ホーム > くらし・安全・環境 > 人権と協働 > 人権・男女平等 > かながわ男女共同参画センター > かなテラスレポート、メルマガ、X(旧Twitter) > かなテラスレポート
更新日:2023年10月14日
ここから本文です。
かなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)の講座やイベントの様子、男女共同参画に関する各種情報などをレポート形式でお知らせしています。
2023年度かなテラスレポート第2弾です。今回は、「女性のための初期キャリア形成支援セミナー」「DV防止啓発講座」「県男女共同参画推進条例に基づく届出」「かなテラスからのおすすめ本紹介」についてお届けします。
(独)国立女性教育会館の研究報告(※)によると、女性の管理職志向は元々男性より低く、さらに入社から5年かけて低下する傾向にあります。また、こうしたタイミングで出産・育児などのライフイベントを迎える女性も想定され、「初期キャリア形成」期における仕事や職場環境は、女性の将来のキャリア形成に大きく影響を与えるものです。
かなテラスでは総就業年数3~5年程度の女性に対し、自身のキャリアについて考える機会を設け、自らが望む形で仕事と家庭を両立し、キャリアップに繋げるための支援を行います。ぜひ、御参加ください。次章では、なぜ、初期キャリア期が重要とされているのか、(独)国立女性教育会館の研究報告をもとに紹介していきます。
※「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」結果ー入社5年で何が変わったのかー(2020)
平成27年に民間企業に入社した新規学卒者を、5年間追跡するパネル調査の第一回調査~第五回調査データを用いて、入社1年目から5年目にかけて生じた変化を分析。
次のグラフに見られるように、1年目に非常に高かった女性の仕事満足度は、2年目に大幅減の後、4年目まで下がり続けます。これには、仕事経験を積む過程で、責任感のある仕事を任されず仕事への意欲が低下したり、昇進した後のキャリアがイメージできず仕事と家庭の両立に不安を感じるなどの理由が考えられます。
また、男女ともに「リーダーは男性の方が向いている」を否定する傾向があるにも関わらず、女性の管理職志向は男性より顕著に低い傾向があります。このため、もともとの女性の能力や意欲が低いわけではないことや、女性を取り巻く社会的状況や職場環境の現状を理解し、早期にキャリア形成支援を行うことが重要です。
特に初期キャリア期の女性にとって重要なのが、日常的な仕事経験の蓄積であり、日常的に与えられる仕事やそれに対するフィードバックにより、様々な経験を積んで成長していきます。
このため、仕事の割振りやその進捗管理、成果に対して適宜評価を行う職場の上司は、部下の仕事への意欲を高め、本人が望む方向へ成長を促しつつ、組織目標を達成するという重要な役割を担っています。
【出典】独立行政法人国立女性教育会館「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」結果―入社5年で何が変わったのか―(2020)
必死に覚えた仕事も落ち着いてくると「このままで良いのか?」「今は良いけれども先のキャリアを描くことができない」など初期キャリア期に悩みを抱く人は少なくありません。
そこで、入社3年目~5年目程度の方々に、ワークとライフのバランスを取りながらキャリアをどのように築いていくかを考え、自分らしいキャリアのヒントを見つけてほしいという思いを込めた、かなテラスならではの講座です。
日程 | セミナー:令和5年11月17日(金曜日) 10時00から16時30分まで キャリアカウンセリング:令和5年11月22日(水曜日)又は30日(木曜日) *セミナーとキャリアカウンセリング(10時00分から17時00分までのうち、お一人につき50分)はセット |
開催方法 | セミナー:集合形式(かながわ県民センター(横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2)) キャリアカウンセリング:個別面談 *キャリアカウンセリングは、オンライン(Zoom)でも実施。また、日程が合わない場合は、別日にオンライン(Zoom)で実施。 |
講師 | セミナー/キャリアカウンセリング: 株式会社キャリア・ブリッジ 代表取締役 キャリアコンサルタント 片岡 裕子氏 キャリアカウンセリング: キャリアコンサルタント 森安 みわ氏 |
対象・定員 | 入社3年目~5年目程度の女性、20名程度 (申込み多数の場合抽選、かながわ女性の活躍応援サポーター優先枠あり) |
