更新日:2026年9月7日
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令和8年度ビッグレスキューかながわ(令和8年度神奈川県・厚木市合同総合防災訓練)において、高齢者施設で実施した訓練について報告します。
令和8年度ビッグレスキューかながわ(別ウィンドウで開きます)は、県と厚木市が防災、保健、医療、福祉の関係機関などと協力して実施する、実践的な総合防災訓練です。
今回、ビッグレスキューかながわの「災害拠点病院等支援訓練」の一環として、神奈川DMAT(災害派遣医療チーム)による高齢者施設の支援訓練を実施しました。
令和8年9月1日(火曜日)9時00分~12時00分
社会福祉法人聖和むつみ会特別養護老人ホームメイサムホール・メイサムフレール
保健医療福祉活動における関係機関の連携を強化し、各機関の役割を確認するとともに、既存の各種関係計画における各支援チームの派遣体制及び手順を確認し、派遣実施の実効性向上を図る。 また、高齢者施設におけるDMATの受け入れを体験し、受援イメージをつかむ。
県内で大規模地震が発生し、各病院のDMATが厚木市内の活動拠点本部に到着。その後、活動拠点本部の指令を受けて、各病院のDMATが、安否確認ができない地域の大きな福祉施設を訪問して支援を行うことになり、9月1日午前、特別養護老人ホームメイサムホール・メイサムフレールを訪問したという設定で、訓練を開始しました。
なお今回は特別養護老人ホームメイサムホール・メイサムフレールが道路を挟む形で、一体的に運営がされていることから、DMATは両施設に対して支援を行う想定とし、訓練を実施しました。

DMATはそれぞれの病院の車で施設に到着後、施設長に挨拶を行い、活動内容について説明し了承を得てから、役割分担をして活動を開始しました。

施設の協力を得て、施設内の一角に、DMATの活動指揮所を設置する場所を確保しました。その後、指揮所のレイアウトの設営、衛星電話等の通信の確立、上位本部への報告を行いました。そしてクロノロジー(記録)、TODOリスト、組織図の作成や、全体ミーティングを行い、方針決定を行いました。

施設内の災害対策本部にて、DMATと施設職員で、施設の被災状況の報告、課題整理を行い、被災した施設でサービスの提供を継続できるのかサービス提供を継続するための方策について検討を行いました。

DMATが、施設職員の協力の下、メイサムホール・メイサムフレールの2施設の利用者一覧の作成、被災利用者役に対する診察、トリアージを行いました。
今回の訓練では、赤タグと言われる緊急治療や直ちに病院搬送が望ましい状態の利用者はいませんでしたが、赤タグの次に優先される、直ちに生命の危険はないものの、放置すれば状態が悪化する可能性がある黄タグ相当の、外傷や発熱などの利用者は複数人いました。
そして在宅酸素・経管栄養・薬などの残量不足、停電によるエレベーターの停止、利用者の不穏状態の発生といった状況の中、支援の継続に向けて、何を優先して行うか、DMATと施設職員で相談をしながら、検討しました。

訓練後、参加者による振り返りを行いました。
DMATのプレイヤーからは「現状把握と課題分析はできたが、その後上位本部に何を具体に頼むか考えることが難しかった」「病院の場合は移送の判断を行うが、社会福祉施設の場合にはどのように判断するか難しかった」「普段は病院で患者の方に在宅酸素を持って帰ってもらう側だったが、持って帰った後の生活をイメージする必要があった」「施設職員も被災しているという認識や、ライフラインなどが復旧し、時間が経過したあと、元の体制に戻すという視点も持つ必要があった」との感想がありました。
訓練を見学した厚木市内の特別養護老人ホームの皆さまからは、「自分たちの施設に置き換えて考える必要がある」「初めは、利用者を1つの場所に集めることが正しいと思ったが、訓練を見ていて実際にそれが正しいのかどうか悩ましかった。災害時にも施設・支援者側の視点を中心に考えるのではなく、ご利用者中心に考える必要があると思った」との感想がありました。
そして特別養護老人ホームメイサムホール・メイサムフレール鳥沢施設長から、施設の利用者の平均年齢や利用者像、医療的ケアの提供状況、看取りの実施状況、平時の医療との連携や防災の取組についてご説明をいただき、社会福祉施設についての理解を深めました。最後に参加者全員で集合写真を撮影し、訓練を終了しました。

訓練終了後には、本日のDMATコントローラーで、令和8年熊本地震で現地にて支援活動を行った平田医師から日本赤十字社救護班としての避難所での支援について、野々下看護師からDMATコーディネーションチームとしての病院支援についての報告が行われました。その後、施設内を見学し、ご利用者の生活の様子や食事場面、居室や浴室、トイレなどの生活環境の見学を行いました。

今年度、厚木市でビッグレスキューかながわが開催されるにあたり、神奈川県から県高齢者施設協議会厚木・愛甲地区福祉施設協議会に、訓練の協力依頼がありました。同協議会で、複数の施設から訓練の実施希望があがった中で、当施設で訓練を実施させていただけることになりました。
これまでも、施設内では防災対策委員会を設置し、業務継続計画(BCP)の作成、避難訓練、避難所運営ゲーム(HUG)の実施といった取組を行っていましたが、自分たちだけで対応しようと思っていました。
今回の訓練を通じて、災害時にはDMATという支援チームが活動し、数日後から1週間後にはDMATなどに支援に来てもらえること、DMATが医療の提供だけでなく、施設の業務継続のための支援も行ってくれることが、分かりました。
今後は、災害時に外部の方々に支援に入ってもらう「受援」も想定した準備を進めていかなければいけない。そのために、支援に来ていただいた方々に、必要な情報を効率的に伝えられるよう、自分たち施設の側が、準備をしておくことも必要だと思いました。

昨年度、「ビックレスキューかながわ」として、初めてDMATによる高齢者施設の支援訓練を実施しました。今年度は、昨年度よりも、DMATの参加チーム数、参加者数も増えて、新たに被災した利用者役の診察なども実施しました。昨年よりもさらに「実際はどうなるのか」を体感できるような訓練にできたのではないかと感じています。
訓練は、企画する側とプレイヤーの双方に目的への理解があり、より良いものにしようと積極的に関わってこそ、意味のあるものになると思っています。今回は、メイサムホール・メイサムフレールの皆様に本当に快くご協力いただき、皆様と一緒に作り上げることができたからこそ、充実した訓練になったのだと感じています。
今後もより良い連携が構築できるよう、取り組んでいければと考えています。
令和7年度ビッグレスキューかながわ(令和7年度神奈川県・三浦市合同総合防災訓練)での高齢者施設支援訓練
災害福祉グループ
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