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更新日:2024年12月26日
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横浜市の「NPO法人HpRun」を取材した「かにゃさんぽ」の記事です。
かにゃお
今日はスポーツの振興と子どもの健全育成のため、スポーツと環境保全を関連付けたイベントやスポーツクラブの運営などを行っている横浜市の NPO 法人 HpRun の活動を取材するよ!こんにちは!
細川さん・諏訪さん・奈良脇さん
かにゃお、こんにちは!僕たちは同じ学校に通っている中学生と高校生で活動している団体です。よろしくお願いします。
かにゃお
学校に通いながら活動しているなんてすごいにゃ!さっそくだけど活動を始めたきっかけを教えてほしいにゃ。
細川さん
きっかけは二つあって、一つは、僕たちの団体の多くのメンバーが同じ学校の陸上部に所属しているのですが、部活動以外のときにランニングで旅をする「旅ラン」を行っていました。学校のある湘南エリアには「なぎさの体験学習館」といって、湘南海岸の環境について学べる施設があるのですが、そこで見つけた環境課題について、旅ランを通して意識するようになりました。そうして、浜辺のごみを拾いながらランニングをするなど、スポーツを通して環境問題に触れるような活動が始まりました。
部員の仲間だけで始めた活動だったので、もっと広められたらといいなと思い、 またスポーツは気軽に取り組みやすいものなので、環境問題とつなげることで、 環境保全などもより身近に感じてもらえるのではないかと考え、団体を立ち上げ、そのステップアップとして法人化しました。
かにゃお
環境問題は難しそうだけど、スポーツを通じて関わることができると気軽に取り組みやすいと思うにゃ!
細川さん
考えて環境問題を知るのではなくて、日常の中で感じる環境問題にスポーツを通じて取り組んでもらいたいと思っています。
かにゃお
なるほどにゃ!もう一つのきっかけを教えてほしいにゃ。
細川さん
もう一つは、スポーツの中には、競技によっては怪我をすると競技人生が終わってしまうというものもあり、僕自身小さな怪我が多く競技に取り組めなかったという経験をしたので、怪我をしない楽しい身近なスポーツを広められたらと思い、まずは子どもが気軽に参加できる身近なスポーツの機会を提供したいと思ったからです。
(取材中だよ)
かにゃお
なるほど~。法人の立ち上げは自分たちで行ったの?
細川さん
法人設立の書類作成などは、チャレンジしてみたくて大人に頼らず高校生と中学生だけで行ったので、想像以上に大変でした。
かにゃお
学生さんだけで法人設立の書類作成までやっているなんてすごいにゃ・・・大変だったよね。今の活動で力をいれて取り組んでいることを教えてにゃ。
細川さん
今力を入れて取り組んでいることは二つあって、一つはスポーツを身近に楽しめる機会を提供するための、スポーツクラブの運営です。スポ―ツクラブとは言いますが、陸上競技やランニングをメインにしていて、気軽に身体を動かしてみよう、というものです。 もう一つは環境保全とスポーツを関連付けたイベントの実施です。いくつか種類があるんですが、例を二つあげると、一つが SUP といって、立ち漕ぎのサーフィンのようなものなのですが、海面に浮かぶボードのうえに立つと、普段と違う見え方で海を見るので、海や浜辺に多くのごみが捨てられていることに気づきます。そこで、SUP の後には海岸にあるごみを拾うなどの環境保全活動を組み合わせています。
(HpRun さんより提供、ランニングの様子。)
細川さん
もう一つは、ネイチャークエストといって、公園などで身体を動かして環境に関連するチャレンジに取り組むイベントを行っています。例えば、「なぜ公園で鳩やカラスに餌をあげてはいけないのかな?」や「サイクリングで広場を1周してみよう」といったミッションをいくつも設定し、クリアするために公園の中を周ってもらいます。
(HpRun さんより提供、ネイチャークエストの様子だよ。)
かにゃお
へぇ~、ミッションをクリアすることで身体を動かしながら環境についても学べるなんてとってもいいイベントだにゃ!公園でのミッションは自分たちで考えているの?