受講料 | 2,000円(セミナー当日、会場受付にて現金でお支払い) |
申込締切 | 令和5年10月17日(火曜日) ※定員に余裕がある場合は、応募期間を延長し先着順で受け付けます!! |
セミナーの詳細やお申込み方法は、「女性のための初期キャリア形成支援セミナー」の御案内を御覧ください。
パートナーから人格を否定するような暴言を吐かれる… ささいなことで怒鳴られたり、何時間も説教される… 無視される…
パートナーからのこんな行為は、モラル・ハラスメント(精神的暴力)です。かなテラスでは、パートナーからのモラル・ハラスメントに悩む女性に向けて、DV防止啓発講座(鎌倉会場)を開催します。
県では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)に基づき、配偶者暴力相談支援センターを設置し、DV相談等をお受けしています。
令和4年度に県配偶者暴力相談支援センターで受け付けた被害者本人からのDV相談件数は、4,100件でした。その暴力の種類別の内訳では、精神的暴力が約5割で最も多くなっています。
※県配偶者暴力相談支援センターで受け付けた被害者本人からの相談のみ。重複あり。
<暴力の種類> 暴力の代表的な形態 【出典】かなテラス(神奈川県立かながわ男女共同参画センター)「パートナーからの暴力に悩んでいませんか ドメスティック・バイオレンス(DV)に悩む女性たちへ」(2023) |
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(DV防止法改正法)が令和5年5月19日に公布され、令和6年4月1日から施行されます。
現行のDV防止法では、身体的暴力等により、被害者が生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、裁判所が加害者に対して、被害者の身辺へのつきまとい等を禁止する「保護命令」を発令できます。
DV防止法改正法では、これに加えて、自由、名誉又は財産に対する脅迫により、被害者が心身に重大な危害を受けるおそれが大きいときにも「保護命令」が発令できるようになります。
この他にも、DV防止法改正法では、命令期間の延長や、命令に違反した場合の厳罰化など、「保護命令」制度が拡充されます。DV防止法の改正の詳細は、内閣府男女共同参画局ホームページを御覧ください。
日時 | 令和5年11月17日(金曜日) 14時00分から16時00分まで |
会場 | 鎌倉市福祉センター2階 第二会議室(鎌倉市御成町20番21号) |
講師 | 本田 りえ氏(臨床心理士・公認心理師) 武蔵野大学/大学院非常勤講師、同大学心理臨床センター相談員 |
対象 | 女性 25名(先着順) DVに悩む女性の他、支援者の女性、関心のある女性も御参加いただけます。 |
受講料 | 無料 |
内容 | モラル・ハラスメントを中心として、DVによる心や体への影響、DVが身近に起こった場合の対応方法について、専門家がわかりやすく説明します。 ※個別の相談会ではありません。 |
講座の詳細やお申込み方法は、DV防止啓発講座(鎌倉会場)の御案内を御覧ください。
①約39%
②約59%
③約79%
※1 部長相当職と課長相当職の女性。
※2 常時使用する従業員数が300人以上の事業所。事業所とは物の生産またはサービスの提供が事業として行われている一定の場所であり、本社、支店、出張所などもそれぞれ一つの事業所とする。
正解は、③約79%(78.6%)です。常時使用する従業員数が300人以上の県内の事業所のうち、約4分の3の事業所では、一人以上女性管理職の方が働いているということになります。多いか、少ないか、感じ方は人それぞれだと思いますが、届出を開始した平成14年度から比較すると、34.9ポイント増加しています(平成14年度は43.7%)。このような数値がわかるのは、県男女共同参画推進条例に基づいて、県内の事業所に届出いただいているからです。
【出典】県:神奈川県男女共同参画推進条例に基づく事業所からの届出結果から作成
神奈川県条例に基づき、男女共同参画がより一層進むよう、毎年、常時使用する従業員の数が300人以上の県内の事業所の皆様に、男女共同参画の推進状況を所定の届出書にて提出していただいているもので、その結果は、神奈川県内の男女共同参画の実態を明らかにするための貴重な情報のひとつとして、活用させていただいています。例えば、かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)にて女性管理職比率(令和9年度までに13.0%)や男性の育児休業取得率(令和5年度は令和3年度より増加すること)を目標値として設定しています。
