HOME映像を視るボトルからボトルをつくるプラスチックごみと温暖化

ここから本文です。

映像と資料で学ぶ気候変動②ボトルからボトルをつくるプラスチックごみと温暖化

家庭部門からの二酸化炭素排出

 日本の二酸化炭素排出量の約14%が、家庭から排出されており、1世帯当たりにすると年間に約3,971kg(2019年度)にのぼります。

 その内訳は、電化製品や冷暖房、給湯等のエネルギー起源が約68%、自動車からが約26%と多くの割合を占めています。 そのため、暖房の灯油や給湯用のガスの電化や電気自動車への転換など使うエネルギーを可能な限り「電化」し、 そのエネルギー源を「再生可能エネルギー」にすることで温室効果ガスを大幅に削減することが必要です。また、使用とするエネルギーを少なくするため省エネも重要です。

 家庭から出るごみを処理する場合にも、二酸化炭素が発生します。ごみ焼却時に発生する二酸化炭素だけでなく、ごみの運搬にも多くのエネルギーが使われるためです。 さらには、必要以上に大量のモノが生産され廃棄される過程でもエネルギーが使われていることを考えると、ごみを減らすことは、温室効果ガスの削減にもつながります。

家庭からの二酸化炭素排出量

引用・出典・リンク

プラスチックごみの発生量

 私たちの生活から排出されるごみの1~2割は、プラスチックごみです。

 プラスチックのほとんどは石油から作られているため、ごみとして焼却されると、 燃焼によって、石油由来の炭素が二酸化炭素となり、大気中に排出されます。

 世界では毎年、約3億t(2015年)のプラスチックがごみとして発生していると推定されており、今後も増えていくことが予測されています。 特に、容器や包装に使われるプラスチックは、世界のプラスチック生産量の4割近くを占めており、使い捨てにされやすいため問題となっています。

 これらの使い終わったプラスチック製品は、リサイクルもされますが、世界的にみると、ごみとして埋め立てられたり、燃やされたりする量の方が多くなっています。

世界のプラスチックごみ発生量

引用・出典・リンク

プラスチックのリサイクル

 日本では、年間約850万トン(2019年)のプラスチックごみが発生していますが、その約8割はリサイクルされてます。 プラスチックのリサイクル方法は、大きく分けて「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」の3種類があります。

プラスチックのリサイクルフロー

マテリアルリサイクル

 マテリアルリサイクルは、プラスチックごみを溶かして、もう一度プラスチック原料にして、新しい製品を作る技術です。 よごれや異物が多いと、品質のよいリサイクル製品ができないため、よく洗ってしっかり分別することが大切です。

ケミカルリサイクル

 ケミカルリサイクルは、プラスチックごみに化学的な処理をして、油やガスなどの化学原料や、プラスチックの原料に戻すリサイクルのことです。 プラスチックの原料に戻す技術を使えば、リサイクルして同じ使い道に何度も使用できるため、石油の使用量削減につながります。

サーマルリサイクル

 サーマルリサイクルは、プラスチックごみをガスや油、固形燃料に変えるなどして、燃やした時の熱を発電や蒸気として利用することです。 サーマルリサイクルは、石油由来の炭素が、燃焼によって、二酸化炭素となり、大気中へ排出されます。 そのため、二酸化炭素を削減するためには、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを促進することが必要です。

引用・出典・リンク

プラスチックごみから出る二酸化炭素

 日本で発生する年間約850万トン(2019年)の使用済みプラスチックのうち、約8割は有効利用されていますが、 その半分以上は、エネルギー源としての利用であるサーマルリサイクルです。 サーマルリサイクルでは、エネルギー源として燃焼させる際に、二酸化炭素が排出されてしまうため、単純焼却と併せると、 最終的に年間1600万トンの二酸化炭素が排出されています。

 プラスチックは、私たちの生活に欠かせないとても便利な素材ではあるものの、主な原料が石油であることから、 プラスチック製品を作る段階だけでなく、ごみとして処理する段階でも二酸化炭素を排出してしまうのです。

 そのため、リサイクルの推進だけでなく、原料や製法の見直し、使用量の削減が世界的に取り組まれています。

プラスチックのリサイクル及び廃棄の方法

引用・出典・リンク