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更新日:2024年3月29日

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令和5年度 黒岩知事と県民との“対話の広場”(県央会場)実施結果

令和5年度 黒岩知事と県民との“対話の広場”(県央会場)実施結果

意見交換

概要

黒岩知事と県民との“対話の広場”(県央会場)

日時

令和5年11月6日(月曜日)18時30分から20時00分

会場

大和市渋谷学習センター 多目的ホール

テーマ

外国人居住者による社会参加で生き生きする街!
~ともに生きる地域社会、地域コミュニティの活性化~

内容

1 知事のあいさつ

2 総合計画の紹介

3 事例発表

 【事例発表者】

 崔 晶珥氏(県立座間総合高等学校 外国籍在校生)

 ナカ アンヘリカ氏(NPO法人「日本ペルー共生協会(AJAPE)」理事)

4 意見交換

5 知事によるまとめ

参加者数

139名

実施結果

知事あいさつ

知事あいさつ

 こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。本日はようこそ県民との対応の広場にお越しいただきましてありがとうございます。家族団らんの一時、わざわざここに集まってくださったということは本当にありがたいことだなと思っています。私は知事になって12年半ですけれども、この県民との対話の広場はとても大事にしていまして、今まで延べ1万3000人を超える皆さんと直接お話をしてきました。そして、ここで聞いた話をそのまますぐに政策に実現したということもあります。ですから今日は思いの丈を直接語っていただきたいと思います。

 今年は県の政策の大きな方向性を示す総合計画を作り替えている最中です。今日出てきたご意見の中で「よし、これは!」というものがありましたら、そこにボンっと入れてしまいますから、どんどんご意見を言っていただきたいと思います。

 今日のテーマは外国人の皆さんとどのようにこの共生社会をつくっていくのかといったテーマに限って話をしたいと思います。二人のゲストの方にお話をいただいて、その後フリーディスカッションを始めますが、何のシナリオも用意してありません。皆さんとの対話によって話を練り上げて参ります。ただお約束事として、このテーマに限ったご意見に今日はしていただきたいと思います。それでは1時間半、皆さんとしっかりと充実した時間をつくりたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

総合計画の紹介

司会

 ありがとうございました。続いて、県の総合計画についてご説明いたします。今年度の対話の広場は2040年の神奈川を展望する新たな総合計画の策定に向けて開催しております。それでは、神奈川県政策部長の山崎よりご説明申し上げます。

神奈川県政策部長

県総合計画01 皆さんこんばんは。ご紹介いただきました県の政策部長の山崎と申します。知事からも今、話がありましたように、今年、県は新たな総合計画の策定をしています。今、県民の皆様からご意見を伺っていますので、今日、簡単にどういったものかということのお話をさせていただきたいと思っています。また、今日のテーマに関係することで、県がどんなことをしているのかということも併せてご説明をさせていただきたいと思います。
県総合計画02 まず総合計画ですが、大きく基本構想という部分と実施計画の二つの階層に分かれております。この基本構想とは、読んで字のとおり、基本的な方向性を示す中長期の計画になります。基本理念としては「いのち輝くマグネット神奈川」を実現するということで、現在の理念を踏襲したいと思っております。それから2040年を見据えて、神奈川の将来像として三つ掲げております。「誰もが安心してくらせる やさしい神奈川」、「誰もが自らの力を発揮して活躍できる神奈川」、そして「変化に対応し 持続的に発展する神奈川」、こういった将来像を描いております。
県総合計画03 その基本構想のもとで、もう一つ実施計画というものがあります。これは2040年度に向けて今ご説明したような形で、短期的に今後4年間どういうことをやっていくかということをまとめたものでございます。今日は4年後の姿ということで、題目だけご説明させていただきたいと思います。「県民目線のデジタル行政でやさしい社会の実現」ということをテーマに、色々、こんなことをやっていきますということを書かせていただいております。
県総合計画04 冒頭申し上げましたけれども、現在骨子をまとめましてパブリックコメントを実施中でございます。ぜひ皆様からのご意見、ご提案をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
県施策例01 続きまして、今日のテーマであります外国籍県民との共生社会に向けた県の取組をいくつかご紹介させていただきたいと思います。これは「あーすフェスタかながわ」というイベントの様子です。神奈川県内には色々な国や地域の方がいらっしゃいますが、そういった県民の方々が集まって自分たちのそれぞれの考え方などをPRする場として「あーすフェスタかながわ」というイベントを実施しています。このイベントは県が企画するのではなく、ここに参加されている外国籍県民や、支援するNPO、ボランティアの方が企画をして実施しているイベントとなります。今年も12月に実施しますのでよろしければご来場いただければと思います。
県施策例02 二つ目が「ベトナムフェスタin神奈川」です。近年ベトナムは経済成長が非常に著しくなっておりまして、それに伴って、県内にお住まいのベトナム国籍の方が非常に増えております。今、外国籍地域別でいうと二番目となっております。そのようなこともありまして、2015年からベトナムとの交流のイベントをやっています。これが「ベトナムフェスタin神奈川」で、コロナで一時中断したこともありましたが、これまで7回にわたり引き続き実施してきたイベントです。併せて今月半ばには、ベトナム本国でも「KANAGAWA FESTIVAL」というイベントを実施しております。そんな交流を続けているところでございます。
県施策例03 それから、これは「多言語支援センターかながわの相談窓口」です。外国籍県民の生活支援に関する情報や、相談受付のワンストップ窓口を設けております。これは横浜駅西口の県民センターというところに窓口があります。電話での相談も受け付けておりますので、よろしければご利用いただければと思います。
県施策例04 それから、「外国籍県民かながわ会議」です。これは外国籍県民が自らの目線でどんなことに困っているとか、こういったことをしてほしいとか、そういった考え方の提言をまとめていただいて、知事に提出いただくための会議体です。現在10の地域・国から15名の方が委員となり、今、提言のまとめをしているところでございます。実際にここから受けた提言で政策につなげたものがいくつかございますので、よろしくお願いいたします。

県施策例05 それから「かながわ国際ファンクラブ交流会」です。これは留学生などを中心に神奈川に親しみを持つ外国籍県民、あるいはもう帰国された方も含めた外国籍の方の集まりです。様々な交流会や、留学生の就職支援等のイベントを実施しています。これはスポーツイベントを実施したときの様子でございます。

 以上、私から簡単に総合計画の話と、今日のテーマの取組事例のご報告をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

事例発表

司会

 それでは続きまして、本日のテーマに関わりのある方お二人に事例発表をしていただきます。はじめに、県立座間総合高等学校の崔 晶珥(ツイ ジンア)様をご紹介いたします。崔様は高校入学の約4か月前に日本語が全くわからない状態で来日されましたが、高校の日本語授業などを活用することで日本語力を向上されました。それでは崔様、よろしくお願いします。

崔氏事例発表

崔 晶珥氏(県立座間総合高等学校 外国籍在校生)

崔氏スライド01

 ただいまご紹介いただきました崔 晶珥です。よろしくお願いします。これから「共生社会をめざして」というテーマで発表したいと思います。

 私は中国の朝鮮族です。中国で生まれてすぐ日本へ来ました。日本の川崎市で4年間暮らして、また中国へ戻りました。中国で11年間過ごして、約3年前の2020年11月20日に日本に来ました。

