ヒント
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女性に仕事を辞めてほしくない。どうすればよいですか?
A
「繰り上げ勤務」や「代替要員の補充」を行い、女性が安心して仕事も子育てもできる職場づくりを進めている企業があります。
紹介事例(2018年)

「少子化はいけない」という信念のもと、仕事と子育ての両立を徹底応援

株式会社アブソルートの画像
看板猫の「しのちゃん」がいるアットホームな社内。子どもをつれてきても大丈夫です。

横浜市中区に本社を構える美容医療商社の株式会社アブソルートは、15名の社員のうち、女性社員が半数近い6名を占めています。男性採用比率が高いといわれる商社にあって、同社の全従業員中に占める女性の割合は、極めて多いといえます。同社で総務・人事部門を統括する倉橋専務取締役は、「専門知識が必要な医療機器がメインの商材ですので、他社はベテランの男性営業マンが多い印象ですね」と話します。

一方同社は、営業部門においても社員5名のうち2名が女性社員。しかも20代と若手です。その理由について倉橋専務は、美容機器を扱っていることに加えて、「女性ならではの視点や気づき、アイデアに期待しています」と説明します。足りない経験値については「座学を数か月かけてしっかり教えているほか、ベテラン社員に同行させるなど、研修で補っています」。

ライフスタイルの変化に応じた協力体制を

出産や育児など、従業員のライフスタイルの変化に対応できる職場づくりにも力を入れています。その一つが、2時間単位から取得できる有給休暇制度。通院やちょっとした用事に便利と社員にも好評で、有給取得率が大幅にアップしました。保育園に子どもを迎えに行く時間が定時と合わないなど、社員の環境によって、特別に労働時間を繰り上げる(または、繰り下げる)といった対応もしています。昨年、営業のインセンティブ制度を廃止し、行動目標に基づく人事評価を導入するなど、部署間の垣根を超えて協力し合える体制づくりにも努めました。

今年1月に異業種から転職した西村さんは、インターンシップを経て入社しました。「子育てと仕事を両立する先輩たちの姿に惹かれたことが入社の決め手になりました。私の教育係だった先輩も、子育てをしながら働いています。今は2度目の産休に入られています」。

同社では社員が産休・育休を安心して取得できるよう、代替要員の補充もしています。産休・育休取得者は、復帰後に元の部署に戻ることができます。一方の代替要員として採用された人も正社員採用のため、そのまま働き続けられます。

倉橋専務は「男性、女性に関わらず、社員が定年まで安心して働き続けられる会社にしていきたい」と話しました。

伊藤 永の画像

伊藤 永 代表取締役

COMPANY DATA

設立:1996年 業種:医療商社
従業員:15人 所在地:横浜市中区
URL:http://www.absolute.co.jp/

女性が子どもを産み、育てることを会社全体で応援しています。