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更新日:2023年11月10日

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第11期第4回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

第11期第4回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

[日時]令和4年10月11日(火曜日)10時00分から12時00分まで
[場所]オンライン会議による開催

〇事務局から、12名の委員中11名の委員に出席いただき、会が成立する旨を確認。

 

<岩田会長>
皆さん本日もよろしくお願いいたします。議事に入りたいと思いますが、議題は一つだけで、「かながわ男女共同参画推進プラン(第4次)の改定について」、前回に引き続き議論したいと思います。まず事務局から資料のご説明をいただきます。

 

<事務局>
 資料、参考資料4、参考資料5に基づき説明。

 

<岩田会長>
事務局から説明があったように、今回が実質的に最後の審議の機会になりますので、皆様からご意見をいただきたいと思います。今の改定案全体について、数値目標も含めて、ご意見をお一人ずつ伺っていきたいと思います。先ほどご説明があった参考資料5にありますように、これまで皆さんがご発言された中で、反映が難しいとされているところについて、もう一度発言したいということもあるでしょうし、これまでまだ、言い残していることもあるかもしれませんので、そういうことについて、お一人お一人、1回ずつお話を伺いたいと思います。そのあとで時間があれば、さらにご意見がある方については、2回目のお話を伺うということにしたいと思います。既にお二人の方から手が挙がっているのですが、仁平委員が11時前にご退出されるということでしたので、最初に仁平委員から、ご意見、コメント、ご感想などありましたら、よろしくお願いいたします。

 

<仁平委員>
こういった取組みは、やはり息の長い取組みになるのかなと思いますので、短期的にしなければいけないものと、中長期的にしていくものということで、いろいろご修正いただき、私は、大筋で方向性が考えられているのかなと思いますので、特に意見等はございません。

 

<岩田会長>
それでは、鈴木委員からまずお願いいたします。

 

<鈴木委員>
本当にいろいろ大変な作業をしていただきましてありがとうございます。仁平委員からもご意見があったように、私も、いろいろな意見を、うまくまとめていただいてよかったのではないかと思っています。気になったところが幾つかあり、細かいところもあるのですけれども。

 

<岩田会長>
細かいところはそれぞれ皆さんあるかと思いますので、メールで事務局に提出していただきたいと思います。今は、是非事務局と議論しないといけないというようなところをお願いしたいと思います。

 

<鈴木委員>
承知しました。気になったのは、やはり女性の仕事ということを考えたときに、非正規雇用の方が多いということです。そこの具体的な施策を書くのは難しいと思うのですけれども、男女共同参画白書でも、L字カーブという言葉で正社員比率が出ていました。前から申し上げているように、いわゆるM字カーブの対象となる30代から40代前半の就業率に加えて、40代後半から50代にかけての就業状況を示す正社員比率を出しておくのがよいと思います。参考数値としての取扱になるかもしれませんが、非正規雇用の状況を把握するのと、女性管理職の人材プールにもなり得ると思う正社員比率というのはあった方がいいのではないかと思いました。神奈川県の統計センターでは、労働力調査結果報告として、いろいろと年齢階級別、正規、非正規別にデータを出されています。既に参考数値が多い中に押し込むのはどうなのかなという思いもありますが、非正規と女性管理職の候補となりうる正社員、そこのところを表現する数値はあった方がいいと思っています。大きく気になったところは以上です。また後で時間があったら話をさせていただきます。

 

<岩田会長>
事務局と意見のキャッチボールをしたかったのですけれども、多数の方の手が挙がっていますので、事務局には、時間がありましたら最後にまとめてコメントいただけることがあったら、コメントいただきたいと思います。白河委員お願いします。

 