崔氏スライド02 まずは、私が11年間住んでいたところを簡単に紹介したいと思います。私が住んでいたところは、中国の東北にある遼寧省というところです。遼寧省の一番下、海沿いにある大連というところが、私が住んでいたところです。大連には高い建物があって、海の近くにあるため中国で一番大きい水族館があります。そして、色々な美味しい食べ物があります。これは大連の特産である焖子(メンズ)という食べ物です。
崔氏スライド03 では、今日の発表の流れについて説明します。今日は、大きく四つに分けてお話したいと思います。(1)日本に対するイメージ、(2)日本へ来て苦労したこと、(3)学校における外国人生徒への支援環境、(4)外国人居住者が社会参加するために必要なことや、日本人に求めることです。これからの内容は、今日この会場にも来ている友達、3年生の外国人生徒たちの意見をまとめたものです。私が代表してみんなの意見をお伝えします。
崔氏スライド04 まずは、(1)日本に対するイメージです。日本へ来る前、みんな日本に対して良いイメージを持っていたようです。私も「治安がいい」、「先進技術が進んでいる」、「道にごみを捨てない」など良いイメージを持っていました。
崔氏スライド05 次に、日本に来た後の日本に対するイメージです。さらに良い印象を持つようになった人もいますが、その反対に良くない印象を持つようになった人もいます。この中の「本音がわかりにくい」については、この後お話します。また、「男女が分かれている」というのは、南米では男女が普通に一緒に遊ぶのに、日本では少ないなと思ったからだそうです。また、「外国人に対して固定観念を持っている」というのは、「その国の人はそういう性格だ」というステレオタイプを持っている人が多いと感じたからだそうです。
崔氏スライド06 次は、(2)日本へ来て苦労したことです。まずは生活面です。外国人だったら誰でも、日本に来て日本語で苦労したことがあると思います。私は3年前に日本へ来たとき、日本語が全然話せない状態でした。それで家から出るのがずっと不安な気持ちでした。話しかけられたらどうしようと思って、家から出るのが怖かったです。そして、日本語がわからなくて病院で大変だったり、市役所で困ったりした友達もいました。例えば、病院に行ったとき、自分の症状がうまく伝えられなくて、そして医者からの説明もよくわからなくて大変だったそうです。また、市役所に行って伝えたいことがあったのに、通訳がいても、うまく伝えられなくて困ったりしたそうです。もう一つ苦労したことは、日本人の本音がわかりにくいということです。日本人は嫌でも顔には出さずに優しい態度で話すので、心の中でどんな考えをしているかわからないときがあります。例えば、仲良い友達でも、時々、本当は何を思っているんだろうと思って距離感を感じるときがあります。
崔氏スライド07

 そして、学校に入った後の苦労したことです。私は性格が内向的で、友達をつくることがとても難しかったです。こちらから先に話しかけるのも難しかったです。ですが、日本人の友達が先に私のところへ来てくれました。私のところへ来て韓国語で話し掛けたりお菓子をくれたりして、そのおかげで私は友達をつくることができました。

 二つ目は「発表すること」です。私は中国にいるとき、発表するとしてもその回数は本当に少なかったです。ですが、座間総合高校では発表が多いです。日本語が上手ではなかった私たちは、何十回も練習するしかなかったです。でも今考えてみたら、良い訓練だったなと思います。

 三つ目は、「進学するときに必要な資料がとてもわかりにくい」ということです。英語に翻訳されているものもありますが、翻訳されていないものが多いです。それで、多くの時間と労力を費やさなければ理解することができないです。それで両親も心配することになります。

 最後は、「進学費用が高い」ということです。ビザが家族滞在になっている人たちは奨学金を借りることができないです。それで、高校を卒業して大学や専門学校で勉強を続けたくても、費用が高いためできない生徒もいます。

崔氏スライド08 次は、(3)学校における外国人生徒への支援環境について話します。座間総合高校には在県枠があります。在県枠とは、来日6年以内の外国人生徒が受けられる特別入試のことで、在県枠があって本当に助かりました。すべての在県生徒がそう思っていると思います。3年生のある在県生徒は、「もし在県枠がなかったら、私は高校に通っていなかった」と言いました。
崔氏スライド09

 座間総合高校には、在県枠で入学した生徒のための少人数のクラスがあります。少人数のクラスでは、先生が生徒に合わせてやさしい日本語で授業をしてくれます。そして、少人数クラスでは自由に自分の意見を話すことができます。全体クラスだと日本語を間違えるのが怖くて意見を話すことができないですが、少人数クラスはみんな外国人の生徒で、先生との関係も良いので、いつでも安心して自分の意見を話すことができます。

 座間総合高校には日本語の授業もありますが、放課後の補習もあります。普段の授業だけでは足りないので、先生たちが放課後に補習をしてくれます。すべての生徒が卒業するまでに、日本語能力試験のN2を取れるように助けてくれます。私の場合、学校の放課後の勉強だけでN1を取ることができました。

 また、卒業した先輩たちの話を聞く機会があります。外国人の場合、日本人の生徒とは違って進路のことで色々な問題にあうことがあります。先輩の話を聞いて、自分の進路について方向性を見つけることができます。

 次は、「先生たちの支援が届くので心強い」ということです。私は、これが一番強い支援だと思います。生徒と先生の関係が良くて、進路のことでも他のことでも遠慮なく言うことができます。親にも言えないことも先生には言えるくらい、先生たちは私たち一人ひとりに関心を持って話を聞いてくれます。

崔氏スライド10 それで最後は、座間総合高校の生徒全員が楽しめる国際フェスタと、国際交流委員会の色々な活動です。座間総合高校には国際フェスタという学校行事があります。これは去年の写真です。自分の母語ではない言語でスピーチをしたり文化を紹介したりします。外国人生徒は日本語で、日本人生徒は、英語、中国語、スペイン語、フランス語、ハングルなど自分が学んでいる言葉で発表します。今年の国際フェスタは11月22日です。今年は3年生の在県生徒がリーダーとなって、後輩や日本人の友達も一緒に、スリランカ、韓国、南米のダンスを踊る予定です。
崔氏スライド11

 最後に、(4)外国人居住者が社会参加するために必要なことや、日本人に求めることをお話します。多くの意見がありました。

 一つ目は、家族滞在のビザの人の意見です。労働時間の制限を28時間から一般生徒と同じような40時間に変えて欲しいと言っていました。進学費用を貯めるためにアルバイトをしていますが、もし1週間に28時間を超えてしまったら大変なことになってしまうので、毎回計算しながらシフトを入れているそうです。

 また、義務教育の小学校や中学校の授業で、多文化共生についてしっかり学べるようにしてほしいです。なぜなら、日本に来て初めて入る学校でいじめを経験する外国人の子どもが多いからです。その時の経験がその後の日本社会に対するイメージとなり、その人の人生に一生刻まれることになります。

 また、それぞれの文化や言語を大切にしたい気持ちを分かってほしいです。教室で友達と母語で話していると、日本語を話しなさいと言われることがあります。母語で話しているのを悪い目で見るのではなく、話したい気持ちを分かってほしいです。

崔氏スライド12 また、高いレベルの日本語を無料で学べる日本語教室が必要だと思います。初級レベルの日本語教室は多いですが、高いレベルを勉強できる場所は非常に少ないです。大人の外国人も、社会参加のためには高いレベルの日本語が必要です。ですので、誰でも通える無料の日本語教室が増えたらいいなと思います。

