更新日:2025年1月10日

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男性による家事育児の実態と効果

かながわ男女共同参画センター(かなテラス)では、男性による家事育児の実態と男性が家事育児に参画することによる効果や影響について、各種統計調査のデータを紹介しています。

1.実態に関する統計

共働き世帯の状況

1-1 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移
1-2 妻の就業時間別共働き世帯数の推移

男性の家事・育児参画に関する状況

1-3 6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(週全体平均・1日当たり・国際比較)
1-4 6歳未満の子どもを持つ夫・妻の無償労働時間(週全体・1日当たり)-夫婦と子どもの世帯
1-5 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児行動者率 全体/共働き世帯
1-6 育児休業取得率の推移

男性の育児にまつわる意識

1-7 男女別(雇用形態・子どもの数別)子育ての分担の希望
1-8 男性が積極的に育児にかかわるために必要なこと
1-9 結婚相手の条件として考慮・重視する項目

女性の就労の状況

1-10 M字カーブ(女性の年齢別労働力率)
1-11 L字カーブ(女性の年齢階級別正規・非正規雇用比率)

子ども(出産)と就労の状況

1-12 夫婦の理想子ども数と予定子ども数の推移
1-13 子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化
1-14 末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由

2.効果に関する統計

2-1 子どもがいる夫婦の夫の休日の家事・育児時間別にみた第2子以降の出生の状況
2-2 夫の家事・育児時間(平日)別出産後の妻の就業状況
2-3 大学卒女性の働き方による生涯所得の違い
2-4 妊娠・出産や育児のための休暇・休業制度の取得による夫の変化
2-5 乳幼児期の夫の子育てへの関わりによる女性の愛情曲線
2-6 養育者が困った時に頼れる人数と子どもの幸せ指数
2-7 育休取得は仕事の生産性向上に役立ったか~企業側にもメリットが!~

1.実態に関する統計

共働き世帯の状況

1-1 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移

  • 雇用者の共働き世帯は増加傾向。
  • 男性雇用者と無業の妻から成る世帯(いわゆるサラリーマンの夫と専業主婦の世帯)は減少傾向。妻が64歳以下の世帯について見ると、令和3(2012)年では、専業主婦世帯は夫婦のいる世帯全体の23.1%。
1-1「共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移」のグラフ画像
出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」
1-I-第2分野-第2節-第15図「共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移」

1-2 妻の就業時間別共働き世帯数の推移

  • 妻がフルタイム(週間就業時間35時間以上)の共働き世帯は平成5(1993)年以降、緩やかに漸減傾向で推移したのち、平成27(2015)年以降は上昇傾向。令和元(2019)年の世帯数(495万世帯)は、過去最多水準で500万世帯以上であった平成2(1990)年から平成6(1994)年の世帯数に迫っている。
  • 妻がパート(週間就業時間35時間未満)の共働き世帯は昭和60(1985)年以降、概ね一貫して上昇している。令和元(2019)年の世帯数(682万世帯)は、昭和60(1985)年当時の世帯数(229万世帯)より453万世帯増加し、当時の約3倍である。
1-2「妻の就業時間別共働き世帯数の推移」のグラフ画像

グラフ出典:内閣府「男女共同参画白書 令和2年版」
I-特-12表「妻の就業時間別共働き世帯数の推移」

※【雇用者の共働き世帯(妻がパート(週35時間未満))】令和2(2020)年:668万世帯、令和3(2021)年:669万世帯
【雇用者の共働き世帯(妻がフルタイム(週35時間以上))】令和2(2020)年:483万世帯、令和3(2021)年:504万世帯
(内閣府「男女共同参画白書(令和3年版・令和4年版)」には上記グラフの掲載がないため、かなテラスが総務省「労働力調査(詳細集計)」から該当の数値を抜粋して記載)

男性の家事・育児参画に関する状況

1-3 6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(週全体平均・1日当たり・国際比較)

