ホーム > くらし・安全・環境 > 人権と協働 > 人権・男女平等 > 男女共同参画 > 第11期神奈川県男女共同参画審議会 > 第11期第8回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

更新日:2023年12月6日

ここから本文です。

第11期第8回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

第11期第8回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

[日時]令和5年11月7日(火)14:00〜17:00

[場所]オンライン開催

〇事務局から、12名の委員中7名の委員に出席いただき、会が成立する旨を確認。

<岩田会長>
本日の議事ですが、「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の素案(たたき台)について」です。もう1つは、議事ではありませんが、その他として、「「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」に基づく基本計画(仮称)素案について」も意見交換の時間を設定しております。
その他の意見交換についてですが、かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)、「重点目標5 推進体制の整備・強化」の施策の基本方向2に位置付けているジェンダー主流化の観点から、当審議会として何が行えるか、これからも検討していきたいと思っています。その最初の取組みとして、当審議会以外で審議されている計画の状況について、当審議会が意見交換をすることで、どう役立っていくかというのをみていきたいと思います。
進行の都合上、最初に「「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」に基づく基本計画(仮称)素案について」約1時間、意見交換をしたいと思います。
その後、「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の素案(たたき台)について」約2時間審議を行いたいと思いますので、進行にご協力をお願いいたします。
まずは、「「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」に基づく基本計画(仮称)素案について」の概要、そして策定状況について、障害福祉課よりご説明をお願いします。

<障害福祉課>
資料5に基づき説明

<岩田会長>
それでは皆さん資料5につきまして、今のご説明あるいはこの資料に基づいて、ジェンダー主流化の観点から、何か問題があれば、それを指摘する、助言する、また、疑問に思うところがあれば、ご質問等をお願いいたします。野村委員お願いいたします。

<野村委員>
ジェンダー目線でみた際に、どの様な課題が上がってきたのか、例えば、女性の障害者や外国籍の方など、また性的マイノリティーの方など、マイノリティーが交差するとより困難な状況に置かれるという問題意識がクローズアップされているところでもあります。そのため、ジェンダー目線でみた際の課題について伺いたいです。

<岩田会長>
  今の質問に関して、障害福祉課お願いいたします。

<障害福祉課>
ジェンダー目線でのヒアリングということのご質問かと思いますが、正直なところ、障害福祉では、そういう目線をメインにヒアリングをしているということはあまりなく、もちろん男性も女性も、当事者の方にはいらっしゃいますし、施策審議会の方にも男女当事者の方が入られていますので、お話を伺っていますが、そういう視点で聞いているかというと、あくまでも障害の方にかかる施策ですとか、サービスですとか、そういう視点で伺っているので、あまり女性だからとか男性だからとか、というご意見はなかったように記憶をしています。以上です。

<岩田会長>
ここが一番大事なところだと思いますけれども、野村委員重ねて何かご発言はありますでしょうか。

<野村委員>
あります。ほんの一例ですが、私が勤務していた大学では、100%サポートが必要な車椅子の女子学生がおり、エレベーターがない教室に移動する時には、誰かが抱きかかえる必要があります。その際には、大体屈強な男性になります。屈強な男性でも、シニアの方がまだ本人は抵抗がないだろうということで、シニアの男性の職員がサポートしています。サポートが若い男性ですとシニアの方と比べて抵抗があるのではないかと思っています。
ともに生きる、ともに働く、ともに学ぶ社会を作るうえで、そういったことが壁としてあると思いますので、是非ジェンダー目線の視点を入れていただけたらと思います。以上です。


<岩田会長>
皆さんのご意見を出していただきたいと思います。井上委員お願いいたします。


<井上委員>
私も野村委員と同じ質問をするつもりでした。野村委員の話はおそらく、ヒアリングの結果どういったことがでてきたかというよりも、県が質問の際にジェンダー目線で聞いていますでしょうかという質問だったのではないかと思います。その目線で行うことが、私も大事だと思います。男性でも女性でもセクシャルマイノリティの人でも同じように扱うことは大切ですが、それぞれが抱えているニーズというのも違いますし、出てきにくいニーズというのもあります。特にセクシャリティの問題は、出てきづらいです。計画を立てる側が指標を立てて聞いていかなければ出てこないことだと思います。
神奈川県障害福祉審議会委員には男性女性が選任されているということですが、それだけでは足りなくて、ジェンダーの目線で計画を立てること、また、柱にジェンダーの視点を組み込まないと、具体化してこないと思いますので、計画全体をジェンダー目線で立てることを意識していただきたいです。そして、事業管理をする際にも、ジェンダーの視点に沿った事業内容が立てられているか、ジェンダーの視点に基づいて運営されているか、この2点を意識して行うことが最初だと思います。
障害者関係が突出している一番大きな特徴は、法律で差別禁止があるということ、それに基づく合理的配慮が義務付けられているところです。これについて各企業へ何かしら支援もあるかと思います。その際にも、ジェンダーの視点が必要です。これにより、出てこなかった課題等が発見される可能性があります。

