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更新日:2023年5月25日

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職員の懲戒処分について

2023年05月25日
記者発表資料

1 基本的な処分の考え方

 中井やまゆり園における「事実であれば不適切な支援と思われる情報」として県が把握した91件(注釈)について、改めて関係職員の事情聴取を行うとともに、支援記録等の関係書類を確認した。
 併せて、利用者に対し長時間(8時間以上)居室施錠等の身体拘束を行っていた事案についても、同様に事情聴取等を実施した。
 その結果、事実として認定が可能で、法令違反や職務上の義務違反等が認められた26件について、関係職員の処分を検討した。
 なお、処分の量定については、地方公務員法における平等取扱いの原則や公正原則の規定に基づき、過去の類似事案と比較検討のうえ、決定した。
 (注釈)県が把握した91件:「県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果報告書」(令和4年9月5日)で対象とした91件

2 対象事案

(1) 利用者の飲用水等に異物を混入させた事案
(2) 利用者に噛まれて殴打した事案
(3) 窓を蹴る利用者を足で制止した事案
(4) 利用者に対し威嚇的に指示した事案
(5) 利用者に対し不適切な発言を行った事案
(6) 利用者の後方から腕を持って移動支援をしていた事案
(7) 居室天井が便まみれとなった状態で生活させていた事案
(8) 利用者のあざの確認を共用スペースで行っていた事案
(9) 利用者のあざの確認のため、全裸の写真を撮影していた事案
(10) 排せつ物で汚れた利用者にシャワーをかけて脱衣を促した事案
(11) 利用者の肛門に異物が入っている可能性があったにもかかわらず当日搬送しなかった事案
(12) 利用者に多数回スクワット類似の運動を促した事案
(13) 水が入ったバケツを持って利用者に移動を促した事案
(14) 利用者を長時間歩行させた事案
(15) コーヒーの提供を交換条件として提示した事案
(16) 日中活動に取りかからない利用者に菓子の提供を提示した事案
(17) 居室施錠中の利用者が自傷により負傷した事案
(18) 利用者の食事にオリゴ糖シロップを多量に添加した事案
(19) 利用者の水分摂取促進のため薄めたみそ汁を提供した事案
(20) 利用者の理髪の際に前頭部の頭髪のみ残した事案
(21) トイレの扉がない等の不適切な居住空間で利用者を生活させていた事案
(22) 利用者ともみ合いになり転倒、負傷させた事案
(23) 利用者に対し指差しをして移動を促した事案
(24) 利用者が不適応行動を起こす前に制止していた事案
(25) 適正な手続を経ずに利用者におむつを着用させた事案
(26) 利用者に対し長時間(8時間以上)居室施錠等の身体拘束を行っていた事案

3 処分の概要

(1)地方公務員法上の処分
 ア 処分対象者

 中井やまゆり園長(58歳・男性)

 イ 処分量定

 減給10分の1 3月(根拠法規 地方公務員法第29条)
 注釈 本人責任及び監督責任を併せての量定となる。

 ウ 処分年月日

 令和5年5月25日

 エ 事案概要

 中井やまゆり園長は、令和2年7月14日(火曜日)、所属職員から、園利用者の飲用水に異物が混入されているとの報告を受けたにもかかわらず、適切な措置を講じず、同年11月20日(金曜日)に至るまで、確認されているだけでも、延べ33回にわたり利用者5人の飲用水等に異物が混入され続けるという結果を招いた。(2-(1)事案)
 また、令和2年12月以降、園利用者が大便を居室の天井に投げつける行為を繰り返し行うようになり、職員が清掃するも対応しきれず、園長自らこうした状況を現認していたにも関わらず、適切な措置を講じず、当該利用者に不潔な居室環境の中で長期間にわたり食事、就寝等の生活を送らせた。(2-(7)事案)
 さらに、一部園寮内のトイレに扉がなく、カーテンもない状態等の不適切な居住空間で利用者を生活させていた。(2-(21)事案)
 加えて、令和2年当時、身体拘束の削減に向けた検討が十分に行われることなく長時間(8時間以上)の居室施錠等の身体拘束が行われていた。(2-(26)事案)
 これらのほか、所属職員が利用者に対して不適切な行為を継続的に行い、利用者の良好な入所生活を阻害していたことは、園の事務を掌理し、所属職員を指揮監督する立場にある園長として適切さを欠いていた。(監督責任)

(2)本人責任
区分 地方公務員法 その他 合計
免職 停職 減給 戒告 小計

文書

訓戒

口頭

訓戒

厳重

注意

小計
課長級     1   1        

1

主幹級             2 1 3 3
副主幹級以下             1 3 4 4
合計     1   1   3 4 7 8

 注釈 現在の職位で記載
 注釈 このほか、退職しており処分不能の者4人(量定は、いずれも文書訓戒以下相当)

(3)監督責任

 長期間にわたり不適切な支援が継続するなど、障害福祉行政に対する県民の信用失墜を招いたことを踏まえ、中井やまゆり園の管理監督職員のほか、福祉子どもみらい局の幹部職員についても、監督責任を問うこととする。

 

処分内容
国際文化観光局長(令和元年度福祉子どもみらい局長) 文書訓戒
福祉子どもみらい局長 文書訓戒
共生担当局長 口頭訓戒
福祉子どもみらい局副局長 口頭訓戒
企業局長(令和元年度福祉子どもみらい局福祉部長) 口頭訓戒
福祉子どもみらい局福祉部長 口頭訓戒
福祉子どもみらい局生活困窮者対策担当部長
(令和元年度福祉子どもみらい局福祉部障害サービス課長)
口頭訓戒
福祉子どもみらい局福祉部障害サービス課長 口頭訓戒
福祉子どもみらい局福祉部県立障害者施設指導担当課長

口頭訓戒

中井やまゆり園長 減給10分の1 3月 注釈 再掲
中央児童相談所長(平成29年度中井やまゆり園長) 文書訓戒
総合防災センター副所長
(平成30年度中井やまゆり園副園長)
文書訓戒
中井やまゆり園副園長 文書訓戒
小田原保健福祉事務所足柄上センター生活福祉課長
(平成28、29年度中井やまゆり園生活支援部長)
文書訓戒
厚木児童相談所長
(平成30年度中井やまゆり園生活支援部長)
文書訓戒
中井やまゆり園生活支援部長 文書訓戒

 注釈 このほか、退職しており処分不能の者4人(量定は、いずれも文書訓戒以下相当)

4 特別職の監督責任等

(1)知 事

 令和5年第2回定例会に、給料の減額のための条例改正を提案予定

(2)副知事

 知事の監督責任等を踏まえ給料の自主返納を検討

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