<国際比較>

  • 日本の夫婦合計の家事・育児関連時間は、諸外国と比較して特段長いわけではないが、他方、うち育児の時間を見ると4時間34分となり、他の先進国と比較して際立って長くなっている。この日本の育児時間の長さは、女性の育児時間が諸外国の女性と比較して際立って長いことに由来している。

1-3-1「6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(週全体平均・1日当たり・国際比較)」のグラフ画像

出典:内閣府「男女共同参画白書 令和2年版」
I-特集-コラム1 図表2-2「6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(週全体平均・1日当たり・国際比較)」
※令和3(2021)年(日本):<夫>1時間54分(うち育児の時間は1時間5分)<妻>7時間28分(うち育児の時間は3時間54分)(総務省「令和3年社会生活基本調査」)

<全国と神奈川県の比較>

  • 神奈川県の1日当たりの家事・育児関連時間は、妻が7時間41分、夫が2時間3分となっており、全国よりも妻が13分、夫が9分長くなっている。
  • 妻と夫の比較では、神奈川県では妻は夫に比べて5時間38分長くなっている。なお、全国では妻は夫に比べて5時間34分長くなっている。

1-3-2「6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(週全体平均・1日当たり・全国と神奈川県の比較)」のグラフ画像
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」を基に、かなテラスが作成

<共働き世帯、夫が有業で妻が無業の世帯別 家事関連時間と仕事等時間(全国)>

  • 共働き世帯における1日当たりの家事関連時間は、妻が6時間33分、夫が1時間55分。
  • 夫が有業で妻が無業の世帯における1日当たりの家事関連時間は、妻が9時間24分、夫が1時間47分。
  • 夫の家事関連時間は、共働き世帯と夫が有業で妻が無業の世帯とで大きな差はみられない。

1-3-3「6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間(共働き世帯、夫が有業で妻が無業の世帯別・全国)」のグラフ画像
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」を基に、かなテラスが作成


1-4 6歳未満の子どもを持つ夫・妻の無償労働時間(週全体・1日当たり)-夫婦と子どもの世帯

  • 夫婦と子どもの世帯について、平成28年における6歳未満の子どもを持つ夫・妻の無償労働時間の比較では、妻は夫に比べて6時間25分長くなっている。

  • 内訳をみると、家事時間では「食事の管理(1時間49分差)」、育児時間では「乳幼児の身体の世話と監督(1時間29分差)」における夫・妻の差が大きくなっている。

1-4「6歳未満の子どもを持つ夫・妻の無償労働時間(週全体・1日当たり)夫婦と子どもの世帯」の表画像
※「家事(その他)」には、家族・子ども(乳幼児を除く)の介護・看護、身の回りの世話等が、「育児(その他)」には、乳幼児の介護・看護等が含まれる。

出典:総務省「平成28年社会生活基本調査」

1-5 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児行動者率 全体/共働き世帯

  • 全国の6歳未満の子どもを持つ夫の家事行動者率は32.4%、育児行動者率は40.4%であり、そのうち神奈川県における家事行動者率は32.5%、育児行動者率は40.9%となっている。

  • 全国の共働き世帯の6歳未満の子どもを持つ夫の家事行動者率は36.0%、育児行動者率は39.7%であり、そのうち神奈川県における家事行動者率は33.1%、育児行動者率は39.6%となっている。

1-5「6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児行動者率(全体/共働き世帯)」のグラフ画像
※行動者率…該当する種類の行動をした人の割合(%)
※非行動者率…100%-行動者率

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」を基に、かなテラスが作成

1-6 育児休業取得率の推移

  • 女性の育児休業取得率は平成11年度56.4%から平成20年度90.6%まで上昇傾向をたどり、平成21年度以降は令和3年度まで80%台で推移している。

  • 男性の育児休業取得率は平成11年度0.42%から平成28年度3.16%まで伸び悩む傾向をたどり、平成29年度以降は令和3年度まで5.14%から13.97%まで上昇している。

1-6「育児休業取得率の推移」のグラフ画像
※平成23年度の割合は、岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果。

