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令和6年度新規就農者育成研修(女性農業体験コース)~9月10日レポート

令和6年度新規就農者育成研修(女性農業体験コース)~9月10日レポート

参加者
農業に関心があり、将来神奈川県で就農を検討中の方

農業のリアルな一面を体験し、理解を深めてもらう神奈川県主催の講座「新規就農者育成研修」が9月、かながわ農業アカデミー(海老名市)で開かれました。
今年は農業に関心を持つ女性10人が参加し、3日間の工程のうち2日目には野菜の収穫と袋詰め、刈払機の使い方などを体験しました。

新規就農者への第一歩

新たに農業を始める人向けに知識と実践をバランスよく組み込んだ講座が、新規就農者育成研修です。
参加者は、農作業に欠かせない野菜の収穫や農業機械の使い方、新規参入に向けた講座、女性農業者の講演を通して、神奈川県で農業を始めるためのエッセンスを学びます。

講師は、かながわ農業アカデミーの職員らが務めます。
これまでに、この研修をきっかけにかながわ農業アカデミーへの入学を決めた人や、神奈川県で新規就農をした人もいる、言わば、神奈川県で新規に農業者への第一歩を踏み出すための研修です。

新規就農者の登竜門

天候が生育を左右する

初日に神奈川県内の農業の実態について学び、2日目はいよいよ農地へ出て野菜の栽培と農業機械について学びます。
この日は、横浜市や相模原市、平塚市など県内各地域からの女性10名が参加しました。
「実家が農業を営んでいる」「嫁ぎ先が農家だった」「家庭菜園の熱が高じて」と参加理由は様々です。

天候が生育を左右する

午前中は、ナスとピーマン、オクラの収穫体験と袋詰めが行われました。
毎年の研修では、夏の日差しをたっぷりと受けて、たわわに実ったナスやピーマン、オクラをかごいっぱいに収穫する人気のイベントです。
しかし、今年は例年以上の猛暑日が続いた上に、神奈川県下にも多くの爪痕を残した台風10号の影響があり、例年ほど形やツヤがみられず、大きく育たなかった農作物が散見されました。

天候が生育を左右する

「自分で消費するのであれば、こういう野菜も愛着を持って食べることができますが、これがお店に並んでいたらいかがでしょう。
農業をするということは、天候によって農作物が育たない可能性があることを知っておかないといけません」と講師が解説すると、参加者は農業の現実を直視しだします。
収穫した野菜を袋詰めする参加者たちは計測器に野菜を載せ、「こっちの方だったらまだきれいだね」「せっかく大きく育ってるけれども、このツヤだと厳しいかも」と、話し合いながら選別していました。

天候が生育を左右する

見て、やって、覚える

午後は、農作業には欠かすことのできない刈払機と歩行型トラクター(小型管理機)の実習に挑みます。
農業機械は、農作業の効率を高めてくれる便利な機械ですが、使い方一つで重大なケガや最悪の場合、死に至る危険性もあります。
参加者には草木を刈払う際に飛び散った破片から目を守るゴーグルが配られ、3人一組となって危険性を熟知した講師が丁寧に指導していました。

見て、やって、覚える

初めて見る農業機械に恐る恐る手を伸ばす参加者たち。
講師は、まずは自らがやって見せ、続いてマンツーマンで一つずつ使用法の手順を解説していました。
ある程度慣れてきたら、ほ場の雑草の除去に取り組みます。
ここでは一人当たり10分以上の時間を使って、幅1.5m・距離5mほどを刈り進めていきます。
最初は動きがたどたどしかった参加者たちでしたが、刃先が地面とすれすれになるほど近づけつつ、決まった振り幅で刈払機を動かす練習を重ねていくうちに徐々に身に付いてきた様子でした。
その後の歩行型トラクターの練習でも、講師の指導の流れは変わらず、まずは、やり方を解説し、実際に起動から停止までの流れをやらせてみて、最後は実際に土を耕していくところを学んでいました。

見て、やって、覚える

ある参加者は、「実家に祖父母が管理する大きな畑があるけれども、いよいよ代替わりが近づいてきました。
こうした機材が自宅にあっても使い方が分からず困っていたんです。
しっかり基礎から教えてくれて、農業ってこうやってやっていけばいいのかと、学ぶことができました」と話していました。

見て、やって、覚える