<岩田会長>
時間の関係上、先に委員よりご意見等発言いただきます。障害福祉課には、そのご意見等を整理いただきながら、ご説明いただけるもの、持ち帰って検討していただけるもの、それらについてご発言いただきたいと思います。
それでは皆さん少し手短にお願いしたいと思います。白河副会長お願いいたします。

<白河副会長>
まさに今皆さんがおっしゃっている点がジェンダー主流化ということだと思いますので是非よろしくお願いいたします。私としても追加の意見を述べさせていただきます。
女性の障害者にある問題としては、やはり性暴力の対象になりやすいため、そういった支援は絶対に必要だと思います。
それからもう1つは、ケアする側の問題です。日本では、子育ても同じですが家の中に1人ケアする人がいることで、その人がいるから大丈夫という視点で見られてしまいます。例えば、子どもに障害が発生してしまい、仕事とお世話の兼ね合いが難しいことから、仕事を辞めてしまう状況もあります。こういったお世話をしている方について、女性が行うもの、1人で行うことが当たり前というような視点を排除していただきたい。ケアする側が子どもの場合も、女児がその役割に回りやすいというところもきっとあると思いますので、その辺は是非可視化していただきたいと思います。以上です。

<岩田会長>
それでは湯澤委員お願いいたします。

<湯澤委員>
ジェンダー主流化については、他の委員と同感です。追加で女性というところで発言をさせていただきます。
NHKでも2018年に、DPI女性障害者ネットワークが女性障害者の実態調査を行ったということを基に報道をしていたかと思います。日本では、女性障害者という概念が定着しないために、その生きづらさがなかなか見えにくくなっていました。この調査で、性的被害、セクハラの問題、異性介護のこと、それから女性の尊厳を損なうような、偏見や差別的な言説言動で、例えば恋愛、結婚や出産等の問題が出てきております。障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約)六条には、「障害のある女子」ということで明確にされています。最近の出来事では、北海道内で、生活援助事業の利用者の方が不妊処置を受けたというようなことがありました。それを受けて、保健部署保健児童福祉部局などと連携をしてご本人の希望に沿ってということの通知が国から出ました。
これらから、医療連携の視点が全く入っていないようにも感じましたので、そのあたりも目配りがあるといいと思いました。以上です。

<岩田会長>
続きまして結斐委員お願いします。

<太田バークレイ委員>
当事者目線の話で、資料2ページ目で当事者部会が新たに設置とあります。委員の構成割合を考えれば、神奈川県障害者施策審議会と合わせて当事者からのジェンダー目線の意見もいただけると思いました。
もう1点は、井上委員がおっしゃったように企業支援についてです。私の知り合いに発達障害の方がおり、働いている企業から障害について言うなと言われ困っていると、話を受けたことがあります。現在、外から見えづらい障害の種類がきちんと認識されるようになった世の中で、こういったこともあるため、企業へのアプローチが必要と思います。以上です。

<岩田会長>
他にご発言の希望者はおられますか。では、私からも少し重なるところがありますけども申し上げたいと思います。
まずは、ヒアリングされたときに、ジェンダーの視点からは、あまり見てなかったという率直なお話があったかと思います。しかし、そういう目線でのヒアリングの必要性、それから、様々なデータ統計について男女別に見ますと、いろんな格差があると思います。そこからジェンダーの課題を見付けていくということも、プロセスの中で必ずやっていただきたいことだと思います。
事業計画の実施状況の管理についても井上委員からも発言があったとおり、必要であれば、例えば男女別の数値で管理していくとか、計画を作る前の段階もジェンダー視点が必要だと思いますし、その計画の執行状況をフォローアップするそのプロセスもやっぱりジェンダー視点が必要です。まだ素案の段階のため、色々とご検討の余地があると思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
本日のご発言の中にも、様々な具体的な問題があったと思いますけれども、やはり一番気になるのは、障害のある方、特に知的障害のある女性や子どもが性的な被害に遭いやすいことです。それをどうやって防止するかとか、障害がある人が望めば、子どもを産んで、子どもを育てるためにどういうふうにサポートする仕組みがあるのか、そのあたりも気になります。
また、本日のご発言の中で、障害のある人とケアをする人との関係で、特にケアする側に女性が偏っている問題とか、異性にケアされることが受け入れがたいと感じる人がいるなど、そういうこともピックアップしていくと、幾つものジェンダーの視点から見ると、議論すべき論点というのはあるように思います。
本日のご説明や資料に出てきておりませんので、是非そういう視点で更にご検討いただければというふうに思いました。
それでは以上のご発言を聞いていただいて、今の時点で何かお考えがございましたら、お話をいただきたいと思います。