 次は、マンツーマンで受験勉強をみてくれるボランティアの先生がいると良いと思います。外国人生徒の中にも、一般受験で進学を考えている生徒がいます。ですが、塾に通うのは難しいです。この生徒たちの勉強を見てくれるボランティアの先生がいると嬉しいと思います。

 最後に、「外国人を一時的に来て帰るお客さまではなく、日本で生活する同じ市民として見てほしい」ということです。例えば、私たちの親は日本でずっと仕事を続けたいと思っていますが、一時的に来ている人と見られて、ある程度以上の仕事は教えてくれないことがあります。そうではなくて、これからもずっと一緒に働く仲間として接してほしいです。また、「この人は外国人だから、この仕事は無理じゃない?」と思わずに、普通の日本人に任せる仕事も任せてほしいです。

 これから多文化共生社会をつくっていくために、今日ここにも来ている外国人の生徒たちが、日本人と外国人をつなぐ存在になれたらいいなと思います。ご清聴ありがとうございました。

司会

 崔様ありがとうございました。

 続いてナカ アンヘリカ様をご紹介します。ナカ様は、NPO法人日本ペルー共生協会の理事として、外国人向けの日本語教室やスペイン語圏の母語や文化の継承教室などに取り組まれてきました。それではナカ様、よろしくお願いします。

ナカ氏事例発表

ナカ アンヘリカ氏(NPO法人「日本ペルー共生協会(AJAPE)」理事)

ナカ氏スライド01 日本ペルー共生協会の理事を務めているナカ アンヘリカと申します。私は日本で環境問題について学ぶために留学しました。現在、日本とペルーの共同プロジェクトによる地球温暖化を防止する大規模な研究に取り組んでいます。私は留学生のときから様々なボランティア活動に参加してきました。日本に住むペルー人は、ペルーに住むペルー人よりも大学進学率が低いことに驚きました。その理由を調べ、しばらくペルーにルーツを持つ児童生徒と彼らの親をサポートしました。ペルーには、現在20万人の日系人がいます。私には、日系人がペルー社会に関わっているのと同じように、日本に住むペルー人ももっとアクティブに日本社会に参加できるようになってほしいという夢があります。どうぞよろしくお願いします。
ナカ氏スライド02 それでは、まず私たちの団体及び支援している方について簡単に紹介したいと思います。AJAPE(アハペ)が正式に活動を始めて今年で24年目になり、現在では、東京都町田市に本部、神奈川県大和市に支部があり、本部・支部ともにNPO法人として各自治体に登録されています。私たちの支部がある大和市では、ペルー人が約1,300人いた2005年頃から徐々に活動を始め、リーマンショックが発生した2008年から活動の規模を拡大しました。「虹の架け橋教室」や「継承スペイン語教室」の主催、大和市と協働で「プレスクール」などの活動もしてきました。
ナカ氏スライド03

 一方、私たちは1990年代から出稼ぎ目的で来日した多くの中南米出身の方を支援しています。彼らは既に日本社会に根づいており、当初の目的であった数年で貯金して帰国という出稼ぎ意識は低くなっています。なぜなら、30年以上日本におり、日本で生まれた次世代と生活している人もいるため、彼らはもう出稼ぎ外国人というよりも日本社会の構成員として生活しているのです。しかしながら、彼らが直面する問題はなくなってはおらず、生活基盤が安定しない、適切な情報を入手できない、孤立してしまっているなどのことは昔から見られます。現在では、問題が多様化して複雑になる事例もあると言えます。生活環境が不安定で、日本生まれでも日本語能力が十分に身につかない事例や、コミュニティ内の高齢化も表面化し始めた段階となり、その対応も今後は求められると感じています。

 彼らが日本で生活を続ける理由を簡単にまとめることはできません。ただ一つ言えるのは、出稼ぎ世代の子どもである2世以降が、日本、母国または第三国で、より良い将来を送るために日本での生活基盤を選択しているのです。2世以降は複数文化・言語という環境で成長しており、きちんとした枠組みのもとで支援ができれば彼らの可能性は広がっていくと思います。2世以降が自身の利点をうまく活用できるように、当団体も最善の支援を模索しながら活動を継続しています。

ナカ氏スライド04 私たちの取組はすでに述べたように、現在では出稼ぎ世代の子どもである2世以降を中心に実施しています。出稼ぎ世代への支援も実施していますが、時代の変遷とともにその取組内容は変わってきました。設立当初は出稼ぎ世代への通訳、生活の情報発信などを中心にしてきましたが、その後、2世以降の支援へと移行していきました。親に日本の学校に関する情報発信や教育フォーラムをする傍ら、2世以降には学習支援などを始めました。2世以降、特に教育面での取組に移行した背景には、来日における影響は、出稼ぎ世代よりもその子どもの方が受けていると感じたからです。家庭、学校、そして地域で不利な立場に置かれる子どもは、個々の将来を悲観的にとらえていました。そのため、教育支援を一つの柱としつつ、文化継承活動も実践してきました。例えば、スペイン語による民族舞踊指導や劇などの文化活動です。このような活動には、当団体の理事だけではなくコミュニティから指導者を募り、その取組を活性化させてきました。出稼ぎ世代が主体的に関わることは母国で培った能力・技量を発揮できる場となり、子ども世代にとっても誇りに思える光景です。
ナカ氏スライド05

 さて、現在でも多様な取組を実施していますが、特に力を入れているのが継承スペイン語教室です。継承スペイン語の重要性について三点説明したいと思います。

 まず、コミュニティ内におけるスペイン語の位置づけの変化が影響しています。出稼ぎ当初、いずれは家族で帰国するという意識の中で、子どもにはスペイン語を維持してほしいという思いがありました。しかし、日本での滞在が長期化するにつれ、この需要は次第に衰退していきました。そして、近年、2世以降の社会進出における一つの武器として、スペイン語に興味を持つ若者から需要が見られます。この背景には、親からの薦めであったり、バイリンガル・トリリンガル能力を持つ先輩に刺激されたりと、スペイン語に対する意識が変わってきています。

 二つ目は、令和元年6月28日に「日本語教育の推進に関する法律」が公布・施行され、国レベルで外国人児童生徒の母語の重要性について触れられました。残念ながら、具体的な施策はまだ動き出しておりませんが、私たちは外国人児童生徒の母語教育を草の根レベルで継続的に取り組むことは重要だと思っています。

 三つ目に、言語を学ぶことは特定の人に限定されることではないと考えています。特に、グローバル化が進行するなかで、英語以外の言語に興味を持つ人は増えています。その証拠に、私たちが開催する継承スペイン語教室には日本人からの需要もあります。彼らは家庭や仕事の事情でスペイン語圏に滞在していた経験があったり、将来スペイン語圏で活躍したいと考えたり、就職・転職のためにスペイン語の検定受験を目標にしていたりします。これは、私たちの活動がスペイン語を通じて異文化理解や多文化共生などの場を創造し、地域社会に寄与していることにつながっていると思っています。以上の理由から、AJAPEでは継承スペイン語教室が重要な位置付けになっています。

ナカ氏スライド06 最後に、私たちは長年日本で生活していますが、十分に社会参加ができているとは思っていません。それはもしかしたら、特に出稼ぎ世代が母国へと帰国したいという淡い思いがまだ消えていないからかもしれません。ただ、後続世代が誕生するなかでこのような帰国意識は徐々に失われていますが、それが直ちに日本で社会参加ができることには結びつきません。社会参加のために何が必要か、私たちの考えを二つ述べたいと思います。

