更新日:2025年9月2日
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第12期第4回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その2)
<事務局>
資料4-1、4-2の基づき、説明。
<白河会長>
ありがとうございました。今回はこの議事を進行する資料がすごくたくさんありますので、皆さん工夫して、大変わかりやすいようにしていただきましたことを感謝しております。
それでは、評価案についてのご説明がありましたが、まずは挙手いただいて積極的にご意見をいただき、そして何人かのご意見をいただいてからまとめてということにしたいと思います。この議事全体が、もう時間がないのですがよろしくお願いいたします。私の進行がうまく行かなくてすみません。
それでは武井委員お願いいたします。
<武井委員>
お時間いただきありがとうございます。全体評価のところで二点ほど確認ですけれども、各重点目標で、それぞれ1番と2番と4番がC評価をされている中で、全体的な評価をBとされているところが少し気になる点が一つあります。あと、全体評価の中の評価した理由の中に、最初の丸のところで、女性やDV被害者を取りこぼさないよう共同して支援を行うことが必要というところの「取りこぼさないように」というところの表現がちょっと気になりましたので、このあたりについては、困難な問題を抱える女性の支援に関する法律の中の基本理念にあります「早期から切れ目なく支援が実施されるよう」とか、ちょっと表現を変えた方がいいのかなと思いました。「取りこぼす」っていうところの表現が少し気になりました点と、あと、全体評価が各重点目標の個別評価の吊り上げを考えると、Bでいいのかなっていうところが少し気になりました。以上です。
<白河会長>
はい、ありがとうございます。貴重なご意見ですね。取りこぼす。確かに、はい、それでは皆様いかがでしょうか。他にいくつかご意見いただいてから、事務局からお願いします。
<大湖委員>
重点目標1が全体評価Cとのことですが、私自身の勉強不足もあり、少し理解が追いついていない部分がありました。提示されているKPI上の評価を見た限りでは、最終的な全体評価がCとされているように見受けられます。その中で、重点目標1に関しては「連携を深める」などの取り組みが示されており、これはこれで重要な課題であると感じました。
ただ、プロセスKPIと全体評価との関係性について、少しイメージがしづらい部分があり、疑問に思った次第です。これは特に回答を求めるものではなく、あくまで一つの意見として申し添えさせていただきます。
<白河会長>
はい、ありがとうございました。全体評価についてのご意見でした。それでは他にありますか。いかがでしょう。
<白河会長>
では湯澤委員、井上委員の順番でお願いいたします。武井委員はこれ手が下りてないだけですかね。では湯澤委員からお願いいたします。
<湯澤委員>
はい、取りまとめありがとうございました。目標1ですけれども、やはり支援調整会議の設置市町村数、基本計画の策定市町村数がやはりまだまだ少ないというのが厳しい実態かと思います。
このあたり、積極的に後押しということで書かれておりますけれども、DVの方の策定が32自治体あるという中で、DVの計画と一体的に進めるとか何か工夫しながら、もう少し迅速に策定数、とりわけ基本計画。市町村が動かないとやはり相談が届かないということになりますので、何か働きかけの工夫などありましたら教えていただければと思います。
はい。以上です。
<白河会長>
はい、ありがとうございます。では井上委員まで伺ってから、事務局のご説明、ご回答に。
はい、お願いします。
<井上委員>
はい、井上です。今の湯澤先生のお話とかなり重なりますが、この分野、基礎自治体の現場は、現在とても混乱してると思います。こういう時こそ本当に県の役割は大きいと思いますので、ぜひぜひ力を入れていただきたいと思います。湯澤先生がおっしゃったように、市町村の対応状況を踏まえて、県からの働きかけを考えていただきたいと思います。もちろんC評価自体がDにするべきだっていうところまで強くは思いませんが、書きぶり含めて、もう少し工夫があってもいいかなと思います。