出典:厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」を基に、かなテラスが作成

男性の育児にまつわる意識

1-7 男女別(雇用形態・子どもの数別)子育ての分担の希望

  • 子育ての分担の希望をみると、「男性・正社員」では、「自分が半分程度、配偶者・パートナーなどが半分程度担う」が45.1%でもっとも回答割合が高く、次いで「自分が少し担い、配偶者・パートナーなどがほとんど担う」が30.6%となっている。

  • 「女性・正社員」では、「自分が半分程度、配偶者・パートナーなどが半分程度担う」が66.6%でもっとも回答割合が高く、次いで「自分がほとんど担い、配偶者・パートナーなどが少し担う」が20.4%となっている。

  • 「女性・非正社員」では、「自分が半分程度、配偶者・パートナーなどが半分程度担う」が61.1%でもっとも回答割合が高く、次いで「自分がほとんど担い、配偶者・パートナーなどが少し担う」が25.1%となっている。

1-7「男女別(雇用形態・子どもの数別)子育ての分担の希望」のグラフ画像

出典:厚生労働省委託調査「平成30年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書 労働者アンケート調査結果」を基に、かなテラスが作成

1-8 男性が積極的に育児にかかわるために必要なこと

  • 男性が積極的に育児にかかわるために必要なことは何かを尋ねたところ、「男性の育児に対する職場の理解59.4%」「男性の意識改革42.3%」「在宅勤務の活用29.7%」「休暇制度の充実26.4%」「夫婦や家族でのコミュニケーション24.9%」「フレックスタイム制や時差出勤の活用24.5%」「定時退社の奨励23.9%」などの項目が多数挙げられた。(複数回答)

1-8「男性が積極的に育児にかかわるために必要なこと」のグラフ画像

出典:神奈川県情報公開広聴課「令和2年度県民ニーズ調査結果(第1回課題調査)」を基に、かなテラスが作成

1-9 結婚相手の条件として考慮・重視する項目

  • 男女ともに「家事・育児の能力や姿勢」が「人柄」に次いで第2位

  • 「家事・育児の能力や姿勢」について男性が「女性に重視」=42.1%、女性が「男性に重視」=70.2%

出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」

女性の就労の状況

1-10 M字カーブ(女性の年齢別労働力率)

令和2年(2020年)の神奈川県における女性の年齢別労働力率は、25歳の90.24%をピークに38歳の73.05%まで就業率が落ち込んでおり、全国と比べても大きく落ち込んでいます。

1-10「M字カーブ(女性の年齢別労働力率)」のグラフ画像

出典:総務省「令和2年国勢調査」を基に、かなテラスが作成

1-11 L字カーブ(女性の年齢階級別正規・非正規雇用比率)

<全国>

令和3年(2021年)における全国の女性の年齢階級別正規雇用比率(L字カーブ)は25歳から29歳の58.7%をピークに低下。
1-11-1「L字カーブ(女性の年齢階級別正規・非正規雇用比率)全国」のグラフ画像
出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」

<神奈川県>

令和3年(2021年)における神奈川県の女性の年齢階級別正規雇用比率(L字カーブ)は25歳から34歳の71.4%をピークに低下。一方で男性は25歳から54歳まで84.3%から90.3%へ上昇。
1-11-2「L字カーブ(男女別の年齢階級別正規・非正規雇用比率)神奈川県」のグラフ画像
出典:神奈川県統計センター「神奈川県労働力調査結果(2021年平均)」を基に、かなテラスが作成

子ども(出産)と就労の状況

1-12 夫婦の理想子ども数と予定子ども数の推移

  • 夫婦に尋ねた理想的な子どもの数(理想子ども数)の平均値は、1992年調査から漸減傾向をたどり、2015年にこれまでで最も低い2.32人となった。

  • 夫婦が実際に持つつもりの子どもの数(予定子ども数)の平均値も、1992年調査から漸減傾向をたどり、2015年に過去最低の2.01人となった。

1-12「夫婦の理想子ども数と予定子ども数の推移」のグラフ画像 

出典:国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産─第15回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書─(平成29年発行)」を基に、かなテラスが作成