 まず、私たちの声はどこまで届いているのでしょうか。私たちが日本社会に合わせることは期待されますが、日本社会に私たちの声を汲み取ってもらえているのでしょうか。例えば、ペルーの紹介ではマチュピチュ遺跡などの有名な側面を求められることが多いですが、ペルーには他にも素晴らしいところがあります。日本にいるペルー人もみんな首都リマの出身ではないし、民族的背景も異なります。そのような側面も紹介したり、受け入れてくれることも重要ではないでしょうか。

 そして、地域社会で私たちのような団体との連携は十分とは言えないのではないでしょうか。神奈川県には多くの外国籍住民が運営する団体があります。そのような団体との連携をより円滑にすることで、外国籍住民の社会参加を促進できるのではないでしょうか。私たちもAJAPEだけではできないことがたくさんあります。しかし、受入社会と連携することで、社会参加はより進むと考えています。学校や会社、各種機関、支援団体と通訳者の連携があってこそ、意味のある対応と支援になると感じています。

 ペルー人をはじめ、日本、そして神奈川県にいる外国籍住民が今後も社会参加しやすい社会になればと願っています。本日はありがとうございました。

意見交換

司会

 ナカ様ありがとうございました。

 それではここからは、黒岩知事に進行をお任せいたします。知事、よろしくお願いします。

知事

 お二人の発表すごかったですね。とても理路整然としていて、しっかりとアピールされていました。これで帰っても十分良いものを得たなと感じられるぐらいですが、今日はせっかくの機会ですから、交流する場として活用していただきたいなと思います。皆さんから質問やアピールなどをどんどんしていただきたいと思いますが、まず最初に私の方から聞かせてもらいましょう。崔さん、少し補足してほしいなと思いますが、在県枠というのは要するにどういうことですか。

事例発表者:崔 晶珥氏

 在県枠は、日本に来てまだ6年経っていない外国人が受けられる特別募集枠のことを言います。

知事

 外国から来た人の在県枠ということですか。それで、何人ぐらいいらっしゃるんですか。

事例発表者:崔 晶珥氏

 私たち3年生は10人で、1年生も10人くらいだと思います。

知事

 やっぱり県立座間総合高校は外国から来られる方とか多いんですよね。

事例発表者:崔 晶珥氏

 はい、多いです。在県枠の人だけではなくて、一般の入試で入った生徒の中でもハーフの人が多いです。

知事

 それだけのところで特別に勉強をしているから、こんなに短期間で日本語が上手になって、信じられます皆さん?来日されたのはいつでしたっけ?

事例発表者:崔 晶珥氏

 2020年の11月20日です。

知事

 ちょうど3年ですよね。来たとき全然喋れなかったんですよね。そしたら3年でこの日本語能力ですから、すごいですね。それとともに、先ほど色々と整理されていましたが、その整理の仕方から訴えられていることにものすごく説得力がありましたね。これは全部持って帰らなければいけないなと強く思いました。

 やはり我々日本人社会で、外国から来てパッと見たときのイメージと、そこで生活をしてみて感じるイメージに差があるということは前から聞いたことがありまして、私は知事になる前ずっと長いことテレビのキャスターをやっていましたが、その時アジアの五人の大使を招いてスタジオで議論したことがありました。それで、スタジオから帰って応接の間で話をしているときに本音が出てきたのですが、日本に来たときは「日本ってなんでこんなに綺麗なんだろう」、「みんなすごく優しい」、「良いところに来たな」と思うけれども、実際に生活を始めてみると、実は日本社会というのはみんな快く受け入れる感じではないと言うんですね。「あんなにニコニコして優しい人だから入っていけるかなと思ったら、弾かれるような感覚を受ける」や、「それがとても嫌でしょうがなくなってしまう」ということを聞きました。それで、帰るときは日本が嫌いになって帰る人もいるということを聞いてすごいショックを受けたことがありましたけども、そんなこともあるんですかね。

事例発表者:崔 晶珥氏

 私は今まで日本で生活してきて、日本での生活好きです。

知事

 良い環境に巡り合えたのですね。そういう人を増やしていかなければいけないということですよね。神奈川県には170を超える国から来ていらっしゃる方々が住んでいる。日本でもそういう意味で、国際的な色彩が非常に強いところがありますから、そこで、まさに神奈川モデルを示していかなければいけないなと思うところです。

 ナカさんの最初の出だし、なるほどなと思いましたが、ペルーの中では日系人がもう当たり前のように生活しているのですね。大統領も日系人でしたよね。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 はい。フジモリさんです。

知事

 日本の名前のままですからね。フジモリ大統領と一緒にお酒を飲んだことありました。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 そうなんですね。素晴らしい。ペルーでですか?

知事

 ペルーではなく日本ででした。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 一時的に日本にいらっしゃいましたよね。

知事

 先ほどペルーの中では日系人がそれだけ溶け込んでいるのにも関わらず、日本の中にもペルー人の方がたくさんいらっしゃるけれども、そんなに溶け込んでいないっていう。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 そうですよね。ペルーの日系人はもう120年以上歴史があるので、多分それも影響あると思いますが、日本にいるペルー人はまだ35年ぐらいです。徐々に日本社会に混じっていくのではないかと思います。

知事

 ナカさん自身はもう日本の中ですっかり溶け込んでいらっしゃるのではないですか。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 そうですね。私ももう日本に来てから15年になりまして、最初は色々な壁に当たったりしていましたけど、今はやっと慣れました。

知事

 先ほど言った、日本人社会というのは入っていこうと思うと意外に入れないみたいな、そんな感覚ってありますか。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 はい、ありました。特に、例えばペルーとかラテンアメリカ人は直接何でも言う人たちですが、日本人はもうちょっとエレガントで、直接言わないときがあります。一つの例を言いますと、私は先生から「これ難しいな」と言われたときがありまして、ペルー人からしたらそれは、「難しいけどできそう」と思うのですが、でも多分これは日本人の感覚からしたら「無理だ」ということなのかなと思ったりしました。

知事

 さあ、こういう素晴らしいお二人のご意見を受けて、これから皆さんとともに議論していきたいと思いますが、先ほど言ったようにシナリオはありません。皆さんの手が挙がらなかったらそこで終わります。では参りましょう。私はどんな人だということをまずお話いただいてからお話いただきたいと思います。

参加者1

 綾瀬市から参りました。よろしくお願いします。外国人がたくさん住んでいるまちでございまして、現在、日本語クラス「あやせ未来塾」をボランティアで始めまして9年経ちました。今日仲間二人と参加させていただきました。私は現役の頃に川崎市の小学校の教員をしておりまして、若い頃に日本人学校に3年間勤務した関係で、退職した後もこんなことに関わりながら毎日楽しく仕事をしております。今日二点お話させていただきたいと思います。