<白河副会長>
ご説明ありがとうございました。いろいろな会議に出ていますが、こんなふうにここは反映されて、こちらはできませんでしたと丁寧に説明してくださるところはございません。その中で、最初のこの順序を変えてくださいと、なぜ少子化問題から入るのかというところは順序を変えていただき、大変よかったと思います。しかし、少子化問題から入ってはいないのですけれども、やはり、このM字カーブとか女性の就労、つまり女性は産むことが前提で、産んだら両立できないよねというような、非常に女性のとらえ方がまだ産む存在としての女性というところが強調され過ぎている感じがします。参考資料5のNo.19の反映されなかった意見として、岸田内閣の新しい方針の女性の経済的自立、そして来年からは、企業における男女の賃金格差の開示が始まります。ですので、神奈川県がこれについてものすごく国際的なだけではなくて日本の中でも遅れをとってしまうのではないかなと懸念されます。こういったことが始まると本当に「見える化」されます。今、男性100に対して女性は75ぐらいしか賃金をもらっていないところが重要で、海外のジェンダー平等の指標というのは最終的にここがどんどん上がっていくということです。先進国は、ほぼ85%ぐらいですので日本は10%ぐらい低いです。企業に、いろいろ聞いていますけれど、女性がたくさんいる企業ですら、賃金格差を調べて測ってみましたがやはり70%、75%いかないところがほとんどではないかと思います。ですので、最初のところに、女性の意思に任せるのが男女共同参画とのご説明でしたが、それはちょっと「ジェンダー平等」の思想とは違うのかなと思います。「ジェンダー」というのは社会的な性差のことで、女性の意思というのはその社会的な「ジェンダー」の様々な規範において制限されているわけです。ですからそれを超えて「ジェンダー平等」、例えば賃金だったら100対85とか90とかできれば100を目指すというところが「ジェンダー平等」の考え方なので、これだけ「ジェンダー平等」というものが入っていても、女性の経済的自立とその賃金格差の是正というところが最初に来ないのは、やらなくてはいけない理由として最初に来ないのはちょっと違和感があります。M字カーブやL字カーブに言及するのは重要なことなのですが、M字カーブやL字カーブを解消していきましょうという時にやはり、女性の意識がそうだから女性が意識を変えて頑張っていこうというようなメッセージにもとれてしまいます。ですので、やはりこれは全体として、No.19のところにまさに書いた意見と同じなのですが、「男女共同参画を一層進めるため、あらゆる分野における女性の活躍を促進し、女性の経済的自立を達成するとともに、家庭・地域活動への男性の参画を目指す」ということが最初のところの根幹ではないかなと思います。
それからもう一つ、政治分野の参画に関して、17ページの政治分野における男女共同参画の推進のところで、ハラスメント防止等に係る議会への要請とありましたが、法改正で、ハラスメントを防止することは議会や政党等の義務になっているのですね。ですから要請ではなくて、もう一歩踏み込んで、どうやって達成するのかということを、具体的に書いてほしいなと思っています。例えば今日、議員の議員からのハラスメントも問題となっているので教育するとか、そういうことがあると思います。
それから先ほどLGBTQに関して、もう既に人口比で95%達成されているのでしたら、是非そのもう達成されている市町村はこのぐらいということ、現状を書くのはとてもいいと思います。
最後に、性教育というか、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの「丘の上のお医者さん」ですね、これは私と齊藤英和先生も監修に関わっていて、この「丘の上のお医者さん」のコンテンツは素晴らしいのですが、思春期から始まるのに妊娠の仕組みからしか入っていません。ここに避妊のことを入れて初めてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、産むか産まないか自分で決める権利という一番大事なところにつながります。「女性と男性のための丘の上のお医者さん」とちゃんと書いてあって、男性不妊や男性の精子の劣化等についてもきちんと触れられていて素晴らしいと思うのです。ですからこれに追加するとしたら、もう産まないとき、産みたくない時にどうするかということがすごく重要なことで、避妊についてもしっかり入れていただけたら、もう完璧ではないかと思っています。以上です。

 

<岩田会長>
たくさんのご意見をいただきましてありがとうございます。川島委員お願いします。

 

