹底しましょう。
ウイルス除去には、家庭用洗剤(有効な界面活性剤を含むもの)、アルコール(70%以上)、塩素系漂白剤の希釈液(次亜塩素酸ナトリウム0.05%希釈液)、加熱(80℃で10分以上)が有効です。

新型コロナウイルス感染症を疑う症状があったら

新型コロナウイルス感染症専用ダイヤル
☎0570-056774(一部IP電話などつながらない場合は045-285-0536)
注意:保健所設置市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)にお住まいの方は、各市のコールセンターにお電話ください。

【新型コロナウイルス関連情報】

注:リンクは掲載当時のものです。リンクが切れた場合はリンク名のみ記載しています。

神奈川県

厚生労働省

国立感染症研究所