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初期公開日:2025年5月23日更新日:2025年7月2日

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「緊急シンポジウム~当事者目線のストーカー被害防止を考える~」開催結果

県は、川崎市の事件を受け、ストーカー被害やDV被害にあわれている方々への支援について、当事者の目線に立ち、どのようなことができるのか、どういったことが課題なのか、県民の皆さんとともに考えるため、緊急のシンポジウムを開催しました。

開催概要

日時

令和7年6月6日(金曜日)18時30分から20時00分

場所

神奈川県庁 本庁舎3階 大会議場(横浜市中区日本大通1)

テーマ

当事者目線のストーカー被害防止を考える

内容

ストーカーやDV被害者への支援について現状と課題、課題解決に向けた方策などについて、県民の皆さんとともに検討しました。

登壇者

  • 黒岩 祐治 [知事]
  • 野口 杏子 氏[弁護士]
  • 菊池 操 氏[公益社団法人アマヤドリ代表理事]
  • 大石 雅之 氏[大石クリニック院長]
  • 吉川 祐二 氏[元・警視庁刑事]

参加者数

  • 137名(会場参加者)
  • 128名(LIVE配信参加者)

意見交換概要

(参加者の個別事案に関する内容は、個人情報保護の観点から省略しています)

相談/被害者の思いについて

  • 相談者は、どこに相談したらいいか、何を言ったらいいかでためらう。
  • どの窓⼝に相談すれば、どんなことをしてもらえるのか、知ることが必要。義務教育で取り上げたり、デパートのトイレなどでの周知もよいのではないか。
  • 相談は勇気がいること。⾃分でも⾔いたくない話なので、思い出し、⾔いながら傷ついている。相談してくれたことの勇気に敬意を払って、⽀援する側、される側だけでなく、⼀⼈ひとりを⼤切にすることが重要。
  • ストーカー事案は警察に相談するのが⼀番。被害に遭った⽅は、⼼⾝ともに疲れている。⾃分の本当の考えも出てこない。そこで弁護⼠や⽀援者、その⽅に相談して、⼀緒に警察に相談に⾏く。ほかの⼈にも相談しながら、警察に相談へいくのが⼤事。
  • 警察への相談は、「証拠がないと動けない」という回答をされることがあると聞く。警察への伝え⽅について、法律家の助⾔などを受けるのは有効。

加害者について

  • 加害者は⾃分がストーカーをしていると⾃覚がないことが多い。男⼥のもつれでかっとなるタイプは、本⼈も⼤きな事件を起こすつもりがないが、条件がそろったときに事件となってしまう。
  • DVやストーカーはけんかや揉め事ではなく、⽀配の構造によるもの。対等な関係性ではなく、どちらか⼀⽅の⽀配構造になっていて、それが被害という形になる。

連携について

  • ⽀援機関や専⾨家が、相談者の課題を全部解決することは、難しいことも多々ある。1機関1団体でやろうというのでなく,適切な専⾨機関だったり、⾏政の別の窓⼝、医療機関、弁護⼠など、確実に1つではなく、複数つながっている先が必要。
  • 相談先の紹介だけでは、⾒放されてしまった、たらい回しされた、と特に若年層では感じることがある。また⾟かった話を何度もするのは、被害者にはとても負担。⽀援の連携の狭間をなくして、情報を本⼈の承諾のもと共有すること。何度も何度も同じ⾟かった話をしなくて済むように、⽀援する側が⼿を組んで連携すべきだと感じている。
  • 警察をどう動かすか考えることも必要。警察だけでなく⽀援者、弁護⼠等にも相談をすること。そしてタイアップすること。これも⼤きな連携になる。
  • 誰か1⼈や1つの機関が責任を負うのでなく、社会全体で⽀援の仕組みをつくること。それくらい1つの命に尊いものがあって、⽀えないといけない
  • 捜査権は警察と検察にしかない。ストーカー事案は警察が中⼼となって、各機関と連携を組んで⾏うことがよい。

支援等について

  • ⼀時保護は良い制度ではあるが、これは被害者の⽅が逃げる⽅法。加害者は元の⽣活を送りつつ、被害者は従前の⽣活を断ち切り、新しい⽣活に⼊る。それが⼀番いい⽅法と思えないことがある。
  • 携帯電話も何もなく、それで元の⽣活で関わっていた⼈とも連絡が取れなくなってしまうのは⾮常に勇気が要ること。もう少し、いろいろな段階の保護の⽅法があればと思う。
  • ⼥性相談⽀援員は⾮常に熱⼼だが、業務に忙しく、人員が⾜りていないのではと感じることがあるので、体制の拡充が必要ではないか。

総括(知事より)

  • ストーカー被害にあっている⽅が、まずは警察に相談するのが⼀番早いかとも思うが、ハードルが⾼い⼈には、県にも相談窓⼝がある。どこに相談をしても、それがつながるようなワンストップの仕組みが必要だ。同じつらいことを何度も⾔わなくてはいけないとか、どこに⾏っても冷たくあしらわれることがないように、神奈川県の中でモデルをつくりたい。

アンケート結果(回答者数84名)

  • アマヤドリの菊池さんのお話が印象的でした。「勇気を持って相談してくれた⽅に敬意を」という⾔葉は相談⽀援に携わる⽅が⼼にきざむべきと思いました。
  • ストーカー等に関し、警察は求められる事をしっかりとやるのはもちろんだが、警察のみならず、支援機関同⼠の連携を図るのが⼤切だと感じた。
  • 多くの⽅が県の相談窓⼝を知らない現状を踏まえ、相談機関の周知が必要だと感じた。
  • ⼥性相談⽀援員を増やし、幅広い相談に対応する、⼥性相談⽀援員の労働条件を向上させることが必要。
  • 相談窓⼝の認知度向上も必要だが、相談窓⼝をたずねる⼼理的ハードルを低くすることも重要ではと思う。
  • 犯罪の種類等を周知する、学校等で教える事も重要かと思う。また、相談窓⼝の場所も合せて周知する必要があると思う。被害の状況を記録する⽅法・⼿段も周知してほしい。

 

 困難な問題を抱える女性及びDV被害者への支援

 

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