1-13 子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化

妊娠前から無職の妻を含め、第1子を生んだすべての妻のうち、就業を継続した妻の割合(就業継続者割合)は近年ほど上昇している(なお、仕事が変わっていても、両時点で就業していれば「就業継続」に含まれる)。第1子が2015年から2019年に生まれた妻の就業継続者割合(育休利用あり・なしの合計)は53.8%で、2010年から2014年の42.5%から約11ポイント上昇し、5割を超えた。育児休業制度を利用して就業継続した妻の割合も、2010年から14年の31.6%から2015年から2019年では42.6%へ大きく上昇した。

※第1子から第3子が1歳以上の夫婦について、妻の出産前後の就業変化を以下のように定義

  • 就業継続(育児休業利用):「妊娠判明時就業」から「育児休業取得」から「子ども1歳時就業」まで
  • 就業継続(育児休業利用なし):「妊娠判明時就業」から「育児休業取得なし」から「子ども1歳時就業」まで
  • 出産退職:「妊娠判明時就業」から「子ども1歳時無職」まで
  • 妊娠前から無職:「妊娠判明時無職」から
1-13-1「子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化・第1子」のグラフ画像
1-13-2「子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化・第2子」のグラフ画像
1-13-3「子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化・第3子」のグラフ画像
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」を基に、かなテラスが作成

1-14 末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由

  • 末子妊娠判明当時の会社を辞めた者について、当時の仕事を辞めた理由をみると、「男性・正社員」では、「出産や育児等に直接関係ない理由で辞めた(あるいはもともと辞めるつもりだった)」が50.0%でもっとも回答割合が高く、次いで「特にない」が26.9%となっている。
  • 「女性・正社員」では、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた(就業を継続するための制度がなかった場合を含む)」が41.5%でもっとも回答割合が高く、次いで「家事・育児により時間を割くために辞めた」が29.2%となっている。
  • 「女性・非正社員」では、「家事・育児により時間を割くために辞めた」「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた(就業を継続するための制度がなかった場合を含む)」「妊娠・出産に伴う体調の問題で仕事を辞めた」が25.8%でもっとも回答割合が高くなっている。

1-14-1「末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由」のグラフ画像

  • 末子妊娠判明当時の仕事を辞めた理由として、「仕事と育児の両立の難しさで辞めた」と回答した人について、その詳細な理由をみると、「女性・正社員」では、「自分の気力・体力がもたなそうだった(もたなかった)」が59.3%でもっとも回答割合が高く、次いで「勤務先に育児との両立を支援する雰囲気がなかった」が33.3%となっている。

  • 「女性・非正社員」では、「勤務先に育児との両立を支援する雰囲気がなかった」「自分の気力・体力がもたなそうだった(もたなかった)」が41.7%でもっとも回答割合が高くなっている。

1-14-2「仕事と育児の両立の難しさで辞めた理由」のグラフ画像

出典:厚生労働省委託事業「令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業 仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書<労働者調査>」を基に、かなテラスが作成

2.効果に関する統計

2-1 子どもがいる夫婦の夫の休日の家事・育児時間別にみた第2子以降の出生の状況

夫婦について、夫の休日の家事・育児時間別に、この7年間(2012年から2019年)の出生状況をみると、子どもが1人以上いる夫婦では、「家事・育児時間なし」で50.0%、家事・育児時間ありでは7割以上で第2子以降が生まれており、家事・育児時間が長いほど子どもが生まれる割合が高くなる傾向がある。

2-1「子どもがいる夫婦の夫の休日の家事・育児時間別にみた第2子以降の出生の状況」のグラフ画像

出典:厚生労働省「第8回21世紀成年者縦断調査(2012年成年者)」の概況(調査年月:2019年11月)を基に、かなテラスが作成

2-2 夫の家事・育児時間(平日)別出産後の妻の就業状況

この8年間(2012年から2020年)に子どもが生まれた同居夫婦(出産前に妻に仕事あり)について、出産後の夫の家事・育児時間別に出産後の妻の就業状況をみると、夫の平日の家事・育児時間が長いほど、出産後の「同一就業継続」の割合が高くなっている。