<川島委員>
前回も申し上げたのですけど、男性の子育てとか、あるいは女性の社会活躍を進める上ではその彼、彼女らの上司、経営者の意識が大切だと、つまりイクボスが大切だというのはもう皆さん共有していると思うのですが、改定案の26ページのイクボスの定義が間違っていますので、可能であれば修正いただきたいと思います。画面共有したのが、神奈川県のホームページに掲載しているのですけれども、イクボスの定義と10ヶ条は、実は私が考えた本人ですので、是非、この間違っているということは訂正していただきたいと本人からの要請というか要望です。定義を三つ書いてありますけれども、この26ページの「イクボスとは、「育児」×「ボス(上司)」」になっているのでこれでは駄目で、当然介護とか、PTA活動や消防団のような地域活動とか、そういう子育て以外のことにも時間を取れるように配慮するというのは絶対に含めなくてはいけないと思います。育児だけとすると、当然不平等論、あるいはしわ寄せ感が生じますから、育児に特化というふうなイメージは、是非伝えないでほしいということが、私の定義の一つ目に書いてあることです。もう一つ欠けているのが、この画面共有の三つ目ですね、組織の成果達成に責任感を持つ上司ということです。これがないと、単なるゆるい、優しすぎる、ホワイトな上司になり、そんな上司では確実に会社がつぶれますから、あるいは行政であれば県民からクレームがきますから、優しいだけの上司を増やそうなんて誰も言ってないわけですよね。ちゃんと組織の成果も出すのだという、その厳しさあるいは部下たちに権利主張の前に職責を果たせという、その厳しさもしっかり伝えるような上司でないと意味がないので、それであえて三つ目にこの定義を入れたというのが私の気持ちです。どう記載するかはこれから県が考えることなのですけれども、黒岩知事とイクボス動画を作った時も、これはかなり強調して伝えたはずなので、是非そこは、可能な範囲で反映させてほしいなと思います。
あと1点は、21ページの「男性職員の育児休業取得率(知事部局等)」が、2021年度に39.5%であるのに2025年になぜあえて30%に目標を下げているのか、これも理解不能で、せっかく39%まで達成しているのだったら、もっと、40%でも50%でも、あるいは少なくとも現状以上というのが一般的じゃないかなと、100%男性育休宣言している自治体も増えていますから、なぜ神奈川県だけ、こういう低い目標なのかというのが、疑問に思ったところです。以上です。

 

<岩田会長>
2点目については、誤解があるといけませんので私の方から説明したいと思うのですが、この30%というのは既に神奈川県が持っている目標数値なのですね。そして、その目標数値は2025年に改定するということになっていますので、2025年の時点で、改定後の数値に置き換わります。

 

<川島委員>
なるほど、分かりました。結構です。一つ目の意見だけお願いします。

 

<岩田会長>
それでは井上委員お願いします。

 

