更新日:2023年7月12日

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県営水道のあゆみ

県営水道のあゆみ

湘南水道の創設

県営水道は昭和8年に平塚、鎌倉、逗子、葉山、大磯等湘南地方の1市9町を給水区域として創設しましたが、その背景は次のようなことでした。当時湘南地方は自然的、社会的条件に恵まれ早くから住宅地、観光地、保養地として発展し、これに伴って水需要が増加しました。しかし、この地方には民間会社経営の水道があるだけで、大部分の地域は井戸水を飲用していたため、飲料水の水質不良や水量不足で、非常に困窮している状態でありました。

このため上水道布設の必要性が強く叫ばれました。上水道は本来、市町村で経営することが建前であることから、各市町村ごとに水道布設の計画をもちましたが、地勢的にも付近に適当な水源地がなく、また単独で水道事業を経営することは、財政上困難であったため、地元市町村から県に県営上水道事業実現化の要望がありました。

神奈川県水道事業事務所写真

神奈川県水道事業事務所

そこで、県は、すでにこの地域で水道を布設し営業していた湘南水道株式会社の施設を買収するとともに、昭和8年4月1日新規水源を相模川下流の寒川地区に求め、我が国最初の広域水道としての県営水道を設置しました。

相模原水道の創設

相模原地方は当時、農業地帯でしたが、時勢の発展に伴って開発され、道路、鉄道等の交通施設も次第に発達してきました。
その後、この地方に工場、住宅の進出が予想され、急激に都市化されることが必至となりました。県はこの事態に対処するため、昭和14年から昭和20年にわたる相模原都市建設区画整理事業を計画しました。

一方、この地方における用水事情は地域全般に地下水位が低いことから水利に恵まれず、住民は早くから相模川利水を要望していましたが、昭和13年県議会で相模川河水統制事業が議決され、相模川利水が実現することになりました。

時を同じくして県は区画整理事業とともに、相模原都市建設上水道事業を実施することになりました。

このように相模原地方の発展に重大な役割を果たすことになった水道事業は、水源を相模川上流の川尻地区(現相模原市緑区谷ヶ原)に求め、昭和15年3月建設工事に着手、昭和17年8月給水を開始しました。

谷ケ原浄水場建設工事写真

谷ケ原浄水場建設工事

この後、河水統制事業により相模ダムが建設され、これを主水源としました。

昭和27年10月、地方公営企業法の施行を契機に従来の湘南、相模原両水道事業は合併され、神奈川県企業庁水道局として発足し、現在に至るまでひとつの事業体で経営されることになりました。

企業庁発足後の水道事業は合理的な経営を進めるとともに、年々増加する水需要に対処するため、第4次から第8次までの拡張事業を相次いで完了し、昭和58年度から第1期、第2期の施設拡充事業を行い、平成4年度からは平成12年を目標年次とする第9次拡張事業を行いました。

この間、昭和28年度に大和、二宮、伊勢原、海老名、厚木地区など、昭和29年に箱根地区を、その後も年々給水区域を拡大し、平成22年4月1日には12市6町を給水区域とし、給水区域面積808.57km3、給水人口約2,769,844人、一日最大送水量1,110,079m3の大規模水道に発展しています。

※なお、平成18年4月からの企業庁組織再編により、従来の企業庁水道局は、その後の再編で企業庁企業局になっています。

 

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