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更新日:2024年1月31日

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海外駐在員の活動レポート(2023年1月・北米事務所)

海外駐在員の活動レポート(2023年1月・北米事務所)

メキシコの小さな巨人・アグアスカリエンテス州

 メキシコ経済省によれば、同国の2022年1~9月の対内直接投資額(速報値)は321億4,740万ドルで前年同時期と比べ29.5%増加し、1999年以来、最も高くなった。こうしたメキシコへの対内直接投資を勢いづける要因として、パンデミックによって発生したサプライチェーンの分断による米国市場を見据えたニアショアリング(既存の事業拠点から地理的に近い近隣国に事業を移転すること。)の流れが、投資や意向を後押しする1つの要因と分析する声があるようだ。
 今回は、このメキシコにおいて、2014年10月に神奈川県と経済交流に関する覚書を締結したアグアスカリエンテス州の投資環境について紹介したい。
 アグアスカリエンテス州は面積が5,618㎢と国内で4番目に小さく、人口も約150万人と少ないが、メキシコ随一の産業集積を誇るメキシコ高原の盆地地域・バヒオ地区に位置しており、海外企業の投資先として注目を集めている。特に、メキシコでの自動車販売シェア第1位(2021年)を誇る日産自動車が1983年から同州で操業を開始しており、自動車関連産業の集積が著しい。州政府によれば、国別の対内直接投資割合(2017~2020年)は日本からの投資が60%を超えており、100社を超える日系企業が進出している。
 また、同州は投資環境の1番の魅力として安全性を挙げている。2022年10月に新知事に就任したマリア・テレサ・ヒメネス・エスキベル州知事の就任演説で「治安の維持改善・司法尊重」を柱の1つとして掲げ、国内での安全性1位(現在は国内3位)を目指して州内の警備・監視体制を強化している。残念ながらメキシコ国内では、駐在員が強盗に襲われるケースがあるため、メキシコにおいて海外からの投資獲得のためにも、安全性は重要な要素と考えられている。
 最後に、メキシコ政府では、「メキシコの気候変動対応10か条」(2022年6月21日発表)において、2030年までに自動車生産の50%をゼロエミッション車両にすることを目標に掲げており、北米市場を見据えた産業集積が一層進む可能性がある。今後もメキシコの動向を注視するとともに、この機を捉えてメキシコへの投資を検討する県内企業を支援していきたい。

 

 

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