<井上委員>
今までのご意見にうなずくところ多々ですので、繰り返しは避けながら意見を述べたいと思います。全体に白河委員もおっしゃったように本当にこういう方法で丁寧に意見の反映具合を整理してくださるというのは、ありがたいし、他の審議会も是非こうあってほしいと思う次第です。その上で、整理していただいたこと、それから説明からも、率直に感じたことですけれども、男女共同参画であれ、ジェンダー平等の実現であれ、やはり施策の実現としては、とても難しいのだなということが分かりました。これは行政計画ですので、県が直接できること、できないことを含めて書いていくしかないところではあるのですけれども、その辺りも含めて、ジェンダー平等の推進ということが、いかに施策として、施策のパターンとして新しいか、ないしはその実現のためには難しい困難があるかということを、率直に最初に書くべきじゃないかと私は思っています。これは新しいパターンの施策のパッケージなのだということを最初に言う必要があると思います。言葉を選ばずに言うと、このように最初に困難を宣言することは、負けを認めることではないと思うので、それはきちんと施策実施・展開の方法や実現の方法も含めて、計画の中に盛り込んでいくということが必要です。最初の「現状と課題」に、神奈川県の中で、また県庁の中でどういう問題があるかということを、書きづらいとは思いますけれども、例えば、先ほど内閣府男女共同参画局と本県の所管と庁内組織上の違い、行政手法上の位置付けの違いについて説明がありましたけれども、そういうことも含めて、体制の整備、これはこれからの課題であるため、向かっていくということも含めて、問題を整理しておくべきだと思っています。その整理が最初にあれば、例えば労働分野のところで、県が直接できないことも含めて提案していくのだということや、自殺のところであれば、自殺者に対する対策だけではなくて様々な複合的な施策を展開しなくてはいけないのだというようなことが素直に読めるし、これは行政計画ですのでもちろん県民の方たちにどういうふうにアピールしていくかということも重要ですけれど、第一義的には県庁の県職員の方たち、政策立案に携わる県庁職員の方たちへのアピールというかメッセージが重要だと思いますので、それも含めてきちんと最初にこれを書いておくというのが、いいのではないかなと思っています。これは将来も含めてということであります。
それを踏まえて、4点です。一つ目は、「ジェンダー平等」という言葉を中身に、なかなか反映できていないという指摘があって、この言葉はまだ人口に膾炙していない(人々に広く知れわたっていない)ためという説明がありました。その通りだと思うのですけれど、資料1の2ページ目の「ジェンダー」の定義、これはまたこれから手を入れるのではないかと思いますが、ここでの定義が狭すぎます。社会の様々な構造や様々な概念、男女に限らず、そこに関わる、社会科学上のなんていうのでしょうか、概念として学問的にも、それから政策立案的にも、ないしは私たちの社会的な意識も含めて、「ジェンダー」という概念それ自体が広がってきているという説明がないと、次の「ジェンダー平等」につながっていかないと思うのですね。教科書的には間違っていないですけれど、そうではないというところへ、次へ行かないと、説明としてもうまくいかないのではないかと思います。ここは是非、工夫をしていただきたいと思っています。それから、「ジェンダー平等」という概念自体が計画の中にうまく定着していないのではないかということがありましたけど、その辺りのことも含めて少し、私自身も、無理がないのは次の段階なのかなと半分ぐらいは先ほど説明を聞いて、半分ぐらい納得しつつ、でもここで頑張っておかないと、これまでの「男女共同参画」と、それも十分できていないのに次に行くのかという話もありますけれども、それと「ジェンダー平等」というのはどこが違うかということを、まず県の皆さん、担当の皆さんがきちんと理解した上でないと、真実は細部に宿るではありませんけれども、記述一つ一つに表れてくるものではないかと思っていますので、その辺りを「ジェンダー平等」についてお願いします。
それから、二つ目はちょっと大きいというか、これもまた全体に関わるところではあるのですけれども、女性のキャリア支援ということが、最終的には男性も含めてなのですけれども、とても重要で、重点目標1から4まで全てに関わってくるのではないかなと思っています。そういう中で、やはりワーク・ライフ・バランスというのがとても重要なのですけれども、おそらくそれに加えて、キャリアを支援するということが、ライフ支援というのですかね、ライフキャリアデザインとかライフキャリア支援という言い方をするかなと思うのですけれども、単に職業に就くというそれだけではなく、自分の人生をどうやって切り開いていくかということを、長いスパンをもって考えてもらう、これをライフキャリアというふうに随分いろいろなところで言うようになってきたと思いますけれども、そういう視点が全体に欠けていると思います。細かい事業案も出てきて、今回参考資料で見せていただきまして、継続ということで、展開されている部分もありますが、単体でのキャリア支援をどうやった、就職するのか、復職するのかということではない方法で、男女共同参画の視点から、また、ジェンダー平等の視点から、キャリア支援をしていくのだということがないと、これはジェンダー平等につながっていかないと思います。是非、重点目標2が中心だと思いますけれども、それ以外のところでもそれが現れてくるようにお願いしたいと思います。
それから重点目標5の進行管理で、ジェンダー主流化、私はここが本命じゃないかと実は思っているので、ここはもうちょっと頑張っていただきたいと思っています。ここに書き込むということだけではなくて、例えばですけれども、今回いただいた改定案の32ページのところ辺りですけれども、今のキャリアの話とも関係ありますけれども、こういうことを共生推進本部室からお願いする上から流れていく話と、それから例えば自殺対策だったりハローワークだったり、実際その支援の中から出てくるジェンダー問題を吸い上げる、その逆方向での道筋というのでしょうか、施策立案のための情報の吸い上げ、ないしは、場合によってはケース、扱いがあってもいいと私は思いますけれども、そういう動きがないと、施策というのは豊かになってこないと思いますので、逆向きですね、男女共同参画ないしジェンダーの視点で、ハローワークの仕事を応援するとか、いろいろな現場から出てきた問題をどうやって吸い上げていくかという、そういう逆向きの筋道をつけるということを、是非やっていただきたいと思っております。おそらく半分想像ですけれども、今言ったことは、様々な「かながわ男女共同参画推進プラン」以外の、県がやっている、行政計画の中でなされていることが多いのではないかと思うのですね、できていないところはあるかもしれませんけれど。だから、県全体に関わる総合計画はもちろんですけれども、少子化だったり、例えば労働政策だったり、その他の様々な県が関わる、計画ないしは新しい施策について、共生推進本部室が点検をすると、内閣府が本来やっている総合調整というのはそういう仕事に関わる部分だと思いますけれども、似たような形で、それをやらないと駄目かなと思っています。
最後に、これは先ほど画面共有をしていただいて、お話くださったDV施策に関わる部分ですけれども、まだまだこれからということで、参考資料に具体的な新規事業が入ってきていない以上、ちょっと何か文言に手を入れるというのはなかなか難しいかなと思いながら伺っていました。ですけれども、この新しい法律ができたことを踏まえて、県のDV施策をどういうふうに立案していくかという視点から、是非全体をまとめ直していただきたいと思います。具体的な施策のところでね、まとめ直していただきたいと思っていますので、そこは多分、時期的に次の段階ということにならざるを得ないかなと思いますけれども、そちらの方も是非よろしくお願いしたいと思います。以上です。

