• シングルマザーさきさん(仮名)
  • 40代県内在住
  • 建築関係の職場で働く
  • 高校三年生と一年生の男の子の子育て奮闘中

職業技術校で学んで

  • さきさんは県の職業技術校で学ばれたそうですが、学ぼうと思ったきっかけはなんでしょうか?

(さきさん)「そうですね、前職は工務店で、主に監督、設計士さんをサポートする仕事をしていて、戸建てやアパート、木造の建物が面白いなと思い、建築CAD※1を学んでみたいと思いました。」

第7回レポート写真1

「雇用保険を活用しながら仕事を探してハローワークに通っているときに、職業技術校があること、入校者募集時には、ひとり親家庭優先枠があることを知って、本当は1年コースに通いたかったのですが、若年(34歳以下)の人が主な対象だったので、私は半年コースを選びました。」

  • 職業技術校を選んだ理由はなんですか?

「見学会や説明会に参加して、校舎がきれいだったのと、先生方のサポートが万全だということを聞いて入校しました。」

  • 通校しているときに、子育てと勉強の両立などでご苦労はありませんでしたか?

「通校時間が1時間半以上と長かったので、朝は子どもより早く家を出ることもあり、慣れるまで苦労はありましたが、子どもは当時高校2年と中学3年になっていたので、そこまで大変ではありませんでした。いい子たちで素直に育ってくれていて、家事など色々手伝ってくれるので、とても助かっています。」

「家のパソコンで子どもたちと一緒にAutoCAD(オートキャド)※2Illustrator(イラストレーター)※3などが使えて楽しかったです。
授業では建築CADだけではなく、平行定規※4を使って手書きで図面を書き上げたりもして、すごく充実していました。とにかく、すべてが楽しかったです。」

建築という仕事について

  • 今の職場はどのように選びましたか?

「修了後、職業技術校の先生に紹介をしていただいて、こちらの会社に就職できました。」

「入校する前から、現場監督や設計士の資格を目指したいと思っていたので、その気持ちを持ち続けながら、ここで仕事をしています。
設計士の受験資格が実務経験7年以上必要で、前職で5年、プラスあと2年あれば受験することが可能なので、そういうことを視野にいれて就職させていただきました。」

第7回レポート写真2
  • 以前の職場と比べて、変わった点はありますか?

「以前の職場はパート勤務でしたので、それと比べるとボーナスや残業代も支給されるので、経済的にはとても良くなったと思います。経済的な余裕ができたことは、気持ちの余裕にも繋がっているかなと思います。」

将来に向けて

  • 将来に向けて頑張っているご自身について、お子さまたちはどう思っていらっしゃったのでしょう?

「『頑張りな』と言ってくれています。仕事を決めるときも、こういう仕事で、このような生活になるよという事をきちんと子どもたちへ話すようにしています。まずはそれを受け入れてくれる子どもたちなので、とても助かっていますね。」

「また、姉が近くにいて、サポートしてくれるのも助かっています。就職を決めるときも相談したら『いいと思うよ』と後押しをしてくれました。」

  • 夢や目標、やりたいことはありますか?

「夢ですか。できればの話ですが、設計士を目指したいと思っています。みんなが住みやすい家の設計やプランニングができたら楽しいなと思います。」

  • お話を聞いていると、とても生き生きとされてらっしゃるように感じます。

「そうですか?夢は大きく持っていたいです。」

  • お子さんと一緒にしたいことや、一緒にかなえたいことはありませんか。

「子どもたちも大きくなってきて、長男、次男ともに今後大学に進学して、それぞれに目標があるようなので、それを叶えてあげたいと思っています。大学の学費などかかってくるので、これからも頑張っていきたいと思っています。」

  • ひとり親家庭のみなさんにメッセージはありますか?

「いまはひとり親が多い時代でもありますし、自分一人でかかえこまないようにしてほしいですね。一人で頑張りすぎず、適度に、人に甘えたりしてもいいんじゃないかと思います。」

ありがとうございます。さきさんの益々の活躍を期待しています。

インタビューで紹介した支援制度

神奈川県の職業訓練(職業技術校)
さきさん(仮名)が訓練を受けた「建築CADコース」など、訓練期間が6か月のコースと一部の1年間のコースは授業料が無料です。また、全コース募集定員の約1割に「ひとり親家庭優先枠」を設定しています。
なお、雇用保険受給資格者で、一定の条件を満たす方が、ハローワークの受講指示により入校された場合、手当が支給されます。
また、雇用保険を受給できない求職者の方で一定の条件を満たす方については、職業訓練を受講中に給付金が受給できる「求職者支援制度」があります。

  • ※1CAD(ComputerAidedDesignの略で、コンピュータによる設計支援の意味)
    建築CADは、建築用図面を書くソフトウェア
  • ※2AutoCAD
    CADソフトの一種
  • ※3Illustrator
    イラストや図面、広告、パッケージなどをデザインする描画ツールソフト
  • ※4平行定規
    製図板上に平行に上下する定規を備えた製図台