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更新日:2023年7月5日

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第11期第1回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

第11期第1回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

[日時]令和4年6月28日(火曜日)10時00分から12時00分まで
[場所]オンライン会議による開催

〇事務局から、12名の委員中10名の委員に出席いただき、会が成立する旨を確認。
○委員及び事務局の紹介後、会長及び副会長を選出し、審議を行った。

 

<事務局>
ただ今から第11期第1回神奈川県男女共同参画審議会を開催します。当審議会の議長は、神奈川県男女共同参画審議会規則第5条により会長が行うこととなっていますが、本日は、第11期の初回の審議会ですので、会長選出までの間は、引き続き、事務局で議事の進行を務めさせていただきます。
議事(1)「会長及び副会長の選出について」ですが、規則第4条により、委員の互選により定めることとなっています。まず、会長の選出から行いたいと思いますが、どなたかご推薦いただけますか。

 

<鈴木委員>
今期の審議会につきましては、男女共同参画推進プランの改定作業中ということもありますので、これまで会長を務められ、毎回しっかりと議事進行してくださった岩田委員が適任と思いますがいかがでしょうか。

 

<事務局>
鈴木委員からご推薦がありましたが、他の皆様のご意見はいかがでしょうか。岩田委員にお願いすることでよろしいでしょうか。それでは、岩田委員にお願いしたいと思います。岩田会長、一言お願いできればと思います。

 

<岩田会長>
皆様からご指名をいただきましたので、前期に引き続きまして会長をお引き受けしたいと思います。男女共同参画推進プランの改訂作業は、既に前期から進めています。そして前回はプランの名称、基本目標、基本理念について、大変有意義な議論ができまして、それを踏まえて、事務局で案を作成していただいています。それ以降の改定作業は本日からとなりますが、新しいこの第11期の委員で、プランの改定について、最後まで審議を進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、これ以降は私が議事を進めます。次に、副会長を選出します。どなたかご推薦いただけますでしょうか。

 

<鈴木委員>
第8期から委員を務められて、前回の男女共同参画プランの改定等の経緯もよくご存知であり、審議会においても積極的にご発言いただいている白河委員が適任と思いますが、いかがでしょうか。

 

<岩田会長>
皆様いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、白河委員に副会長のご就任をよろしくお願いしたいと思います。白河副会長から一言ご挨拶いただけますか。

 

<白河副会長>
今回のプランは、大変チャレンジングなものだと思っておりまして、「ジェンダー平等」という文言が入りましたし、前回の議論も引き継ぎながら改定を進めることをとても楽しみにしております。皆様と一緒に、一層この神奈川県の男女平等参画とジェンダー平等について議論を深めて進めていきたいと思います。皆様の力が頼りです。是非よろしくお願いいたします。

 

<岩田会長>
それでは、これより審議を始めたいと思います。まず、会議の公開等について決める必要がありますので、事務局からご説明をお願いします。

 

<事務局>
当審議会は附属機関に当たることから、「情報公開条例」第25条により会議は原則公開となります。しかし会議を公開することにより、当該審議会の公正又は円滑な運営に著しい支障を生ずるおそれがあるときなどは、非公開とすることができます。
また、公開の際の傍聴については、「神奈川県男女共同参画審議会傍聴要領」に基づき実施します。なお、オンラインで会議を開催する場合は、傍聴希望者は前日までに当室に申し込みを行うこととし、傍聴者は別室から傍聴を行うことといたします。
また、会議録については、「附属機関の設置及び会議公開等運営に関する要綱」第9条に基づき、公開等を行います。

 

<岩田会長>
今のご説明について、ご質問、ご意見がある方はいらっしゃいますか。それでは、今期もそのように決めたいと思います。なお、特別に非公開とすべき議事の内容があったり、傍聴を認めるべきではない議事の内容があった場合には、審議会として改めて決定すれば、そのような取扱いも可能ということです。もしそういう事情が生じた場合については、改めて審議会にお諮りをしたいと思います。

 

<事務局>
本日は、傍聴希望者はいらっしゃいません。

 

<岩田会長>

それでは、議題の(2)「かながわ男女共同参画推進プラン(第4次)の改定について」に入りたいと思います。まず、事務局から説明をお願いします。

 

<事務局>
資料2-1、2-2、2-3、2-4、2-5に基づき説明。

 