 一点目が、これは黒岩知事に対するお礼も兼ねてお話させていただきたいと思います。神奈川県など行政の対応が非常にマイノリティの立場の人たちにやさしい、ソフトである、柔軟であるということをずっと現役の頃から感じてきました。これは本当にお礼を申し上げたいと思います。先ほど、崔さんの素晴らしい発表がありましたが、実は私たち「あやせ未来塾」でも全く同じような経験を5年ほど前にいたしました。2017年にカンボジアから二人の兄弟がやってきたのですが、全く日本語が話せない状況で、次の年に高校受験をしたいということで、崔さんのように本人も本当に努力されたと思うのですが、大和南高校の在県枠で入学をお認めいただきました。受け入れた後、今日崔さんのお話にもありましたように、大和南高校で本当に素晴らしいサポートをしていただいて、本人は無事卒業しまして、現在関東学院大学に進学をして3年生ですが、できれば大学院を目指したい、できれば海外の大学院を目指したいという夢がありまして、こういう成果を上げております。これも本当に県の取組の素晴らしさだと思うのですけれども、黒岩知事にお礼を申し上げたいと思います。それから、今日綾瀬市ということで来ておりますが、綾瀬も大変外国人が多いのですが、大変きめ細かく豊かに対応していただいて、私ども補助金もいただきながら活動させていただいております。

 次に二点目ですが、ここからお願いになります。そんな状況で今、取り組んでおりますが、地域の課題や要望をぜひ知事にお聞きいただければと思います。崔さんのお話の中にもありましたが、日本語をサポートする我々ボランティアとして、スタッフの数が圧倒的に不足している、多様化するニーズにきめ細かく丁寧に対応できない現実があります。私たちボランティアの努力とか全員では解決しない壁に、今、立ち向かって困っております。そのなかで、三点ほど申し上げたいと思いますが、一点目は、県民や市民に対して、さらにこういう現状を積極的にPRしていただいて、県民や市民の皆さんに意識を変えていただいて、積極的に参加できるような方策をお考えいただきたい。それが一点目です。二点目は、ボランティアを束ねる、あるいは組織的に核になる、コーディネートする、そういうシステムを神奈川県でぜひお作りいただきたい。これは自治体によって実態が違い様々だと思いますが、そういう各自治体の市町村の取組を県に支援していただきたい、サポートしていただきたい。三点目ですが、ボランティアの待遇改善も含めてご検討いただければありがたいなと思っています。よろしくお願いします。

知事

 ありがとうございました。綾瀬市でも素晴らしい活動をされている方がいらっしゃるわけですね。県に対してご要望もありましたけど、実は先ほど総合計画の説明の中で「かながわ国際ファンクラブ」と出てきたのはご記憶にあるでしょうか。これは私が知事になって、先ほど言った話のとおり、来たときはいいなと思ったけど、帰るときは嫌だと言って帰ってしまうと、これ一番まずいことだなと思いまして、神奈川県に少なくとも関わられた外国籍の方は、帰るときには必ず神奈川のことを、日本のことを好きになって帰ってもらう、神奈川のファンになって帰ってもらうという思いを込めて「かながわ国際ファンクラブ」というものを作っています。これには外国籍の方もいらっしゃいますが、それをサポートするメンバーも入っています。また、オンラインで繋がるようになっておりまして、県のホームページから見てください。会員もたくさんいまして、そしてお互い助け合おうということなんです。何か困ったことがあったら言ってくださいと。例えば、医療の問題でちょっと相談したいと言ったら、サポートする側の方もいて、このようにやってあげるとか、例えば住まいのこととか職業のこととか、そういうことのご相談って結構あるわけです。それをお互いに支え合おうという仕組みを作っていますから、ぜひご活用いただきたいと思います。ありがとうございました。

参加者2

 それでは時間もないので、短く二つお話しさせていただきたいと思います。横浜市に住んでおりまして、神奈川県立座間総合高校で社会科を教え、同時に多文化教育コーディネーターという仕事もしております。

 今日お話したい一つは、晶珥さんのお話にもあった在県枠、在県外国人特別入学のための枠ということですが、これは神奈川県立学校だと17校ですが、川崎市立、横浜市立含めると20校の学校が枠を設けています。20校で約200人定員ということになります。ところが知事も恐らくご存じかと思いますが、日本に住む観光客ではない在日外国人の人口が最新の統計で300万人を超えました。300万人ということは、日本全体の統計からいうと約2.5%。今、来年度に県立高校に入学する定員が約4万人。その4万人×2.5%は約1000人。ところが、在県枠は、横浜市立、川崎市立含めて200人と圧倒的に少ない。ということは、神奈川県に住んでいる外国人の若者たちが高校に入学する機会というのは非常に門が狭い。これを何とか拡大できないか、ということが1つです。ただ、今年度の入試を見ると、おそらくコロナの影響だと思うのですが、在県枠の定員に達していない学校がいくつかあります。そういう問題はありますが、統計的な観点から言うと、在県枠を広げることが、つまり若者たちの教育機会をより一層豊かにすることが重要ではないかということが一つです。

 もう一つは、晶珥さんやナカさんの話にもありましたが、日本語を教えるということについて、例えば晶珥さんやこの会場の前の方にいっぱい座られている生徒たちのように高校に入れた子どもたちはいいのですが、問題は大人だと思うんです。座間総合高校の生徒たちの親の中にも、本国では一定の高給を取り、そして社会的な評価の高い職業についている方もいる。ところが、大人の日本語教育の機会が日本ではない。ボランティアに頼らざるを得ない。ご存じだと思いますが、韓国やドイツ、オーストラリアにはそれぞれの国の言葉を、少なくとも半年間無料で自治体が提供するということをやっている。神奈川県でもそういう制度がつくれないかということです。実際の努力というものをぜひ期待したいと思います。以上です。

知事

 ありがとうございます。確かに在県枠がこれだけ大きな成果だということを今、聞かせていただいたわけですので、これの拡大をどれだけ出来るか検討してみたいと思います。それと親御さんの問題、子どもさんはどんどん日本語上手になりますが、親御さんがなかなかそうではないという話はよく聞きます。この問題について、我々しっかり問題意識を持っていますので、頑張っていきたいと思います。

参加者3

 藤沢市から来ました。私からはお願いなのですが、自分はペルー出身ですがスペイン語が話せません。ですが両親がスペイン語しか話せないので、意思疎通が少し出来にくかったりします。そのときにAJAPEのことを知ってとても助かったので、もっとAJAPEみたいな団体がいることを神奈川県からPRしてほしいなと思っています。

知事

 ありがとうございます。AJAPE、今日はアピールの場になりましたね。今日ここに来られた方は帰ったら必ず10人以上に「AJAPE、AJAPE」と言ってくださいね。これで広がっていきますからね。ありがとうございました。

参加者4

 私は愛川町から来ました。質問が三つあるのですが、大学や専門学校に進学する外国人の生徒たちの割合は、3~6割だけで非常に少ないです。日本人の生徒たちと比べて非常に少ないことの理由は、奨学金の書類がまだ難しくて申し込むことができなかったり、大学に必要なお金や、その説明がわからない親御さんたちがいっぱいいるので、英語だけではなく、ベトナム語や、やさしい日本語で訳してほしいです。また、横浜で高校に進学するための説明会はありますが、同じような大学に進学するための説明会とかあったらいいなと思っています。その他に、黒岩知事に質問ですが、これら以外に今一番感じている課題と、それについて解決策を教えていただければ嬉しいです。ありがとうございました。

