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更新日:2018年7月24日

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「テレワーク」が「ワーク・ライフ・バランス」を実現する理由

 前回、「ワーク・ライフ・バランス」を実現するための、ひとつの働き方が「テレワーク」であるというお話をしました。今回は、その理由をお話しします。

 「ワーク・ライフ・バランス」は、「出産」「子育て」「介護」などの「ライフイベント」で語られることが多いのですが、これらは、長い人生においては、一部の期間です。「ワーク・ライフ・バランス」を考えるにあたり、「時間軸(タイムライン)」も重要であると、私は考えています。

 私個人の話で恐縮ですが、大学を卒業し就職した頃、とにかく仕事をしたくて仕方がありませんでした。自分の時間を自由に使える状況だったので、仕事の知識を吸収し、仕事に慣れ、会社に貢献したいと頑張っていた時期です。「もっと働く」ことを希望していた当時の私が、「仕事時間を減らしなさい」と言われたとしたら、「やるべき仕事が進まない」「経験を積む機会が減る」というストレスにつながっていたかもしれません。その後、結婚、出産、パートナーの転勤を経験する中、自分が自由に使える時間、自分が住む場所を制限された私は、会社を辞めなくてはいけなくなりました。「ワーク・ライフ・バランス」が崩れたことで、私は、「子育てをしていても、全国を転々としていても、働き続けたい」と強く思うようになりました。
 そして、その願いをかなえてくれたのが、「テレワーク」という働き方だったのです。会社が決めた時間、決めた場所に行かないと働き続けられなかった中、インターネットやパソコンなどのICT(情報通信機器)を使うことで、自宅にいても、地方にいても仕事ができるようになりました。私は「ワーク・ライフ・バランス」を最適に保ちつつ、大変な時期を乗り越えることができたのです。
 今、子供たちが成長し、私はまた、ワーク(仕事)中心の毎日を送っています。でも、これが、今の私の「ワーク・ライフ・バランス」です。

 日本の働き方を「車のスピード」に例えてみましょう。
 これまでの日本の働き方は、より大きな企業に就職し「アクセル」を踏み続け、段々とスピードを上げ、その会社で定年を迎えるのが「理想」とされていました。しかし、「結婚」「出産」「子育て」「病気」「親の介護」などの理由で、これまでのようにアクセルを踏み込むことができなくなると、だんだんスピードが落ち、車は止まってしまいます。
 アクセルを踏み込めない(働きにくい)原因が解消され、さあ、もう一度走ろうと思っても、今度は、車のエンジンはなかなかかかりません。やっとの思いでエンジンがかかり、ようやく車が動き出しても、前と同じようなスピードで走ることはできませんでした。

 この状況を打開するには、どうすればいいでしょうか。
 「エンジンが止まっても、すぐかかるようにする」
というのも、ひとつの方法です。たとえば、
・長期休業を取得して、前の職場に戻ることができる。
・会社を退職しても、すぐに再就職できる。
などです。
 しかし、この場合、「仕事をしていなかった期間」が長くなれば長くなるほど、その後のスピードを上げるのが難しくなります。育児休業の期間は1年が一般的ですが、介護休業の場合は、明日終わるのか、1年後なのか、5年後なのか、終わりが見えません。
 そこで、もうひとつの方法は、
「エンジンを止めずにスピードを落として走り続ける」
です。そして、この方法を実現するのが「テレワーク」という働き方なのです。

 2016年8月の内閣改造にあたり、安倍晋三首相は「働き方改革」を重要な政策に掲げ、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」「テレワークの推進」を明言しています。

 「ワーク・ライフ・バランス」の、「ライフ(生き方)」は自分で決めることができますが、「ワーク(働き方)」は、自分だけで決めることができません。「ワーク・ライフ・バランス」が保たれた社会、つまり、「人生の各段階に応じて多様な生き方が選択できる社会」の実現には、「働き方改革」が必須なのです。

(執筆:株式会社テレワークマネジメント代表取締役 田澤 由利氏)

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