2-2「夫の家事・育児時間(平日)別出産後の妻の就業状況」のグラフ画像

出典:厚生労働省「第9回21世紀成年者縦断調査(2012年成年者)」の概況(調査年月:2020年11月)を基に、かなテラスが作成

2-3 大学卒女性の働き方による生涯所得の違い

大学卒女性の生涯所得について、正規雇用者・非正規雇用者別に、働き続けた場合や出産・子育てで離職をした場合など働き方ケースを設定して推計した結果は以下のとおりとなっている。ただし、この推計では、育休から復職後は、すみやかに休業以前の状況に戻り、出産なしの就業継続者と同様に働くこと(休業によるマイナスはないこと)に加え、短時間勤務からの速やかなフルタイム復帰も想定している。

  • 女性が大学卒業後、同一企業で働き続けた場合(ケースA)の生涯賃金は2億3,660万円、退職金(2,156万円)を合わせると、生涯所得は2億5,816万円となる。
  • 大学卒業後、同一企業で働き続ける女性が、二人の子を出産・育休を2回利用し、フルタイムで復職した場合(ケースA-A)の生涯賃金は2億1,152万円で、退職金(1,856万円)を合わせた生涯所得は2億3,008万円である(ケースAより2,808万円減少、10.9%減少)。つまり、二人の子を出産して、それぞれ育休を1年利用しても、出産なしで働き続けた場合と比べて、生涯所得は1割しか減らないことになる。
  • 大学卒業後、同一企業で働き続ける女性が、二人の子を出産・育休を2回利用し、第2子が3歳未満まで短時間勤務をした場合(ケースA-T1)の生涯賃金は2億214万円で、退職金(1,856万円)を合わせた生涯所得は2億2,070万円である(ケースAより3,746万円減少、14.5%減少)
  • 大学卒業後、同一企業で働き続ける女性が、第1子出産後に退職し、第2子小学校入学時にフルタイムの非正規雇用者として再就職した場合(ケースA-R-B)の生涯賃金は9,332万円で、退職金(338万円)を合わせた生涯所得は9,670万円である(ケースAより1億6,146万円減少、62.5%減少)。
  • 大学卒業後、同一企業で働き続ける女性が、第1子出産後に退職し、パートで再就職した場合(ケースA-R-P)の生涯賃金は5,809万円で、退職金(338万円)を合わせた生涯所得は6,147万円である(ケースAより1億9,669万円減少、76.2%減少)。

2-3「大学卒女性の働き方による生涯所得の違い(推計)」のグラフ画像
※「標準労働者」とは、学校卒業後直ちに企業に就職し、同一企業に継続勤務しているとみなされる労働者のこと。

出典:ニッセイ基礎研究所「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計」を基に、かなテラスが作成

2-4 妊娠・出産や育児のための休暇・休業制度の取得による夫の変化

  • 末子の妊娠・出産や育児のために休暇・休業制度を取得したことによる夫(男性回答者本人及び女性回答者の配偶者・パートナー)の変化をみると、「男性・正社員」(回答者本人)では、「育児への意欲が高まった」が53.8%でもっとも回答割合が高く、次いで「早く家に帰ることを意識するようになった」が46.5%となっている。

  • 「女性・正社員」(回答者の配偶者・パートナー)では、「育児への意欲が高まった」が49.9%でもっとも回答割合が高く、次いで「早く家に帰ることを意識するようになった」が33.7%となっている。

  • 「女性・非正社員」(回答者の配偶者・パートナー)では、「育児への意欲が高まった」が44.6%でもっとも回答割合が高く、次いで「特にない」が34.4%となっている。

2-4「妊娠・出産や育児のための休暇・休業制度の取得による夫の変化」のグラフ画像
※上図の就労形態は末子妊娠判明当時のもの。男性は末子の育児のための休暇・休業制度のいずれかを取得した回答者、女性は配偶者・パートナーが末子の育児のための休暇・休業制度のいずれかを取得した回答者を集計対象としている。男性回答者は本人が感じる変化について、女性回答者は配偶者・パートナーに対して感じる変化について回答。

