SNSでターゲットに狙った情報を届ける
2日目は、ADU株式会社の宇田名保美さんを講師に招き、農産物を販売し、規模拡大をしていく上で必要な手法や、PR手法の一つであるSNSの活用方法について学びました。

6次産業化やネットショップの活用などのコンサルティングする宇田さんは、「事業計画を達成していくために具体的な戦略が必要です。それがマーケティングです」と、その重要性を呼びかけました。

特に顧客にしたいターゲットのニーズを捉え、ターゲットにマッチした商品を販売する「顧客志向マーケティング」について熱く解説し、「ターゲットに対して何を・どの価格で・どこで・どうやって買ってもらうかを考え続けましょう」と顧客目線・販売者目線での売り方の違いなどを交えながら語りかけていました。

また、新型コロナウイルス感染症が蔓延する現状で宇田さんは、「外出機会も減り、多くの人はインターネットでSNSを見ています。今、SNSを使わない手はありません」と断言。SNSでは発信したい情報を取りまとめることができ、イベントや直売所でも来場したお客様ともSNSを介してつながり、その後の連絡や情報発信もできるといい、「将来的に農産物を購入してもらって売上を伸ばすことにもつながります」とメリットを紹介しました。

レッツ インスタグラム
後半は、受講生自身がスマートフォンを使ってSNSの活用法を学びました。今回、受講生が挑戦したのはインスタグラム。インスタグラムは、写真や動画に特化したSNSで、利用者が撮影した写真や動画を友人同士や知り合い同士で共有することができるサービスです。

受講生の多くは、インスタグラムの存在は知っていて興味はあっても、使ったことがなかった人たち。まず、アプリをダウンロードするところから始まりました。これに対して宇田さんは、アカウント登録のやり方から丁寧に説明。受講生は、インスタグラムの機能である「フォロー」をはじめ、共通の文言で興味のある文言を検索しやすくする「#(ハッシュタグ)」や、写真内に登場する人物などをその人のアカウントと紐付けすることができるようになる「タグ付け」、インスタグラム上でつながった人と連絡を取り合える「ダイレクトメッセージ」など、インスタグラムの基本的機能を学びました。

最初は慣れない操作に戸惑っていた受講生でしたが、周囲の仲間たちと相談をしながら作業を進めました。今回の研修の肝である「狙っているターゲットに魅力的な情報を届かせるためにどうしたら良いか」についても、「グルテンフリーの商品なら今、ヴィーガンが流行っているから#をつけた方が検索されやすくなるね」「写真の構図は青空などを入れた方が良いから、カメラをなるべく地面につけると良いね」といったアドバイスを交わしていました。ターゲットにも届きやすい文章と写真がまとまると、「#かながわなでしこ」で写真を投稿。その後、参加者同士が相互にフォローして「いいね」やコメントを送る場面も見られました。

鎌倉で路地野菜を栽培・販売する女性は、「インスタグラムを触るのも初めてでそれまで怖いイメージがあったけれども、他の人の投稿を見たら安心できたし、『いいね』や『コメント』も行うことができた」と満足そうな表情を浮かべていました。また、相模原市で小松菜などの葉物野菜を育てている女性は、「個人でインスタグラムは使っていたけれども、自分の農園のためにやってみるのは初めてで、投稿内容を考えるのが難しかった。直売所以外にも情報発信ができる場所ができたみたいでうれしい」と話していました。