 

<岩田会長>
野村委員お願いいたします。


<野村委員>
整理とご説明ありがとうございました。皆さんのご意見にも賛同するところが多々ございます。特に今おっしゃった井上委員の「ジェンダー平等」にもっと踏み込むべきだというご意見。やはり私も事務局の説明を聞いてまだ難しい段階なのかなとちょっと諦めそうになったのですけれども、井上委員の力強いコメントを聞いて、やはりこれは諦めてはいけないのかなと思い直しました。せっかく大きなキャッチコピーに「ジェンダー平等」という言葉が入りますので、ここはもう少し頑張って、最初から踏み込んだ方がいいのではないかと思います。「男女共同参画」という言葉と「ジェンダー平等」はどう違うのかという点も説明しないと分からないところかと思います。この「ジェンダー平等」という言葉を基本目標に入れたことでも、日本全国に注目される、男女共同参画計画になると思いますが、そこで、もう一歩書き込んであるといいかと思いました。
それから鈴木委員のおっしゃったL字カーブのデータについても賛成です。
白河委員のおっしゃった女性の経済的自立をもう少し前面にということについて私も賛成です。男女共同参画計画では、それぞれの立場にあった自由な選択ができるようにするということが強調されがちですが、女性の場合、その前提として、経済的自立ができる選択肢がないから非正規であったりパートタイムであったりの選択をしているという現状が続いています。経済的自立ができる上で、パートタイム的な働き方を選ぶというのはありだと思うのですけれど、やはり順番を変えることが大事かと思います。例えば北欧などでは50年以上前に、男女ともに経済的自立ができることが大前提であるとして、社会制度を切り換えています。この辺りは、岩田会長がお詳しいと思います。だからこそ、今の北欧の男女平等社会があると思うので、この辺りは大事な点かと思います。
それ以外に重複しない意見を、気づいた3点だけ簡単に申し上げます。今まで私が見逃していたのかもしれませんが、資料1の12ページの「(9)男女の育児・介護をめぐる状況」で、「男女共同参画社会の実現のために力を入れるべき施策として、「保育・介護の施設やサービスの充実」の回答が最も多くなっています。」と記載があり、グラフがあって次にいっています。確かにこれは事実なのですけれども、「働き方の見直し(長時間労働の削減や、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の実現など)」の回答とそれほど差はないわけで、3番目が「出産、育児や介護などにより離職した人に対する再就職などの支援」、4番目が「貧困・高齢・障がいなどにより、困難を抱えた人が安心して暮らせる環境の整備」になっていて、ここは大事な点なので、この辺りまで簡単に言及した方が良いのではないかと思いました。
それから、資料1の29ページの一番下のLGBTQに関するところなのですが、LGBTに関して、交流会とか相談会とか、この施策は当事者向け、当事者の家族向けの支援であって、それを取り巻く環境、例えば教育現場や職場環境などに対してどのように意識啓発するかに触れられていません。環境を変えていかなければいけないのですが、この辺りの具体的な施策が出てきていないのかもしれません。問題意識が現時点だと少し狭くなっているかと思いました。
それから、31ページで、性教育という言葉を採用してくださったというご説明をいただいてありがたいのですが、ここにエイズ教育という単語が初めて登場したかと思います。エイズ教育と性教育は、重なる部分があると思いますが、性教育にはもう少し幅広い意味合いがあります。性教育はジェンダー平等につながる、相手の性の体の特徴を知って大事にして、お互い尊重する、それがあってこそ、避妊につながったり、その後の出産につながったりする、それも包括しての性教育というものが、根底として必要だと思います。そこで、教育と結びつけたものとしてエイズ教育と限定されることに、かなり違和感を覚えました。
細かいところはあるのですけれど、それは後ほどメールをいたします。以上です。