出典:厚生労働省委託事業「令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業 仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書<労働者調査>」

2-5 乳幼児期の夫の子育てへの関わりによる女性の愛情曲線

  • 女性に愛情の配分先を回答してもらうと、結婚直後のトップは「夫」だが、子どもが生まれると子どもがトップの座につき、夫への愛情はがくっと下がる。その後、徐々に回復していくグループと、低迷していくグループに二極化する。

  • 出産直後から乳幼児期にかけて、「夫と二人で子育てした」と回答した女性たちの夫への愛情は回復し、「私一人で子育てした」と回答した女性たちの愛情は低迷する。

2-5「乳幼児期の夫の子育てへの関わりによる女性の愛情曲線」のグラフ画像

出典:渥美由喜氏(東レ経営研究所兼務)「夫婦の愛情曲線の変遷」

2-6 養育者が困った時に頼れる人数と子どもの幸せ指数

養育者の方が困った時や苦しい時に相談できる人の数が多いほど、子どもが楽しい気持ちで毎日を過ごせているという報告結果がある。グラフからは養育者が困った時に頼れる人の人数が多くなるにつれて、子どもの幸せ指数が上昇していることが分かる。

2-6「養育者が困った時に頼れる人数と子どもの幸せ指数」のグラフ画像
指数:100点満点

出典:東京ティーンコホート「ニュースレター第5号」

2015年6月発行:公益財団法人東京都医学総合研究所


2-7 育休取得は仕事の生産性向上に役立ったか

男性の仕事と育児の両立支援を行うことで、企業側にもメリットが!
全国の育児休業を取得した男性を対象に、育休取得は仕事の生産性向上に役立ったかを質問した結果、全体では64.5%が「役立った」と回答し、20代男性は8割が「役立った」(79.4%)とより強く実感している。

2-7「育休取得は仕事の生産性向上に役立ったか」のグラフ画像

出典:積水ハウス「男性育休白書2021」

男性が家事・育児に参画することでもたらされるのは個人や家庭へのメリットだけではありません。

かなテラスでは、企業経営者や人事担当者等に向けた「職場のためのパパの育休ガイド」、「パパと会社のIKUKYU GUIDE(育休ガイド)」を作成し、男性の育休取得や県内企業等における育休取得促進を普及・啓発する冊子を作成しました。「かながわ女性の活躍応援団」では「女性活躍推進のための『男性の行動変革』を促進する取組み」をテーマに企業等の取組を紹介する冊子を作成しました。

また、厚生労働省の「イクメンプロジェクト」のホームページでは、男性が仕事と育児を両立するための取組を導入したことで、企業にどのようなメリットが生まれたのか、具体的な事例をご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

かなテラス発行「職場のためのパパの育休ガイド」ホームページ

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/x2t/pub/papanoikukyuguide202303.html

かなテラス発行「パパと会社のIKUKYU GUIDE(育休ガイド)」ホームページ

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/x2t/pub/papa_ikukyu.html

かながわ女性の活躍応援団ホームページ

https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0050/womanact/question.html#qes_f_03

イクメンプロジェクトホームページ(男性の育休に取り組む企業・イクボス取組事例紹介)

https://ikumen-project.mhlw.go.jp/company/case/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



LINK

(外部サイトが開きます)

かながわパパ応援ウェブサイト「パパノミカタ」へのリンク
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D&Iかながわメンバーズのウェブサイトへのリンク
(別ウィンドウで開きます)
神奈川県が取り組む結婚支援事業「恋カナプロジェクト」のウェブサイトへのリンク(別ウィンドウで開きます)
厚生労働省イクメンプロジェクトのウェブサイトへのリンク(別ウィンドウで開きます) 横浜市が取り組むパパ育児を楽しくするウェブサイト「ヨコハマダディ」へのリンク(別ウィンドウで開きます) 東京都のウェブサイト「男性の家事・育児を応援パパズ・スタイル」へのリンク(別ウィンドウで開きます)

 

 

このページに関するお問い合わせ先

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