毎年、多くの事業所の皆様の御協力のもと、御提出いただいた届出書から、女性管理職等の割合、女性の正社員の割合、男性の育児休業取得率など、事業所における男女共同参画の状況を把握し、公表しています。
令和4年度の届出結果からは、次のような状況が分かりました。
・管理職(部長相当職+課長相当職)に占める女性の割合 |
また、令和3年度から様式を変更し、育児休業の取得期間についても調査をしています。女性の育児休業の取得期間別の割合は、「12か月以上18か月未満」が29.8%、「10か月以上12か月未満」が25.6%と高くなっています。一方、男性の育児休業の取得期間別の割合は、「1か月以上3か月未満」が29.0%と最も高いものの、次いで高いのは「5日以上2週間未満」20.5%、「2週間以上1か月未満」19.6%と続いており、1か月未満の取得者が53.0%を占めています。
【出典】県:神奈川県男女共同参画推進条例に基づく事業所からの令和4年度届出結果から作成
男性が育児休業を取得することは本人や家族にとってメリットがあるだけでなく、女性の就労継続や誰もが働きやすい職場環境の実現にもつながります。
国では、令和3年6月に育児介護休業法を改正し、男性の育児休業取得を促進するため子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みや産後パパ育休を創設するなど制度の充実を図っています。
詳しくは、厚生労働省ホームページ
また、かなテラスでは、令和5年3月に「職場のためのパパの育休ガイド」を作成しました。
県内企業等が男性育休促進のために行っている実際の取組みや育休を取得したパパの声などを掲載しています。ぜひ御覧ください。
今年度も、常時使用する従業員の数が300人以上の対象と思われる事業所の皆様には、届出様式を送付しましたので、大変お手数をおかけしますが、ぜひ、御協力をお願いします。
〇県男女共同参画推進条例に基づく届出
基準日:10月1日、提出期限:11月30日
かなテラスでは資料・交流コーナーにて、全国の地方自治体や国が刊行する男女共同参画などに関する行政資料、子育て、仕事、生き方などの一般図書や参考図書など約9,000冊を所蔵しています。
その中から、かなテラス職員のおすすめの本を紹介します。かなテラスの本は、県内の図書館であれば、相互貸借システムを利用して借りることも可能ですので、ぜひ御利用ください。
著者:さわぐち けいすけ 発行:ライツ社 発行年:2019年
内容:X(旧Twitter)で話題を呼んだアカウント、「全日本もう帰りたい協会」を御存じでしょうか。とにもかくにも「もう帰りたい」と願う、性別も立場も異なる働き手の苦悩がオムニバス形式で描かれています。「上司から無茶ぶりされた仕事で帰れない」、「部下と上司の板挟みで帰れない」、「家にも職場にも居場所がなくて、もう帰れない」。帰れない人たちが集うBarのマスターのアドバイスが身に沁みます。「休み方を忘れてしまった」、「今の働き方でいいのだろうか」と悩んでいる方におススメの一冊です。
著者:アルテイシア 発行:KADOKAWA 発行年:2022年
内容:「ジェンダーを知る、学ぶ」ことが必要だとわかっていても、今までの自分の価値観や生き方を否定されるようで少し怖い。そんな方におススメのジェンダー入門書が、『自分も傷つきたくないけど、他人も傷つけたくないあなたへ』です。ジェンダーを学ぶことは女性を特別扱いしたり、男性を傷つけたりすることではなく、誰もが生きやすい世の中を目指すことです。「相手をなるべく傷つけずに、それでも自分の気持ちを伝える方法」や様々な立場の方からの「悪気の無い」一言への対処法が著者の軽快な書き口で紹介されています。うっかり誰かを傷つけない、うっかり傷ついた自分を責めない、そんな優しい世界を期待させる本です。
著者:木下明子 発行:プレジデント社 発行年:2023年
内容:「ダイバーシティだ!SDGsだ!女性管理職の登用だ!」と世の中の声は大きくなりつつありますが、「そのために一体何から始めればよいのだろう」と感じたときに読んでいただきたいのが本書です。ダイバーシティを推進すると企業にどんなメリットがあるのか、実力のある社員に管理職になってもらう方法、また、無理のないライフイベントとの両立と復帰についても書かれています。「管理職になるとプライベートが犠牲になるのでは?」という多くの方が抱く疑問に関する衝撃のアンサーも掲載されています。ぜひ御一読ください。
このページの所管所属は かながわ男女共同参画センターです。