 

<岩田会長>
それでは、まだ手がたくさん挙がっているのですが、途中で退席される萩原委員は、ご発言はいかがでしょうか。

 

<萩原委員>
いろいろなご説明をいただいたので、ちょっと読み返しているのですが、事務局のご苦労を思うと、本当に大変だなと思いました。政治分野のところがどう書き加えられるかというのを期待しつつ、待ちたいなと思っています。
あとは性教育のこととか、他の委員の方がおっしゃったところはそうだなと思いながら伺っているので、改めて加えていただきたいことは、今のところ出てきていません。以上です。

 

<岩田会長>
もし退出する前に、発言されたいことがあったらどうぞ挙手して発言してください。それでは結斐委員お願いします。

 

<太田バークレイ委員>
二点、私から申し上げようと思うのが、資料1の2ページから3ページにかけて、「ジェンダー」と「ジェンダー平等」の部分なのですけれど、私が特に引っかかっているのは、「ジェンダー平等」の①のところで、「性別による平等、不均衡が社会的な構造に起因する」という説明が、「男女共同参画」という言葉と比較する対象で出てきているが、そもそも「男女共同参画」の意義として社会的な問題があるからやっているのであって、この①は「男女共同参画」も「ジェンダー平等」も同じなのではないかなというところがあって、「男女共同参画」との違いとしてここに焦点を当てるのは、実はそこは共通する部分で違いではないのではないかなと思ったので、そこを一つ申し上げたかったです。
二つ目が、資料1を見ていて下線が引いてあるところが追加されたところだと思うのですけれど、どういう取組をしていますという例を挙げてくださっていて、これはパブリックコメントの方にも分かりやすいと思いますが、私が思ったのは、この審議会が始まったときはもちろんそういう男女にフォーカスをあてることから始まったと思うのですけれど、これから「ジェンダー主流化」にフォーカスを当てるようになってくるのであれば、女性だけに対する施策にフォーカスするだけではなく、前回審議会でも説明してくださったように、県は男性に対するアプローチも行っていますし、環境を変えていくその空気を醸成していくという施策もたくさんやっていらっしゃると思うので、そういう女性や当事者だけにフォーカスするのではなくて、一緒に住んでいる方、一緒にこの社会を構成している人達、そのほかの当事者でない人にもこういう施策をやっていますというのを、一つのフォーカスを当てて順番に書き込む方がいいのではないかなと、全体としての印象があったところです。以上です。

 

<岩田会長>
二つ目の点は、重点目標1の施策の基本方向3「家庭・地域活動への男性の参画」という項目があって、そこは、男性にフォーカスを当てて、書いていただいています。それでもまだ不十分ということであれば、後日にメールでもいいのですけれども、どういうところに、どういう内容を入れたらいいのかというご意見があれば、足りないところを教えていただければと思います。

 

<太田バークレイ委員>
細かくなってしまうので、後でお送りします。

 

<岩田会長>
お願いいたします。それでは湯澤委員お願いいたします。

 