<岩田会長>
資料2-1は既に議論が済んでおりますので、資料2-2から2-5まで事務局の案に対してご意見を頂戴したいと思います。議論が拡散しないように、資料ごとにご意見を頂戴したいと思いますけれども、他の資料も関係する場合は、他の資料についても触れていただくのは、一向に構いません。また途中で退出する予定の委員は、資料2―2から資料の2-5まで、是非まとめてご意見をいただいてから退出いただきたいと思います。それではまず資料2-2です。ご説明いただきましたように、これはいわゆる大項目、中項目、小項目の案と、そこに盛り込むこととなる主な事業についてですが、ご意見がある方は挙手をお願いします。井上委員どうぞ。

 

<井上委員>
防災分野について、大項目である重点項目1から重点項目3に移ったということですけれども、確認ですけれども、重点目標1はいわゆる女性活躍やエンパワメントに係る目標であるのに対して、重点目標3は、暮らし全般に関わるような目標です。こちらへ移すことによって、防災の現場に女性が入ってくるということはもちろんですけれども、それに加えて防災施策自体の男女共同参画の視点、ジェンダーの視点を促進する形で施策が展開されると理解して良いのでしょうか。主な事業のところは現在調整中ということですので、庁内で議論されているところかと思いますけれども、その辺りを確認させてください。

 

<事務局>
主な施策については、担当部局と様々な調整を行っているところでございますが、委員ご指摘の通りの考え方で結構です。

 

<岩田会長>

他の委員の方はいかがでしょうか。

 

<白河副会長>
防災分野についてですけれども、例えば、防災会議はどこの自治体も組織しています。その中に女性の委員がゼロの会議が日本全国をみるとまだたくさんあるのですね。三浦まり先生たちが作られた都道府県別ジェンダーギャップ指数の政治分野のところを見ると、防災会議の女性比率が高いと順位が上位に行くようになっています。女性委員がゼロとなっている防災会議をなくすといったことや、そういった数値の把握というのはできるのでしょうか。例えば、鳥取県と島根県はとてもこの数値が高いのですが、担当者に直接質問したところ、これは隣の県が高いので、ライバルなので頑張って、一軒一軒訪ねて歩いて女性の委員をしっかり入れてくださいと担当の方が説得されたという話でした。ですので、やろうと思えば数値は上がりますし、実際に女性の委員がゼロの防災会議と、1人でも2人でも女性委員がいる防災会議とでは全く違います。効果も高いので、そういった形で把握するというのはどうでしょうか。

 

<岩田会長>
今の点について事務局からお願いできますか。

 

<事務局>
市町村について、こちらの方で数字を把握できるかどうか、確認させていただきます。

 

<岩田会長>
では市町村について、状況を把握できるかどうかということは、後日ご報告いただきたいと思います。他にはいかがでしょうか。川島委員どうぞ。

 

<川島委員>
私はいわゆる「イクボス」の取組をずっと進めてきまして、神奈川県でも、黒岩知事にも出ていただいたイクボスの動画の制作などにも関わらせていただきました。「イクボス」というのはご存知の方もいらっしゃると思いますけれども、部下の私生活に配慮しながら、組織の成果を出す経営者や管理職という定義づけをしています。重点目標1からすべて、目標の大半が、上司や経営者、管理職の意識行動、ここにかかってくるのではないかと思っています。いろいろな法律、数字、政策を入れても、その上司や管理職、経営陣、特に男性ですが、ここの意識が従来のままであれば、絵にかいた餅、数字ありきになって心が伴わないということもありがちです。黒岩知事を中心に作っていただいたこの「イクボス」を、もっともっと、県内あるいは県庁内に広げていただくということを政策に入れたらいいのではないかと思います。繰り返しですけれど、いくら法律や規定を作っても、いくら数値目標を作っても、やはり男性上司や経営陣が従来の考え方のままですと、絵にかいた餅になりますので、そこの意識と行動改革つまりイクボスの推進というのは、全ての施策に対する肝になるのではと思います。

 

<岩田会長>
本日は、ご意見をできるだけたくさん出していただいて、事務局で、盛り込むもの、盛り込めないものを整理して、8月の素案として提示していただくことになりますので、質問にはお答えいただきますけれども、ご意見については、特に事務局からコメントをいただかずに、しっかり承っておきたいと思います。野村委員お願いします。

 

