野菜・果樹の品種について理解を深める
第2回かながわなでしこfarmers研修生等交流会が、平成31年2月14日にJA横浜クッキングサロンハマッ子で開催されました。平成29年度と30年度の研修受講生を対象にしたもので、横浜市のほか県内各地から28人の女性農業者が参加。

第1部の「野菜・果樹の品種研修会」では、直売所や飲食店などへの販売に適した野菜と果樹について学び、参加者は自分たちも栽培ができそうな品種はないかと熱心な表情で講師の話に聞き入っていました。

新品種の野菜などを一挙紹介
野菜の品種について講演を行ったのは、株式会社サカタのタネ野菜統括部の川合泉さん。川合講師は「品種特性を生かした直売所・レストラン向けの野菜提案」と題し、サラダハクサイや、ポップコーン向けトウモロコシ、ミニネットメロン、新しい作型のハクサイ、カラフルダイコンのミニチュア栽培などについて、特長や栽培のポイント、経営上のメリットなどを巧みな話術でレクチャーしました。

口当たりの良いサラダハクサイはサラダ感覚で使えるほか、コンパクトなので冷蔵庫にも収まりやすいというメリットがあるそうです。川合講師は「暑さに強いので夏どりにもチャレンジできます」といい、レタスの収穫が終わった時期に栽培すれば、レタスに代わるサラダ食材として販売しやすいなどの説明がありました。

まんまるポップコーンに驚き!
会場の調理設備を使って実際にポップコーンづくりも実演。川合講師は「きれいに弾けさせるには、お味噌汁を作るような小さめの鍋に油を多めに入れることがポイントです」と話し、出来上がったポップコーンを参加者に振る舞いました。

収穫時は、植物体が茶色く枯れこむくらいまで登熟させることが重要で、さらによく乾燥させることにより調理時に弾けやすくなるといった解説も。おいしいだけでなく調理も楽しいとあり、「直売所で売らずしてどこで売る!」と川合講師の説明にも力が入っていました。

豊富な収穫量でメロンが身近に?
ミニネットメロンは、さっぱりした甘さが魅力で、収穫量の多さも自慢です。川合講師の話では、地這放任栽培でたった3株から180個近いメロンが収穫できた年も。比較的保存がきき、最近はサラダにフルーツを使うトレンドもあり、豊富な収穫量を生かした手ごろなメロンとして直売所やレストランに提案することができそうです。

有望な果樹品種を知る
続いて講演を行った農業技術センターの関達哉さんは、「直売用の果樹有望品種について」というテーマで品種別の栽培状況や注目品種、選定のポイントなど解説しました。

「果樹のプロ」がすすめる品種は?
県内で栽培されるナシといえば「幸水」と「豊水」が大半を占めますが、関講師のおすすめは早生の「香麗」。神奈川県が開発した品種で7月下旬ごろに収穫でき、甘みはもちろん豊かな香りも楽しめます。ブドウは「藤稔」が一番のブランド品種として知られており、最近は「シャインマスカット」の人気も高まっているそうです。カキでは、「早秋」「甘秋」「麗玉」などが、「10月収穫で、高糖度、サクサクとした食感などの特徴が消費者に好まれるのでおすすめです」と関講師。

カキの栽培時は樹形を極力高くしない、樹の内側によく光が入るようにするなどのアドバイスもありました。関さんは「都市部で果樹を栽培するには、何らかの差別化が必要。完熟や糖度が高い品種などに取り組むことも有効です。指導機関に相談しながら、目的に合った品種に取り組んでください」と話していました。

品種への理解深め、農業の幅広がる
カキの栽培時は樹形を極力高くしない、樹の内側によく光が入るようにするなどのアドバイスもありました。関さんは「都市部で果樹を栽培するには、何らかの差別化が必要。完熟や糖度が高い品種などに取り組むことも有効です。指導機関に相談しながら、目的に合った品種に取り組んでください」と話していました。