<湯澤委員>
 本当に丁寧な取りまとめをありがとうございます。3点ほど、気づいたところをご説明させていただければと思います。1点目ですけれども、先ほど白河委員からもご意見が出ておりましたけれど、やはり資料1の1ページ目の最初の「現状と課題」のところが、結婚、出産が前提となっているようなトーンが強く、またその雇用継続等の阻害要因がそこにのみ焦点が当たっている印象を与えかねないところが少し気になったところです。画面共用させていただきたいのですけれども、鈴木委員が労働力調査のことに言及していただいているのですけれども、神奈川県の労働力調査の結果から、県の非正規雇用者の比率を男女別で出してみました。15歳から24歳のところは、女性と、ここでは男性も高いのですけれども、女性の53.4%が非正規です。全体の中の非正規の率です。25歳のところは28.4%ですけれど、ここからどんどん上がっていって、65歳以上の非正規の女性の割合は73.6%となっています。この下の年齢階級毎に、上が65歳で、下が若い方なのですけれど、オレンジが女性で、ブルーが男性の非正規雇用率です。まず一つは、せっかくこのような県のデータがいろいろあるので、是非そういうものを、県のプランですので扱っていただければなと思います。逆に先ほどのご提案のように、正規の率も出せますので、それも活用できるかと思います。それで、何を言いたいかといいますと、一つは、やはり初職からですね、初職から非正規の人たちも含まれているのだということです。それは結婚、出産ということよりも、もっと構造的な問題があるということもありますので、是非、結婚、出産のみでない、構造的な問題というところも伝わるような現状の書きぶりがあるといいなと思いました。
2点目ですけれど、この若年層の部分と、前回も申し上げたのですけど、高齢期が貧困だっていうのはよく指摘されていますけれども、その前の時期ですよね。中高年期というか、壮年期といいますか、この辺りの部分が若干、この全体のプランの中だと、若年層のところにターゲットがあたるのは、性別役割分担の固定的な意識のところで意識啓発をしなければならないというのが出ているのですけれど、やはり若年層のところの、生活基盤や雇用の脆弱性というところも、神奈川ではその部分で取り組みがなされているところもあると思いますので、その辺りで一つ焦点を当てた方がいいのではないかと思います。その中高年期のところでいきますと、29ページの主要施策②に「高齢女性に対する支援」というのが入っているのですけれど、中高年齢層の女性に対してというところも、視点が必要かなと感じました。ちなみにもう一つ、グラフを作りまして、雇用者の中の有期と無期の女性の雇用者の割合は、どんどん年齢が上がるにつれて上がっていくのですね。65歳以上で有期の人が61.8%で、それから有期のうち1年以下の有期である人の割合というのがもう6割ぐらいいらっしゃるということでありますので、ちょっとこの辺りも少しデータとしても取り上げていただけたらと思います。
それから、性暴力、配偶者暴力だけではない他の性暴力の実態も取り上げていただきたいというところで、説明にあったように、28ページに、性犯罪・性暴力、アダルトビデオ等の文言は入れていただけているということで、こちらは確認いたしました。ただ、こちらも、やはり神奈川県の独自のデータがいろいろありまして、神奈川県警で、強制わいせつの発生状況等は、令和2年322件、令和3年305件ありますし、その中で、20歳代、10歳代の方が39.6%と高いですけれども、20歳代でも32.1%存在しているとか、そういった数値もありますし、神奈川県では、「神奈川県犯罪被害者等支援推進計画」においてこちらは取り上げられているということはありますけれども、もう少しデータとして、かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)に入れ込んで、読んだ人の意識啓発にできないかと思った次第です。そのような点では、35ページで、「子ども・若者に向けた意識啓発」の主要施策②「学校現場における基盤整備」というものが取り上げられていて、県立学校におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に取組むということが挙げられておりました。これは教育委員会で、県立学校のハラスメントの実態調査等もやられているようですので、神奈川県の取組の一つだと思うのですけれども、加えて、県の教育委員会は令和3年に「教職員によるわいせつ事案の根絶に向けた提言」を出しておられて、やはりわいせつ事案が根絶できないと、毎年度5件から8件程度が発生しているというところで、その要因分析をなされたりしています。この主要施策②に、職員によるわいせつ事案も含めた、教職員に対する取組もやはり必要だということも加えていただければと思いました。以上です。

 

<岩田会長>
まだご発言されていない方、矢作委員はいかがでしょうか。

 

<矢作委員>
説明ありがとうございました。プランについては特に意見はなく、関係機関との調整や取りまとめ作業も膨大な作業だったと思います。ありがとうございました。一つだけ、今後なのですけれども、今回新たに見直された考え方や視点、こういったものを県民の方ですとか、企業、市町村、あと県庁の中の職員の方もそうですね、関係団体等々と効果が生まれるような共有の仕方をしていくということが必要になると思います。事務局の皆さんも承知されていらっしゃるとは思うのですけれども、効果的な広報等をお願いできればと思います。以上です。


第11期第4回神奈川県男女共同参画審議会(その2)へ続きます。

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