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映像と資料で学ぶ気候変動③街中に隠れた防災機能水害への備え~ハード対策~

流域治水

 近年、梅雨期の豪雨や台風などにより、毎年のように全国各地で水害や土砂災害が発生し、大きな被害をもたらしており、 今後、気候変動の影響により、自然災害の頻度や規模がさらに大きくなることが予測されています。

 気候変動による水害に立ち向かうためには、まち全体で、河川の流域全体で、みんなで水害対策に取り組むことが必要です。 そのため、堤防の整備、ダムの建設・再生などの対策を行うとともに、 雨水が河川に流入する地域(集水域)から河川等の氾濫により浸水が想定される地域(氾濫域)にわたる、流域に関わる全員が水害対策を行う「流域治水」という考え方が取り入れられています。

 「流域治水」では、①氾濫をできるだけ防ぐ・減らす、②被害対象を減少させる、③被害の軽減・早期復旧・復興の3つをポイントとして、対策が進められています。

流域治水のイメージ図

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ダム

 ダムには、洪水を防ぐ「治水ダム」、水を利用する「利水ダム」、治水ダムと利水ダムの2つの役割をかねそなえた「多目的ダム」の3種類があります。

 多目的ダムでは、平常時は、下流に必要な水(河川の機能を維持するための水量や水道水の供給等)を、水力発電設備等を使用して放流しています。 一方で、台風などの大雨の場合は、ダムに流れ込んでくる水の一部を貯めながら、水力発電設備に加え、ダムゲートから放流することで、下流の洪水被害を軽減します。

 台風や大雨が多くなる季節は、貯水できる空き容量を確保するため、前もってダムの水位を下げて洪水に備えた管理をしています。 また、大きな洪水の発生が予測される場合は、洪水になる前に予備放流や事前放流により、あらかじめゲートから放流し、洪水に備えた水位まで更に下げて大雨を待ち構えます。

城山ダム放流中(令和元年台風19号の際の放流)の図表

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遊水地

 遊水地とは、河川堤防の一部を低くして河道からあふれた水を一時的に貯留することにより、 洪水被害を軽減するためにつくられた池のことです。大雨が降ると、雨水が短時間に多量に河川に流れ込みます。 このため、遊水地をつくり、その中にあふれた水を一時的に貯めることで下流に洪水が一気に流れ出すことを防いでいます。

境川遊水地における洪水貯留の様子の図表

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雨水貯留浸透施設

 田んぼや畑が住宅や工場へと開発され、地面がコンクリートやアスファルトで覆われてしまうと、 降った雨は土の中にしみこまずに、地表を流れていきます。すると、以前は土にしみこんでいた分も、川に流れ込むことになるため、川の水位が急激に上がって、洪水になる危険が高まります。

 それを防ぐため、家に雨水タンクや地下浸透ますを設置したり、雨水を地中にしみこませる施設や一時的にためる施設を作ることは重要です。

 また、雨水を受け止め、しみこませる保水機能を持っている緑地や田畑を守っていくことも、洪水対策につながります。

雨水貯留浸透施設等のイラスト

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