（公演中止）夜となく「愛の夕暮れ、牛耳るフィクション！」

ストーリー

　愛という女の子は東京の女子高生で、苗字は蜂ノ巣である。蜂ノ巣愛。珍しい苗字とよくある名前。父親と二人暮らしだ。父親はサラリーマンで、娘との時間と空間を持て余している。

　愛はむしろ、鳥取に暮らす母親と仲がよく、電話で浮き世憂き世の愚痴にきゃっきゃする。父親の若かりし頃は、河童みたいで可愛かったらしい。愛にはとても信じられない話だ。

　愛はナルコレプシーだ。うつろいやすい青春の心が引き金となって、ぱたりとその場に眠り込んでしまう。愛が眠る時、フィクションが動きはじめる。魑魅魍魎跋扈して、らららん。

　愛は夢で出会った少年とともに、もう忘れてしまった物語を探す。物語は星の数ほどある。歴史も物語なら家族も物語、惚れた腫れたも物語なら後悔だって物語。愛はどこにいく？