<野村委員>
二つありまして、一つ目は、前回、喧々諤々の議論を行って、「ジェンダー平等社会へ」という文言を基本目標に入れました。このジェンダー平等を実現していくということが、現状ですと、重点目標5に出てくるのですけれど、もう少しその他のところにも言葉として入れて、もちろんすべてを貫く土台であるということはわかっているのですけれども、随所に出てくることによって、初めて見る方もすべてが「ジェンダー平等」というもので貫かれているのだなということが、もう少しわかりやすく伝えられるのではないかと思います。例えば、重点目標4「子ども・若者に向けた意識啓発」にジェンダー教育を入れるなど、そういうふうに言葉として盛り込んだらどうかというのが一つです。
二つ目が、私は今全国の中小企業を取材していて、自治体からの働きかけで比較的効果があるのではと思う項目が三つあります。地元の中小企業支援という意味なのですけれども、一つはネットワーク支援で、研修等を通じて、経営者のネットワークを作って経営者同士が刺激し合うというような取組み、女性の、特に幹部クラスの女性のネットワークを作って支援するというような取組みです。二つ目は、個別に企業で何か動き始めようとするときにはお金がないということが課題となります。専門家の派遣、アドバイザーの派遣などに補助を出してもらえると、本当に小さな規模の会社は、それをきっかけにして動きやすいと思います。三つ目は、これはどこの自治体もやっていらっしゃいますけれども、アワードの受賞をきっかけに変わっていったという事例が少なくありません。県の働き方改革アワードの知事表彰を受けましたというのがわかりやすい例だと思います。まず自治体の賞を受賞することを目標にして頑張る、受賞したら、こんなに外部から評価を受けたのだからしっかりと取り組まなくてはということで、上層部の意識が変わる。そうすると、社内の意識改革に繋がる、若者の採用増にも繋がるのですね。応募してくる学生が増えた、特に女性が増えた、入社してきた人たちを見て、社内の意識改革がさらに進むという循環もあるという話を何社からも聞きました。全て自治体の施策に関わる話なので、ネットワーク支援と個別の働きかけの助成とアワードといったことも、中小企業に対する働きかけとしてご検討いただけたらと思います。


<岩田委員>
太田バークレイ委員お願いします。

 

<太田バークレイ委員>
私は苗字が長く、太田バークレイと申します。私は小さい頃から名前で「結斐さん」と呼ばれてきたので、そう呼んでいただけると私のアイデンティティにも合うのですけれども、そこはお任せします。
二つあって、一つは野村委員がおっしゃっていたことと関連するのでそちらを先に申し上げようと思うのですけれども、「ジェンダー平等」の言葉が第5次プランには入るということですけれども、私もそのメッセージはすごく大事だと思っていて、資料2-2の所々に散見されますが、不十分とは言わないのですけれども、もうちょっと他のところにもあればと思っています。例えば、重点目標3「男女共同参画の面から見た健やかで安全・安心なくらし」で、「女性」と言ってしまうと、女性の体を持って生まれてきた人に限定されてしまうという感覚があります。男性の身体をもっているけれど女性として生きている方、自分は女性だと思って生きている人にもきちんとサポートが届くような施策をすることや、そういうメッセージがきちんと発信されることが大事だと思っています。
今日が初めての参加ですので少し私のバックグラウンドを説明すると、私は30代前半で横浜育ちなのですけれども、去年の夏にロンドンから帰ってきて、ロンドンから帰ってきた時はパートナーも一緒に帰ってきたのですけれども、いろいろと日本の社会に衝撃を受けることがあって、そのショックを受けているときに公募委員の募集を見て応募したのがきっかけです。仕事はニューヨークの弁護士で、外資系の事務所で働いていて、それが私の発言のバックグラウンドです。
二つ目ですが、先ほど川島委員がおっしゃった経営陣の意識、法律でどのように規定されていても、実際にビジネスを行っている人の意識、マネジメントの意識が変わらないと始まらないというのはおっしゃる通りで、その経営陣に対するセミナーやトレーニングがすごく大事だと思っています。ただ、私の実体験からすると、特に日本のクライアントと話していて感じることは、新卒世代とか中堅世代への啓発、エンライトメント、若い世代に対する教育が余りにもなくて、いきなり経営陣になった瞬間に、こういう問題があります、こういうことを意識しなければいけませんとなって、そこのギャップが大きすぎて、若い世代に、例えば、女性のボスがいるとか、女性のボスで妊娠出産する人がいるという意識がない人があまりも多すぎるということを感じています。若い世代に対する、リーダーについて行くフォロワーとしての意識改革とか、そういうトレーニングもできるのではないかなと思います。