知事

 ありがとうございます。確かに色々な書類というのは難しい、というのは先ほどの発表の中にもありました。我々日本人でもそうですよね。役所から送られてくる書類って何書いてあるかよく分からないというのはすごくあって、それは外国籍の方から見たらもっと分からないだろうと思いますよね。これは根本で変えていかなければいけない大きな問題だと思います。二つ目の質問にも繋がりますが、当事者目線の障害福祉推進条例というものをつくりました。これは7年前に津久井やまゆり園事件というものがあって、知的障害者の施設で「コミュニケーションを取れない人間は生きている意味がない」と言って、元職員が19人の命を奪っていったという大変悲惨な事件があったんです。こういうことを二度と起こしてはいけないということで、ずっと向き合ってきました。いまだに障害者施設の中で24時間部屋に閉じ込められてるとか、暴れるから車椅子に縛り付けられてる人がいるんです。何のためにやっているのかと言うと、要するにその人が暴れて危険だから部屋に閉じ込めておいてあげると言うんです。でもそれは、誰の目線でやっているのか、誰の目から見た目でやっているのかということ。それは施設を運営する人の目線だけれども、そこで部屋に閉じ込められている人の目線には立ってないですよね。これは根本的に間違っているのではないのか、当事者目線の障害福祉に変えなければいけないということでずっと取り組んでいます。そしたら今まで部屋に閉じ込められていた人が、そういったことを実践できる施設に移ったら、ニコニコしながら働いているということが起きている。これは本当に当事者目線に変えていかなければいけないということが一番大きな課題なんです。そのことは今日のテーマも同じです。私たちが今やろうとしているのは、当事者目線、つまり外国から来られる方の目線に立って、皆さんが住みやすい世界をつくらなければいけない。行政から書類を送ったときに、何が書いてあるか分からないというのは、読む人の目線に立っていないんです。だから外国から来られた方も分かるようなものを書かなければいけない、というこの形は今取り組んでいるところなんですけれども。その当事者目線の障害福祉推進条例という新しい法律を神奈川県がつくったんですが、つくるプロセスの中では障害当事者、知的障害の方にも入ってもらって議論したんです。そしたら面白いですよ。この条例の文章、何が書いてあるか分からないと言うんです。だから私たちに分かるような文章に変えてくれという話になって、全部のその条例にルビを打って、日本語の仮名、読み方を書いて、そしてそれを全部やさしい言葉に置き換えた。だから、分かりやすい版「ともに生きる社会、当事者目線の障害福祉推進条例」ができ上がったということなんです。こういうことを徹底的にやっていこうと思っています。今日のこういう会というのは、その一環だと思っていただければと思います。ありがとうございました。

参加者5

 いちょう団地には現在11か国の外国籍の住民が住んでおります。日本人とともに共生しておりますが、一つ悩みがあります。それをぜひ聞いていただきたいのですが、11か国の人たちが情報を得るための手段がないのです。色々な書類が来ますが、それを11か国の人たちに知らせる掲示板というものがないのです。日本人向けの掲示板はありますが、外国籍の方が見てわかるような、情報を得られる掲示板がいちょう団地にも欲しいと思いまして、今悩んでおりますのでぜひよろしくお願いいたします。

知事

 ありがとうございます。これは当事者目線ってまさにそのことですね。11か国の方が住んでいらっしゃる。その人にもわかるような、その人たちの目線に立った情報発信ということ、そしてそのようなやり方は色々工夫しなければいけないなと思います。神奈川県もたくさん団地がありますから、団地それぞれで、どのような仕組みをつくるのが良いのか考えてみたいと思いました。ありがとうございました。

参加者6

 座間市で日本語教室をやっています。色々なところで言っていますが、最近、近所の中小企業が外国籍の方を連れてくることが多くなって、この前は「日本人の若者が自分の会社に来てくれないから、同じような仕事をしているフィリピン人を二人呼んだので、彼らが自分で生活できるように日本語を教えてくれないか」と言ってきました。「工場で働くための言語を教えなければいけないが、私は英語が喋れないからお願いします」と言ってきたんです。でも、私たちはボランティアで週に一、二回やってそれをクリアできると思えないのでお断りしたんです。お願いしたいのは、同じような種類の企業のなかで、まとめて日本語教室を雇えないものかとご提案したいです。今、看護師さんやケアをするマネージャーなどの看護関係の仕事に関わる組織ではできていますが、機械を扱っているような中小企業に働く人たちの日本語教育はとても大事だと思います。何か事故があってからでは遅いし、また働く人の人権もありますので、ぜひそういう企業向けのアドバイスをしていただけないかと思って今回、来ました。

知事

 大変貴重なご指摘ですね。まず、看護といったことで言えば、EPAという枠組みがありまして、フィリピン、ベトナム、インドネシアから来られて、日本のナース、看護師、それから介護福祉士を目指そうという方たちがいますが、この方々、非常にハードル高いけれども日本語で国家試験を受けなければいけないんです。専門用語ですから、例えば褥瘡(じょくそう)。褥瘡という漢字、日本人でも分からないですよね。そういったものも読んで分かってないと試験を通らない。非常にハードルが高いんです。そこで、実は神奈川県はその方々に直接日本語指導をやっている。だから、全国の都道府県の中で神奈川県が合格率断トツなんです。そういうことをやっていますから、今ご提案のあったこと、どのような工夫をすればいいか検討してみたいと思います。ありがとうございました。

参加者7

 松田町から来ました。前回の湘南会場から続いて2回目の出席です。今日お話伺いまして、非常に二人のお話は良い話だと思って聞いておりましたし、私自身も日本が今これだけ人材難になってきているなかで国際交流が大事だと思っていますので、国としても県としてもしっかりやっていく必要があるかなと思っています。私の住んでいる町に関して言うと、これは一つの事例ですけれども、空き家対策も含めて海外の方に入っていただくということを実はやられていて、実際に入られています。ただそこに住んでいる方が小学校、中学校にお子さんが入学するということになって、私もずっと学校評議委員をやっていますので色々相談を受けていたのですが、日本語が話せず、普通に授業を受けられない状態でそこの学校に入るということが実際起きていて、今、日本語のサポートの話もありましたが、町に言ってもなかなか解決していなくて、やはり県も含めて行政としてそういう問題を抱えているところに対して、何かアドバイスや、対応も包括的な広い視野で考えていただけるとありがたいなと思っております。

知事

 ありがとうございます。それは一つの解決策として、在県枠になれば大分違うかもしれないですね。

参加者7

 やはり日本人の子どもさんと同じレベルでやるというのはどうしても無理があって、そうするとそのお子さん方もかわいそうですし、学校にいる以上は何かサポートをしてあげないといけないと私は学校に言ったのですが、なかなか学校側も困っていて、先生方だけでどうにもできない現状があるので、そういったこともあるということを知事に知っておいていただいた上で、今後神奈川県全域のなかで何かお話いただけたらありがたいなと思います。

知事

 わかりました。日本語教育の問題というのは、全県的に共生社会をつくっていくために大きな課題ですよね。色々いただきましたので、工夫したいと思います。ありがとうございました。

