朝採れ野菜から加工品、水産物まで
午前9時の開店直前。入口には、平日にも関わらずオープンを待つ30人ほどの列ができていました。開店と同時に客が入店すると、「寒くなってきた今日は、お鍋にもおいしい白菜、先ほど採れた白菜を入荷しています。また、平塚漁港からは人気の朝どれ生しらすも入っています――」と響く案内アナウンス。店内はあっという間に人であふれかえり、活気に満ちていました。

1日1,000人が来店 生産者と消費者の交流の場
あさつゆ広場は、平塚市・伊勢原市・大磯町・二宮町の二市二町を管轄エリアとするJA湘南の大型農産物直売所です。「とれたての新鮮でみずみずしい農産物が集まる、生産者と消費者の交流の場」をコンセプトに、平成22年に開業しました。登録する出荷者は約320人(2024年10月現在)。売場には、かながわブランドに登録されている「しょうなん小松菜」をはじめとする朝採れ野菜や、湘南の海の幸、地元のパン屋が作ったサンドイッチなど、様々な種類の商品が所狭しと並んでいます。1日の来店者は約1,000人で、書き入れ時となる土日は1,500人を超えるほどです。

午前7時から集まる生産者たち
あさつゆ広場に出荷する生産者たちは、午前7時頃から売り場に集まり始めます。みずみずしい野菜を運び込む生産者の中には、女性の姿も多く見られました。
あさつゆ広場の中島喜弘店長によると、「あさつゆ広場の出荷登録者の中には、家族で農業経営をしている方も多く、生産・収穫・梱包・値付けなどを分業しており、その中でも商品紹介のポップは女性の方が担っていることが多いようです。工夫を凝らしたポップがあると、売場は華やかになりますね。今日みたいに、女性が出荷をしに来る姿も珍しくないですよ」と言います。生産者と直売所スタッフが楽しそうに談笑する場面もあり、生産者たちの交流の場としての側面もあるようです。

おいしく、美しく 厳格な規格で安全に
あさつゆ広場の人気の土台となっているのが、食の安心へのこだわりです。あさつゆ広場では、鮮度や品質、販売規格などのルールを設け、消費者が求める安心を提供しています。

出荷の方法について、中島店長は「あさつゆ広場に出荷するためには、JAの活動へのご理解と加入をいただいた後に、出荷会員組織に参加してもらっています。この組織では、鮮度や品質、A級・B級といった規格などの指導をしています。また、使用した農薬の種類や量といった生産履歴の提出を義務付けていて、生産履歴を確認できない農作物は、出荷に必要なバーコードを発行できない仕組みとしています。お客様の安心・安全のために、出荷される皆様にご協力をいただいています」と教えてくれました。

狙うは「直売所らしさ」
「あさつゆ広場は、『直売所らしさ』を目指しています」と語る中島店長。ここでいう「直売所らしさ」とは、“食の安心・安全基準をクリアしつつも、生産者と消費者が交流できる、あたたかな場”という意味を指します。
最近は、若い女性農業者による出荷が増えてきたように中島店長は感じているんだとか。「栽培した多品種の生産物を、市場に持って行ったり、あさつゆ広場に出荷していただいたり、いろいろと工夫されながら栽培されているようです。出荷には、JAの活動へのご理解と加入が必要となります。また、あさつゆ広場は生産地がJA湘南の管轄内にあることが条件になります。もし出荷をご検討でしたら、最寄りのJAへお気軽にお問い合わせください」

話を伺った人
JA湘南 大型農産物直売所「あさつゆ広場」
店長 中島喜弘さん
JA湘南大型農産物直売所「あさつゆ広場」
- 所在地
- 神奈川県平塚市寺田縄424-1
- 営業時間
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あさつゆ広場 9:00~17:00
あさつゆ工房(アイス、ジェラート)
夏期(3月~10月)10:00~16:30
冬期(11月~2月)10:00~16:00
- 定休日
- 毎週水曜
- 電話
- 0463-59-8304
- 公式HP
- https://www.jakanagawa.gr.jp/shonan/shop/chokubai/asatsuyu.html