特に、困難女性の法律が出来て、制度の理念が大きく変わりましたので、何が変わったかというのを書き込むと、おそらく市町村の人たちも含めてわかりやすいと思います。社会に開かれた支援の展開など、いくつかの具体的な芽は見えていると思うのですけれども、もうちょっと何が変わるのか。こういうふうに対応するべき、だけどもそこがうまくいっていない。もちろん県が直接受けることばかりではないのは十分わかっていますけれども、そのあたりもぜひぜひと思います。
それともう一つ。目標1でしたか。支援者の支援、目標の1でしたかね。
<事務局>
1の数値目標でしょうか。
<井上委員>
はい、そこのところ、私もいくつかの基礎自治体で女性相談等に関わっていますけれども、既存の支援の講座は継続してされていて、そのこと自体は市町村ではなかなかできないことですし、とても重要なことですので、今後も進めていただきたいと思います。それに加えても今の支援の状況を考えると、新しい支援者の養成が課題だと思います。支援者の高齢化ということも含めて、そのあたりの問題意識をぜひぜひ書き込んでいただきたいと、さっき申し上げた新しい課題、これは新しくないんだけど、でも、新たな課題ということで、ぜひ進めていただきたいと思います。以上です。
<白河会長>
はい。貴重なご指摘ありがとうございました。私から井上委員に質問なんですけど、現場はなぜ混乱するのでしょう?人が足りないとか、新しい支援者が…
<井上委員>
私が関わっているところではやっぱりDV基本計画と、それから今回の困難女性の法律が施行された、そのことの関係性の整理がうまくついていないと感じます。DV施策について、市町村は頑張ってやっているんですよ、ある程度。なのですが、今回また困難女性支援の法律ができて、何が変わったかというところの整理が文言上はともかく、理念が変わった、新しく定まったことにより、具体的な施策や運用がどのように変わるか、変わるべきなのか、現場の人たちは全く整理がついてないことが多いと思います。指針になるような形で、県の施策を進めていかないと、と思います。湯澤先生のお話のように市町村が動かないと、これは本当に動かないので、そこを丁寧にしていただけるといいと思います。特に大きい市はともかく、町村、市でも規模いろいろですから、一律ではありませんけれども、県の重要な役割だと思っています。
<白河会長>
はい、ありがとうございました。貴重なご意見です。それでは事務局の方お願いいたします。そのシンプルにですね、何が違うのっていうところを伝えなければいけないということなんですけど、それは県としてはどのように伝えるのかということもぜひ合わせてお願いいたします。
<事務局>
はい、どうもありがとうございます。順番にお答えできるところはお答えしてまいりたいと思います。まず武井委員の方から、全体の評価のところでご指摘を頂戴しました。各重点項目の中で今回C評価にさせていただいたところが複数ございますけれども、全体を通してBというところの考え方が分からないといった部分と、あと一丸目のところで「被害者を取りこぼさないように」という表現。こちらは適切ではないと存じます。すいません。私の方も確認が十分できていなくて申し訳ございません。法令等で使われております。「切れ目ない支援」というところで表現は修正をさせていただきたいと思います。
評価のところで大湖委員からもご指摘いただきましたけれども、今回、我々といたしましては、この新しい法律に基づいて計画を策定し、かなり新たな施策も打ち出して取り組みを進めてきたところではございますが、先般、川崎市で、ストーカー被害を訴えられていた方の大変痛ましい事件がございまして、県としては緊急のシンポジウムも開催し、また緊急の支援調整会議も開催しました。冒頭の報告事項で報告もさせていただきましたが、そういった支援調整会議、シンポジウムの中でも、この重点項目にあたりますような支援体制の充実であるとか、関係機関の連携であるとか、そういったところが、もっともっとやっていかなければいけない課題だと、改めて、皆様からもご意見も頂戴し、本県としても取り組まなければいけない課題と認識しているところでございます。指標だけを見つめますと、数値目標で一定程度達成しているところもあるのですけれども、重点項目ごとの評価となった時には、やはり、これからもっとやっていかなければならないということも踏まえまして、評価案としてはCということにさせていただきました。
