子ども支援WEB講座(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下での子どもの生活)

掲載日:2020年12月2日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下での子どもの生活

<筆者プロフィール>

原口先生プロフィール写真

原口 光代(はらぐち みつよ)氏

神奈川県立総合療育相談センター 非常勤医師(元 福祉医療部長)

神奈川県立子ども自立生活支援センター 招聘医師

神奈川県児童相談所虐待対策課 非常勤医師

新型コロナウイルス感染症と子どもの生活

原口先生資料1

 

2020年3月にWHO(世界保健機関)がパンデミックと認定した新型コロナウイルス感染症は、いまだ衰えることなく世界を震撼させています。日本では3月に学校が一斉休校となり、4月には緊急事態宣言が発令され、子どもの集団活動は著しく制限されました。

学校行事の中止や縮小、オンライン授業の導入、三密を避け、手指消毒や手洗いの励行、マスクの着用の徹底など、子どもの生活への影響も大人同様、それ以上に大きなものがあります。

一方、知見の集積により分かってきたこともあります。子どもにおける症状は軽症または無症状であることがほとんどで、日本における20歳未満の感染者数は5%以下であり、2020年11月現在で死亡例はありません。

また、子どものPCR陽性者の80%は家庭内の成人からの家族内感染であることも判明しています。

新型コロナウイルス感染症の流行が子どもに与えた影響

原口先生資料2

 

6月以降学校は再開されましたが、学習面でも行事等の活動面でも弊害が生じています。在宅勤務の導入などにより、家族で過ごす時間が増えたことで、家族の絆が強まったり、普段できないような経験ができた等のプラスの面もあった反面、貧困家庭や在宅勤務が困難な家庭では、給食がなくなる、子ども食堂も利用できない、生活の困窮から家庭内の不和が顕在化する等、負の影響が問題になりました。

さらに、高校生のアルバイトや就職が困難になるなど、格差の問題も顕在化ています。また、見えないウイルスに対する不安から精神的に不安定になる児童もいて、感染を恐れて登校できなくなる、強迫的に頻回の手洗いをするようになるなどの症例も報告されています。

障がい児においては、特別支援学校の休校や短期入所の停止など家族の負担が大きく、医療ケアに必要な物品の不足は命にかかわることもあります。人と距離をとり、マスクを着用してのかかわりは乳幼児において言葉や社会性の発達に影響を与えることも危惧されます。

コロナ禍での子どもへのかかわりと支援に必要なこと

原口先生資料3

 

学校が休校中も、家庭訪問や電話などを駆使してかかわりを持つ工夫をした先生方や子ども食堂の運営者もいたと聞きます。感染を恐れて、健康診断や予防接種を遅らせることのないよう、厚生労働省は勧告を出しました。学校行事は縮小しつつも様々な工夫をして実施されるようになってきています。

子どもの発育や発達に必要なことは何かをしっかりみきわめ、ゼロリスクを求めず過剰な制限をしないことが必要です。メディアやSNSの情報を鵜吞みにせず、正しい情報を入手し、冷静な判断をしなければなりません。

子どもは、理解や表現が未熟なために不安が増幅されやすいのです。しっかりと子どもの心を受け止め、安心できるかかわりが求められます。新型コロナウイルスは、誰もが感染する可能性があります。感染者を排除する、責める等の行動は厳に慎むべきで、家族が感染したことでいじめにあうなどあってはならないことです。

いつまで続くかわからないポストコロナの環境においても、規則正しい生活を心がけ、思いやりを忘れずに、子どものQOL(※)を保障できる社会でありたいものです。

 

※QOL…Quality of Lifeの略。『生活の質』のこと。

<参考>
公益財団法人小児医学研究振興財団オンデマンド市民公開講座

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