 

<岩田会長>

湯澤委員よろしくお願いします。

 

<湯澤委員>
三点触れさせていただきます。一点目ですけれども、重点目標3(1)「あらゆる暴力の根絶」ですが、①「配偶者等からの暴力防止」②「配偶者等からの暴力被害者への支援」となっていて、「等」という言葉をつけていることで配偶者に限定されてはいないですが、現場では、子どもからとかあるいはその他の家族からとか、その他にも、若者の間での暴力というような問題がとても深刻なものになっています。計画の本文も確認したのですけれども、その「等」の中に様々なものを含んでいると理解はできますが、若者や配偶者ではない人たちが見たときに、これは自分たちのことが入っているとは思えないだろうなと感じました。「かながわDV防止・被害者支援プラン」には、数値目標に「恋人同士の間で起こる暴力を「デートDV」ということについての周知度」も挙げていて、そちらの計画では、配偶者に限定されないところもきちんとカバーできていると思いますので、このプランでも、配偶者というような言葉に限定されない、より広いということが伝わるネーミングになるといいと思いました。
二点目は重点目標3(2)「困難を抱えた女性等に対する支援」①「ひとり親家庭に対する支援」です。目標値の入れ替えのことにも関わるのですが、新規の事業として、主な事業に「養育費確保支援の充実」がトップに挙げられています。もちろん養育費確保支援の充実というのは必要なことですが、そもそも日本の養育費制度が、本当に強制力がないといいますか、国の関与が少ない、低い中で、相談だけ受けても、確保というのは難しいのですね。今回の新しい計画策定では、コロナ禍で何に影響がもたらされて、どういう脆弱性が露わになって、それに対してどうしていかなくてはいけないかということも考えていくときに、ひとり親についてコロナ禍で露わになったのは、調査をやってみても、なお一層養育費というのは不安定なので、相手がコロナ禍で収入が減った、だから払わないということで、収入の安定源に全くなっていないのですね。そうしますと、数値目標でも、就業者数をカットしてしまってこれに入れ替えるということではなくて、やはりそもそも、ひとり親の生活費の安定をどう図れるのかということでは、やはり雇用や経済保障というところを見ていかなければならないのではないかなと感じています。
三点目は、重点目標3(3)「生涯を通じた健やかで生き生きとしたくらしの支援」で、新規事業として、②「男性の健康支援」に自殺対策計画に基づく取組が入っていて、これは重要なことだと思いますが、一方で、やはりコロナ禍で露わになったのが女性の自殺の問題です。男性に比べれば低くても、世界的に、国際的にみれば日本の女性の自殺率は高いという現実から考えたときに、今の計画では①「女性の健康に対する支援」では自殺のことに触れられていないのですけれども、コロナ禍を経た今、やはり女性のところでも自殺の問題は重要かと思います。

 

<岩田会長>
鈴木委員いかがでしょうか。

 

<鈴木委員>
三点ありまして、まず、先ほど川島委員から、男性の上司や管理職の意識改革というお話がありました。野村委員からも、アワードが効果的だというお話があったのですけれども、もちろんすごく大事で是非これからもいろいろな形でやっていただくのがいいと思うのですけれども、それ以外に、インセンティブというか、いろいろな数字を公表する取組みをもう少し広げていってもいいのかなと思っています。例えば、今度、女性の賃金格差が公表されるようになりますけれども、公表する仕組みや、評価に反映させるような仕組みづくりとか、そういうものがあると、やらざるを得ない、やらないととても恥ずかしい思いをするというようなことになるので、そうした取組も必要なのかなと思いました。男性の意識改革という意味では、女性の力を発揮するような施策をやりましょうというと、好意的に言ってくださる方が多いのですけれども、本当のところはどうなのか、本音の部分で考えると、表面的には良いことを言うけれども、内実はどうなのだろうと首をかしげるところも多々あるので、数値の公表などを行うことで、気持ちから変わらざるを得なくなるのではと思います。
二点目は、重点目標2「職業生活の充実とワーク・ライフ・バランスの実現」の主な事業の中に、調整中として幾つか項目が出ているのですけれども、女性の再就職とか、キャリアチェンジとか、起業とか、そういう項目も入ってくると女性の就業選択というところが広がってくると思います。
三点目は、重点目標5にジェンダー統計のことが書かれています。(2)「ジェンダー主流化とジェンダー統計の促進」ということでパワーアップされたものになるとは思うのですけれども、やはり統計でベースになるのは、男女別の数値の把握だと思います。性別について難しい問題を抱えている方もいらっしゃるとは思うのですけれども、少なくとも男女別の数値が見えなくならないように、隠れてしまわないように、きちんと取るべきところは取る必要があるのではないかと思います。