武井委員からCがあるのに全体Bがおかしいというご評価もいただきましたので、この全体のBというところについても考え方は同じですので、場合によってはC評価ということで、検討させていただきたいと思ってございます。
湯澤委員の方からお話を頂戴しました重点目標1の方で、各市町村の方での支援調整会議の設置であるとか、基本計画の策定がまだまだ低いということ。井上委員の方からも市町村が取り組まないといけないというご意見頂戴をしております。ちょうど先般の神奈川県議会定例会の方でも質問をいただいておりまして、我々の方向性として答弁もさせていただきました。市町村の方にさらに取り組みを進めてもらうよう、また、計画の策定も進むようにということで、県として、例えば少し参考にしていただけるような計画のモデル的なものであるとか、先行している自治体の取組を各市町村に共有させていただくとか、あと、実際に各市町村の方で持っていらっしゃる男女共同参画の計画の改定に合わせて、新しい基本計画を策定しようとお考えのところも複数ございますので、実際に動き出した市町村の個別のお悩み事に対応して、我々もできるサポートをしていきたいと考えてございます。
これまでの支援と、新しい法律ができて、何が大きく変わったのかというところの受け止めですけれども、やはり、井上委員からもおっしゃっていただいたように、我々としては、理念が変わったのだというところが一番大きいのだと思っております。これまでDV防止法と売春防止法ということで、要保護女子の保護更正というような考え方であったものを、女性の福祉の視点で、ご本人の意思を尊重して、また早期からの切れ目ない支援、これをさらに民間団体さんと連携してやっていくと、こういう大きく理念が転換してきておりますので、そこを我々県の取り組み施策としても、どう取り組んでいくのかというところを皆さんにもご理解いただけるように、表現の仕方も含めてやっていかなければいけないのかなという風に考えてございます。
もう一点。支援者への支援ということで、課題をいただきました。民間団体さんも含めて担い手が不足している、高齢化も含めて、共通する民間支援団体さんの課題だという風に受け止めております。こちらの方は昨年度の実績評価ということで書き込めていなかったのですけれども、そういった状況を踏まえまして、今年度の新規事業ということで、新しく女性支援の方に参入していただける方、その裾野を広げるための新しい支援者を養成する講座というのを今年度やりたいと思っておりまして、今準備を進めているところでございます。以上でございます。
<白河会長>
はい、ありがとうございました。ご意見下さった皆様、今のご回答について何か補足とか追加があれば大丈夫でしょうか。
それでは、まだちょっと時間がありますので、他の観点からご意見ある方いらっしゃいますか。またはこれを言い逃したというものがあったら、もう時間があまりなくなってきているので、ぜひお願いいたします。
<白河会長>
お願いいたします。橋本委員。
<橋本委員>
よろしくお願いします。最初の数値目標の達成状況で、策定時から実績値が減っているのですけど、一次評価がBっていうのはちょっと違和感があるかなっていうところがあります。
それから重点目標2の総合評価の二つ目の丸ですけれど、これは多分誤字だと思いますが、学校等において、で、その後半部分の「若年層から意識啓発を行えていることは」の「こ」が抜けているのかなっていうのを気づきました。
それから、重点目標4の一時保護体制の確保というところで、今後の取り組みの方向性ですが、これは非常に重要で、その様々な困難を抱える当事者の状況に応じ、当事者の意思を尊重した多様な保護施設を実施っていうのが本当にこれはあの重要で、その多様の具体例みたいなものを具体的に考えていただきたいと思います。例えば、性自認の方の問題ですとか、若い人で携帯が使えなくなるから本当は逃げなきゃいけない、逃げられないとか。そういう本当に様々なニーズがあると思うので、そういうものを含めた対応のところを具体的に検討していただければいいかなという風に思いました。以上です。
<白河会長>
はい、ありがとうございました。他はいかがでしょうか?
