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令和元年度 神奈川県農業経営士及びふるさとの生活技術指導士認定証交付式 令和元年度 神奈川県女性農業者活躍表彰表彰式

令和元年度 神奈川県農業経営士及びふるさとの生活技術指導士認定証交付式
令和元年度 神奈川県女性農業者活躍表彰表彰式

令和元年度の「神奈川県農業経営士」と「ふるさとの生活技術指導士」の認定証交付式、「神奈川県女性農業者活躍表彰」の表彰式が、1月24日に神奈川県庁で開かれました。今年度は、農業経営士1名、ふるさとの生活技術指導士2名、女性農業者活躍表彰に1名が選ばれ、それぞれが喜びを語りました。

柑橘栽培の担い手育成に尽力

農業経営士は、高度な農業技術と経営知識を持ち、研修生の受け入れや地域農業の振興に積極的な役割を果たす農業者を認定するものです。今年度は秦野市の尾澤健一さんが認定を受けました。

尾澤さんは、250アールほどの畑で柑橘やキウイフルーツを主力に生産しています。就農歴は15年以上。以前は共選共販で経営が安定しない時期もあったといいますが、市内にJAはだのの大型直売所「じばさんず」がオープンしてからは、「自分が作ったものに自分で価格をつけて販売できるシステムのおかげで、経営の安定化につながっています」と話します。

柑橘栽培の担い手育成に尽力

一方で、秦野市の柑橘栽培は後継者不足という課題を抱えているといい、「鳥獣被害も多く、担い手が少ない状況です」と語る尾澤さん。それでもJAのキウイフルーツ部会では、赤い実が特徴のレインボーレッドなど早生の品種をブランド化する取り組みを進めるなど、安定した経営に向けた努力を重ねています。

ここ数年は、研修生の受け入れも積極的に行っているという尾澤さん。「指導する立場ではありますが、研修生たちから逆に学ばせてもらうことも多く、自分自身を高めるためにもいい経験になっています。今後も農業経営士という名に恥じないよう、周りの方々に知識や経験を伝えるだけでなく、私自分も一層努力していきたいと思います」と語りました。

柑橘栽培の担い手育成に尽力

郷土の生活文化を次世代に

農家や農村地域に受け継がれる生活文化の継承活動などに対して与えられるのが、ふるさとの生活技術指導士の称号です。販売や指導実績、今後の指導活動への意欲などに関する審査を経て、今年度は森田和江さん(横浜市)が赤飯の調理技術で、中里静子さん(相模原市)が株ねぎコロッケの加工技術で、それぞれ認定を受けました。

森田さんは、「我が家ではもち米を作っていたこともあり、お祝い事などの行事には赤飯が欠かせませんでした」と振り返ります。母を手伝ううちに、自身も赤飯づくりの技術が身に付きました。

郷土の生活文化を次世代に

地域の農業グループに所属し、秋の農業まつりで赤飯やおでんを振る舞ったり、よもぎ団子や味噌づくりなどを地域住民と一緒に体験したりと、食文化の伝承にも関わる森田さん。「ふるさとの技術指導士のイベントを見学した際、食だけでなく、竹踏みや布ぞうりづくりなど、多方面の特技を持った方々がたくさんいらっしゃることに驚きました。これからは私もその仲間入りをさせていただき、伝える側として頑張っていきたいと思います」と意欲をのぞかせました。

郷土の生活文化を次世代に

大和市の住宅地で育ち、相模原市北部の農家に嫁いだ中里さん。「土や根っこの付いたホウレンソウ一つ持ったことのなかった私が、先輩農家の方たちに野菜の調理や加工の仕方、昔ながらの料理などを教えていただき、一緒に行動していくうちに40数年がたちました」と振り返ります。

相模原市北部の農家に嫁いだ中里さん

地場野菜のおいしさや安全性を伝え、市内の伝統料理を孫や地域の子どもたちに食べてもらいたいという一心で活動してきた結果が、今回の認定につながりました。「まだまた先輩方に教わることはたくさんあります。これからも努力を続けて知識を蓄え、自分が教わったこと、身に付けてきたことを、しっかりと伝えていきます」と笑顔を見せました。

相模原市北部の農家に嫁いだ中里さん

消費者と地域の子どもたちの存在が励みに

農業や地域の活性化、女性の農業経営参画、次世代リーダーを目指す若手女性の支援などについて積極的に活動し、農業振興について特に功績のあった女性農業者を称えるのが女性農業者活躍表彰です。小俣さんは優れた加工品の製造販売をはじめ、地元JAの理事などさまざまな団体の要職を務めるなど、多くの功績を残したとして表彰を受けました。小俣さんは「結婚して54年になりますが、この賞をいただけると知ったとき、主人には『俺のおかげだな』と言われました。確かに、主人や家族の理解がなければ、ここまで活動を続けることはできませんでした」と感謝します。

消費者と地域の子どもたちの存在が励みに

養蚕業から野菜の栽培に転換し、周辺が都市化する中で産直に切り替えたり、息子が就農した際にはハウスを建てたりと、時代や家庭の環境に合わせて経営スタイルを変化させてきたという小俣さん。主力のトマト栽培を生かしてトマトソースやトマトジャムなどの加工品販売にも力を入れ、「自分たちが生産したものを有効利用する『もったいない加工』が我が家の特徴です。加工はお金になりにくいものですが、食べた人がおいしいと言ってくれた言葉に励まされます」と話します。

表彰を受け、小俣さんは「もう少しで80歳に手が届こうという年齢ですが、ここからがスタートという気持ちで、若い人たちと一緒に仕事を続けていきたいと思います」と抱負を語っていました。

消費者と地域の子どもたちの存在が励みに