 

<岩田会長>
資料2-2について、さらにご発言ありますか。井上委員どうぞ。

 

<井上委員>
先ほど申し上げた繰り返しになりますけれども、防災分野の記載位置が移ったことで、事業の内容が豊富になってくるようにしていただきたいということを申し上げたつもりです。
それから、重点目標5(3)「進行管理」の主な事業に「市町村の男女共同参画施策の「見える化」など」とありまして、これは行政の分掌上、市町村が実施していることに県がバックアップをしていくためにも非常に重要だと思いますので、より実質的な形で進めていただきたいです。
さらに、今回の計画を進行していくにあたって、男女共同参画を所管している共生推進本部室が、ジェンダー主流化に基づいて、もうちょっと力を発揮してもいいのではないかと思います。そのことを神奈川県の施策として、ここに書いていただきたいなと思います。そのように思った理由は、県のかながわ自殺対策会議では「かながわ自殺対策計画」の進行管理をしていて、そこに私も委員として出席していますけれども、やはりコロナ禍での女性の問題、またそれ以前から、女性ないしジェンダー関係の施策が重要だということで、共生推進本部室も出席していただいて、もっと計画の段階から議論していただきたかったという気持ちがあります。もう少しジェンダー主流化ということを打ち出していくべきだとかながわ自殺対策会議に参加して感じたので、おそらく他の部局でも同様のことがあるのではないかと思います。ですから、県庁内の施策を進めるうえで、男女共同参画プランがどのような形で関わって推進していくかということを入れていただきたいと思います。

 

<岩田会長>
それでは結斐委員お願いします。

 

<太田バークレイ委員>
一つは、重点目標2で、先ほど川島委員がおっしゃった「イクボスの推進」について思ったことがあって、「イクボス」というとやはり男性の経営陣にフォーカスされがちだと思うのですけれども、私の周りの話を聞いていると、私たちのひと世代上の女性で、いわゆる男性のキャリアパスを通ってきた女性がいらして、意外とこの彼女たちの目が怖いと。ですので、「イクボスの推進」という時には、男性だけにフォーカスするのではなくて、上の世代は男性女性関係なく見る必要があって、その部分は意外と見落としがちなのかなと思いました。
もう一つは、同じ重点目標2(1)①「女性の就業支援」に「就職面接用スーツの貸出事業」があって、私の日本の就職活動に対するイメージでは、就活用のスーツを就活で使用したら終わりというイメージがあります。私がロンドンで仕事をしていた時には、いろいろなところで、女性も男性も、使わなくなった仕事用の服などを寄付してもらって、使いたい人の元に届くようにするという取組があって、それは寄付活動をやっている会社にとってはいいパブリシティにもなるのですよね。そういうパブリシティをやること自体にはお金がかからないし、企業にとって取り組みやすい政策かなと思います。
最後の一つは、重点目標4(2)「子ども・若者に向けた意識啓発」で、次の世代も取り込んだ意識改革とか、政策に反映することが必要だと思っていて、私を含めてここでディスカッションをしても、結局この恩恵を受けたり、影響を受けるのは次の世代であって、彼らの意見を取り入れないとどうしても不十分なのかなと思っています。どういう形であれ、彼ら、彼女たちの意見を組み込むシステムが必要なのかなと思っていて、教えるだけではなくて、向こう側からの意見を取り入れる双方向のシステムがあったらいいのではないかなと思います。

 