細川さん
そうですね、公園内の立て看板などを見ながらメンバーと3時間くらいかけて考えて作っています。
かにゃお
ネイチャークエストには、どういう人が参加しているの?
細川さん
活動をしているのが中高生なので、参加者も同じぐらいの若い年代が多く、あとはさらに少し下の年代で小学生です。小学生が参加する場合は、保護者の方も一緒に参加してくださるので、少しずつ多世代交流が進んで、参加者の世代の幅も広がっています。また、ミッションのなかで、公園の利用方法やマナーを学ぶことで、公園の利用状況も良くなりますし、それによって参加者の方も気づかないうちに街づくりに貢献できていると思います。
かにゃお
ゲーム感覚で楽しみながら学びもあって、街づくりにも貢献できて良いこと尽くめだにゃ。ちなみに、ネイチャークエストを公園でやっているのはどうしてかな?
細川さん
私たちのように中高生になると、もう公園では遊ばなくなりますし、公園にいる小学生でさえスマホやカードゲームをしていて、公園で遊ぶことが減ってきているので、公園での遊び方の新たな提案をして、公園の魅力をアップさせたいと思っています。また、公園だと活動を知らない方も、気軽に声を掛けやすいというのもメリットかなと思います。
かにゃお
なるほど、公園の魅力を向上させながら、団体の活動に参加する人の幅も広がっているんだ。それでは、これまでの活動で楽しかったことはあるかにゃ?
諏訪さん
ネイチャークエストは、ポイント制なので点数が貯まっていくのが楽しいです。クエストに答えられるように、普段遊んでいても見逃している史跡にまつわる看板や公園の利用上の案内などもよく見るようになります。クエストが終わるとポイントが貯まっているうえに、いつもの公園を違う目線で見ることで、色んな気づきを得て勉強にもなるので、やりがいのようなものも感じられます。
奈良脇さん
普通の SUP は一人が一つのボードに乗るんですが、イベントで複数で一つのボードに乗るBIGSUP をやって、それがすごく楽しかったです。その時は8人で乗ったのですが、ひとりが揺らすと全員が落ちてしまったりして、大人数で体験・経験を共有できるのがすごく良かったです。 また、楽しいのと一緒に、ごみの多さにも気付くことができて、なんでこんなに たくさんのごみがあるんだろうと考えるきっかけにもなりました。ごみの中には、換気扇や船、バイク、注射器など、想像を超えたものもあります。
(HpRun さんより提供、BIG SUP の様子だよ。)
かにゃお
大きなものや重いもの、手で触れるには危ないものも流れてくるんだにゃ。
細川さん
特に海水浴場ではない浜辺だと、ごみが流れ着いてごみ溜めのようになっているところもありますね。以前、別の団体が実施している海岸のごみ拾いの活動に参加させていただいたんですが、たった一時間で大量のごみが集まりました。
かにゃお
浜辺のごみってそんなに多いんだね・・・知らなかったにゃ。
細川さん
そこで、来年度は、地域の学校と協働して、特に海洋学習に力を入れたいと考えています。浜辺のビーチクリーンで集めたごみの中から、シーグラスなどのアートに活用できるものを取り出して、海洋アートを楽しんでもらいます。海の新しい楽しみ方や、ごみをごみで終わらせないという視点を育んで、その後そもそもごみを出さないためにはどうすれば良いかを考えてもらいます。すでに海に関する課題解決の活動を進めている他の団体とも協力して、進めていきたいです。
かにゃお
ごみをごみで終わらせないというのは、とってもいい視点だと思うにゃ。学校のなかだけでなく、地域と協働してというのは、何かきっかけがあったのかな?