参加者8

 大和市のなかでもここ高座渋谷の近所に住んでいて、ずっと小さい頃からここで育ってきたのですが、先ほどもお話があったとおり、いちょう団地が近くにあって色々な国の方が住んでいらっしゃるので、色々なところでカンボジアやベトナムなどのハーフの方もたくさんいらっしゃいます。昔から日本に住んでいる方は日本語も上手なので、関係なく友達になれたりもしましたが、やはり日本語が喋れない方もいる。こっちも相手の言葉がわからないから、どうやって接したらいいかわからないというのがあります。そう思ったときに、こういう今回のお二人のお話も、もしここに興味を持って来なかったらもう今後、知ることもなかったかもしれない貴重な話も聞けたので、こういうのをもっとたくさんの人に知ってもらう機会を増やしてもらいたいです。プレゼンなどの発表も欲しいのですが、一つ思うのは、知らない人が話していると、どうしても他人事なのか距離を感じてしまうことが多いなと思うんです。そういうときに、生徒とかと一緒に共同でプレゼンを作ったり、発表を作ったりの機会があると、同級生がやっているなということで、もっと近いなと感じてもらって興味を持ってもらえると思います。例えば文化祭でやったら、地域の方も来て知ってもらう機会も増えるのではないかと思うので、そういうのを増やしてもらえたらいいのではないかと思います。

知事

 ありがとうございました。今日は本当に当事者の生の声ですから。しかもこれだけ多くの皆さんに来ていただいて、非常に印象深く、会をやってよかったなと思います。こういう中でどんどん広がってくるといいですよね。ありがとうございました。高校生もどんどん発言してくれますからね。はいどうぞ。

参加者9

 横浜市に在住しています。よろしくお願いします。小学生のときに多国籍な文化を学ぶ機会が多くありましたが、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて、段々とそういうことを学ぶ機会が少なくなりました。小学生のときはその国の遊びとかを自分の経験として味わうことができましたが、高校生になってからは外国の方の話を聞くだけとか経験的なことではなかったので、自分が実際にやるとか、行ってみるなどの学習をする機会を増やしていただけたらなと思っています。ありがとうございました。

知事

 小学校のときは多国籍文化のなかにいたけど、中学、高校となるとそうではなくなったというのは、住む場所が変わったのですか。

参加者9

 いえ、小学生のときは色々な国の先生が来てくれて、その国の遊びをするとか体を使って遊んでみたりする機会がすごく多かったので。高校生になってから楽しんで学ぶ機会が少なくなってしまったなと思っています。

知事

 たまたまそういう小学校にいたってことですよね。

参加者9

 そうかもしれないです。

知事

 珍しい小学校ではないですか?

参加者9

 いや、普通だと思っていました。

知事

 その時のそういう体験のままでやりたいということですね。これ大きな課題ですよね。ありがとうございました。

参加者10

 川崎市から来ました社会福祉士をしております。知事をはじめ、皆さんの貴重な意見で勉強させていただいているところです。私も外国人の介護職向けの研修講師などをしており、色々な課題を感じております。黒岩知事には外国籍県民かながわ会議から上がってきている意見を聞いていただいたり、MICかながわ医療通訳のサポートをしていただいて非常にありがたいと思っております。一方で、外国人の高齢化が既に問題化されてきております。二つお願いしたいのですが、一つは、介護の分野でも通訳のサポートをぜひご検討いただきたいです。先ほど黒岩知事がおっしゃっていたEPAなどの外国人介護職はとても優秀です。この方たちと外国人高齢者が母語で話したり、お互いの文化で介護ができる環境もそろそろ検討いただけないかと思っております。この背景には、せっかく今日優秀な崔さん、ナカさんがいらっしゃるわけですけれども、これをやらないと彼女たちが親の通訳などでいずれ負担になってしまいますので、知事、ぜひご検討のほどお願いします。

知事

 ありがとうございます。高齢社会の問題、外国人の高齢化、確かにそういうことなんでしょうね。そこでもやはり言語の問題、すごく大事になっていると。今日このかけ橋になりたいとおっしゃってくれたわけですから、こうした方を増やしていくというのは非常に大事なことですよね。

参加者11

 藤沢市から参りました。私は今高校3年生で、藤沢総合高校でスペイン語と中国語と英語を学んでおります。先ほど最初にご紹介があったように、「あやせ未来塾」でボランティア活動をしております。私は母が帰国子女だったり、亡くなったおばあちゃんが在日の台湾人でしたので、小さい頃から海外など国際的に興味を持つ機会はすごくありましたが、やはり身近な友達や小さい頃から関わっている子を見ると、あまり海外に興味を持たれていない子がすごく多く感じます。私の学校にも在県枠があるので、高校に入ってから国際的に交流する機会が増えますが、中学校や小学校でたくさん多文化交流をする機会がないなと今になってすごく感じています。それをもっと小さい頃からしていただけたら、日本にいる外国籍の子たちも、もっと生きやすくなると思うし、日本人の考え方や私たちの見方、考え方がどんどん変わっていき、より良い皆さんが生きやすくなる環境がつくれると思うので、ある一定の地域ではなく全体的に、小学校や中学校でもっと多文化交流をしていただけるようにできないかなと思って伝えさせていただきました。ありがとうございます。

知事

 とても良いご意見だと思いまして、この話聞いていると先ほど紹介した障害福祉の話をしてるときと何か繋がるものを感じますよね。というのは、障害福祉で重い知的障害の方や子たちと本来は小さいときから同じように遊んでいればいいなと思いますが、実際はそういうお子さんたちはみんなと離れて暮らしていたり、施設に預けたりしていまして、一般の子たちが見たことがないという状況になっていて、それでいきなり交流といっても、緊張してしまう、どのように付き合っていいか分からないみたいな。小さい頃から、普通に交流していれば色々な障害を持った方のみんな個性なんだって、遊んで当たり前だと思えるはず。ところがそうではない環境があるという話をよく聞くんですね。今日も同じような感じの話ですよね。多文化共生が当たり前だと、小さい頃からやっていることが大事だということですよね。これ非常に大事なポイントだと思います。どのように実現すればいいか、色々と工夫してみたいと思います。ありがとうございました。

参加者12

 大和市に住んでおります。まず、今日スピーカーやっていただいたお二方、良いお話を聞かせていただきました、ありがとうございます。まず、先ほどから色々な方が質問されていたのですが、私は普通の一般県民です。要はそういう活動にも参加していないし、仕事でもそういう関係をしているわけではないので、そういう意味でも良いお話が聞けたかなと思いました。それと今、多文化共生、この言葉を聞いてこれを否定的にとらえる人はほとんどいないかなと思いますが、ただ大多数の人が多分、私レベルの認識だと思うんです。本来これは国レベルでやらなければいけないのですが、まず自分たち日本という国をどういう国に将来していくのか、そのなかで、多くの人が今、言ったような多文化共生、他の民族の人が入ってきて同じ社会で生きていこうじゃないかということは国柄に影響してくると思うのです。今、言ったように国レベルでなければいけないのですが、神奈川県としてそれをどう考えているのかということ。また、私も昔タイにしばらくいて、そのときは自費で学校に行ってタイ語を勉強して、それと先ほど知事がおっしゃいましたけれども、どこの国も良いところ悪いところがあります。それが国柄なので、自分がその国に合わせられるか合わせられないかというのは本人色々あると思うので、何でもかんでも100%、すべての外国人が良い印象を持ってできればというのはなかなか難しいのではないかと思います。

知事

 ありがとうございます。これはまさに多文化共生と言うのは簡単ですが、では実際何なんだと言ったときに、これは私が先ほどから言っている目線というか、自分の目線でものを考えがちなんです。それを相手の目線に置き換えて考えてみるということはとても大事だなと思っていて、自分はこうだけどちょっと立ち止まってみて、あそこにいる人はどんな目線でものを見ているのかなということを思いを致すことがまず大事だなと思っています。この当事者目線という言葉を障害福祉だけでなく全部に広げていこうかなと思っているところです。ありがとうございました。