では、私も最後に全体評価について意見を述べさせていただきます。厳しいご指摘が多かったので、ぜひまた協議させていただきたいと思いますが、考え方として困難に陥ってしまった方たちの支援を強化しているにもかかわらず、ストーカー事件が起きてしまったのは非常に残念だと思います。やはりいろいろな意味での連携不足といったようなところがあるのではないかと思います。特に神奈川県警、警察はものすごくジェンダーバイアスの高いところですよね。男性中心のところで、ジェンダー主流化というのが行き届きにくいところでもありますね。例えば私どもの県の男女共同参画から、何か申し入れることはできないんでしょうか?それから女性支援法理念について、なかなか全体市町村の理解が得られないということでしたら、ぜひこの女性の安全月間などを設けて、注目を引くようなことをやるとか、そういうこともあってもいいと思います。フェミニストシティという考え方がありまして、女性が安全に暮らせる町ということです。韓国も殺人事件などがありましたので、女性が幸せな女性フレンドリー都市というコンセプトのもとに様々な政策を進めています。例えば、安心して帰宅できるように、防犯カメラや、暗いところを明るくするとか、それから女性が安全に乗れるタクシーとか。アフリカでは女性が緊急時にアプリのボタンを押すだけで、DVの被害に遭っているような人の命が助かる。そのアプリを開発した民間の企業の女性もいらっしゃいました。
それから、都市デザインへの女性の意見の反映ということですけれども、こういったことをいろいろ考えますと、やはりそういった月間などを設けて、とにかくこの法律が、こういうふうに変わったのだと、もっと幅広くなっているのだということで、全体の浸透を図るべく、何か県としてできたらいいなと思っています。私としては、ストーカー事件を受けてすぐに、ああいったイベントを開いてくださったということなので、何か知事に申し入れなどできて、知事から逆に関係機関に申し入れしていただけたらいいなと思っております。以上でございます。
はい、それでは事務局いかがでしょうか。
<事務局>
はい、ありがとうございます。橋本委員の方から全体のKPI数値目標のところで、2024年当初よりも実績が下がっているのにBというのはおかしいのではないかというようなご指摘だったかと思います。こちらご意見踏まえて、検討し直したいと思います。
もう一点、一時保護の関係で重点目標4の139番、一時保護体制の確保の今後の方向性のところで多様な保護支援を実施していくというところの、具体的な記載が十分ではなかったかなと思います。ご指摘いただいたところでは、携帯電話が使えないというような、安全確保のためにそういったルールで運用しているところがあるわけですけれども、そういった危険のない方に向けては、携帯電話も使えるようにというところで、その下段の147番の社会とのつながりを持った保護施設では、携帯電話も使えるようにし、通学ですとか通勤なども継続して、自立を支援できるような保護施設ということで開始をしましたので、そこがもう少し分かるような形で表現をしてまいりたいと思います。
また、性自認の関係で、どういったシェルターを対応していくのかというのも、今動いているところですので、そういったところも表現できればと思ってございます。表現が足りていない部分で申し訳ございません。
あと最後、白河会長の方からもご指摘をいただきましたけれども、今回、川崎の事件も踏まえまして、様々皆様のご意見などを頂戴する機会を緊急に設けさせていただきました。やはり、女性支援の仕組み、こういったシェルターがあるといったことや、相談先があるといったことがまだまだ知られていないということを改めて認識したところで、我々の周知広報の取り組みが不足している部分なのかな、という風に受け止めております。こちらについては、どういったことができるのかということで、今早急に施策を検討しているところですので、取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
<白河会長>
ありがとうございました。ご意見の方はよろしいでしょうか。追加意見がある方がいらっしゃいましたら、8月5日までに事務局あてメールをお寄せいただき、委員の皆様へ共有していただくことにしたいと思います。それでは、本日の議題は全て終了いたしましたので、小手室長から感想をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
<小手共生推進本部室室長>
皆様、ありがとうございました。貴重なご意見をいただきました。今後、修正作業を進めていきたいと考えております。行政にありがちですけれども、取れそうな数字をマイルストーンとして設置しがちな部分があり、実態や進捗はまだまだなのでは、と感じている部分を、うまく表現できてない点が多分にあったと、反省をしながらお話を伺っておりました。
本日は短い時間の中でたくさんの項目をお話しいただきました。足りない部分を教えていただきながら、良いものを作っていきたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
<白河会長>
ありがとうございました。それでは事務局から連絡事項がありましたらよろしくお願いいたします。
<事務局>
次回の審議会についてご案内します。第5回審議会は、令和7年11月10日を予定しております。神奈川県男女共同参画推進条例の改正についての審議のほか、施策の進捗状況についてご報告させていただく予定です。事務局からの連絡は以上です。
<白河会長>
それでは、第12期第4回神奈川県男女共同参画審議会を閉会いたします。今日は貴重なご意見を本当にありがとうございました。たくさんの資料がございましたが、整理して審議しやすくしてくださった事務局の皆様のご努力にも本当に感謝を表させていただきます。本日は皆様どうもありがとうございました。
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。