<岩田会長>
それでは資料2-2について、私の意見を述べさせていただきたいと思います。これまで審議会で発言したことが多いのですけれども、重ねて、そして他の委員の方が言われたことで、私もなるほどそうだと共感したことなどを、数が多いのですけれども、手短にお話をしていきたいと思います。
まず重点目標1(1)①の政治分野ですけれども、ここは是非、国の行動計画は随分強化されましたので、神奈川県のプランにおいても強化していただきたいなと思います。具体的にはまず、ジェンダー統計の整備と情報発信だと思います。例えば、首長や市町村議会の議員の男女比率、もし政党別が取れるようであれば政党別の男女比率、選挙ごとに候補者に占める女性比率、結果として当選した方の女性比率等、そういう情報をしっかり集めてそれを発信するというのを是非やっていただきたいと思います。あわせて、各議会や各政党が、女性の候補者を発掘したり、議員が活躍しやすいように、どういう取り組みをしているかということについても、情報を集めてそれを発信する。これは無理なくできることではないかと思いますので、主な事業のレベルで盛り込んでいただきたいと思います。
それから重点目標の2(1)④「就業環境の整備」に該当するのでしょうか、男女間賃金格差の問題について、県として何ができるかということがあります。一つできるのは、県の条例に基づいて届出調査をしているのですけれども、その調査の中に、男女間賃金格差の項目を追加していただいて、それを集計して、その結果を何らかの形で活用するということがあると思います。また次の資料に出てきますが、参考指標になっている男女間賃金格差を、是非目標値に移していただいて、しっかり状況を把握するということが考えられるかなと思います。
次に、重点目標3(2)⑤「生活困窮者等の自立に向けた支援」がいちばん関係するかもしれませんし、その上の(1)「あらゆる暴力の根絶」にも関係すると思いますけれども、県の一時保護施設、DVセンターのあり方の見直しですね。売春防止法に基づく施設という位置づけが出発点でしたが、それ以外の、自立に困っている女性たち、ドメスティック・バイオレンスが原因の方もいれば、それ以外の方もいらっしゃると思うのですけれども、自立が難しい方の自立支援のための施設でもあります。売春防止法に基づく施設であった時代の考え方をひきずっている面がありますので、施設のあり方と、県が持っている施設のあり方をこの5か年の中で検討することを、国の方でも検討していると聞いておりますので、それを是非この主な事業の中に書いていただきたいと思います。
次の項目は、重点目標3(2)⑥「性的マイノリティLGBT等に対する支援」で、主な事業として、県としてのパートナーシップ協定を次の5年間の計画の中で検討する、そしてそれを受けて県内の市町村にも普及していく、これを是非書いていただきたいと思います。
そして、重点目標5(2)「ジェンダー主流化とジェンダー統計の促進」ですが、井上委員をはじめ何人かの方がここについて述べられまして、いずれもその通りだと思うのですが、私はそれに追加して是非やろうではないですかと言いたいのは、県庁内に様々な行動計画やプランがあると思うのですが、それらの案の段階で、県男女共同参画審議会が、つまり、私たちが意見を付すという、そういうプロセスを是非導入していただきたいと思います。これはとても大きな、力仕事だと思います。それぞれのプランはそれぞれの部局、それぞれの会議で検討してそちらに責任と権限があるので、県男女共同参画審議会が意見を言ったことがそのまま通るという、そういう位置付けではないかもしれませんけれども、県男女共同参画審議会として見て、ここが欠けているとか、ここはちょっとおかしいとか、そういうことで特に意見を言わなければいけないものについては意見を言うということを是非やらせていただきたいなと思います。
それから、最後に、どこに入れていいのかわからないのですけれども、これまでの審議会の審議で、情報提供の仕方、啓発活動、教育の仕方が、どうしても従来型の、例えば、対面だけでオンラインのチャンスがないとか、あるいはツールとしても、チラシを配ったりという従来型であって、SNSを使うのもまだまだということで、もっと若い人たちが日常的に使っている情報ツールを行政も取り込んで、情報提供や啓発活動の中で使っていくということも、是非どこかに盛り込んでいただきたいと思います。私からは以上です。
それでは、もしまた時間が余れば、最後に、全体についてご意見を頂戴したいと思いますが、次の資料2-3の目標値、2-4参考数値について一括して議論をしたいと思います。ご意見のある方お願いいたします。川島委員どうぞ。

 

<川島委員>
資料2-3①「管理職に占める女性の割合」とか②「県の審議会等における女性委員の割合」、④「男性職員の育児休業等取得率」についてですけれども、まず、どうしてこんなに目標値が低いのかということが一つです。国の目標値よりも低かったり、先行している自治体よりも圧倒的に低かったりするということが、ちょっと理由がわからないなと思います。私も、県よりも市が多いのですけれども、千葉市や北九州市でかなり深く関わっていまして、千葉市は男性の育児休業取得率が90%を超えているのですよね。10%とか20%ではなくて90%を超えているのですね。それから千葉市と北九州市両方ですけれども、女性の審議会の委員の比率も5割を超えています。三重県や佐賀県などは県レベルでもそれなりのいい数字が出ています。やればできるので、なぜこんなに目標値が低いのか、何かしら理由があるから低いのだと思うので、それを可能であれば説明していただきたいし、理由がないのであれば、もっと高い目標値を設定してもいいのかなと思います。数値目標は設定するべきじゃないという意見も時々耳にするのですけれども、数値目標を設定しないでも達成できて、それなりに男女平等が進んでいたらいいのですけれども、目標を設定しないと進まないというのが実態なので、本当はクォーター制のように法律化してしまうのが一番いいのでしょうけれども、クォーター制のような法律化は難しければやはり数字を打ち出すというのが、男女平等を進める上でも大事かなと思います。