参加者13

 本日は本校(県立座間総合高等学校)生徒の話を聞いていただいて皆さんありがとうございます。いくつか申し上げたいのですが手短に話をしたいと思います。今日話をしてくれました崔 晶珥さんだけでなく本校には優秀な生徒がたくさんいます。今後日本が多文化共生社会をつくっていく、その担い手となってくれる可能性を持っている生徒がたくさんいます。この優秀な生徒たちが、本人が希望すれば日本に住み続けられる、日本で活躍し続けることができる、そういう社会をつくっていかなければいけないと思っています。そのためには、親世代、大人に対する日本語支援、これは必須だと思っています。親の都合で帰国しなければいけない、そういう状況はぜひ避けたいと思いますので、親の支援に対して行政として手を打っていただきたいというのが一つあります。それから晶珥さんの話の中にも出てきました、本校には国際フェスタという多文化共生社会をつくっていくための大きな行事があります。11月22日に行います。その中で私が望んでいるのは、一方通行の文化紹介の行事であってほしくないと思っています。多文化共生の担い手になるためには、日本人であろうと外国人であろうと、双方の文化を発信して受け取って返す、そういうやりとりがなければいけないと思っています。ですから神奈川県が色々なイベント行事をやっていると思うのですが、一過性のイベントでは共生社会は生まれないと思いますので、双方向の継続的なイベントを考えていただきたいと思っています。それから最後ですが、我々が国際・多文化共生社会というときに、どうしても心の中には労働力の不足を補うなどの気持ちがどこかにあるのではと感じることがあります。そういう気持ちを持っている限り本当の国際・多文化共生社会がつくれないと思っています。人数が多いとか少ないとか、言語が何語であるとか、そういうこととは関係なく対等である。晶珥さんの話の中にあった「同じ社会で生きる人同士」、そういう視点で考えていかないと本当の共生社会は生まれないと思いますし、双方にとってもやさしいと感じられる社会はつくれないと思いますので、ぜひ労働力の不足を補うとか、社会問題の穴埋めをしてくれるなどの存在ではなく、社会をともにつくっていく存在としての外国人、そのための政策をお考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

知事

 ありがとうございます。立派ですね。思いが生徒さんにちゃんと伝わっているというか、生徒さんの思いもまたちゃんと伝わっていると感じました。先ほど総合計画の説明のなかにありましたが、あーすフェスタというイベント。これは色々な国の方が集まられて象の鼻パークで12月3日に実施します。前はあーすぷらざでやっていましたが、今度は象の鼻パークでやります。全部運営は外国籍の皆さんです。外部に色々なゆかりのある方が集まられて実行委員会をつくってやっている、かなり大きなイベントです。こういうのもありますからね。学校ごとにやっていらっしゃる、それも素晴らしいですよね。こういうことがどんどん広がってくるといいですね。それと最後おっしゃったことは非常に大事ですよね。今、労働力不足というのはどこの業界でも聞こえてきます。だから外国人を入れなければいけないという話、どうしても繋がりがちですよね。それは労働力として見ているだけの話であって、それは本当の多文化共生ではないというのは、まさにそのとおりだと思います。本当に貴重なご指摘ありがとうございました。

参加者14

 横浜市に住んでいて、藤沢市の湘南高校から来ました。崔さんとナカさんにも質問として伺いたいのですが、どうしても外国籍の方とは日本語とは全く言語が違うなかで、今おっしゃってくれたように、向こうの方々が日本語を頑張って学ぶというのもありますし、逆にこちら側日本人が外国の言葉を学ぶという視点もあって、そのうえでどちらの方が大事なのかということをまず伺いたいです。また二つ目ですが、どうしても海外の方に対しては、やはり文化が違うのでこういうイメージだなというのがあるのですが、そこをどのように馴染ませていくのか、もしくはそれをどのように思っているのかなという率直なところを聞きたいなと思います。

知事

 崔さんどうですか?崔さんは外国の言葉を勉強しましたけれども、日本人が外国の言葉を勉強する。どうですか?

事例発表者:崔 晶珥氏

 私はそのとき、日本人と話せなかったし在県とも話せなかったですね。全員言語が違ったので。でもみんな高校生活を楽しみたい気持ちが強かったので、どんな方法も使いました。手話といいますか、何か動作で表現したりしました。あと今は、携帯で通訳できるじゃないですか。それで通訳して、時々変な翻訳が出たらみんな一緒に笑ったりして。逆にそれがもっと仲良くなれる機会じゃないかなと思っています。

知事

 なるほど。今の後半にあった文化に馴染んでいくってそういうことを通じてやっていくんですね。はい、ナカさんどうですか。

事例発表者:ナカ アンヘリカ氏

 私は両方大事だと思っていまして、外国人は日本語を覚えると同時に文化のことも覚えるのでとても大事だと思います。逆に、日本の方々も他の言語も覚えていくことによって、もっとグローバルに活躍できるのではないかと思います。

知事

 はい、ありがとうございました。だんだん時間が少なくなってきましたね。はいどうぞ。

参加者15

 ボランティアという立場で話させていただきたいと思っているのですが、要望とかはありません。ただ自分が手を挙げる気持ちになったのは、私も工場に支援で行かせていただいて、言葉の重要性というのを肌で感じました。やはり外国の人に本当に良い生活ができるような言葉を教えたいなということで、大和市の国際化協会の養成講座を受けまして、6年ほどボランティアをやらせていただいております。一人ひとりの幸せになる目標が違いますけれども、やはり同志をどれだけ増やしていけるか、お互いに話し合って通じていくかということが、変わっていく根本かなと思っております。色々なことをやらせてもらって私は喜んでおります。輝いております。そういう意味で、どんどん養成講座をやっていただいて交流していくことが民間交流の一番基礎かなと思っております。以上です。

知事

 とても良いお話ありがとうございました。もう時間がなくなってきました。最後の方いきましょう。はいどうぞ。

参加者16

 厚木市から来ました。私は全然外国と関係ないのですが、先ほども二人から聞いた話で、日本を嫌いになるというのはよくないなと思いました。国籍が違うから小さいときにいじめに遭うと先ほどおっしゃられていましたが、AJAPEなどのコミュニティの中で、メンタルケアも一緒にできたら良いなと思いました。

知事

 はい、ありがとうございました。

 

知事によるまとめ

知事

 色々な多角的な議論が展開されましたが、この会議の特徴、これすごい面白いなと思うのは、現役の高校生と色々な世代の方が多世代交流で議論するという、普通なかなかないですよね。これは面白いところです。高校生がしっかりと意見を言ってくれるから、みんなもすごく議論が白熱してくるという。これが私はもう大好きであります。やはり冒頭のお二人のゲストのスピーチが素晴らしかったですよね。こういう問題点があるとか、こういう視点があるとか、全部出していただいたところから今日非常に活発な議論が行われました。これは私だけでなく県の幹部が全部聞いていますから、必ず宿題として持ち帰って、何らかの形で反映していきたいと思います。それとともに皆さんもお一人お一人が当事者ですから、自分が何をできるかということをぜひ考えて、多文化共生・国際化が増える、そんな神奈川をともにつくっていきたいと思います。今日は長い時間どうもお付き合いいただきましてありがとうござました。

ご意見等への対応状況等

当日皆様からいただいたご意見等への対応状況等を掲載しています。

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電話 046-224-1111 内線2111から2119

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