<障害福祉課>
皆様本当に幅広い視点からのご意見ありがとうございました。我々はどうしても障害そのものに注目した施策を考えがちですので、今日はありがたいお話をいただけたと思っています。
すべてにお答えするのは難しいかと思うのですが、井上委員からですか、障害者差別禁止法で合理的配慮が義務付けられているのですけれども、それは計画本体の柱の1の方に、すべての人の命を大切にする取組み、この中に、すべての人の権利を守る取組みと虐待の防止、それから差別の禁止などが位置付けられています。資料説明の際に申し上げた通り全部で200ページを超える計画となっておりまして、もしお時間ありましたら、今パブリックコメントをしておりまして、ホームページの方で計画全文、今の段階での案の全文を載せておりますので、ご確認いただければと思います。
それから、白河副会長からは女性特有の障害のある方が性暴力の対象になりやすいというのはおっしゃる通りだと思います。会長からもありましたけれども、特に知的障害のある方、それから耳の聞こえない方も被害に遭いやすいのですけれども、そういう課題があるのは我々も承知はしております。どこまで障害福祉の方の計画に盛り込めるか分からないのですが、ただできるだけその被害に遭われた方へのケアとかそういうことを入れています。また、逆に加害者になったときのことも入れた方がいいのではないかと障害者施策審議会の委員からもお話を受けていますので、できる限り入れられる範囲で入れていきたいと思っています。計画そのものが、これから当事者部会を設けて、一緒にご意見も伺いながら、育てていきたいと思っている計画なので、お気付きのこととかありましたら、是非パブリックコメントをご利用いただければと思います。
それから湯澤委員からは、医療との連携というお話があったかと思います。
医療と福祉の連携は本当に大切でして、そちらの方は、計画本体の方に位置付けております。特に重度の障害のある方とか本当に医療が欠かせませんので、その辺のことも計画に位置付けております。
それから、結斐委員や井上委員からありました企業側へのアプローチも重要ではないかとご意見いただいております。差別禁止法については、呼ばれれば、企業の方にも出かけていって研修をしたり、そういう取組みも我々の方ではしております。やはり企業の方でも理解していただかないといけないことですので、少しずつ取組みをしているところです。
また発達障害の方に関しては、本当に分かりにくいところもあるので、企業さん向けにパンフレットを作りまして、昨年度末になりますけれども、必要なところにお配りをしています。対応や、特徴的なところをまとめたパンフレットを作っております。
そういう取組みをしているのですが、今本当にジェンダーの視点ということで、もっともっと幅広な視点が必要だというふうに認識しましたので、そういう視点も踏まえながら、今後のヒアリングなどにも活かせていかれればと思います。本日は本当にありがとうございます。

<岩田会長>
神奈川県男女共同参画審議会では、困難を抱えている女性たちの問題をどの様に把握して、それを支援するかについて議論をしています。例えば一時保護所や女性保護施設の中にいらっしゃる女性たちの相当数が障害をお持ちです。このことからも、女性支援と障害者支援というのは、相当重なるところがありますので、施策を推進する関係者が、連携していく必要性ということも是非計画の中に入れていただきたいです。
また、当審議会がお役に立つことがあれば、ご意見等を申し上げていきたいというふうに思います。
本日は、限られた時間で初めての取組みでしたが、以上としたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは障害福祉課の皆様はご退出になります。
それでは議事に進みたいと思います。「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の素案(たたき台)について」です。事務局から関係資料のご説明をまずお願いいたします。

第11期第8回神奈川県男女共同参画審議会(その2)へ続きます。

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。