キャベツウニについて

掲載日:2021年5月13日

キャベツウニとは

 近年、沿岸漁場から海藻類が無くなる「磯焼け」が全国的に発生しています。神奈川県でも三浦半島を中心に発生が確認され、海藻を餌とするサザエやアワビなどの減少が問題となっています。本県の磯焼けの原因生物は植食生魚類のアイゴ、ガンガゼやムラサキウニです。このムラサキウニも磯焼けのため餌が足りず、身が痩せて食用に向きませんが、海藻の代わりに三浦特産のキャベツを与えて、短期間の養殖を行うことで美味しいムラサキウニにしたのが「キャベツウニ」です。
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動画「キャベツウニ」に色々と食べさせてみた

研究の経緯

 研究のきっかけは、磯焼け対策で駆除されるムラサキウニは大きく、身(生殖巣)さえ入れば利用できること、そして何でも食べる雑食性であることでした。ダイコンやブロッコリー、マグロなど26種類の食材をウニに与えたところ、殆どの食材を食べましたが、特に葉物野菜が好きなようでした。
 本県のムラサキウニは、4月から6月にかけて餌を食べて身を太らせますが、ちょうど三浦半島では春キャベツの生産をしています。大きくなり過ぎたりした流通規格外品のキャベツを餌にして、ムラサキウニを4月から6月の3か月間ほど養殖すると、1匹当たりキャベツ1玉を食べて、身入り率が10%程度となり、販売できるまで成長しました。

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味の評価

 キャベツだけを与えて育ったムラサキウニは、甘みが強く、苦みが殆どなくなります。そして海藻由来の磯臭さがないことから、ウニが苦手な方でもおいしく食べられます。また、加熱すると独特の粘りが出てパスタに絡みやすいなど、試食会した飲食店からはすぐにでも使いたいとの声も頂きました。
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県内での取り組み例

 漁業者や漁協、水産関係者による試験的な養殖が2018年から行われ、品質も生産量も少しずつ向上しています。また、餌となるキャベツを地元の農家やスーパーから提供してもらうなど、地域ブランドとしての取り組みも進められています。また、水産関係以外の異業種からのウニ養殖の要望も多く、新たなビジネスとして始められています。

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今後の課題

 3月から4月に採捕したムラサキウニは、身が黒褐色で痩せていることがあり、そのまま育てても身が鮮やかな黄色にならず、味も苦くなります。これはエサ不足によりウニが不健康な状態であるためと考えられます。
 そこで、健康な状態に戻すために体質改善の餌料を与え、その後に太らせるためにキャベツを与えると、身の色と味が改善されることが分かってきました。他にも温度変化や太陽の光にも弱いこと、アンモニアを多く排出することが分かってきました。今後もウニの生理生態の解明とともに、より効率的な養殖手法を開発していきます。



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