 

<岩田会長>
今日の段階では、「管理職に占める女性の割合」「「県の審議会等における女性委員の割合」「男性職員の育児休業等取得率」の目標が非常に低いので、思い切って上げるべきだというご意見として承ります。それでは湯澤委員お願いします。

 

<湯澤委員>
重点目標3の参考数値に「県配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数」、「配偶者暴力防止法に基づく緊急一時保護件数」が位置付けられていますけれども、DVや女性相談に関して見えないところが、市区での働きなのですね。「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」も成立しましたけれども、市区で婦人相談員が設置をされている、女性福祉相談員など名称は様々ですけれども、実はそこが今後は要になっていくはずで、そこでの相談件数というのはどこにも出てこない状況があり、そこにアプローチする必要があるのではと思います。
また、ひとり親家庭については、やはり養育費に係る数値目標のみならず、雇用に係る数値目標が必要だと思います。「母子家庭等就業自立支援センター事業の就業者数」が第4次の目標値に入っていましたが、就業者数だけではなくて、正規の人が何人だったかということがとても重要で、むしろそこのところを表に出していただけたらなと思いました。

 

<岩田会長>
白河副会長お願いします。

 

<白河副会長>
先ほど川島委員が言われた④「男性職員の育児休業取得率」の目標数値が低いということですけれども、これに加えて、何日取得したかということも是非把握していただきたいです。ほとんど5日以内ということになっていますので、こちらも是非お願いしたいと思います。
それから、配偶者間の暴力に関しては記載があるのですが、事業所、働く現場のハラスメント、セクハラとかですね、そちらの把握の数値というのはここにはないのでしょうか。
それから全体に関してですが、先ほど岩田会長がおっしゃったように、全てのプロジェクトに対して男女共同参画の所管部署が何らかの意見を申し述べることができるというのは、まさにジェンダー主流化の一つの方法としてすばらしいことです。そのやり方の一つとして、この前台湾の方にヒアリングしたところ、すべての公のものは、どんな委員が、どういう議員が、どういう人たちが関わってその施策をやるのかということを、男女比率を公表することになっています。男女比率を公表するだけではなくて、その男女比率が悪いと思ったら、例えば女性の委員が1人もいなかったりした場合は、駄目出しができるのですね。そういったような、事前に、計画が進行する前に、全然女性が入っていませんよねとか、イベントやシンポジウムに一人も女性がいませんよねとか、そのように事前に是正できるような仕組みがあったらいいなと思いました。

 

<事務局>
ハラスメントの統計については、参考数値⑯に、「かながわ労働センターにおけるセクシャルハラスメント相談件数」を位置づけています。

 

<白河副会長>
男性の育児休業取得日数の位置付けはないのですよね。

 

<事務局>
男性の育児休業取得日数は、現在位置づけがございません。

 

<岩田会長>
男性の育児休業取得日数は条例に基づく届出では把握していますよね。県内のデータはありますね。

 

<福田かながわ男女共同参画センター所長>
把握しております。

 

<岩田会長>
次に井上委員お願いします。

 

<井上委員>
目標値は本当に大切だと思うので、丁寧に見ていく必要があると思っています。私は神奈川大学の法学部に今おりますけれども、DV施策を研究しております。先ほどDVの相談件数の話がありましたけれども、その相談件数をどこでカウントするかということが、日本全国定まっていない状態にありますので、調査をするときには、何をどういうふうに、どこでカウントしていくかということを見ていかないと、実態の把握にならないことが多いのですね。それはこれまでの施策の流れから仕方がないところも多々あるのですが、調査をし、それを目標値にするわけですから、丁寧にそのあたりは見ていかなくてはいけないと改めて思いました。市町村で把握しているものも含めてということですし、そもそも相談できない人たちをどのように捕捉していくかという施策の展開にも繋がっていくところだと思うので、丁寧にお願いしたいと思います。
もう一つは、白河副会長と同じで、育児休業を取得したといっても、3日などであれば、それは育児休業なのかということも含めて、せっかくかなテラスで把握されているのでしたら、きちんとクロスされるような形で、実質的な目標値にしていただきたいと思います。