細川さん
私たちの学校では、生徒が色んな自主的な活動をする仕組みがあって、生徒が主体的に見つけた課題について解決方法を考えたりしています。その中で、今はごみ問題を考える活動をしている団体と一緒にイベントを企画したり開催したりしていて、活動がまだ校内に留まっているのですが、今後は学校を超えて色んな人と繋がって、広げていきたいからです。
かにゃお
これまで、今の活動内容を中心にお話を聞かせてもらったけど、今後取り組んでみたいことを教えてにゃ。
細川さん
今後は、「地域運動部活動プロジェクト」と「シューズ・リユースプロジェクト」 の2つを主にやりたいと思っています。 「地域運動部活動プロジェクト」の目的は、運動部活動を受け入れる体制の整備や学校との連携を図り、受け皿になることです。部活動の地域移行を進めているなかで、受け皿がいない、指導者がいないなどの様々な課題があり、その課題解決のために活動したいです。具体的には、来年度は総合型地域スポーツクラブとして申請をしつつ、まだ年齢的な問題で取得できていない公認指導者資格の取得などを目指しています。 僕が公認指導者資格を取得することで、他に将来指導者を目指している人に、指導者の道もあるよということを示していきたいです。
かにゃお
部活動の地域移行するための受け皿は絶対必要になってくるよね。
細川さん
また、関連して、利用できる公園やスポーツ施設を増やしていきたいと考えています。個人では利用できるが、団体では利用できない公園やスポーツ施設があり、課題と感じています。 費用面で利用できない場合もありますが、理由なく利用を限定している場合も あるので、団体として、公園の管理者である市や指定管理者に働きかけ、利用できる施設を増やしていきたいです。
かにゃお
普段気軽にスポーツをしたり、身近で自然に触れられる機会がある場所が公園だと思うから、利用できる公園が増えるといいよね。
細川さん
次に、今後取り組んでみたいことの二つ目は、まだ構想中の段階ですが、「シューズ・リユースプロジェクト」です。このプロジェクトでは、学校やスポーツ施設から不要になった靴を回収し、途上国に届けることを目指しています。
かにゃお
「シューズ・リユースプロジェクト」を始めたいと思ったきっかけを教えてほしいにゃ。
細川さん
スポーツ、特に陸上競技をやっていると、まだ履けるけど競技では履けなくなるシューズがあって、僕自身も自宅に20足もあるんですね。これが、陸上競技場に行くと、利用者毎に大量のシューズが履けなくなって無駄になってしまっています。競技では履けなくても、普段使いではまだ履ける靴が、スポーツ施設や 学校に大量にあるので、そうした場所に回収ボックスを設置して、回収したシューズを途上国を含む海外に送るという活動になります。
かにゃお
海外というとどこの国に送ることを考えているの?
細川さん
タイやフィンランドに靴を送っている団体がいくつかあるので、それらの団体を参考に考えていますが、具体的に海外の方とはまだ繋がることができていないので、今後横浜市市民協働推進センターなども活用させていただきながら決めていきたいです。
かにゃお
これからの活動が楽しみだけど、今困っていることや課題に感じていることはあるかな?
細川さん
人を集めることと、予算面が大変だと感じています。来年度は補助金申請や広報活動にもより一層注力したいと思います。
かにゃお
皆さんのような社会貢献に取り組んでいる学生さんを応援したい人はたくさんいると思うにゃ。最後に今後の抱負を教えてにゃ!
細川さん
若者という立場から、社会貢献活動とスポーツの振興をしていきたいです。僕たちの活動によってスポーツの振興や子どもの健全育成、環境保全活動を行って、結果的に市民活動の発展にも寄与できたらと思います。
かにゃお
ぜひ、これからも、学生・若者ならではの斬新なアイデアで、新たな取組にトライして活動を広げてほしいにゃ~。ぼくも応援しているにゃ。3人とも、今日は、素敵なお話を聞かせてくれてありがとにゃ!
細川さん・諏訪さん・奈良脇さん
こちらこそ、ありがとうございました!
(HpRunのメンバーとぼく。今日はありがとにゃ。)
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