 

<岩田会長>
野村委員お願いします。

 

<野村委員>
事務局に質問なのですけれども、県民ニーズ調査はかなり重要な質問が多いですが、かながわ男女共同参画プランの目標設定に間に合うような形では調査をしていないのでしょうか。といいますのも、例えば、④に記載の「6歳未満の子どもを持つ夫の育児・家事関連時間」は社会生活基本調査を元にしていて、国の調査が5年に一度というのは致し方ないのですけれども、これは男性の家事・育児参加の実態を示す極めて重要なデータなので、もし県民ニーズ調査で定点観測をしているならば、それをベースとして、国の調査もにらみながら、目標設定をするということはできるのではないかなと思います。
同様に、⑯に記載の「「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方について「そう思わない」18~29歳の人の割合」は、全体だけではなくて若い人がどう思っているかという、これも極めて重要な意識調査なので、母数が少ないために見直しというのは残念な理由であり、何か代わりになるような指標はないかなと思います。
それから、参考資料についての資料2-4の欄外に「男女の平等感」という参考数値が今回設問数を削減されてしまったというのも、これも重要な指標だと思うので、何か代わりになるような参考数値がないかなと思います。
県民ニーズ調査のタイミング、あり方、絡め方について事務局に教えていただきたいと思います。

 

<岩田会長>
県民ニーズ調査について事務局からご説明いただけますか。

 

<事務局>
県民ニーズ調査は、全庁で希望する調査項目を出して、その中から一定数を選択して調査を実施するものです。当室の希望した設問が必ずしも採用されるわけではないという前提になります。そういったこともあって、先ほどの「男女の平等感」という項目は、調整の過程で設問数を制限される中で、調査できなかったという状況です。また、「6歳未満の子どもを持つ夫の育児・家事時間」ですが、県民ニーズ調査自体が意識を調査するものですので、時間数等について設問を作って調査項目とすることができません。この数字を、代替として県民ニーズ調査によって毎年把握することは、今の県民ニーズ調査の手法では難しい状況です。

 

<野村委員>
男女共同参画推進プランは、5年に一度見直しというスケジュールが決まっているので、改定に合わせて男女共同参画に関する調査を行って、重要な項目は定点観測して推移を見て目標に組み込む、今後の課題として、そのような調査があってもいいのではないかと思います。

 

<岩田会長>
重点目標5のジェンダー統計の整備の観点から、そちらの方に盛り込めないかということはあるかもしれませんね。それでは結斐委員お願いします。

 

<太田バークレイ委員>
資料2-2の議論の際に、自殺者の数とか自殺防止に向けた取り組みにも注目すべきだというご意見があって、自殺者の数については目標値があるのですけど、そこまでいってしまっては遅くて、その前の、カウンセリングのサポートや、鬱病なりその前の段階に対してのサポートがキーだと思っています。参考数値㉜「「こころに不安や悩みのある人がいつでも相談できるなど、自殺を防ぐ社会づくりが行われていること」の満足度」で、2020年度の実績値が6.8%と、数値はあるのですけれど、実際に、そういうサポートに日本なり神奈川なりでもっとアクセスしやすいシステムができて、そういうサポート件数の数値が上がればいいなと思って、アイディアとして申し上げました。

 

<岩田会長>
鈴木委員よろしくお願いします。

 

<鈴木委員>
二点ありまして、白河副会長や他の方からも育児休業を取得する時の日数が大事だというお話があって、それは出典を見ると人事課で調査されているのかなと、県民ニーズ調査とは違う性質のものなので把握しやすいのではないかなという印象を受けました。ですので、これは、併せて情報提供いただけるように働きかけるのがいいのかなと思いました。
それから、いろいろな参考数値が、神奈川県の部局が実施している調査や、国や公的機関が実施している調査を元にしているものが多いのですけれども、かながわ女性会議をはじめ、実績のあるNPOの方々もいろいろな現場レベルのことを把握していらっしゃるのではないかと思うので、そういう方々が把握しているデータや声を反映する仕組み、信頼できる機関と連携しながらデータを補充する仕組みがあってもいいと思います。

 

第11期第1回神奈川県男女共同参画審議会(その2)へ続きます。

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